ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『国家に貢献してくれれば』

2015-09-30 07:02:20 | 日記
『この結婚を機に、ママさんたちがいっしょに子供を産みたいという形で、
 国家に貢献してくれればいいなと思っている』

フジテレビ、菅官房長官のこの発言はいただけません。
歌手の福山雅治さんと女優の吹石一恵さんの結婚について、そう語ったとのこと。
『人気の高いカップルで、世の中が明るくなり、
 幸せな気分になってくれればいいなと思った中での発言だ』
との釈明はありましたが、不用意に、ひょいと口からこぼれ出す言葉は本心が出るものです。
また、
『「結婚や出産が個人の自由であることは当然だ。
子供を産みやすく、育てやすい社会をつくるのが政府の役割だ」
とも、述べられました。
菅官房長官から云われるまでもなく当然のことです。

私が、恐ろしく思えるのは、
『ママさんたちがいっしょに子供を産みたいという形で、国家に貢献してくれればいい』
という発言です。

女性は、国家に貢献するために子どもを産むわけではありません。
とんでもない話です。

出身地・秋田県、1948年生まれの一人の男性たる菅義偉氏個人が、
《子供を産みたいという形で国家に貢献してくれればいい》
という思想や願望を抱いていたとしても、個人の自由ではあるでしょう。
しかし、官房長官としては云ってはいけないことだと思います。
そうした慮りすら持てないのは、やっぱり驕りと言うほかありません。

安倍首相も、安保関連法が成立して、
『国民に丁寧に説明し理解を拡げるつもり』
と、語ってはいるものの、
《「戦争法案」といった無責任なレッテル貼りこそが、その責任だ》
とするような、発言をし続けています。

安倍首相も、菅官房長官も、
〈勝てば官軍、何を言っても、何をしてもいい〉
とでも思っているのではないでしょうか。

私が子どもの頃(戦時中)歌わせられた【お山の杉の子(元歌)】を思い出しました。
少し、長い歌詞ですが、載せてみました。
  
 【お山の杉の子】
  1 むかしむかしその昔
    椎の木林のすぐそばに
    小さなお山が あったとさ あったとさ
    丸まる坊主のはげ山は
    いつでも皆の笑いもの
    「これこれ杉の子 起きなさい」
    お日さまにこにこ 声かけた 声かけた

  2 一ニ 三四 五六七
    八日九日十日たち
    にょっきり芽が出る 山の上 山の上
    小さな杉の子顔出して
    「はいはいお日さま 今日は」
    これを眺めた椎の木は
    あっははのあっははと 大笑い 大笑い

  3 「こんなチビ助 何になる」
    びっくり仰天 杉の子は
    思わずお首をひっこめた ひっこめた
    ひっこめながらも 考えた
    「何の負けるか 今に見ろ」
    大きくなって 国のため
    お役に立って みせまする みせまする

  4 ラジオ体操 一 、二、 三
    子供は元気に のびてゆく
    昔 昔の 禿げ山は 禿げ山は
    今では立派な 杉山だ
    誉(ほまれ)の家の 子のように
    強く 大きく 逞(たくま)しく
    椎の木見下ろす 大杉だ 大杉だ

  5 大きな杉は 何になる
    兵隊さんを 運ぶ船
    傷痍の勇士の 寝るお家(うち)
    本箱 お机 下駄 足駄
    おいしいお弁当 食べる箸
    鉛筆 筆入 そのほかに
    うれしや まだまだ 役に立つ 役に立つ

  6 さあさ 負けるな 杉の木に
    勇士の遺児なら なお強い
    体を鍛え 頑張って 頑張って
    今に立派な 兵隊さん
    忠義孝行 ひとすじに
    お日さま出る国 神の国
    この日本を 護りましょう 護りましょう

この歌詞は戦後改作されて歌われています。
もう、絶対子は産めない後期高齢者ですが、
『お国の為に、子を産む気はまったくありません』
                                    〈ゴマメのばーば〉
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いい一日でした。

2015-09-29 06:24:32 | 日記
下瀬信雄氏の、第34回土門拳賞受賞作品展を観てきました。
去る5月に、東京、銀座ニコンサロンで展示されたのですが、行けず終いでしたので、開催中の土門拳記念館での観賞となりました。

山形新幹線に乗って、新庄、陸羽西線で酒田まで。
今年の夏は企画し、予定した「お出かけ」がすべてバツになってしまったので、
「ったく、今年は」とボヤキ気味でしたが、昨日の「一人 お出かけ」で、解消。

まずは、晴れ。
幾つもの短いトンネルをくぐり、最上川のゆったりした川面を眺め、
黄色い稲穂、コンバインがあちこちで働いていて、
山並みを背景に、あちこちの神社に幟が立っているのは秋祭りでしょう。
稲の神さまが、山へ戻られる季節です。
大風や、大雨もあったけど、実りの黄色が輝いていました。
私は、窓側のシートに掛けて、電車と一体になっていました。

下瀬信雄氏が受賞した写真集『結界』、モノクロ57点。
下瀬氏は受賞の言葉の中で
  『私が映すものは、ごく身の回りのありふれた自然です。
   同じように詩人が歌うのは身近なものです。……………。
   私が見つめた小さな自然の息吹も、人々の胸に届くようにと願っています。
   自然から生まれた我々は、又そこから学ぶしかないのでしょう。
   ……………』
と、語っています。

“あゝ、そうでしたね”
“なるほど、風はこんな風に捉えたのですね”
などと、作品に語りかけながらの、1時間半でした。

画面構図に主役はなく、ハマウドや、カワラナデシコ、フキ、カラスウリ、ススキ、等々。
群生ですが、花や葉の先々まで繊細で緻密。
 「雨の日のヒガンバナ」に宿る小さな 小さな粒々の輝き。
 「風の日のカラムシ」、“あ、風が!”
 「カラスの群れ」はゴッホの、『カラスのいる麦畑』のような おののきは無く、
  ただカラスが群れ飛んで。
それぞれが、モノクロームな多彩さを内蔵していました。

観終えて、池に面したガラス張りの小部屋で ひと休みをしていましたら、一羽の白いサギ(?)がやって来て、ガラスに近づいてきたのです。
私は、仲間になった様な気がして、静かに見つめていました。

「記念にね」と言って、ケイタイのカメラを静かに向けましたら、
〈わたし、カメラ苦手なの〉
そんな声がしたような。
ゆっくり歩いて柱の陰に去って行ってしまいました。

帰りの陸羽西線。
窓外の東の山の端から、大きな、まあるい お月さまが昇りました。
久々に、こんなに大きな お月さまと出会いました。
暮れなずむ稲穂の黄色。
輝きを増し始める お月さま。

いい一日でした。

        ※「結界」 仏教用語。聖域を定めて結ぶ境界のこと。(作品展チラシより)
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だから、プレミアム。

2015-09-28 06:12:48 | 日記
市の元気応援と言うことで、『プレミアム付商品券』が売り出されました。
1000円の商品券が12枚綴りで、1シート 1万円で変えますから、お得といえば お得な商品。
内容は、全店共通券・中小店専用券の2種類があるので、
日々の食料品や日用品、ガソリンなども買うことができます。

有効期間は3カ月。
一人5シートまで、つまり5万円まで購入可。
けっこう買い求める人も多い模様です。

この『プレミアム付商品券』は、間を置いた二日間のみの販売で、
売り切れ次第販売終了となります。

さて、買うか、買わないか迷いました。
近所のスーパーなども、加盟店舗になっていますから、使い勝手は悪くありません。
近所に住む長女が、販売所になっているスーパーまで、
「私も買うから、一緒にクルマに乗って行ったら」
と誘ってくれました。

10時発売開始。
雨模様でもあるし、発売時刻前から人が並びそうな気もしますし、駐車場も混むかも、
などと考えて、行かない、買わないということにしました。
娘は、けっこう並んで待ったらしいのですが、3万円分ゲット。

午後になって考えました。
プレミアム商品売り場となっている店舗に駐車場のないところなら、穴場ではないかと。
早速、出かけました。

正解。
予想は的中、JRの駅中にある「エスパル」は、午後の3時を回っていたのに、
まだまだ商品の在庫ありで、客呼びをしている状態でした。
2シート 2万円で購入。

予想が当ったことに気を良くして帰って来ました。
並んで買えなかった人もいるらしいとの噂を聞くにつれ、
たいそう得をした気分になってしまったのですが…………。

夕方、親しい友人の孫が寄ってくれました。
気分がハイになっていた私は、帰りにコーヒーでも飲んで行ったら、などと言って、
1000円の商品券3枚を上げてしまいました。
長女も寄ったので、1000円の券5枚を、気前よく…………。

プレミアム商品・お得な商品などといっても、
結果的には余分な出費をしてしまったことになります。
私にとってのプレミアムとは、こんなことでした。

『だから、プレミアムなんだよ』
とは、連れ合いの言でした。
                                    〈ゴマメのばーば〉
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十五夜と、『畦豆』と、「ひとすがい ごめん」と。

2015-09-27 05:23:42 | 日記
十五夜です。
お月さまが見られればいいのですが。

あと数日で10月を迎えます。
10月になると、マイナンバー制度にかかる「通知カード」が郵送されるとのこと。
【年金や生活保護など、社会保障のお金を正しく配ったり、
 税金を公平に集めたりすることが狙い】
とのことですが、なんだか、
「あぁそうですか、いい制度が出来ました。早速交付申請いたします」
と、言いたくない気もします。

年金にかかる大量の個人情報漏れなどもありました。
それに加え、こうしたネットでの管理に何がしかの胡散臭さを覚えてしまうのは、
デジタルに弱い、古い人間のせいなのかもしれません。
そしてまた、なんだか昔の『検地』を思い出してしまうのです。
〈根こそぎ管理〉の様な。

今は、あまり見かけなくなりましたが、
田んぼの畦に植える「畦豆」(アゼマメ)というのがありました。
私が子どもの頃、といっても70年も前のことですが、田んぼでよく目にしたものです。
野草摘みに行った時などは、「畦豆」を傷めないように注意されたように記憶しています。
畦に豆を植えるのは、畦の強度を保ったり、
豆の根粒菌が稲の肥しになるからだとか聞いていましたが、よくは分かりません。

この「畦豆」、昔の年貢制度では、年貢の対象から外されていたと聞いています。
「お上」に、そうした思いやりがあった、というよりは、ある程度の余裕を持たせての政策管理は、
統治するものの知恵でもあったのでしょう。

【マイナンバー制度の大きな狙いの一つは、預金口座にマイナンバーを付けて
 国民の金融資産を把握することだ】
とのこと。
改正マイナンバー法によれば、2018年1月から預金者の同意があれば、
銀行は預金口座にマイナンバーを付けることができることになりました。
当面は任意ですが、政府は21年以降の義務化を目指しているとか。
平成の庶民統治には、「畦豆」に年貢をかけないという「お目こぼし」さえ許さないようです。

私の住む街の隣り町に、『ひとすがいごめん』※という言い伝えが残っています。
  《満月の晩、貧しい村人が、家族の飢えを凌ぐために、他人の畑から 
   ひとすがいのイモ(里芋)を盗んだとしても、咎めることはしない。
   そして、やがて食べることが出来る暮らし向きになった時、自分も、
   ひとすがいのイモを盗む者を咎め立てしてはならない》

私は、この言い伝えが大好きです。
生産性が低い時代であっても、多くの人々が生きられる様にとの、暗黙の了解のような優しさ、
そのレベルの高さに感動するからです。
『一億総活躍社会』を!
などの掛け声より、豊かな暮らし方への標(しるべ)があるように思えるのです。

               ※ ひとすがい   大人の両手で抱えられる程の量
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1億総活躍社会を目指そう!と言われても。

2015-09-26 06:42:21 | 日記
『三本の矢』の恩恵など何もありませんでした。
矢の一本が、かすってさえ行きませんでした。

と、いううちに、『新三本の矢』(強い経済・子育て支援・社会保障)の発表です。
安倍首相は記者会見で、
『1億総活躍社会を目指す』
と、威勢のいいスローガンを掲げました。
全ての人が職場や家庭で活力を発揮できるようにする、とのことです。
〈全ての人〉の中に、私の様な高齢者も入っているのかしらん。
率直な疑問です。

『新三本の矢』のうちで、高齢者に係わる項目としては、
〈高齢者に多様な就労機会を提供する〉
などでしょうが、私の様な後期高齢者には、該当しない様な気がします。

政府としては、言外に、
「老人は、医療費の出費を抑えるべく、日々健康に留意し、
社会のお荷物になることを避けるよう努力すべし」
そんな、考えがあるのでしょうか。
そんな、僻みことばも出て参ります。

高齢者は、社会的な生産性が低いことは確かです。
医療費もかさみます。
でも、人間、生まれ、生き、歳をとり、働けなくなるのは、
誰でも当たり前のことではないでしょうか。
少なくとも、現在の高齢者は戦後の日本を支えてきました。

高齢化社会の到来は必至です。
そうした社会に備えるべく、「消費税アップ」分は、しっかり社会保障に使ってほしいと望みます。

『新三本の矢』は、
社会保障制度改革による介護離職ゼロなどの実現を目指すことも打ち出しました。
しかし、
「介護離職」は、年間10万人前後に上っています。
希望しても老人ホームに入れない入所待機者は、13年度に約52万人、
うち施設への入所対象となる要介護3以上の人は約15万人、
とのことです。

安倍首相は目標実現のための施策の一つとして施設整備を挙げてはいます。
厚労省は、高齢者が、暮らしなれた地域で生活を続けられるよう在宅サービスなどを
充実させる「地域包括ケア」を進めています。
しかし、同省内でも、〈在宅サービス〉の強化は『介護離職ゼロ』という理念から
離れるという指摘も出ているとのこと。
その通りだと思います。
私の周囲にも、介護施設への入居が出来ず、
老々介護で日々辛い思いをしている方が何人もいるのです。

  安保関連法は、済んだ!
  (ゴルフも楽しんだ!)
  次は経済だ!
  『新三本の矢』だ!
  1億総活躍社会を目指そう!

そんなことを言われても、空々しく聞こえるばかりです。
                                    〈ゴマメのばーば〉
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