ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

桜が。

2015-03-25 06:24:34 | 日記
23日、東京・靖国神社の桜が開花したとのこと。
「靖国」と言えば、反射的に「桜」が浮かんでくる世代の人間です。

【散る桜 残る桜も 散る桜】
戦時中だった幼い頃、この歌が良寛さまの歌だとは知りませんでした。
兄たちが、よく口にしていましたので、どこか悲しみを湛えていますが、
特攻隊の いさぎよさを讃えた歌のように思っていました。
今でも、特攻隊員のマフラーが目に浮かび、何か胸がしめつけられる思いになるのです。

【敷島の大和心を人問はば、朝日に匂ふ山桜花】   本居宣長
や、軍歌などをも思い起こすことが多くなったのは、「集団的自衛権」が
取りざたされるようになってからのことなのです。

『海行かば』の歌。
その旋律も甦ります。
   海行かば 水漬(みづ)く屍(かばね)
   山行かば 草生(くさむ)す屍
   大君(おおきみ)の 辺(へ)にこそ死なめ
   かへり見はせじ

心の奥ふかく眠っていたものが呼び起こされるのです。
歌に、ある懐かしさが無いといったらウソになるでしょう。
でも、悲しい思い出です。
こうした歌を歌わせられる時代・社会を、再び繰り返してはいけないのです。

サイパンや、硫黄島などの「玉砕」が伝えられると、『海行かば』を唱和し、
近くの護国神社や、忠魂碑へ詣でさせられていた兄も姉も、向こうに逝ってしまいました。

戦後70年。
桜の花だよりを聞いて、梶井基次郎の、
【桜の木の下には屍体(したい)が埋まっている!】
そうした ことばをも思い起こしてしまうのは、やっぱり、「集団的自衛権」とか、
5月に国会に提出予定の「安全保障関連法案」などが、心の内に暗い影を
落としているせいなのでしょう。

20日の参院予算委員会。
安倍首相は、自衛隊と他国との訓練について説明する中で、自衛隊を「我が軍」と述べたとのこと。
言葉尻を捉えるわけではありません。
でも人間は、ひょんな時に その人の持っているホンネが顔を出すものです。
『我が軍』
安倍首相にとっては、すでに『日本国軍隊』なのでしょうね。
何やら、きな臭さが臭って来るのです。

    ※ 政府の公式見解では、自衛隊を、「通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」
      としています。
                                   〈ゴマメのばーば〉
コメント (4)
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