五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2018年04月19日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2018年5月号

 

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 今月の『ドリフターズ』感想はこちら

 表紙は、『無尽』より、伊庭八郎!
 ・・・ですが、いつもと装いが違っていますね。
 これが未来の姿と思うと、晴れやかであると同時に寂しい気分かも。

 また、ネットでは『僕らはみんな河合荘』の聖地巡礼の話題なども。
 「僕らはみんな河合荘」モデルとなった岐阜市が聖地巡礼マップを作成・配布
 

  

 『ますらお 秘本義経記』 (北崎拓 先生)

 知盛の計略による罠にかかった義経たち・・・

 ということで、攻勢から一転ピンチになり、さすが知盛といった周到さで、
 少数の義経軍は、多数の平家軍の前になすすべなし・・・ではあるものの、
 知盛にも焦る理由があるようで、このあたり気になる所でありました。

 そして、指揮官・教経の狙うは義経の首。
 菊王丸は義経の顔を知らないとのことで、その特徴を伝えられていましたけど、
 なるほど、これが誤認を生んで、別の悲劇へつながる布石になるわけですねえ・・・
 一方、捨て石とされた那須家ですが、それでも神器を届けようとする日々子さんも、
 どうなることかと気になります。

 

 『MUJIN』 (岡田屋鉄蔵 先生)

 伊庭八郎 vs 山岡鉄舟!

 こんな剣豪同士の勝負が拝めるとは・・・ということで、緊迫ムードが漂います。
 しかし、2人とも微動だにせず、互いに出方をうかがっていると思いきや、
 三橋先生によると、動かないまま戦いをイメージして“戦っている”状態だとか。

 ゆえに消耗激しく、山岡さんは汗をかき、八郎さんは汗をかかないものの限界近い。
 そして、鳥の鳴き声をきっかけに緊張状態は解け、一気に打ち合いを始める2人。
 その激しさにはすさまじい迫力がありましたけど、ついに決着!
 そんな試合の強烈さが印象深い内容でしたね・・・名勝負でありました。

 

 『鬼を飼う』 (吉川景都 先生)

 百鬼夜行、その行方は・・・

 アリスを傷つけた者を許さないという想いで、理性を失う鷹名くん。
 彼の血に惹かれてきた奇獣たちを、四王天さんたちが捕らえるなどしてますが、
 司くんは鷹名くんの止血を頼まれ、彼のもとへ向かうことに・・・

 その頃、鷹名くんは孤独にさいなまれ、呪われた身であることに悩んでいるようで、
 そこを奇獣に付け込まれていましたが、司くんがあっさり払ってくれたのは象徴的。
 鷹名くんが自分の身の上話をしようとしても、そんなこと関係ないと言わんばかりに
 許容してしまう司くんの友情には感服でしたよ! そして「試験」も面白かった。
 鷹名くんの優秀さと、彼の決意が、痛快かつ爽快に響きます。

 

 『アラサークエスト』 (天野シロ 先生)

 相変わらず、ハイライトさんの所に通うベアさん・・・

 まるでダメ男にハマるように彼をお世話しながら、充実している様子。
 彼を見ていると「私が支えてあげなくちゃ」って思うらしく、パーティメンバーは
 恋する彼女を見守りモードになっているのが可笑しかった。

 しかし、ハイライトさんの所には別に親しい(意味深)女性もいて、
 1度は彼を諦めるも、占いで挽回を示唆されただけで戻ってゆくベアさんが(^^;
 占いの言葉に執着してしまうのも、それだけ愛に飢えているというか、
 焦りもあるのでしょうかね・・・ そう考えると悲哀を感じずにいられません。
 まあ、結局は泣くことになりましたけど、これはこれで結果オーライでしょう。

 

 『絶滅酒場』 (黒丸 先生)

 今回のお客様は、地下アイドルでセンターしていたルーシーさん。

 「ルーシー」ってどこかで聞いた記憶があったのですが、最後まで思い出せず、
 ネタ明かしで「あ~」と納得でした(´▽`;) だって外見が人間そのものでしたし。
 そんな彼女が何者なのか? 気になる内容でしたね。

 無銭飲食を歌で解決しようとしたり、注文取りでは客との距離が近かったり、
 ママさんへの微妙な対抗心があったりと、厚かましいルーシーさんのキャラが
 面白味になっていましたけど、まさかここから、住み込み展開になるとは・・・
 それにも驚きましたが、やはりラストページのインパクトがすごかった!

 

 『マーチャンダイス』 (大石まさる 先生)

 今回は、車いすの老人エモンさんのお話。

 実は、宇宙海賊していた彼、今は娘さんのダンナに警戒されているのだとか。
 そんな中、孫娘エイラが誘拐されて、昔のツテを頼って情報収集することに・・・
 そしてラーテルさんも加わって、犯人襲撃! これで万事解決と思いきや?

 エモン&ラーテルの大活躍に燃えましたが、事件に裏があっての騒動には、
 やや心を痛める気分にさせられましたね・・・とはいえ、真犯人の前に
 まさかあの人が現れたのには、驚きつつも痛快すぎて、面白すぎでしたよ!
 自由を手に入れた真犯人の末路と、自由を失っても家族がいるエモンさん。
 その対比がお見事でありました。

 

 

 
 【最終回!】
●師匠シリーズ (原作:ウニ 先生/漫画:片山愁 先生)

 

 師匠がいなくなって・・・

 大学3回生の春、うに君の周囲にも変化があり、卒業した人たちの多くが就職して、
 オカルトフォーラムから足が遠のく中、うに君は変わらず大学で過ごしています。
 そこへ、なんと音響さんが1回生として現れ、「おばけの話」を相談しているのが面白い。

 音響さんによれば「夜の書」と呼ばれる本があり、夜に読むと奇妙なことが起きる
 ということらしく、暗闇の中でも読めるという点が、さらに不可解で引き込まれます。

 最初、関心の薄かったうに君でしたけど、音響さんが実際に読んだことを聞くと、
 少しずつ関心を示すような態度をみせていたのは彼らしいというか、良い感じでしたね。

 そして、「夜の書」対策を相談してくる音響さんに戸惑いつつも、
 師匠ならどうするかを考え、そのうえで、自分は違うやり方でもって対策を講じる所が
 彼の大きな成長を感じさせますし、何より、様になっているのが頼もしかった。

 その対策が正解か否かはわかりませんが、説得力がありましたし、音響さんも
 笑顔でお礼を言っていたのが清々しい・・・のですが、彼女の口から出た一言に、
 うに君が動揺していたのは、「師匠」の存在の大きさを思わせるものでした。

 それを感じさせる終盤の場面。
 メガネを外して眺める街の風景に、追ってしまう師匠の姿・・・

 メガネをかけることで「この世」に“戻って来る”うに君の心中に去来する切なさが、
 ラストの言葉に込められているようで、グッときちゃいましたね。

 などなど、師匠がいなくなってからのうに君の日常が描かれての最終回。
 まさに日常と非日常、その境目を平均台に乗るような危ういバランスで行き来する、
 そんな緊張感を伴うエピソードの数々が、毎回、引き込んでくれた作品でした。

 うに君の新しい物語など、いつか見てみたい気もしますけど、これにて完結。
 それにしても、歩くさんから受け取った「本当に危ない時に開け」るべき封書が
 とても気になりつつ・・・ 楽しませていただきましたー!

 

 

【最終回!】
●ゼロ エンジェル (麻宮騎亜 先生)

 

 完結4巻&「愛華が奔る」、4月28日・発売! ということで、最終回!!

 最後は、偽のゼロエンジェルとの戦い・・・ですが、
 愛華さんは公道を走ることを嫌がっていて、勝負も始まらない状態。

 しかし、そこで偽エンジェルは、愛華さんの車に対して卑劣な挑発をおこない、
 勝負を煽っている態度が、ドライバーの風上にも置けない人間であることを
 強く印象付けますね。

 なんて思っていたら、偽エンジェルのことを知る人間がやって来て、
 彼女のことを「天使の爪痕」と呼んでいましたが、それがおっちゃんだったのは
 何の因縁なのか・・・しかも、次元のおっちゃんと偽エンジェルは知り合いだったと。

 そんな流れの中、勝負を受けることになった愛華さん。
 おっちゃんも同乗して、結局、公道での戦いに挑むことに。

 といった内容でしたけど、愛華さんとしては偽エンジェルの戦意を喪失させるような
 走りを見せねばならず、かなり困難な目的にも思えて、より緊張感が高まります。

 しかも偽エンジェルは、公道を荒らすような危険な走りで愛華さんを挑発し、
 一歩間違えれば死すらあり得る状況での、万能感ゆえの愚かさを見せつけるかのよう。
 死を意識していないというか、見えていない視野の狭さが、もどかしいですね。

 そして、極限状況での決着が、とんでもない形でついていて、
 愛華さんの凄味と怖さを感じさせる流れになっていたのは、むしろ痛快でありました。
 身を挺した教訓を、偽エンジェルに与えていたのは効果的でしたけど、恐ろしかった。

 などなど、偽エンジェルとの公道勝負が描かれた最終回。
 本作は、公道でのレースを描きつつ、その危険性から目をそらさず、
 時にスピード以外の勝負方法で、楽しく走る様子を見せてくれたのはよかったですね。

 今後、愛華さんはどうするのかわかりませんけど、やはり公道から離れるのでしょうか。
 それでも、どこかで走る彼女を見てみたい・・・と感じつつ、楽しませていただきました!

 

 

【コミックス6巻、発売中!】
●聖骸の魔女 (田中ほさな 先生)

 

 牙をむく敵の正体は・・・

 「師父」ベルビデロさんらと共に、石棺開けに挑む二コラくん。
 しかし、魔女の聖骸を入れた石棺は見つからず、途方に暮れています。

 ベルビデロさんによれば、浄皇さんは負けず嫌いで、
 「遊戯の相手としては厄介だった」とのことですが、それは裏を返せば
 浄皇さんは手ごわいということで、むしろ良い事のようにも思えますね。

 そのため、ここに「正解」はないのでは? なんて疑惑も出てきますが、
 全ての石棺を開けたことで地下墳墓の仕掛けが作動し、ついに浄皇が
 姿を現すことになりますが・・・?

 彼女が待っていたのは二コラくんだけ。
 ベルビデロさんの登場には、意表を突かれたようで、はたして誰が敵なのか?
 と気になる展開となっていました。

 結局の所、二コラくんがピンチに陥ることで、敵はハッキリしましたけども、
 そこで見られた浄皇の人間味は、エゼルさんも「かわいい」と評するもので、
 なかなかよろしかったですね。

 そして、二コラくんのピンチに動くエゼルさんの機転が痛快!
 これには敵もしてやられたようで、エゼルさんグッジョブでありました。

 それにしても、敵はなぜ二コラくんを欲していたのでしょうね。
 「調停者」としての役割を担わせたいようですが、はてさて・・・
 と気になりつつ、ここから反撃ということで、今後も楽しみです!

 

 

【4月23日、コミックス3巻・発売!】
●真・一騎当千 (塩崎雄二 先生)

 

 大和武尊(やまとたける)・・・

 冒頭、手を鎖でつながれ、裸になっている人物が何やら薬を打たれていますが、
 まさかそれが大和武尊だとは。

 伊勢神宮で舞っている姿は静かで、どこか凄味を感じさせはするものの、
 「華奢な女性」であり、「これだけ知られ恐れられている」とは思えないほど。

 ところが、鎖につながれていたのは「残虐性ゆえ」と言いますし、
 薬で意識を朦朧とさせているというから、徹底しています。
 それだけ恐るべき存在ということでしょうが・・・

 卑弥呼の刺客としてやって来ていた伐折羅さんでしたが、
 大和武尊の力を見せつけられ、はたしてどうなることか、気になる展開。

 一方、卑弥呼の要請を受けた鞍馬山では、弁慶さんが要請を拒否。
 と思いきや、義経さんは卑弥呼はどうでもいいけれど、曹操への執着ゆえに
 参加を考えていたのは、曹操との再戦を期待させる要素でした。

 が、ここでまさかの襲撃!?
 弁慶の前に現れたのは・・・ え?もう来たの?? と驚かされましたね。
 はたして、彼の目的は何なのか? 嵐の予感におののきつつ、今後も楽しみです!