ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

「台風がそれてよかった」、そんな思いだけであって欲しいと。

2014-07-31 05:59:39 | 日記
私の敬愛する知人一家は、福島第一原発事故の避難地域に住んでいたため、
今、石垣市で避難生活を送っています。
テレビの天気概況などで、石垣島の位置を目にしますと、
「あぁ、石垣島は福島県から遠いなぁ」
といつも考えてしまいます。

福島県浪江町(現在帰還困難区域)に住んでいた その方は、近くの海で獲れた新鮮な魚の料理が
得意で、私は度々ご馳走にあずかったものでした。
しっかりした方で、グチは言わない方です。
お手紙には、
「海の色も、桜の花の色も濃いんです」
と書かれています。

《防衛省は24日、南西諸島の防衛力強化の一環として、奄美大島北部の鹿児島県奄美市に、
陸上自衛隊の警備部隊を配備し、同島南部の瀬戸内町に訓練拠点を整備する方針を固めた。》
と報じられました。

警備部隊は離島防衛の初動を担うのが、その目的とのことです。
防衛省は、6月に同島の調査を行い、部隊運用や配備環境に適した場所の具体的な選定を
進めてきました。
その結果、奄美市は奄美空港が近く物資搬入が容易で市街地にも近い、という理由から
選定されたとのことです。
《奄美市内に350人規模の警備部隊を配備。瀬戸内町に武器弾薬庫などを整備し、
訓練拠点にすることとした。》
とも報じられました。

また、
政府は、昨年12月に定めた防衛計画の大綱で、南西諸島の防衛強化を掲げ、宮古島と
石垣島にも同規模の警備部隊を配備する方針で、15年度予算案に関連経費を計上するとの
ことです。

私は、とても、とても不安に駆られます。
知人が避難暮らしをしている石垣島…………原発の放射線禍から避難している その地に、
警備部隊が配備されるということは、「安全」もあるでしょうが、一朝事あった場合、
多くの危険にさらされかねません。

知人が強制的に故郷を追われ、着の身着のままで避難させられ、あちこちの避難先を
経めぐったあげく、辿りついた南の島なのです。
「海の色も、桜の花の色も濃いんです」
そうした南の島での暮らしが脅かされはしまいかと、私は不安になるのです。

テレビの天気概況を見て、
「あぁ、石垣島から台風がそれてよかった」
そんな風にのみ思って過せることを願っています。
                                 〈ゴマメのばーば〉
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オスプレイ。『素朴な疑問です』

2014-07-30 09:07:53 | 日記
素朴な疑問です。
《小野寺防衛相は28日、米海兵隊の輸送機「MV22オスプレイ」で、
小笠原諸島・父島(東京都小笠原村)を訪れ、森下一男村長らと会談した。
森下氏が「遠隔離島で飛行場もない地域では大変有効な機材だ」と述べ、
陸上自衛隊が導入するオスプレイを、急患搬送などに活用するよう求めたのに対し、
小野寺氏は「急患輸送を速やかにできる態勢をつくりたい」と応じた。》
と伝えられました。

東京都心から1000キロ離れている小笠原諸島には空港がなく、オスプレイを使えば、
2~3時間で搬送が可能となることから、同村はオスプレイの活用を求めているそうです。
従来までは、急患の搬送は、自衛隊航空機で4~5時間かけて行っていたそうですから、
急患の搬送時間が短縮されることは、じつに喜ばしい限りです。

会談後、小野寺氏は記者団に
「急患輸送や災害で多くの人命を救える。地域の実情を踏まえてしっかり運用できる体制を
つくりたい」
と述べ、離島の人命救助にオスプレイを活用していく考えを示したそうです。
小野寺防衛相と、森下一男村長との会談に意義を唱えるものではありません。
人命救助に資することがらに、反対などはいたしません。

でも、と私は考えます。
オスプレイは、あくまで自衛隊が配備する軍用機。
離島の人命救助を主たる目的として配備される訳ではないはずです。
平和時に、離党の急患など、人命救助のために地域の消防等に配備されるものではありません。
また、オスプレイは、その安全性などを巡ってとかく問題があり、受け入れには
躊躇せざるを得ない新型輸送機です。

今回の、民間の「人命救助」面を先行してアピールしてみせる政府のやり方に対して、
私は、すなおに受け入れ難いものを覚えます。
小野寺防衛相と森下一男村長らとの会談は、オスプレイ受け入れに対する不安や拒絶反応を
「慰撫」するための、政策的アピール効果を狙ったのでは…………などと思うのは
恣意的に過ぎるでしょうか。
「あぁ、オスプレイって便利なもの、力強い助っ人」
と思い込ませ、そうした既成事実つくりのための方便。

こうした私の懸念が誤りであることを望みます。
                                   〈ゴマメのばーば〉
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臍(ほぞ)を噛む思いから。

2014-07-29 07:40:11 | 日記
再稼働第1号の可能性が高い川内原発のある薩摩川内市で、甲状腺の被ばくを防ぐ
安定ヨウ素剤が配布されたそうです。
原子力規制委員会の指針に基づく安定ヨウ素剤の配布は、全国で初めてとのこと。
原発事故を経験した福島県に住む私は、とても複雑な気持ちです。

私の住む市のJR駅前に、地上24階のビルがあります。
ふれあい科学館・高等学校・サテライトキャンパス・市民プラザ・商業施設などを備え、
市内が眺望できます。
プラネタリュウムなどもあって、「いいものが出来た」、私は、そう思って時々訪れていました。

かつて、私たちの県が原子力発電所建設を受け入れた頃、その危険性を訴えた方たちが
居りましたし、反対運動の組織もあったのです。
でも、「原子力発電は安全」との国や東電のアッピールに、立地候補地や県民の多くが
乗ってしまった、あるいは 安全に対して、さほどの危惧を抱かなかった、
といってもいいでしょうか。
私自身もまた、立地市町村から60キロ程離れており、たとえ何等かの事故やトラブルが生じても
自分の住む所まで及ぶことはあるまいと、高を括っていた節があったのです。

「電源三法交付金」「電力移出県等交付金」等の使用に関しても、どちらかというと、
無関心でした。
前述のビル建設なども、その恩恵(30億円の寄付・別な財団法人経由)だったと知ったのは、
原発事故後だったのです。
知らされなかったということでは なかったのでしょう。
私の無関心さが、こうした状況に目をむけさせなかったのです。

今、私は原発事故の災禍に遭遇し、失ったものの大きさに気づき、
「なんと、迂闊(うかつ)だったのか」
と、自身の不明さに臍(ほぞ)を噛む思いです。
「覆水盆に返らず」の譬え。
後悔は先立ちません。
私は、これから先のこと、脱原発にこそ後悔のエネルギーを向けたいと考えて日々を
過ごしています。

不愉快に思われるかもしれませんが、福島県に住む一人としての お願いです。
福島第一原発では、「氷の壁」造りが3カ月経っても凍らず、汚染水対策に苦慮しています。
事故収束へは、あれもこれも抜本対策に程遠いのです。
交付金中心の地域づくりから抜け出せなくなってしまってからでは遅いのです。

安定ヨウ素剤を服用しなければいけない状況が生じてしまえば、ふるさとの山も川も
失ってしまうでしょう。
そんな災禍だけは絶対に避けなければいけません。
再びの安全神話にだけは陥ってはいけないと思います。
原発は未だ使いこなせない「火」であることを、忘れないで下さい。
お願いします。
                             福島県に住む〈ゴマメのばーば〉
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『いいか、良うく聞け!』

2014-07-28 14:35:46 | 日記
マレーシア機が撃墜され、その後のニュースを見る度に何とも暗い気持におそわれます。
まだ事故現場に放置されているであろう ご遺体のことを思いますと、早く遺族の手に
戻して上げたいと祈るばかりです。

それにしても、日本政府は17日の国家安全保障会議で、迎撃ミサイル「パトリオット」の
基幹部品の輸出と、戦闘機に搭載するミサイルを、イギリスと共同研究することを決めています。
アメリカで組み立てられた「パトリオット」が、紛争を繰り返している国々の紛争を、
より激化させはしないだろうかとの不安も、つのるばかりです。

「防衛装備品」と称して、「武器」を他国へ売り込むことは、当事国の紛争を
助長させることになるでしょう。
日本経済の成長のために、私たちの国が、「死の商人」になることを、私は望んでおりません。
世界中を飛び回って、防衛装備品を売り込んでいる安倍首相の姿は、不快です。
「かっこ悪りー」姿です。

『NHK朝ドラ・花子とアン』本日放映から。
石炭王と言われた福岡在住の実業家・嘉納伝助(吉田鋼太郎)は、すこぶる「かっこいい」ものでした。

自分を捨てて、若い帝大生の許に走り、その男性の子を産んだ妻・連子。
連子の兄が嘉納伝助宅を訪れます。
「連子は髪を落とさせました。連子は尼寺へ行かせます。あの男とは死ぬまで二度と会わせません」
と、連子の「髪」を差し出し謝罪する連子の兄。
その様子に怒り 詰め寄る伝助の護衛人達。

『あかんぼうは生まれたとね』
『そうね』
そして、嘉納伝助は一喝するのです。

『いいか、良うく聞け!』
『連子のこつは、これで終いにする。あいつは、この嘉納伝助が一度は惚れて嫁にした女よし。
手出しする奴がおったら俺が、ただじゃぁ置かんぞ』
『末代まで、一言の弁明も無用!』
立ち去る嘉納伝助。

お芝居なら、ここで「〇〇屋」と、声がかかる いい場面でした。
(吉田鋼太郎さんの舞台が大好きな私の、思い入れもあるでしょうか)
『いいか、良うく聞け!』
と一喝したのは、自分自身に対してでもあったでしょう。
また、嘉納伝助という男の美学でもあったことでしょう。
実に、「かっこいい」姿・心意気でした。

政治家にドラマの人物の かっこよさを望むべくもありませんが、武器を売り込み、
原発を再稼働させようとしている安倍首相の姿は、じつに「かっこ悪りー」姿です。

私も言ってみたくなりました。
『いいか、良うく聞け!』
『集団的自衛権行使も原発再稼働も、許さないぞ!』
                                  〈ゴマメのばーば〉
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片づかないワケ。

2014-07-27 13:14:58 | 日記
《終活》
友人と会いますと、こうした話題に触れることが多くなりました。
年齢柄それも仕方がないことなのでしょう。
でも、決して暗い感じではなく、「あはは、おほほ」を交えて結構シビアなことがらを、話しあっています。
『遺言書』めいたものは書いてあります。
『終末期ケア-・葬儀の態様』に関する希望なども記しておきました。

一番手に余るものは、衣類その他の整理です。
もう身につけはしないのに、値段が張った品物だった とか、
〇〇さんが、買って来てくれた おみやげだから とか、
夫のプレゼントのセンスの悪い腕時計 とか、
亡母の形見の着物 とか、
自分の物だけでなく、何十年も前の子ども達の着古した衣類、ひしゃげた玩具などが、
押し入れの隅で、眠っているのです。

     『古着』
      仕立て直せるわけでもなく
      誰かに着せるわけでもないのに
      ビニール袋に詰め込まれた古着が二つ
      狭い押し入れに陣取っている

      今年も押しつまったから
      不用なものなど整理しようなどと
      いつもの年の
      いつもの暮れのように
      ビニール袋を取り出す

      これはパジャマ
      これはスモック
      ホックはとれていないか
      ポケットに石ころは入っていないか
      これはブラウス
      これはミトン

      ポケットのアップリケの魚が目を覚ます
      ほずれた親指の毛糸をたぐっていくと
      ぷっくり しもやけの手の甲が見えてきて
      つめたーいと、泣きべそ顔も見えてくる
      3歳の息子の よだれまで

     
      たぐり出された記憶が
      まるで昨日のことのようだから
      もう
      捨てることなどできはしない
      今年も、広くない押し入れの中で
      ビニール袋が二つ、揃って年越しをする

何十年も前に書いた詩です。
S雑誌で拾って頂いたものの1篇です。
《類型的で、きれいごとに過ぎる》と、厳しい評が付いていました。
幼い者たちが身に着けていたものは、その時の背景、遠景まで見えない糸で、
縫い込まれているのです。
ひしゃげた玩具の緑色のバスは、息子のお気に入りの宝ものでした。
S雑誌のインクも紙も、しみが出来ていますのに、我が家の「古着」や「玩具」達は未だ健在。

整理整頓が不出来なのは、
「人間が類型的に出来ていますので」
と居直るほかありません。
そんなこんなで、片づけも「終活」も一向に進まないのです。
                                  〈ゴマメのばーば〉
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