ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

“余計に悲しくなってしまった”

2016-03-31 06:13:22 | 日記
「青春18きっぷ」が、あと三日分使えるので、先日、宮城県石巻市へ行って来ました。
本当は仙台市中にある「宮城県美術館」へ行くつもりで家を出たのですが、電車の中で気づいたのです。
〈今日は月曜日・休館日〉
いつもながらの自分に“ガーン”ときました。
が、春の青空が広がっていましたし、山並みもシャープ。
復興も進んでいるであろう『海』と町に会ってこようと〔快速シティラビット3号〕に乗り継いで石巻へ。

予定外でしたので、準備はなにもしていません。
駅前の観光案内で地図を見せていただいて、バスに乗り、「海水浴場」付近で降車しました。

残念。
海は見えませんでした。
防潮堤の工事がなされていたのです。
まだ工事中で、作業車などもあって近づけません。
土盛り用の土が、白々と長く続いていて、海から、『ダメ!』と拒絶された様な気持になったのです。

バスの時刻もあったので、早々に退散しましたが、何だか中途半端な気分に襲われてしまいました。
沢山のいのちを飲みこんだ大津波です。
こうした悲劇を再び繰り返さないために、津波をブロックしてしまう…………それは当然のことだと思います。
急に思い立って、「海を眺め、犠牲になられた方たちに合掌しよう」などと考えたのは、
被害者ではない〈よそ者〉の、思い上がりだったかもしれません。
帰りの電車で、遠く窓外に見え隠れする青い海をみながら、淋しさと共に反省しました。

でも、〈よそ者〉の目から見ますと、入江だからこそ、海の幸も沢山受けていたのであろうと。
「海」をブロックすれば、日常接する視覚的共生感も希薄になってしまうのではないかと、
〈よそ者〉は考えてしまいました。

昼食も取らずに、バスを待ちながら(1時間に1本)、工事用のトラックが走るバス停で、
持参のクッキーを3枚、口にしました。
青い、青い空です。
寂しくなりました。

    『かなしみ』
                   谷川俊太郎
     あの青い空の
     波の音が聞こえるあたりに
     何かとんでもないおとし物を
     僕はしてきてしまったらしい

     透明な過去の駅で
     遺失物係の前に立ったら
     僕は余計に悲しくなってしまった
                                   〈ゴマメのばーば〉
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今度は「あたたかい風」ですか。ホント?

2016-03-30 06:21:07 | 日記
2016年度予算が成立しました。
安倍首相は記者会見で、
『来年度予算は、強い経済を確かなものとする予算であり、
安心して子どもを産み育てることができる社会をつくるための、力強い矢を放つ予算だ』
と、述べました。
また、
『アベノミクスのあたたかい風を、全国津々浦々に届けていく』
とも。

『トリプルダウン』のおこぼれにも、与っていない気がしていましたが、
今度は、〈あたたかい風〉ですか。
苦笑いが込みあげます。
“作文が、お上手なこと”

また、
〈来年4月の消費税率10%への引き上げについては、リーマンショックや
 大震災のような事態が発生しない限り、来年、予定通り引き上げていく〉
〈衆議院の解散については「頭の片隅にもない」〉
と述べました。

でも、どうなることやら。
安倍首相の「明言」は、あてにできません。

作日、参院予算委員会の中継を見ました。
共産党の小池晃議員の質問に対する安倍総理の「答え」には、
いつものことながら呆れると言うより
“まじめにやれ!”
と、ヤジりたくなってしまいました。
1月の当委員会で、消費税の引き上げに関して小池議員が安倍総理に質問した際の
総理の答弁にからんだ内容の質問で、小池議員が、
『“今年の春闘、賃上げは、高い水準ですか”と訊いています。
 イエスかノーかで応えて下さい』
と、言っても、
  アベノミクスは、力強い好循環を実践して行くことだとか、
  政権交代前は、ほとんど行われなかったベアが、多くの企業で実現する見込みとか、
  経済の底上げにつながる新たな工夫もなされてきて、評価のできる春闘ではなかったか、
等々。
イライラするばかりの答弁内容でした。

私のパソコンは、この頃、不具合が多いのです。
指示してもいないのに、突然勝手な動きをしたりして。
でも、安倍総理の回答ほどはイラつきません。

昨日、施行となった安保法・戦争法、強く反対致します。
「国民への丁寧な説明」は、口先だけで、やらず終いでした。
自衛隊の「駆け付け警護」も“あーとで”などと。
衆議院の解散については「頭の片隅にもない」とのこと。
ホント?
                                   〈ゴマメのばーば〉
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《To be or not to be》

2016-03-29 06:15:00 | 日記
数日前、パソコンが不具合になりました。
パソコン工房へ持って行って診断を受け、とりあえず使用可とはなりましたが、
どうやら年季が来た模様です。

「ゴマメのばーば」のパソコンの操作は、ごく限られたことしか出来ません。
でも、時々、いろいろといじってみるクセがあるのです。
今回もそうでした。
ウイルス対策のバージョンアップをしようと、いじっているうちに、何だかダメになってしまったのです。
“何だかダメに”
その通りなのです。

パソコン工房に預けて来ましたら、
  何となく手持無沙汰
  気持のどこかに欠落感
  日常のサイクルが上手く回らない
と、私自身も「不具合症状」に陥りそうでした。

でも、立ち止って考えてみると時間の余裕がありました。
本も、深く読めました。
つまり、“何か書こう”という意識がないので、そのこと自体に、あれこれ考えたりせずに、
とっぷり浸かって自由。
これは、発見でした。

『デトックス』
そんな言葉を思い浮かべました。
ブログを書く行為が〈毒素〉である筈はないのですが、書くことに捉われ過ぎますと、
ただただ、その状態を受け入れ味わうことが希薄になってしまっている様な気がしたのです。

平均余命も、そう多くは無いのだから、暮らしや、日々訪れる時間を、
深く味わうことの方が大切では………………などとの疑念も湧いてくる始末。

でも、でも、「ブログ」を始めた「初心」は、
原発事故から2年半経って、
  ☆子や孫たちに、ふるさとを取り戻してやらなくては
  ☆「トイレの無いマンション」といわれる原発は、いらないと言い続けよう。
  ☆ゴマメ一尾の力ですらなくとも、発信し、言い続けて行こう
と「ゴマメのばーば」は決意したのでした。
そして、幼い頃に遭遇した戦争という、過酷で悲惨な歴史を繰り返さないために、
「憲法九条を守って行こう」と、言い続けたいとの願いでもありました。

やっぱり、細々とではあっても、発信し続けようと、再決意。
でも、でも、でも、体力、時間的制約などなど。
〈ゴマメのばーば〉は揺れています。

ハムレット程の悩みではありません。
少し、疲れが溜まったのかもしれません。

「飽きっぽい性格だから………それだけでしょう」
長男は、こともなげに言い切りました。

《To be or not to be, that is the question》
だって、いろんな訳がありますし。
小田島雄志は、
《このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ》
と、訳していますし………………………………………
コメント (4)
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“ありがたいなぁ。なんて、美しい子や”

2016-03-28 06:13:06 | 日記
学校も春休み。
街を歩くと、子ども達や若者の姿が目立ちます。
嬉しい季節です。

子どもや若者達の伸びやかな手足を眺めますと、高齢化社会の到来など
忘れてしまいそうになります。
一人一人の心の内を覗きこんでみれば、喜び、そしてまた希望、悲しみとまではいかなくとも
失意、挫折感などにも彩られているのでしょう。

「みんな、生きてね」
「いろんなことがあっても、生きてね」
コーヒーショップの窓から見える若者達に心の内で、そう呼びかけます。

2015年度の防衛大学校の卒業生のうち、幹部自衛官への任官を拒否する学生は、
昨年度の倍近くに上っているとのこと。
《景気が良く、民間企業の求人数が増えていることなどが背景にある》
と、防衛省関係者は述べていますが。

明29日には、安全保障関連法が施行されます。
安倍首相は25日の参院予算委員会で、
「わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している中、国民の命と平和を守るためには、
現実を直視し、あらゆる事態に切れ目ない対応ができる法制が必要だ」
と、その〈意義〉を「ベスト」だと述べています。
でも、私は、その〈意義〉に対して、「異議あり」と言いたいのです。

NHK連続テレビ小説『あさが来た』
毎日楽しんでいましたが、そろそろ終わりとなります。
あさの長女、千代に赤ちゃんが誕生。
夫の新次郎は、
“ありがたいなぁ、なんて、美しい子や”
と言って愛おしそうに抱きあげます。
観ていて、私も何やら嬉しくなってきました。

こうして子どもは、かけがえのない存在として生まれて来るのに、
戦争などで絶対に死なせてなるものか、との思いに駆られます。

安倍首相は先日、海上保安学校卒業式の式辞で、
『人の命を守り家族の幸せを守る任務は崇高なものだ。国民が諸君を頼りにしている』
と激励しました。

もちろん、〈人の命を守り、家族の幸せを守る任務は崇高〉です。
ただ、ゴマメのばーばとしては、何とか『戦争という手段で国際紛争を解決しない』
という立場で、日本の政治をして欲しい、いや、そうすべきだと思っています。

〈ゴマメのばーば〉も、あと3か月ほどで、ひ孫の顔が見られます。
“ありがたいなぁ、ようこそ”

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〈咲き出ようとする人間たちの花々〉が、

2016-03-27 05:56:58 | 日記
今日はイースター(復活祭)です。
教会暦では、春分の日を過ぎた最初の満月の次の日曜日。
春を迎え、自然も芽吹く季節なので、『復活』という言葉が、とても嬉しく感じられます。

パソコンが不具合になっていました。
そんなわけで、数日ブログはお休みとなっていたのです。
コメントをいただいた方へのご挨拶も出来ませんでした。
お許し下さいませ。
どうかまたお付き合い下さいますように。

イースターの朝です。
パソコンを、数日ぶりに開きました。
夜明けも早くなっていて、
ほら、春が。

   『見えない配達夫』
                        茨木のり子
    三月 桃の花はひらき
    五月 藤の花はいっせいに乱れ
    九月 葡萄の棚に葡萄は重く
    十一月 青い蜜柑は熟れはじめる
    
    地の下には少しまぬけな配達夫がいて
    帽子をあみだにペダルをふんでいるのだろう
    かれらは伝える 根から根へ
    逝きやすい季節のこころを
    
    世界中の桃の木に 世界中のレモンの木に
    すべての植物たちのもとへ
    どっさりの手紙 どっさりの指令
    かれらもまごつく とりわけ春と秋には
    
    えんどうの花の咲くときや
    どんぐりの実の落ちるときが
    北と南とで少しずつずれたりするのも
    きっとそのせいにちがいない
    
    秋のしだいに深まってゆく朝
    いちぢくをもいでいると
    古参の配達夫に叱られている
    へまなアルバイト達の気配があった
    ………………………………………
    ………………………………………
    ………………………………………
    未知の年があける朝
    じっとまぶたをあわせると
    虚無を肥料に咲き出ようとする
    人間たちの花々もあった

テロがあちこちで起きていて、気持も沈みがちな春なのですが、
〈虚無を肥料に咲き出ようとする人間たちの花々〉が、きっと咲くことを祈りたいのです。

今日、イースター墓前祈祷会が教会墓地で行われます。
讃美歌404番、イースターに歌われる讃美歌ではありませんが、このメロディを聞きますと、
お世話になったり、様々な示唆を与えて下さって、召されて行った方々が懐かしく思い出されるのです。
それは、私の心のなかでの復活の一つの形なのかもしれません。

       

          

         
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