in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

今回は長屋で

2010年11月30日 | Haiti
人口密度が高い被災地で仮設住宅をつくるにあたり、共用スペースの場所を確保するために2戸をくっつけた長屋に挑戦(写真)。

挑戦というほど、設計は変えてないのだけれど、くっついた2戸を1棟と数えずに1戸と数えるスタッフが続出し、被災家族の住居の割り当て、建設資材の発注から配送と、すべてがこんがらがってしまった。で、設計が悪いと言い出す輩も続出。それでも忍耐強く、状況を乗り切っていくと、なかなか良いものができてきたと思う。

新しいことには手を出さない方が良いと知りつつも、この現場ではバイオガスシステムを使用した簡易トイレも同時並行でを建設している。これは糞尿を密閉した便槽内で発酵処理させて、その過程で発生するメタンガスを共用の台所で木炭の代わりに調理用に使ってもらおう、という(壮大な)計画のもの。従来の屎尿汲み取り式では、毎月のように業者にバキュームカーを出動してもらわねばならず、そのコストもさることながら、維持管理がきちんとされなくなると衛生環境が最悪の状態になる。とまあ、詳細はまた今度。

大統領選挙

2010年11月28日 | Haiti
今日は大統領選挙の投票日。

スリランカで5年前に行われた大統領選挙も、11月。災害復興の後、セキュリティも不安定だった。何かといわくつきのハイチでの大統領選挙。選挙結果が出るまで、どうか平穏に過ぎてほしい。

政府が代わると復興計画の方針も変わることが多いので(まあ、ハイチの場合は元から復興計画があるのか微妙だが)、援助機関はこのところ二の足を踏んでいる。


再びテレビ取材

2010年11月25日 | Haiti
ハイチの大統領選挙前にやってこられた取材班に、最近のハイチの様子について情報提供していただけのはずが、現場での活動を撮影された。

今年7月に震災半年後の様子を撮影された時と同じ取材班だったので、スムーズにことが進んだ。

月曜日の放送は、ここ数日の北朝鮮と韓国の緊迫情勢がメインになるそうで、ハイチの話はそんなにないかもしれないが、放映予定時間は以下のとおり。


NHK BS1 「きょうの世界」
2010年11月29日(月) 22:00~22:50


猫に鰹節

2010年11月21日 | Haiti
借りている家の大家が子猫を飼い出した。飼うといっても、大家は1年の多くを海外で過ごすので、一時帰国時にちょっとかわいがるぐらい。あとは留守を預かる使用人D氏が日々の面倒を見ており、彼の仕事が増えただけのような気がする。

と他人事のように見ていたが、物を食べていると寄ってきたり、たまに懐いてきたり、まあ悪くはない。大家がまだ名前をつけていないので勝手にハイチからとった「ハチ」と呼んでいる。こないだ試しに、日本から持ってきた鰹節をやったら、狂ったように勢いよく完食した。猫が鰹節を好きなのは万国共通なのだろうか。

Corail Murder(7) 49日

2010年11月18日 | Haiti
先月初めにCorail現場の近くで、うちのハイチ人技術職員Dが銃殺された。犯人はまだ見つかっていない。

事件直後は上司にレポートを書くことで精一杯で、それを日本語の活字に直すことはさらに辛かった。49日を迎えたこと、時間と心の余裕ができたことから、当時の記録を元に該当日に綴った。Dのご冥福を祈る。

まさか自分の身近にmurderが起こるとは考えたこともなかったが、この世界で生きていく限り、いずれは起こり得たこと。二度と同じような事を繰り返さないよう、スタッフの安全管理を徹底させる。

ご縁

2010年11月15日 | Haiti
ハイチの"マザーテレサ"とNHKで紹介されていたSさんが、レオガンから小生の事務所までわざわざ訪ねてきてくださった。彼女の活動のお話を伺い、農業学校建設用地に今もなお避難している被災者の行き場所を探すために、要点をまとめて担当者に紹介するという橋渡しの役目をした。

短い時間の中で、とても礼儀正しく、始終柔和な表情に垣間見える強さというかオーラを感じた。私との会合の前後にも、メールや電話できちんとお礼をくださる姿勢を、自分も見習いたいと強く感じた。

ブログでハイチの話を綴られています。
http://aosud.blog111.fc2.com

彼女の活動場所に時間を見つけていつか訪れたい。

TV取材

2010年11月08日 | Haiti
震災後の復興活動を撮影しに、日本からテレビカメラがやってきた。ニュース取材ではなくて、5分ほどの短編ドキュメンタリ-とのこと。

ハリケーンやコレラの影響で取材予定が大幅に変更され、こちらもハリケーンの前後でバタバタのまま撮影。キャスターのルー大柴氏がハリケーン直前に帰国されたので、対話形式で進める予定が登場人物は主に自分だけということに。

隠しマイクをつけられて(写真)、カメラの前でカメラさんの後ろに居るディレクターさんの質問に答える。つい、声のするカメラの方を向いてしまうのだが、カメラの方を向くとNGらしく、何回かやり直し。

被災者の方とどちらも真顔で答えては、笑顔が足りないとやり直し。ついて来てもらったうちのスタッフの話し声がうるさいとやり直し。隣家から聞こえてくるラジオがうるさいとやり直し。撮影中にカメラの前を地元の人が平然と横切ってやり直し。上空を飛行機が通り過ぎてやり直し。現場撮影の大変さを体験する。

日本での放映は来年らしい。

台風一過

2010年11月06日 | Haiti
ハリケーン・トーマス君は予定の進路をそれて、隣国キューバとハイチの間を抜けた。

首都ポルトー・プランスにハリケーンが来るといわれた昨日は気味が悪いくらい静かで、明け方に突然雨が降り出した。夜明けとともに雨は止んだのだけれど、当然の如く(いつも以上に)いたる所で冠水(写真)。これでは、コレラがやってきたら、防ぐのは相当難しい。

ハリケーン到来か

2010年11月04日 | Haiti
コレラ蔓延の次は(まだ終わってないが)、ハリケーン到来とハイチの人々をさらに苦しめる出来事が続く。国内に未だ1300以上ある避難所でその起こりうる被害に対応するために、ここ数日うちの機関も対応を迫られている。せっかくの休暇で養った鋭気も数時間でなくなった。

私の所属する仮設住宅建設チームは、竣工を前倒ししてテントに住む人々に入居してもらったり、工事中の屋根などの部材が飛んで周辺の人への怪我を防ぐことに精力を注いできた。

今日もある現場を訪れると、竣工していない仮設住宅に数家族が占拠。竣工前の入居は施工業者とのトラブルのもとで、絶対に避けたいのだが、幼子らを見ている(写真)と出て行けともいえず、「ハリケーンが通り過ぎたら出ていくように」と伝えて、見てみぬふりをする。経験上、業者との揉め事や被災者家族が居座り続ける事になるだろうが、仕方がない。

ハリケーンの状況は、国内ニュースのかわりに、数時間ごとに以下のサイトをチェックしている。
Stormpulse
少し進路が首都から逸れてきているので最悪の被害は免れそうだが、まだまだ油断できない