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in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

事務局長来訪

2012年06月24日 | Haiti
昨日から、うちの社長が本部Genevaから(ブラジルとアメリカでの会議の合間に)、約48時間の滞在でハイチにやって来た。

もちろん自分がコンゴ出張中から、準備は始まっていたのだけれど、自分は数日前にプレゼンをちょちょっと直した程度。まあ、もう何十回もいろんな人に話している内容やし。

今日は日曜日なので、政府要人と会う代わりに、現場視察の日。朝8時過ぎのプレゼンから、現場2箇所を担当する。90年代に米国大使としてハイチに数年赴任されておられるので、ハイチの政情はうちのどの外国人スタッフよりも詳しい。

建てた仮設住宅の中で、被災者の方にもお会いしていただき、2年前の自分がプレゼンした計画がその通り実行できたことを証明できて、とても嬉しく思った。彼は、計画以上の出来と、喜んでいただいた。同僚やうちのスタッフに感謝する。

ニュー・ヨーク

2012年06月10日 | United States
週末をNYで過ごすことにして、前から観たかったフランス映画 Les Intouchables (The Intouchables)を上映している映画館を探すと、セントラル・パーク横に建つプラザ・ホテル近くの映画館(写真)でやっていた。

触れられない境遇(人種、社会的階級、身体能力、etc)の者同士が心を通わせていくという話で、ユーモアたっぷり、説教じみてないところがとてもよい。サントラ(Soundtrack)もとても洗練されていて(というか自分の好みに合っていて)、大満足の映画だった。

邦題は『最強のふたり』というそうだが、ちょっと違う気がする。日本では9月公開予定とのこと。各個性を尊重して介護する大切さ、をこの映画で主張する方も居られると思うが、もっと深い意図があるんやけどな。日本の生活環境では難しいかもしれないが。

<訂正>
去年5月にCooper Union新校舎のことを書いた。実はこの建物2010年にニューヨーク市で初めてLEED (Leadership in Energy and Environmental Design)に認定された大学施設とのこと。自然光や換気に配慮してあんな設計になっていたとは、さすがです。

まとめ

2012年06月07日 | Democratic Republic of the Congo
午前中はDRコンゴ事務所代表のM氏と、私の出張の総括と今後の課題について話す。

今回は以前のケニヤ(2009年)ハイチ(2010年)でのShelterを作る出張と目的が違ったので、やりにくかったが、まあ目的は達成したように思う。内容については触れられないが、アフリカで活動する難しさを短期間ながらまじまじと見せ付けられた。

昨晩会ったMさんの事務所にお昼を兼ねてお邪魔し、うちの社長へのお土産を頂戴する。夕方、ユネスコ本部に勤めるLさんと落ち合って空港に向かう。アフリカ担当ということで、DRコンゴを含め他の近隣5カ国の状況について話を伺う。DRコンゴについて『内戦でゴリラが殺されるとニュースになるが、内戦で人が殺されてもニュースにならない国』とLさんは表現する。そんな海外メディアの取り上げ方に疑問しつつも、内戦が当たり前すぎて記事にならないことも確かだ。

キンシャサ空港(写真)での手続きが素人にはとてもややこしくて(なんだかんだとお金を公式にせびろうとする)、見送りに来てくれたうちのスタッフM君と出国手続きをしてからはLさんに本当にお世話になる。空港棟で荷物検査をしているのに、搭乗口(正確には、機体に上がる階段の前の屋外広場)でAir France職員によって再度荷物検査が行われる。そのおかしなシステムに、もう何回もDRコンゴに来ているLさんは、『Air Franceは空港職員を全く信用していないから、搭乗口前での荷物検査は自衛の策だ』と教えてくれる。なんて国だ。

ほぼ時間通りにキンシャサからパリへ機体が飛び立った。今回の出張でもいろんな人に会い、貴重な経験をした。エジプト海軍のH氏らと大統領選挙を見たのもその一つ。

首都キンシャサ

2012年06月06日 | Democratic Republic of the Congo
朝スイス人のM氏がホテルまで迎えに来てくれた。朝7時50分に待ち合わせをしていたので、一応時刻どおりにロビーに下りていくと、時間きっかりにM氏が現れた。さすが時計の国スイス出身。

某大使館へ挨拶がてら表敬訪問。大使は震災直後にハイチに応援で入ったことがあるらしく、DRコンゴでの活動に加えて、ハイチの復興状況についても説明させて頂いた。

夜は同僚Cさんに連れられて、彼女の友人の送別会にまぎれて参加。初対面なのに皆とても感じが良い。仏語ができない私を気遣って、「今日は英語で」って誰かが提案したら、皆英語でずっと会話してくれてた。仏語圏ではまずあり得ない現象。まあ、人の良いCさんの知り合いの人々だからか、類は友を呼ぶって言うし。主賓の人はコンゴで6年働いていたらしい。以前コンゴで働いていたうちの社長(当時は別機関所属)と旧知の方に会い、当時のエピソードを伺う。また別の人が、明晩同じ飛行機でパリに向かうことが判明し、ご一緒させてもらうことにする。

国内大移動

2012年06月05日 | Democratic Republic of the Congo
15連泊したホテルをチェックアウト。首都のKinshasaを目指し、コンゴ国内を大移動。前日、貨物機(といっても政府軍兵士が乗っていたらしい)がGoma空港の滑走路で事故ったため、「飛行機が今朝になっても飛ぶかわからないが、とりあえず来て下さい」と言われて、飛行場にやってきた。見送りに着てくれたお世話になったD所長に厚くお礼する。

結局、3時間ほど待って、滑走路が使えないので、ヘリで移動。どこ行きとも告げられないまま、BukavuというKivu湖沿いの空港に着く。結構うるさかったが、乗り心地はよかった。



次の飛行機がいつ発つかもわからないまま、漠然と待っているとハイチで一緒に働いていたコロンビア人のBが後ろから「よう!」と声をかけてきた。今年初旬からKinshasaで働いていたのは知っていたが、直前に連絡が取れず会えずじまいかと思っていたら、こんなところで。Gomaへの出張途中だと言う。昔話(といっても去年や一昨年の話)や近況を話していると係員から呼ばれて、Bukavuを発つ。



機内壁にベージュのカーペットのような内装が使われていて、型はかなり古いが007の映画に出てきそうな飛行機で、Kisanganiという町に到着。この時点ですでに、午後3時半。明日10時に大事な約束があるのに、今日中に着けるかな、焦ってもどうしおうもないなと思っていると、待ち時間1時間ほどで、次の都市に向かう。





ようやくKinshasa空港に到着。時差が1時間あって、DRコンゴの首都Kinshasaまだ夕方5時過ぎ。が、誰も迎えに来てくれていないので、途方にくれていると、ちょっと遅れてうちの会社の運転手がやってきて一安心。「渋滞で遅れた」と言うので、また口実かと思っていると、空港から事務所までの道のりに結局3時間半もかかってうんざり。風景を見ていると、ハイチに戻ってきたようだ。目の前を、JAFのシールがついたトヨタのRav4が走っていたので、昔よくお世話になった知人や当時のことを思い出す。



事務所で到着を待っていてくれたスタッフと軽く打ち合わせをした後、事務所代表のスイス人M氏とベルギー人の同僚Cさんと中華料理屋へ。後ろのテーブルが日本人グループだったので、久しぶりに日本語を耳にした。

記憶に残る長い1日だった。

強制執行

2012年06月04日 | Democratic Republic of the Congo
明日はGomaから移動するので、事務所でのrecap。2週間はあっという間に過ぎた。

最後に気になっていた事務所近くの建物(写真)に何が起こったか聞いてみると、道路拡張工事に応じない持ち主に、行政が痺れを切らして拡張範囲に存在する部分をショベルカーで切り取ったとのこと。いわゆる強制執行ってやつか。

行政が何もしない国よりは、積極的なその姿勢にある程度の好感は持てる。が、一緒に仕事をするとなると、その強引さに苦労するだろうなあと想像する。

地球があんまり荒れる日には

2012年06月03日 | Democratic Republic of the Congo
DRコンゴに来ていることを知らない関係者から、コートジボアール(象牙海岸)にシェルターを作りに来ないかと連絡があった。声をかけてもらえるのは嬉しいが、ハイチ勤務のすぐ後にコートジボアールで大統領選挙後(2010年12月)の内紛で家を失った人々のシェルターをつくる、その気力が湧いてこない。

コートジボアールといえば前日本国大使の岡村善文氏が綴っておられたコートジボアール日誌。選挙後の内紛が激しくなってしばらく休止されて居られたが、最近エピローグを付記されておられる。2011年4月に大使公邸からの脱出劇は、震災直後の日本ではほとんど報道されなかったのではないかと想像する。

谷川俊太郎氏の詩集『二十億光年の孤独』の中に「地球があんまり荒れる日には」という作品があって、その中に以下のようなくだりがある。

“月がみている
 全く冷静な第三者として”

今晩は、そんな月夜だった。自分がするような仕事が必要のない、穏やかな日が地球にやってくると良い。