粉雪が降っています。
「サラ サラ」「シン シン」
5センチほど積もりました。
ぼんやり、窓から降る雪を眺めていました。
と、ボソボソ降りに。
♪ねこは こたつで丸くなる♪
などと、はな唄を歌っていましたら、100万回生きたねこの話を思い出しました。
私の好きな作家・佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』のことです。
≪100万回も しなない ねこが いました。
100万回もしんで、100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
100万人の 人が、そのねこを かわいがり、100万人の 人が、
そのねこが しんだとき なきました。
ねこは、1回も なきませんでした。≫
と、お話は始まります。
ねこは、
王さまに かわいがられます。
ねこは 王さまなんか きらいでした。
そして、戦争で、飛んできた矢に当たって死んでしまいます。
王さまは泣きました。
それから、
ねこは、船のりに飼われます。
ねこは、海なんか きらいでした。
そして、海に落ちてしんでしまいます。
船のりも泣きました。
それから、
サーカスの手品つかいに、
どろぼうに、
ひとりぼっちの おばあさんに、
小さな女の子に、
かわいがられ、
こうして ねこは、何回も何回も死ぬのです。
そしてある時、ねこは、
のらねこ になったのです。
もう、だれの ねこでも ありませんでした。
ねこは、はじめて自分の ねこ になったのです。
そして、ねこは、たった一匹の白いねこと出会います。
≪「そばに いても いいかい」と、白いねこに、たずねました。
白いねこは「ええ」と いいました。≫
白いねこは、子ねこを たくさんうみました。
ねこは、白いねこと、たくさんの子ねこを、自分より好きだったのです。
やがて、子ねこたちは、大きくなって 離れていきました。
ねこは、白いねこと、いつまでも 一緒に生きていたいと思っていたのです。
あるひ、白いねこは、ねこの となりで、しずかに うごかなくなっていました。
ねこは、はじめて泣きました。
朝になって、夜になって………、ねこは 100万回泣いたのです。
朝になって、夜になって………、
ある日の お昼に、ねこは 泣きやみました。
そして、白いねこの となりで、しずかに うごかなくなったのです。
≪ねこは もう、けっして 生きかえりませんでした≫
と、物語は結ばれています。
私は、読むたびに胸がいっぱいになるのです。
悲しい涙だけではなく、あたたかい涙がじんわりと、沁み出して来るのです。
そうです、ねこは「生きた」のです。
白いねこと一緒に、「生き切った」のです。
外の雪は10センチほどになりました。
「生き切った」ねこ の物語を思い出したのは、進展のきざしが見えない「人質」問題が、
心から離れないからでしょうか。
それとも、ふわふわな白い雪が、どこか《白いねこ》に似ていたからなのでしょうか。
「サラ サラ」「シン シン」
5センチほど積もりました。
ぼんやり、窓から降る雪を眺めていました。
と、ボソボソ降りに。
♪ねこは こたつで丸くなる♪
などと、はな唄を歌っていましたら、100万回生きたねこの話を思い出しました。
私の好きな作家・佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』のことです。
≪100万回も しなない ねこが いました。
100万回もしんで、100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
100万人の 人が、そのねこを かわいがり、100万人の 人が、
そのねこが しんだとき なきました。
ねこは、1回も なきませんでした。≫
と、お話は始まります。
ねこは、
王さまに かわいがられます。
ねこは 王さまなんか きらいでした。
そして、戦争で、飛んできた矢に当たって死んでしまいます。
王さまは泣きました。
それから、
ねこは、船のりに飼われます。
ねこは、海なんか きらいでした。
そして、海に落ちてしんでしまいます。
船のりも泣きました。
それから、
サーカスの手品つかいに、
どろぼうに、
ひとりぼっちの おばあさんに、
小さな女の子に、
かわいがられ、
こうして ねこは、何回も何回も死ぬのです。
そしてある時、ねこは、
のらねこ になったのです。
もう、だれの ねこでも ありませんでした。
ねこは、はじめて自分の ねこ になったのです。
そして、ねこは、たった一匹の白いねこと出会います。
≪「そばに いても いいかい」と、白いねこに、たずねました。
白いねこは「ええ」と いいました。≫
白いねこは、子ねこを たくさんうみました。
ねこは、白いねこと、たくさんの子ねこを、自分より好きだったのです。
やがて、子ねこたちは、大きくなって 離れていきました。
ねこは、白いねこと、いつまでも 一緒に生きていたいと思っていたのです。
あるひ、白いねこは、ねこの となりで、しずかに うごかなくなっていました。
ねこは、はじめて泣きました。
朝になって、夜になって………、ねこは 100万回泣いたのです。
朝になって、夜になって………、
ある日の お昼に、ねこは 泣きやみました。
そして、白いねこの となりで、しずかに うごかなくなったのです。
≪ねこは もう、けっして 生きかえりませんでした≫
と、物語は結ばれています。
私は、読むたびに胸がいっぱいになるのです。
悲しい涙だけではなく、あたたかい涙がじんわりと、沁み出して来るのです。
そうです、ねこは「生きた」のです。
白いねこと一緒に、「生き切った」のです。
外の雪は10センチほどになりました。
「生き切った」ねこ の物語を思い出したのは、進展のきざしが見えない「人質」問題が、
心から離れないからでしょうか。
それとも、ふわふわな白い雪が、どこか《白いねこ》に似ていたからなのでしょうか。