ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

ひと足早い、イースター

2015-03-17 06:29:15 | 日記
しばらくぶりに東京へ出かけました。
昨年三月に帰天された井上神父さまの『一周年を記念する集い』に参加するためです。

神父さまの選集『井上洋治著作選集』全五巻が発行されることとなり、
先だって第一回目の配本『遺稿集「南無アッバ」の祈り』が送られてきました。
   ≪遠藤周作と志をともにし、日本人の心の琴線に触れるようイエスの教えを伝えるため、
    多くの著作をのこした、カトリック司祭井上洋治≫
                          (第5巻 山根道公・解題より)
と記されていました。
掲載内容のほとんどは、以前読んだり、教えていただいたりしたものですが、
念入りに朱線をいれながらじっくりと読んでみました。

  神さまは、“お父ちゃん”と呼んでいい方。
  すべてを、おまかせしていい方。
  だから「南無アッバ」と。

そのように教えていただき、自分も受け入れ、解っていたつもりだったのです。
でも、それは私の非常に浅薄な受領でしかなかったことに気づかされたのです。
「南無アッバ」への知的共感の域を出ていなかったということでした。
そうではなく、アッバのまなざしとの、共存・交流の内に生きることを教えて下さって
いたのだということに気づかされたのでした。

各駅停車の新幹線に乗ったので、「想いをめぐらす」時間が、たっぷり与えられたのです。
そして、私は、今、生前より身近に、その教えを感じることができたのでした。

教会歴では、現在、「受難週」に当っています。
イースター(復活祭)は4月5日。
神父さまに、もう、接することができないのは 大変さびしいことですが、
私にとっては、ひと足早い、イースターを迎えたような気持で心が安らぎました。
野の花を、こよなく愛された神父さまでしたから、来年からの集いは、
『野の花忌』
と名づけられるとのこと。

帰りの新幹線も「各駅停車」に乗りました。
夕食は、パンと牛乳、塩味のゆで卵を車内で。

暮れなずむ空、街の灯り、沿線近くの建物などを、ゆったりと眺めていました。
「彩の国さいたま芸術劇場」の塔が見えます。
灯が入っています、何が演じられているのでしょう。
演出家・蜷川幸雄氏は、それなりに元気そうだけど、
劇作家・清水邦夫さんは?
「木冬社」は?
俳優・松本典子さんは?
あれこれと、走馬灯のように。
老舗の、おせんべい屋さんが、あったっけ。

あ、「さいたまスーパーアリーナ」。
オノ・ヨーコ ジョン・レノン。
そして、原発事故で沢山の方たちが避難していた場所です。

あれや、これやと。
いい一日でした。
自己嫌悪の痛みにさいなまれながら「エマオへの道を」(※)トボトボ歩く二人の弟子に、
そっと付き添って歩かれたイエスさまを思いだしながら。

   ※「ルカによる福音書」24章13節~35節

                                   〈ゴマメのばーば〉
コメント (2)
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