五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2018年01月17日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2018年2月号

 

 今月の『僕らはみんな河合荘(最終回)』感想はこちら
 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら

 表紙は、最終回を迎えた『僕らはみんな河合荘』
 これまでの物語を振り返るような気分で、万感胸に迫る思いであります。

 

 

 なお、先月号の表紙と合わせて一枚絵になっていますが、
 今月号には、ピンナップとして拡大版が付いて来るのでお得です。
 ちなみに裏面は、貞本義行先生のイラストなので、お得感2倍!

 
 
 

 『ますらお 秘本義経記』 (北崎拓 先生)

 義経出陣前、夜中にどこかへ出かける静さん・・・を怪しむ萌子さん。

 他に男がいるのかもと疑う萌子さんですが、そのことを義経への裏切りだとしたら
 許せないと考えている点は、微笑ましく感じられましたね。
 そして、弁慶さんと共に静さんを尾行するのですが・・・

 まさかの真相に驚きつつ、そこで静vs萌子の様相から、2人の義経への想いが
 しっかりと感じられる流れになっていたのが、厳かな空気を生み出していたことに
 感服でありました。 2人の想いが義経を守るなんて、ロマンですね~。

 

 『MUJIN』 (岡田屋鉄蔵 先生)

 襲撃をしのいだ後の八郎さん・・・

 田之助さんは、鎌さんによると評判の悪い男のようですが、実際に見るのと聞くのでは
 大違いというあたり、人の噂なんて当てにならないものだと感じさせられます。

 そして、攘夷派である入沢さんを呼んでの話し合いが、単に攘夷派けしからんという
 話にならなかった点には、八郎さんたちの冷静さを印象付けられて、好感持てますね。
 党派ではなく、人間を見ている八郎さんの目の確かさが、頼もしくてよかった。
 幕府の置かれている立場や、その行動への理解の高さからも、知性があふれています。

 

 『鬼を飼う』 (吉川景都 先生)

 今回は、司くんのお話。

 四王天さんの留守に見てしまった手紙に書かれていた、鷹名くんを奇獣商にする
 という話に衝撃を受けつつも、四王天さんが黙っていることを自分が伝えてしまう
 リスクを考え、悔しがりながらも堪えるあたり、立派でしたね。

 そして、鷹名くんと標本室にいる奇獣に対処しますが、危機に陥る彼を助ける司くん。
 だからこそ、鷹名くんは司くんのことを親友だと確信しているし、逆に司くんも
 鷹名くんを放っておけないという良い関係になっているのが、良いですね。
 さらに、四王天さんの覚悟を迫る言葉にも動揺しない司くん、カッコよかった!

 

 『アオバ自転車店』 (宮尾岳 先生)

 コミックス『アオバ自転車店へいこうよ!』1巻は、1月30日・発売!

 そんな今回、折りたたみ自転車を受け取りに来たヨリコさんの友人・マナミさんが、
 はじめ全く興味を持たなかった折りたたみ自転車の魅力に目覚めてゆく過程が
 面白かった。

 なぜ折りたたむのか? 持つと重いなどの面倒くささに、否定的だった彼女が、
 コンパクトで軽い「ダヴ・プラス」に出会ったことで、新しい世界を切り拓く様子は
 爽快で楽しいものでした。 下り坂を安全に走るコツも、勉強になりますし(^^;
 入り口は楽に、かる~くゆる~くというのも、大事なことですよね。

 

 『ざせつ男とまんが少女』 (石田敦子 先生)

 ついに、ざせつ男が再起動・・・?

 友人に、あかりさんの本の委託を頼んだことから、先生も描くものだと思われ、
 それでも描こうとしなかったものの、深田さんやあかりさんに描くよう迫られたり、
 過去の作品を引っ張り出したりするうちに、前向きになってゆく所が微笑ましかった。

 そして、あかりさんにアニメ作業の話をする先生が、吹っ切れたことを感じさせます。
 鉛筆の線1本を描くという大きな一歩を、あかりさんと噛み締める様子に、しみじみ。
 「まんがの共犯者」となる先生が、挫折したことで「ここにいる」と考えているのが、
 何かしらの希望を抱かせる心地よさ・・・ いざ戦場へ! というのに、次回最終回!?

 

 『ミズハコセカイ』 (七竈アンノ 先生)

 流くんに、フルートを教わることになった杏優さん。

 そのことを学校で友人の未実美さんに話していますが、彼のことを好きか聞かれて、
 単なる「弟子」だと照れもなく言っていたのは愉快でありました(^^;
 未実美さんは深読みしているようですけど、はてさて・・・

 そして実際のレッスンは、見事な演奏をする流くんに杏優さんが感激したり、
 的確な助言に驚いたりと、いつもと立場が逆転するかのようなやりとりが、
 より楽しかったですね。 こうした補い合う関係って、良いかも。

 

 『おばけ道』 (小野寺浩二 先生×石黒正数 先生)

 守護霊はいるのか?

 3人の占い師さんに見てもらい、真偽を確かめる企画ということで、面白かった。
 それらしいことを述べる占い師さんたちであるものの、視えているものは別々。
 そのため、守護霊はいないのかと考えつつも、石黒先生の論により保留となって笑!
 まあ私は、わからないことはわからないとする立場なので、わからないですけども。

 ただ、ホッシーさんに関しては興味深いことになっていて、そのおかげで2人にも
 霊が視える可能性が出てきたようで、楽しくなってきた~・・・と思ったら、
 次回で最終回!? ということは、視えたら終わる本作のフィナーレは・・・?

 

 
 【今月のピックアップ!】
●師匠シリーズ (原作:ウニ 先生/漫画:片山愁 先生)

 

 死とは賭けである・・・

 師匠をつれて、パチンコ屋へやって来たうに君。
 やっているのはパチスロですけども、作法のわからない師匠に振り回されたり、
 互いにうるさくしながらも、妙に楽しい時間が過ぎていたのが面白かったですね。

 それはともかく、パチンコの勝ち負けの話から、ギャンブルのリスクの話へ、
 そして、近くのビルから飛び降りがあったことから「死」の話へと、
 話題が展開してゆくのは興味深かった。

 「死を選ぶということは賭けだ」と述べる師匠。
 死んでしまえば苦しみから解放されるはず、と考えるのは「無意識の賭け」だと、
 パスカルの言葉を引きながら説明する様子に、空気が冷えるのを感じさせられます。

 「神」や「死後の世界」は存在するのか?
 それらの問いにおける賭けのリスクの軽重が、祝福か虚無かを分けるといった内容に
 引き込まれますね・・・

 「そんな人間は天国やあの世と呼ばれるようなところへ行きたいと思って死ぬんだろうか」
 死後の祝福を得るために死ぬのか? その先を信じているのか?

 そうではないだろうと言う師匠の言葉からは、根源的な恐怖を感じられるかのよう。
 しかし、やはり、人は師匠の語る“そこ”を求めて死を選ぶのだろうという気はします。

 闇に潜む「あれ」については、私は何とも言えませんけど、
 死を選ぶまで追い詰められた人間の求める場所に関しては、同感と言わざるを得ません。
 だって死後の世界が何にせよ、まだ続くのかと思ってしまうのは、絶望に等しいですから。

 などなど、死を選ぶという話から、その後を考える内容だった今回。
 その思索が非常に興味深く、かつ人にとっての重要な命題でもあるかのようで、
 読みごたえがありました・・・ なんて感じつつ、今後も楽しみです!

 


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