「青春18きっぷ」が、あと三日分使えるので、先日、宮城県石巻市へ行って来ました。
本当は仙台市中にある「宮城県美術館」へ行くつもりで家を出たのですが、電車の中で気づいたのです。
〈今日は月曜日・休館日〉
いつもながらの自分に“ガーン”ときました。
が、春の青空が広がっていましたし、山並みもシャープ。
復興も進んでいるであろう『海』と町に会ってこようと〔快速シティラビット3号〕に乗り継いで石巻へ。
予定外でしたので、準備はなにもしていません。
駅前の観光案内で地図を見せていただいて、バスに乗り、「海水浴場」付近で降車しました。
残念。
海は見えませんでした。
防潮堤の工事がなされていたのです。
まだ工事中で、作業車などもあって近づけません。
土盛り用の土が、白々と長く続いていて、海から、『ダメ!』と拒絶された様な気持になったのです。
バスの時刻もあったので、早々に退散しましたが、何だか中途半端な気分に襲われてしまいました。
沢山のいのちを飲みこんだ大津波です。
こうした悲劇を再び繰り返さないために、津波をブロックしてしまう…………それは当然のことだと思います。
急に思い立って、「海を眺め、犠牲になられた方たちに合掌しよう」などと考えたのは、
被害者ではない〈よそ者〉の、思い上がりだったかもしれません。
帰りの電車で、遠く窓外に見え隠れする青い海をみながら、淋しさと共に反省しました。
でも、〈よそ者〉の目から見ますと、入江だからこそ、海の幸も沢山受けていたのであろうと。
「海」をブロックすれば、日常接する視覚的共生感も希薄になってしまうのではないかと、
〈よそ者〉は考えてしまいました。
昼食も取らずに、バスを待ちながら(1時間に1本)、工事用のトラックが走るバス停で、
持参のクッキーを3枚、口にしました。
青い、青い空です。
寂しくなりました。
『かなしみ』
谷川俊太郎
あの青い空の
波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい
透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった
〈ゴマメのばーば〉
本当は仙台市中にある「宮城県美術館」へ行くつもりで家を出たのですが、電車の中で気づいたのです。
〈今日は月曜日・休館日〉
いつもながらの自分に“ガーン”ときました。
が、春の青空が広がっていましたし、山並みもシャープ。
復興も進んでいるであろう『海』と町に会ってこようと〔快速シティラビット3号〕に乗り継いで石巻へ。
予定外でしたので、準備はなにもしていません。
駅前の観光案内で地図を見せていただいて、バスに乗り、「海水浴場」付近で降車しました。
残念。
海は見えませんでした。
防潮堤の工事がなされていたのです。
まだ工事中で、作業車などもあって近づけません。
土盛り用の土が、白々と長く続いていて、海から、『ダメ!』と拒絶された様な気持になったのです。
バスの時刻もあったので、早々に退散しましたが、何だか中途半端な気分に襲われてしまいました。
沢山のいのちを飲みこんだ大津波です。
こうした悲劇を再び繰り返さないために、津波をブロックしてしまう…………それは当然のことだと思います。
急に思い立って、「海を眺め、犠牲になられた方たちに合掌しよう」などと考えたのは、
被害者ではない〈よそ者〉の、思い上がりだったかもしれません。
帰りの電車で、遠く窓外に見え隠れする青い海をみながら、淋しさと共に反省しました。
でも、〈よそ者〉の目から見ますと、入江だからこそ、海の幸も沢山受けていたのであろうと。
「海」をブロックすれば、日常接する視覚的共生感も希薄になってしまうのではないかと、
〈よそ者〉は考えてしまいました。
昼食も取らずに、バスを待ちながら(1時間に1本)、工事用のトラックが走るバス停で、
持参のクッキーを3枚、口にしました。
青い、青い空です。
寂しくなりました。
『かなしみ』
谷川俊太郎
あの青い空の
波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい
透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった
〈ゴマメのばーば〉