ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『その両者を見分ける英知を与えたまえ』と。

2014-12-31 06:43:49 | 日記
平成26年12月31日。
「喜寿」も通過。
少し、気が急いてきました。

〈一日一日を、大切に生きよう〉
などと言ってみても、「どうってこと」もなく時間が過ぎて行きました。
「どうってこと」ばかりあっては、容易でありません。
退職時なら、
「大過なく過ごせましたことは…………」
と、感謝の挨拶を させていただくところです。
「どうってこと」なかったことは、ありがたいことでした。

まずは、
『本年もありがとうございました』
と感謝のことばで締めくくりたく存じます。
家族に、
友人知人に、
気づかずじまいのうちに お世話になった どなたかへ。

そして、
拙い私の「ブログ」を読んで下さったり、コメントを下さった方々へ、
『良い年が明けますように』
と、お祈りいたします。

私の祈りです。
《世界中の戦火が治まりますように
エボラ出血熱が終息しますように
避難されている方々が、ふるさとに戻れますように
事故収束のために、日夜働き続けている方々の安全が保たれますように
ニーバーの祈りに併せて、
主の御名によってアーメン》

    主よ、変えられないものを
    受け入れる心の静けさと
    変えられるものを
    変える勇気と
    その両者を見分ける
    英知を与えたまえ
          (ラインホールド・ニーバー)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「コトコト コトコト」ふっくらと、まろやかに。

2014-12-30 06:34:54 | 日記
お正月用品といっても、さほどの買い物をするわけではありません。
高齢者の二人暮らしです。
いわゆる「おせち」などを作りますと残ってしまい、処分に困るのです。

私たちの年代は モノが捨てられません。
特に食べもの。
戦時中、食べ物がなくて ひもじい思いをしたことの後遺症なのでしょう。
それに、「食べ物を粗末にするとバチが当る」と、教えこまれていました。
そんなわけで、残った「おせち」は、正月明けに ぶつくさ言いながら一人で「始末食い」の
羽目になるのです。

でも、お正月です。
少しは、それらしいものを調えたくて、スーパーへ。
円安の影響で、輸入ものの お正月用食材は高値になると知ってはいましたが、昨年より、
かなり値が張るようです。

あれこれ物色して、少なめに買い求めてきました。
やはり、けっこうな出費です。
来年の4月からは「マクロ経済スライド」が初めて適用され、年金額が抑制されるとの
ことだし………。
いろいろ苦しくなりそうです。

まずは丹波の黒豆を、しっかり煮上げました。
居間のストーブで、
「コトコト コトコト」
とろ火で8時間。
湯気と、豆の匂いが広がります。

【豆を煮つめる自分の一日だった】
と詠んだ尾崎放哉は、豆を煮ながら何を想ったのでしょう。
修行の 一つ、
それとも、
“あぁ、今日も一日豆を煮るだけで終わってしまった”という嘆息、
いやいや、「行」としての自分の行為を省みたという事なのでしょうか。

もう日暮れ時です。
西空には茜色が広がっていて、山並みは夕闇を取り込み始めています。

【たった一人になり切って夕空】
と、また、放哉の句が、突然 浮上してきました。
(この、突然の「想い」の浮上は、幼い頃からのものです。
教室で、先生の語った ある言葉から連想されたものの中にすっぽりはまって、
周囲が見えなくなります。先生から、よくチョークが飛んできました。)

放哉の夕空の中に私も溶けこみたくなったのですが、
【たった一人になり切って】いない中途半端な自分がここにいました。
“やっぱり、放哉にはかなわないなぁ”

昨晩、準備をして、本日、コトコトと火にかけました。
あしたの昼ごろまで、そのまま味を含ませます。
私の黒豆、煮上がりは上々。
ふっくらと、まろやかに。
                                    〈ゴマメのばーば〉
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「影響は、分かっていないのだから」

2014-12-29 06:32:12 | 日記
26日、NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査」が放映されました。
今、福島県では、2巡目の甲状腺検査で、新たに4人の甲状腺ガンの疑いの人が出ています。
番組は、この検査結果をめぐって、県民の不安や、検査に携わっている県立医大の医師たちの
取り組み、問題点等について、報告されていました。

検査のあり方に関して不安を抱いている母親。
検査を受けさせるという行為が、子どもたちに強い不安を覚えさせてしまうのではないか、
と懸念する母親。
「もう安全なのだ」と自身に思い込ませることで、不安を抑え込んでしまう母親。
様々な不安、疑念は、そのまま福島県の実態だと思います。

結論としては、
《放射能の長期にわたる影響ははっきりわかっていないのだから、慎重に長い目でしっかり
調べていきましょう。》
ということですが、私もそう思います。
とにかく、検査に当たった医師達も、放射線被ばくに関しては、知見に乏しいと言っています。

ひと度 事故を起こせば、このように想定以上のリスクを潜在的に持っている原発は、
経済性云々ではなく、使ってはいけないものだと私は思います。

原発事故の災禍に遭った福島県に住む私、私たちです。
いまだに不安のなかに生きているからこそ、この現実、この状況から目をそらさないで、
長期に渡って検証して行かなければいけないのだと思います。

そして、原発を再稼働したり、他国に売りこんだりしてはいけないと、被災者の立場から
発言すべきだと思うのです。

でも、私は残念でたまりません。
多くの県民が、先の選挙に棄権してしまっているのです。
また、投票した県民の多くが原発再稼働を進める政党に票を投じました。

どうして?
何故?
他の党は、もっとダメなわけ?
私は、とても残念に思っています。

経産省審議会は、「稼働実績で交付金を配布する」等の中間整理案をまとめました。
原発を稼働させれば、やっかいな放射能のごみを増やすことになります。
原発事故の指定廃棄物をめぐってさえも、自治体の反発が大きく住民の合意がなかなか
とれないのに、稼働によって生じる高レベル放射性廃棄物をどうしようというのでしょう。

そして何よりも問われているのは、
《原発に係わる私たち自身の意識のあり様》
だと思うのです。

原発稼働への是非は、人それぞれの考え方で異なるでしょう。
でも、「不安・不安」と訴えながら、再稼働を目論む政治を選択するのは、
とてもおかしな話ではありませんか。
                                   〈ゴマメのばーば〉
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィクションではありません。

2014-12-28 06:38:44 | 日記
毎日新聞社と、埼玉大学社会調査研究センターが行った調査によりますと、20代の6割が
『戦争体験談』を聞いたことがないそうです。
人口の8割が戦後生まれとのことですから、それも月日の流れと言うものでしょう。

来年は戦後70年。
戦争体験を、どう伝えて行くかが問われることになりそうです。
憲法9条を、戦争体験から語っても伝わらなくなりました。
体験談だけでは
「それは悲惨な過去のこと」
としてしか受け入れてもらえないことを、実感しています。

以前、『日本国憲法』の前文と9条を、私なりの意訳ですが、方言での『語りの会』を
持ったことがありました。
戦争にまつわる民話や、文学作品などと併せて語りました。

力量の無さもさることながら、その時も、〈むずかしい〉が実感でした。
共有すべきフィールドが得られないような気がしたのです。
そして これからは、戦争体験だけではなく、戦争の持つ悲惨さ、おぞましさを
作品化したもので伝えるべきなのであろうかと、私なりの方向性を考えたものでした。

戦争体験談に対しては、耳も傾け、感情の共有こそ出来たかに見受けらますが、
そのことが、現在の政情にどうアタックするかにまでは到達がむずかしいのです。
『だからね、戦争は絶対に しちゃいけないのよ』
「そうですね。人が殺し合うのは、いけないですよね」
で、完結となってしまいがちなのです。

〈むずかしくても、何かは伝えたい〉
そんなことを考えていましたら、
あっ、飛行機雲が。
西空を。
炎のような朱色の筋で夕空をカットして行きました。

『クリスマスの約束2014』で、小田和正が、ユーミンの「ひこうき雲」を歌っていました。
   ♪空に憧れて 空をかけてゆく
    あの子の命は ひこうき雲♪

映画「風立ちぬ」の主題歌でもありました。
私にとって、飛行機雲から思い出されるのは特攻隊です。
あの空に飛び立って、帰ることのなかった、あの人、この人の顔が浮かんで来るのです。
フィクションではありません。

飲むたびに、
『アスタツ サヨウナラ タダシ』
の電報を残して、大空に散った弟の話をして涙ぐむ知人も、あちらの人になって数年になります。

私は、何を、どう伝えていけばいいのか。
むずかしいのですが、誰かが、何かが、「語って」と言っているような、
そんな気がするのです。
                                   〈ゴマメのばーば〉
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『春夏秋冬』を口ずさんで

2014-12-27 06:35:41 | 日記
今年の冬のボーナスは大手で84万円。
伸び率としては24年ぶりに5%を超したそうです。

師走の街を歩き、道行く人や、スーパーの売り場で あれこれ買い求めている人たちの姿を眺めました。
私は、眺めるのが大好きです。
最寄りのJR駅構内にあるドトールで、よく、ひと休みします。
ここからは駅前広場が見渡せるからです。

お揃いのニット帽をかぶった若いペア-。
信号が青になって すぐ歩き始めても、渡りきれないうちに「黄信号」に変わってしまう
杖を持った高齢者。
横断歩道で立ち止って挨拶を交わしている人。
スマホだけ見ながら歩いてゆく若者。
よく他人にぶつからないものだと感心したりしながら、あれや これやと眺め渡します。

そして、
取りとめもないことを想像したり
ぼんやり過したり
コーヒー一杯分の、私の好きなミニタイムです。

駅前広場を、50歳前後とおぼしき男性が歩いて行きました。
持っている荷物からして、もしかしたらホームレスの方かもしれません。
これから、どこへいくのでしょう。
雪もちらつき、風は刺すような冷たさです。
今晩、どこで寝るのでしょう。
もうすぐ、日暮れです。

まだ老いてはいないあの男性の日常は、どんな暮らしなのでしょう。
気にかかります。
高齢者であったら、それはそれなりに気がかりですが、まだ働き盛りとおぼしい歳恰好の男性です。
仕事は、
家族は、
ふるさとは、
と、気になります。

まじめに働けば、食うことができて、結婚もでき、家族と暮らせる…………そんな世の中が好ましいなぁ。
そんなことを考えながらの師走の夕暮れ時、私は、泉谷しげるの『春夏秋冬』を口ずさんでいました。
『クリスマスの約束2014』で、小田和正が歌っていたからでしょうか。

   ♪季節のない街に生まれ
     風のない丘に育ち
     夢のない家を出て
     愛のないひとにあう

     春をながめる余裕もなく
     夏をのりきる力もなく
     秋の枯葉に身をつつみ
     冬に骨身をさらけだす♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする