ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

【春の初めの 君がおとづれ】

2015-03-12 06:38:49 | 日記
お世話をしたという程でもなかったのですが、礼状が届きました。
和紙に筆文字で。
思わず見とれてしまいました。

最近、手紙は あまり書きません。
年賀状は、古希を迎えた年から出さないことにしました。
それでも、年の初めに幾枚かは送られてきますので、「寒中お伺い」として、
返礼のハガキを出しています。

小椋 佳さんのように、本当は生前葬などしたいところなのですが、
「業」が深いのでしょう、なかなかそうはいかないのです。

私の一番好きな礼状は、こんな文面です。
ハリネズミの子どもがライオンに世話になったので、ハリネズミの おとうさんが
書いた礼状です。

   《ハリネズミとうさんのお礼のてがみ》
   
   はいけい
    せんじつは、とてもとてもとてもとても
    とてもとてもとてもとてもとてもとても
    とてもとてもとてもとてもありがとう。
                        けいぐ
   ライオンどの
                        ハリネズミより
                   (工藤直子著 「ともだちは緑のにおい」から)


そして、私が、憧れにも近い「手紙」は、良寛さまと貞心尼との相聞ともいえる歌です。

  春のはじめつ方消息(せうそこ)奉るとて
    おのずから
    冬の日かずの暮れゆけば
    待つともなきに
    春は来にけり
                 貞心尼

    
  御かえし
    天(あめ)が下(した)に
    みつる玉(たま)より黄金(こがね)より
    春の初めの
    君がおとづれ
                 良寛

昨日は雪が降り、降り積もり、気温も真冬並みでした。
降る雪を眺めながら、いただいた手紙への 返信を書きました。
                                    〈ゴマメのばーば〉
コメント
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