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富士山の世界遺産登録と入山料

2013年06月24日 | 日記
昨日、ブログで見附島について書いてたとき、島は、七輪の原材料として知られる珪藻土で出来ているということを知った。珪藻土は、
元来もろく風化によって徐々にまた、能登地震のような大地震や大型台風など自然災害による崩落により、その形が変貌しているようだ。
検索すると、現在の姿と80年ほど前の姿を比較したページがあったが、相当小さくなっていた。
自然現象に被害はある意味、仕方ないとも言えるが、人為的な問題による被害は別だ。昨日、テレビを見てると、富士山の世界遺産登録
決定のニュースに湧いていた。世界遺産登録によってさらに増加が想定される廃棄物や、トイレ、駐車場の整備の問題の外に近隣の開発に
よる自然破壊の問題もある。
さらに身近の問題は、登山客の安全の問題である。普段1.000m級の山にもあまり登ったことがない人が、ご来光を仰ごうと一気に
3,000m級の山に登っているのである。高山病など体への直接の影響の問題もあるが、滑落や落石の問題もある。このうち特に「落石」
による事故が問題だ。本人自身が落石に合わないための注意というのも当然大事だが、それ以上に気をつけなければいけないのが、自身が
落石を起こしてしまうという危険である。
当然、山を登ると歩いた後には細かい土砂が石などが散らばる。その結果、自分が歩いた道の下に大量の石や大きな岩が落下し、下のほうで
落石被害が起きるという事態を招く事がある。
富士山は、溶岩と火山灰の山である。このため、元来大変崩れやすく、登山客が歩かなくても落石が多発している。豪雨や強風など自然現象
による落石の発生は、ある意味仕方がないかもしれないが、多くの落石の原因は、登山客が谷側を歩き石を下に落としたり、登山道でない
ところ歩いたために落石を起こすなどの人為的な事が原因となっている。
これらの問題点の解決や自然環境の保護には多額の費用がかかる。では、一体誰が負担するのかといえば、国や地元自治体にだけに負担させる
には限度がある。そうかと言って登山客によって直接利益を上げている地元業者に負担させるのは無理がある。登山客にも応分の負担として
入山料を徴収するのもやむを得ないと思う。
環境省が富士山の登山者数を把握するため、平成17年から各登山道の8合目付近に赤外線カウンターを設置して、登山者数の調査を実施して
いるが、毎年平均30万人くらいである。この人数は、世界遺産登録によって大幅に増加することが予想される。
では、いくらくらいの料金がいいかと問われると難しいが、1人7,000円とすると年間約20億円である。20億円でこれらの問題が解決
できるのかと問われれば難しいと思う。しかし、登山客の増加に歯止めはかかるのではないか。
そんな事を考えていたら、栗山浩一京都大学教授(環境経済学)が6月4日に以下のような試算結果を発表していることを知った。
“入山料だけで登山客を現状レベルに抑えるには「1人7,000円の徴収が必要」と結論付けた。栗山教授は、白神山地(青森、秋田県)や
屋久島(鹿児島県)が世界遺産に登録された後の観光客増加実績を踏まえ、富士山登山客は、30%増の約41.4万人になると仮定した。
目的地までの移動費や時間と訪問者数の関係を数値化する統計手法を用い、入山料が上乗せされた場合の登山客数の減少を予測。500円で
2%減、1,000円で5%減となり、昨年と同程度にするには7,000円、昨年比90%にするには1万円が必要と試算”
適当に考えた7,000円でも登山客は減少するのではなく、昨年と同様の登山客数が見込まれるのか驚いた。
ちなみに、1人当たりキリマンジャロは約70ドル、南米最高峰のアコンカグアは約1,000ドル。エベレストはなんと、チベット側から登る
場合は1万ドル、ネパールから登る場合は約2.5万ドルの入山料が必要らしい。
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