2010年12月号
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●だって愛してる (むんこ 先生)
最・終・回ー!!!
最大の危機をのり越えたと思ったら、もう終わってしまうだなんて・・・
ただ、「だって愛してる」という言葉の意味を、確かに感じられる前回の話は、
この物語のシメにふさわしいものだったのかもしれません。
ゆえに、後日談とも言える今回の話からは、その先=「未来」のようなものを感じます。
雄二くんと街子さん、2人の子供「木の葉」ちゃんは、いわば未来の象徴。
初めてのはずなのに、初めてではない印象の登場です。
目は父親に似ていますけど、中身は母親似かな?
木の葉ちゃんを中心にまわる寺田夫妻と、その周囲の人々。
そんな環境に、穏やかであたかかくも、たくましい人々の息づかいを感じます。
八百屋の菜々子さんも、お腹大きくしていますけど、それを見るご両親の想いには笑った!
畑中先生にとって、木の葉ちゃんは「孫」みたいなものなんだろうな~・・・祖父バカだ。
街子母にとっても孫だけど、この人もそーとーな祖母バカになりそうですねえ(^∇^;
そして、商店街の人々の中で【ザ・幸せ】気分を味わう寺田親子。
慣れない空気に居心地悪そうな雄二くんだけど、そんな感覚ですら
「幸せ」であることの証・・・と言えなくもないのかもしれません。
ラストの2人のやり取りからも、「通じ合っていない」ちぐはぐさがありつつ
「でも幸せなんだ」という雰囲気が、静かに感じられて良いのですよ。
まさに「だって愛してる」という言葉のまま。
この「だって」という言葉の不思議さが、たまりません。
多くの場合、「だって」や「でも」なんて言葉は言い訳として使われるもので、
ネガティブに語られてしまうもの。
それなのに、「だって」のあとに「愛してる」がつづくことで、
この言葉はポジティブな肯定を強調するものになっています。
それは、どんな困難があっても、それでも一緒にいることへの大きな理由付けなのです。
「甲斐性なし」と言われるような男性と、共にいたいと願う街子さん。
「不幸にしてしまうかもしれない」女性と、共にいたいと願う雄二くん。
2人の奇跡の合言葉は「だって愛してる」。
不幸すらつつみ込むその魔法の言葉は、あらゆる困難に対する無敵の力。
誰に何を言われても、その言葉があるかぎり、2人の絆は分かち難い。
奇跡の言葉とともに生まれた、愛しき娘とともに、彼らはこれからも生きてゆくのです。
・・・な~んて、ちょっと真面目に語っちゃたりしましたけども、
そうした感慨を覚えた最終回でありました。
そして全体を通して見ても、笑いと共に何かしら感じるものがある素晴らしい作品でした!
むんこ先生作品は、他社作品2つも次々終了してしまっていて、
どんどん減ってゆくのではないか?と不安でありましたが、
「新作もお楽しみに!!」と書いてあるので大丈夫ですよ・・・ね?
コミックス3巻は、2月7日発売とのことで楽しみです!
もう1度言いますけど・・・素晴らしい作品でありました!!
●みそララ (宮原るり 先生)
今回は、棚橋兄妹話!
スズがハリセン博士になった過去が明らかに?!
麦みそさん、生活情報誌の読者投稿をまとめるお仕事で、
「我が子との忘れられない思い出」を読みながら、1つ1つ感涙にむせんでおります。
感受性が豊かですね~。
そんなところも魅力ですけど、いちいち感激してたら疲れますよ(ぉぃ
その投稿写真を見た棚橋さん、うちの妹も小さい頃は・・・と妹自慢を始めました(^^;
「ハリセンによって育まれる兄妹愛」って・・・なんぞ?
10年前、棚橋さんと上の妹・ヒロさんとのケンカ(?)は、
ヒロさんのこぶしで棚橋さんがなぐられるというカタチで行われていたようですね。
ゆえに小さなスズちゃんが、ハリセンなら痛くなさそうということで、ハリセン作るという流れ。
ここで面白いのは、スズを中心として棚橋さん・ヒロさん2人の気持ちが、
ローになったりハイになったりしていたことですね。
まず棚橋さんが落ち込み、でもスズの真心で復活・高揚。
次にヒロさんが落ち込み、でもスズの優しさで復活・高揚。
2人とも、スズの行動や想いに振り回されているのだけど、むしろそれが幸せという感じ。
ハリセン使うシーンが、爽やか和み系のボケ・ツッコミ空間で面白すぎる!!゜(*゜´∀`゜)゜
しばらく笑いが止まりませんでしたよッ!
スズの純心が「喜び」に結び付いている感覚も、良いのですよね~。
「ハリセンはスズの愛」
そう嬉しそうに語る棚橋さんの兄心も、わからなくないな~・・・なんて思ったりも(^o^;)
そして、そんな話を聞いて、子供エピソードにこめられた家族の想いを感じる麦みそさん。
仕事である以上は「常にそこまで意識していられない・・・」と考えつつも、
「忘れないようにしたい・・・」という想いをいだく彼女の人柄に、
何だかあたたかい安心感を覚えます。
そこからつづく最後の言葉も、「文」を重んじる彼女の、
そしておそらくは宮原先生ご自身の、ポリシーというか心構えのようなものへつながる
真摯な姿勢なのだろうなと感じました。
次回からのお仕事は「インタビュー」ということですけど、
「質問」や「受け答え」って想像以上に難しいものですよね~。
そこらへん、どのように描かれるのか・・・楽しみです!