ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

「働き盛りの40代が………」

2014-05-31 07:35:15 | 日記
『40代の非正規の3人に1人が貧困』
であると、健康社会学者の河合薫氏が述べていました。

河合氏は、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「壮年非正規労働者の仕事と
生活に関する研究」の結果を引いて、
『非正規の正社員化が進む中、40代の非正規の3人に1人が貧困であることが明らかになった。
30代より厳しい生活を強いられている40代非正規。彼を置き去りにしていいのだろうか?』
との、疑問を呈しています。

また、壮年非正規の身体的な不健康の割合も高く、15.9%の方が「過去に、お金がなくて
病院へ行くのを我慢したことがある」と、答えているそうです。

就職氷河期世代の ある男性の、こんな言葉も紹介しています。
「今はまだ、母の面倒をみなきゃならないんで、なんとかなってますけど、自分一人になったら、
ヤバいなって思うんです。生きてる意味あるのかなぁ?って」
この男性は、二度のリストラに遭い、今は製造業関連の非正規社員だそうです。
「40過ぎを正社員で雇ってくれる会社は、ありません。連敗が続くと、まるで底なし沼に
いるようで………」

こうした言葉、つぶやきを聞くのは、何ともやりきれない思いがいたします。
40歳代とは、言うなれば働き盛りの年代です。
私は高齢者なので高齢者の福祉に関する事がらについては関心をもち、政治にもの言いも
いたします。
でも、我が子よりも若い年齢層が置かれている状況を見聞きしますと、切なくなってしまうのです。
こうした年代の方が多い社会は、いい社会とは言えません。

子どもの頃戦争がありました。
空襲で東京が焼け野原となりました。
上野駅前には、親を亡くし、お腹を空かした浮浪児たちが群がっていて、地方からの列車が
到着し乗客が駅から出て来ると、食べ物が欲しいと、手を差し出すのです。
あの光景は、いまだに忘れられません。
子どもながらに、早くりっぱな大人になって、この子達に食べさせて、
お腹をくちくさせてあげたいと念じたものです。

今、高層ビルが立ち並び、娘さん達は流行りの洋服をまとって笑い さざめいているのに、
貧困な働き盛りの方々が大勢居るということが、悲しく思われます。

政治が貧困なのです。
当たり前に、まじめに働けば、結婚が出来、家庭を持って家族と共に喜び、泣き………。
そんな日本が好きです。
〈ゴマメのばーば〉は、今日もまた、歯ぎしりを一つしました。

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背後に潜む好戦性

2014-05-30 07:46:32 | 日記
井上ひさしさんの次の言葉が大好きです。
    むずかしいことを やさしく
    やさしいことを ふかく
    ふかいことを おもしろく
    おもしろいことを まじめに
    まじめなことを ゆかいに
    ゆかいなことを いっそうゆかいに
特に最初の二連、私の努力目標でもあるのです。

でも、私が誰かに何かを伝えようとする時などは、ほとんどこの逆になってしまいます。
「むずかしこと」はより難しくなってしまいますし、
「やさしいこと」は軽薄に流れてしまいがちです。

難しいことを易しく、相手が理解できる言葉やしぐさで伝えるという事は
容易なことではありません。
だいたい、自分が伝えようとしている事柄を真摯に見つめてみると、自分自身が
良く理解していないという場合が結構多いのです。
だから、自分の不明を覆い隠す「煙幕」として、難しい用語を使ってしまう場合が
多いような気がします。
流行りの横文字や、カタカナ文字で説明してしまったりすることなどは、こうした「煙幕」の
一つなのかもしれません。

一つのことを相手に説明するということは、機器操作のマニアル本の説明のようにはいかない事柄で、
本来的に「難しい」ことなのでしょう。
そして、私たちは「伝える」という本来難しい事柄が相手に伝わらないと、つい相手を
なじったり、相手の不明さかげんを責めたりしがちなのです。

「むずかしいことを やさしく」
難しいことです。
だからせめて、人と接する時の会話だけでも、トゲのない「優しさ」を心がけたいとは
思っています。
でも、これも「言うは易く、行うは難し」で。

良寛さまは『自戒のことば』で言っています。
    《こころよからぬものは―――
         ことばの多き、口のはやき、さしで口、手がら話し、へらず口》
などなど。
みなみな思い当たるしだいで…………恥ずかしい限りです。

ところで、安倍首相の衆院予算委員会等での応答も、かなり《こころよからぬもの》でした。
自らが、応答をリードしたかったのでしょう。
    的確に答えない
    はぐらかす
    「ことばの多き」
    「口のはやき」
などなど。

国の規範の根幹を為す「憲法」に関しての論議です。
ただ一点、
「時の内閣の解釈で憲法を変えられるものなのか」
に、しぼっての論議を望みます。
首相の答弁を観ていて、私は、かなりの《こころよからのもの》を感じました。
また、『国民の安全と平和を守る』と繰り返す総理の言葉の背後に潜む好戦性に、
恐ろしさを覚えたのです。
                                   〈ゴマメのばーば〉
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『共に、乾杯』『いのちに乾杯』

2014-05-29 07:26:45 | 日記
〔ガリ ガリ ガリ・ザッツ ザッツ ザッツ・ガリ ガリ ガリ〕
という耳障りな騒音が窓から入って来ます。
近くの駐車場の除染をしている異音です。
コンクリートを削ったり、洗浄したりしている音です。
真夏の様な気温、雲ひとつない青空の下、除染で出た汚染廃棄物が、
幾つも幾つも黒いビニール袋に詰められて駐車場の隅に並べられています。

地震災害により私の住む町でも家屋の倒壊や、ビルの半倒壊が幾つもありました。
三年経過した現在、壊れた家屋が撤去されて新しい建物が出来ていたり、ビルの外装が
リニューアルされたりして、街並みの景観は良くなりました。

でも、手入れの行き届いた庭の花木の傍らに、除染で出た容器が保管されているのは
何ともアンバランスな光景です。
いつまで保管しなければいけないのか、劣化はしないのだろうかとの不安と一緒に置かれています。

我が家の除染は、ふた月ほど前に終了しました。
除染廃棄物は、家屋の裏側に保管しています。
裏側なので目立ちはしないものの、見たくはない異物です。

庭土や玉砂利の上に山砂を数センチ盛り土しましたので、庭の景観は白々しく落着きの悪い
ものでしたが、幾度かの雨を経て、土も少しずつ庭に馴染んできました。
土が馴染んだと言うよりも、目が慣れてきたのでしょう。

と、
諦めていた草花が、例年より遅れてはいますが芽を出し、花芽を付け、花を咲かせているのです。
   紫らん
   すずらん
   あやめ
   萩
   水引草
   ききょう
   なでしこ
   ふじばかま
   かんぞう
   ねじれそう
みーんな、みーんな、土を盛り上げて芽を出してくれたのです。
「こんにちは、今年もようこそ」
「ありがとう、土を持ちあげて、今年も顔を見せてくれたのね」
と、あいさつをしました。

いろいろと不安はあっても、この「生きもの」たちと、共生できる喜びだけでも生きて行けそうです。
『共に、乾杯』『いのちに乾杯』
                                  〈ゴマメのばーば〉

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「福島原発事故の本当の反省を」

2014-05-28 08:03:54 | 日記
安倍内閣は、9月で任期切れとなる原子力規制委員・島崎邦彦委員長代理と、元国連事務次長の
大島賢三委員の二人に代わって、東京大教授の田中知氏と、東北大教授の石渡明氏の二人を
選出すべく、国会同意人事案を衆参の議院運営委員会理事会に示しました。

田中知氏は、
「東京電力福島原発事故の反省に立ち、これまでの経験を最大限生かして取り組んでいく」
とのコメントは出しましたが、かって日本原子力学会の会長を務め、原発は必要との
立場をとる方です。
また、辞められる島崎邦彦委員長代理は、審査が厳格だということで、再稼働を求める側からは
交代を求める声が出ていたそうです。

任期切れによる交代といえばそれまでですが、原子力規制委員会のメンバーが代わることには
不安を覚えます。
福島原発事故の本当の反省は どこへ行ってしまうのでしょう。
とても、不安です。

原発事故の除染で生じた汚染土などを福島県内で保管する中間貯蔵施設について、国は
30年以内に県外で最終処分することを明記する方針を決めました。
国が100%出資する特殊会社「日本環境安全事業」の関連法を改正して施設運営を同社に
委託するとのことです。
31日に始める住民説明会では、地権者への補償方針案も示して理解を得たい考えで、
石原環境相が27日、福島県大熊、双葉両町長らに面会し伝えたと報じられました。

住民からは、
「最終処分場になるのでは」
「先祖伝代の土地を売りたくない」
との声も上がっています。
中間貯蔵施設を何とか作らなければいけないのですが、先行きは、かなりの困難が予想されます。
除染廃棄物は県内各地にたまるばかりですし、他自治体から「早く建設してくれ、という無言のプレッシャー」も感じるとの住民の声も上がっています。
私も関係住民ならば、そうした悩みを抱くと思います。
国が責任を持って「30年以内に県外で最終処分する」と約束したとしても、
県外に果たして受け入れてくれる自治体が見つかるでしょうか。
何か、先延ばし政策にしか思えないのです。
原発事故の後始末については、「先延ばし対策」しか持てないというのが現状なのです。

東シナ海上空で、中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接近した問題も怖いことですが、
原子力規制委員に、原発が必要とする委員が任命される事態も怖いことです。

千手観音様は、衆生を救うために千本もの御手を差し伸べて下さっていますが、
安倍政権が、矢継ぎ早に打ち出す「あの手この手」。
何とも恐ろしい「手」に思えてなりません。
                                  〈ゴマメのばーば〉
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「一枚の織りものに」

2014-05-27 07:29:05 | 日記
染織家で人間国宝の志村ふくみさんの講演を聞いてきました。
娘さんである志村洋子さんとのジョイント、「郡山市立美術館アートテーク」の一環でした。

    『色の命、命の色』
     自然界には豊かな色が在る。
     色は匂い、移ろい、生きている。
     命の表出である。

というテーマに添ったお話に すっかり魅了されてしまいました。
色への想い、いのちへの、恋にも似たあこがれ。
「アンチエイジング」とか、「かわいい」とかの表現は、まったく似合わない方です。
こういう方を美しい人と言うのであろうと、前列席で お話を伺いながら実感しました。

〇工房に月読み神社の「お守り札」を祀る、飾る。
〇「藍」は生きもの、「藍」は愛さないと立たない。
〇新月の時に「藍」を仕込み、満月を待って染める。
〇染織という復活

こうした お話を伺っていましたら、何かしら縄文時代に立たされているような気持になったのです。
この自然との一体感、話を伺っただけでも実に心地よいものでありました。

講演が済んでから、小半時(30分と言いたくはありません)、
私は周囲が雑木林の小高い山に囲まれた美術館の庭を一人、ゆったり、ゆっくり眺め歩きました。

静かです。
姿は見えませんが小鳥の声がします。
からすが枝に止まっていました。
一羽の からすの黒さが目立ちます。
風は、かすかに、ほんの少しだけ梢の先を通り過ぎて。
緑の洪水です。

「春先の新しい植物からは、うす緑が出る」とのこと。
目には、過剰なほどの緑が映るのに、「どうして」と問いかけたくなります。

帰りのバスを待っていましたら、
日射しが沁みて
空が沁みて
雲が沁みて
風が沁みて
鳥の声が沁みて
沁みて、沁みて、沁みて
取り出せない緑の中で、
私の内の何かが紡がれて一枚の織りものになってしまいました。
                                  〈ゴマメのばーば〉

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