小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「空いているスペースを有効につかう」

2005-07-23 01:18:55 | ニューヨーク暮らしの日々
「空間を売り経費を稼ぐ。

「コミュニティの共有アイデアで社会に還元する」 
 ニューヨークのスペースが高価になってから数年たつが、現在も下
がりそうにもない。現在はスペースの値段の単位が1フイート(約30
センチ四方)になり、マンハッタンが一番高く、アパート1部屋2.000ド
ルはするので、若い人の年間6万ドルの最低初任給では暮らしはな
りたたない。100%市の収入になるのは土地、家屋税以外にないの
で現在の建築ブームはニューヨークが力を入れている証拠だ。
 
 また土曜、日曜空いたパーキング場や学校の校庭は蚤の市になり、
市へそしてコミュニティへ還元されている。コロンバスアヴェニューの
76丁目、公立学校PS44は、週末空いた校庭を蚤の市に開放し、近く
に住む人の楽しみの一つになっている。PTAが学校のために積極的
に協力し、蚤の市はマーケットをマネージする会社にまかせる。利益
は学校に還元し、校庭のワイヤーフェンスが立派になり、窓も直した。
それを見ていくのは本当に楽しい。

 多くの美術館もスペースを閉館後、公共に提供している。勿論スペ
ースによって値段も違い、寄付金の多い人が場所の選択、優先権を
持つ。パーティ、結婚式、ディナー、レクチャー、コンサートなど、スペー
スはフル回転している。市民に幸せを贈るスペースはアイデア次第で
市民に還元できるばかりでなく、失うものがない。再利用のアイデアが
働いているのを身をもって感じことは暮らしのエッセンスにもなる。
 
 セキュリティで難しい時代になったけれども、
日本も借りるのが不可能な高価な値段でなく、スペースを公共に還元し
、共有していけばもっと暮らしが豊かになるのではないかと思う。
 ”儲からないとやらない”というアイデアは寂しい。