ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

「廃炉」。新規増設へのステップなのでしょうか。

2015-03-20 06:44:01 | 日記
関西電力は、美浜原発1、2号機の廃炉を、
日本原子力発電も、敦賀原発1号機の廃炉を、
九州電力は、玄海原発1号機、
中国電力も島根原発1号機、
計、5基の廃炉が決まりました。

『老朽原発廃炉決定 「40年ルール」初対応』
という新聞の見出しをみますと、原発稼働が減って行くような錯覚にさえ陥ってしまいそうです。
でも、「老朽原発の廃炉決定は、その原子炉の出力規模が小さく、コスト高となる」
ということでの廃炉決定です。

政府は老朽原発の廃炉を促す一方で、原子力規制委員会の審査で、「安全性を確認した」と
される原発については再稼働を進める方針ですし、原発依存が少なくなって行くわけではありません。
廃炉の動きは、むしろ、原発の新増設、建て替えに道を開き、方向を強めることになりそうなのです。

廃炉になると、行政運営を、電源三法交付金や固定資産税収入で行って来た割合が多い自治体は
深刻です。
自治体からは、廃炉作業完了までは、交付金の継続を求める声もあるようですが、現在の仕組みでは、
廃炉に伴う自治体への手当はないとのこと。
交付金を活用して造った施設の、これからの維持管理費を どうするのか。
また、交付金が、保育園・消防署等の人件費などにも充てられている実態を、どうするのか。
「原発関連の収入が大幅に減少するので、国に新しい交付金制度を求める」
と美浜町の町長は述べたそうです。

―――三年前に記したものからの抜粋、掲載です―――。
≪東電福島第一原発の事故により、福島県のみならず日本全体が放射線という見えない不安に
覆われている時、青森県知事選挙で県民は原発推進派の現職知事を三選させた。
県独自の専門家委員会を新設すると強調し、原子力関連施設の建設を進めるかどうかについて
態度を鮮明にしない知事を県民は選んだ。

交付金という潤いの代償が、後悔や悲しみの涙となって欲しくないと危惧するのは余計な
お世話だろうか。
それに、ひとたび事故が発生すれば、被害は発電所の立地している県のみならず、他県、
いや日本だけではなく、世界中の広範囲に被害を及ばすことは今回の福島原発の事故で
立証済みではないか。
選挙と係わりのない私たち他県に住むものとしても、決して他人ごとではなく、これからの
生活にかかわる問題なのだ。

ドイツ政府は、福島第一原発事故を受けて従来のエネルギー政策を転換、2022年までに
国内原発17基を全て停止することを閣議決定したとのこと。
今、私は放射線被害で出口の無い不安を味わっている福島県民の一人として、青森県知事選の
結果とドイツのエネルギー政策の転換とを複雑な思いで見つめている。

【かつて反対運動にかかわったという50代の男性が話した“出稼ぎしねぐていぐなったのも
原発さあっからだ。しょうがねがったんだ”。
食卓で原発の関連企業で働く30代の長男と2人、口をそろえた。
「誰がやっても、原発は無くなんね」(2011年6月6日毎日新聞)より】

こうした地元の切実な声を聞くのはつらい。
生きて生活していくということは、絵にかいた餅で空腹を満たすことが出来ないだけに哀しい。
生きて行くためには誰でも仕事が欲しいのだ。
危険なものなどは生活環境から締め出して、家族が安全に、昨日から今日、そして明日へと続く
生活を誰しも望むことなのに、安全神話の崩壊を目のあたりにしながらも、その神話に
依りすがらざるを得ないことが何とも切ない。
そうした選択をせざるを得なかった心情に胸が痛む≫

あの事故から4年、胸が痛み、心の重さが続く『原発』問題です。
きついもの言いですが、原発事故の災禍に遭遇した福島県民の一人として強く訴えたいのです。
「新増設、建て替え」の道は、どうか選ばないでほしいのです、と。
                                  〈ゴマメのばーば〉

コメント (2)
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