母の命日だったので、墓参りに行ってきました。
穏やかな日でした。
バスを乗り継いで市の郊外にある墓地へ。
いつもの様に お花 線香 そして母の好きだった固焼きのお煎餅持参。
今年は、お饅頭も。
いつも お供えする花は、いわゆる 仏さん用の菊がメインで、
花の形、色などを取り合わせて お供えしています。
でも、もう逝ってから55年になります。
「仏さま用」の切り花でなくともいいような気がして、
今年のお花は、菊にこだわらず、明るく きれいな色のものにしました。
紅いバラ、とも思いましたが それは止めておきました。
〈「仏さまに供える花」には トゲがあってはいけないよ〉
そんな生前の母の声が聞こえてきましたから。
線香をくゆらせ、お墓に入っている祖父を始め一人ずつ、
顔や声を思い出しながら合掌。
そして、
ひ孫が 寝返りができるようになったこと、
オナラが たくさんでること、
その度に、周囲の者が、
「それ!」とか、「くさい!」とか言って笑うことなどを報告。
〈そう、良かったね〉
母の声が また聞こえたような。
バスの本数が少ないので、お墓に居る時間は30分しかありません。
次のバスは4時間後の夕方5時になってしまいます。
急がなければなりません。
お墓の前で、私も お饅頭一個を食べ、「じゃあね」と言っての戻り支度でした。
高台で、見晴らしのいい お墓です。
人影はなく、カラスの姿もありません。
西の山々も穏やかな佇まいです。
だから、けっこう大きな声で、母や姉に語りかけることができました。
お昼を回った お日様の日差しが まろやかで暖か。
遠く眼下に、新幹線が走り去っていきました。
あれは『はやて』
真っすぐに伸びている線路の先は北国。
青森、雪は降っただろうか、などと知人の顔を思い浮かべながら、
本堂までの階段をゆっくり降りてきました。
時々、梵鐘を突いてみたくなるのですが、一人の時は突きません。
ちょっと、力不足です。
『ゴーン・・・・・ンンン』
と、オノマトペで。
薄れゆく余韻に交じって、
〈気をつけて お帰り〉
と、母の声が、また聞こえたような。
「うん、お母ちゃんも 元気でね」
と言って山門を出ました。
「あちら側」と「こちら側」の境界線が薄れてしまった初冬の一日でした。
〈ゴマメのばーば〉
穏やかな日でした。
バスを乗り継いで市の郊外にある墓地へ。
いつもの様に お花 線香 そして母の好きだった固焼きのお煎餅持参。
今年は、お饅頭も。
いつも お供えする花は、いわゆる 仏さん用の菊がメインで、
花の形、色などを取り合わせて お供えしています。
でも、もう逝ってから55年になります。
「仏さま用」の切り花でなくともいいような気がして、
今年のお花は、菊にこだわらず、明るく きれいな色のものにしました。
紅いバラ、とも思いましたが それは止めておきました。
〈「仏さまに供える花」には トゲがあってはいけないよ〉
そんな生前の母の声が聞こえてきましたから。
線香をくゆらせ、お墓に入っている祖父を始め一人ずつ、
顔や声を思い出しながら合掌。
そして、
ひ孫が 寝返りができるようになったこと、
オナラが たくさんでること、
その度に、周囲の者が、
「それ!」とか、「くさい!」とか言って笑うことなどを報告。
〈そう、良かったね〉
母の声が また聞こえたような。
バスの本数が少ないので、お墓に居る時間は30分しかありません。
次のバスは4時間後の夕方5時になってしまいます。
急がなければなりません。
お墓の前で、私も お饅頭一個を食べ、「じゃあね」と言っての戻り支度でした。
高台で、見晴らしのいい お墓です。
人影はなく、カラスの姿もありません。
西の山々も穏やかな佇まいです。
だから、けっこう大きな声で、母や姉に語りかけることができました。
お昼を回った お日様の日差しが まろやかで暖か。
遠く眼下に、新幹線が走り去っていきました。
あれは『はやて』
真っすぐに伸びている線路の先は北国。
青森、雪は降っただろうか、などと知人の顔を思い浮かべながら、
本堂までの階段をゆっくり降りてきました。
時々、梵鐘を突いてみたくなるのですが、一人の時は突きません。
ちょっと、力不足です。
『ゴーン・・・・・ンンン』
と、オノマトペで。
薄れゆく余韻に交じって、
〈気をつけて お帰り〉
と、母の声が、また聞こえたような。
「うん、お母ちゃんも 元気でね」
と言って山門を出ました。
「あちら側」と「こちら側」の境界線が薄れてしまった初冬の一日でした。
〈ゴマメのばーば〉