in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

お礼参り

2007年09月30日 | Weblog
毎週日曜日に通っていたスペイン語初級クラスの進級試験の日、あまりにも試験勉強していなかったので、当日になってすっぽかすことにした。その分時間が空いたので、今年7月に訪ねてからそのままになっていたKelaniya寺院の例の手相鑑定士への報告と、お寺へのお礼参りに行くことにした。

Kelaniya寺院は今日で3回目だが、すっかり観光ではなく参拝に来ている気分になっている。自分以外にみるところ外国人は誰一人折らず、それがまた参拝という雰囲気を高めさせてくれたのだろう。普段は食事や睡眠の時間を削りがちな生活をしているので、こうしてお寺に来て自らを振り返る時間をつくるはある程度必要に違いない。

境内を一巡してから、例の鑑定士の元へ。自分のことを覚えていてくれたらしく(外国人の手相を見たのは久しくないらしいから、覚えてくれているのは当然といえば当然かもしれないが)、あの鑑定後、すぐに昇進したことを告げるとものすごく喜んでくれた。彼の喜びようを見ていると報告しに来た甲斐があったと思う。ついでにもう一度手相を見てもらうことにした。今回は前回のように訳してくれる友人がいなかったので、身振り手振りでなんとか理解する。

1)周囲にとても受け入れられやすい存在である
2)今年12月に転機が訪れ、2008年から15年にかけて順風満帆である
3)しばらくお金に困ることはない
4)友人がお金に困っていたようだが解決したようだ
5)来月(10月)は食生活に十分に気をつけなさい

さて、1)は自分の再度の訪問に気をよくした彼が、鑑定の始めに即答した内容なので、まあ気にしないとして、気になるのは2)の今年12月に転機が訪れるとの項である。実は自分の現在の仕事の契約期間は今年12月末までで、その先は不透明である。そんな内情を鑑定士がまさか知っていたわけもなく、この12月に何かが起こるらしい。気になる。いまの仕事に就くまでは何かとうまくいかないことが多かったので(個人の力量不足といえばそれまでなのだが・・・)、これまでの苦労が報われるといいなあと思う。4)については職場で親しい研修生が銀行振込のトラブルで一時的に生活費に支障が出ていたので、ちょうど昨日お金を少し工面してあげたところ。偶然とはいえびっくりした。

手相を見てもらっているというよりも、第三者に違った角度から自分の人生についてコメントしてもらい、それが当たっているかどうかは別にして、自分を振り返るきっかけになっていると感じる。

ナイトスクープ

2007年09月29日 | Weblog
同業者でColombo在住の関西人の友人Yさんから誕生日プレゼントでもらった(貸してくれただけかも?)探偵ナイトスクープのDVDを見た。この番組、日本ではあまりテレビを見なかった自分がかかさず見ていた数少ない番組の一つで、とてーも懐かしかった。今回のDVDは、過去の桂小枝を中心とした探偵が捜査(?)した小ネタ集が30ほど入っていて、真剣に見入った。半分以上は、テレビで以前見たことのある内容であったが十二分に楽しめた。

依頼者の住む地名(吹田市にお住まいの○○さんからのご依頼で・・・というくだり)やロケ地(朝日放送近くにあるシンフォニーホール前の公園とか)で、知っている場所が出てくると敏感に反応してしまう。次回は、越前屋俵太氏がよく担当していた社会派ネタ(「あなたの大切なものを見せてください」とか「あなたにとって幸せとは?」といった調査、よく石切神社の参道でお年寄りに聞いていたと思う)をもう一度見てみたい。

火災発生

2007年09月26日 | Weblog
Colombo近くの津波仮設住宅サイトで、本日午前10時ごろ電気ケーブルの不具合から火災が発生し、30世帯が家を失った(写真:Kalutara職員撮影)。幸いなことに、死傷者は出なかった。

住棟間が狭く(約1.2m、うちの機関が建てたものではない)、壁は板材で覆われていただけなので、あっというまに火が回ったらしい。消火器や砂バケツが数個常備していたが、役に立つレベルではなかったようだ。

本日は非常用テントを提供し、明日から具体的な対策を練る。このまま仮設住宅サイトを閉鎖したい役所と、この場所に住み続けたい被災者との話し合い結果によって、うちの機関の支援メニューが決まる。

通常営業中

2007年09月24日 | Weblog
本日午前10時をもって、臨時代表の役を放免された。M大ボスもA姉さんもまだ帰ってきてないが、自分より上のバングラディシュ人職員Z氏が戻ってきたので、今日からは彼が臨時代表となった。

といっても、彼はまだこの国に赴任してから一ヶ月しかたっていないので、20も30もあるプロジェクトについて様々な判断をしつつ、各国事務所や他機関からの対応するのはちょっと酷だろうと思い、引継ぎのときに「何かあったら、いつでも声かけてください」と伝えておいた。

同席していた同僚からは、「そんなに自分を安売りしてはいけない」というような忠告を受けたが、同じ組織なのだから助け合うのが当然だと思うとコメントしたら、「自分の仕事が自分の許容量を超えないように制限しないとね」と返ってきた。返す言葉がない。率直な忠告に無言で感謝する。


うちの機関では、スリランカ国内で一般向けに、人身売買や海外不法就労で被った損害等についての電話相談を平日午後に行っている。その職を担当していた契約職員M氏が今朝自宅の寝床で急に亡くなられた(享年73歳)。ご冥福をお祈りする。

王様気分

2007年09月20日 | Weblog
今週は、大ボス代行をしつつ、これまで携わってきた建設事業も平行して面倒をみている。普段はのんびりしている現場事務所の技術職員らに、大ボス代行の自分が電話をすると、声色を変えて対応してくれるものだから、むずがゆいというかなんと言うか。自分より年長の現場事務所々長連中も、なぜあいつが?と思っているだろうに、そんなそぶりも見せずに、逆にゴマすり気味に事業経過報告を説明してくれる。

身近なスタッフには、自分が説明する時間がないので、「あれとこれとそれして」と、プロジェクト名を告げるだけで、夕方にはそれなりに成果が出てくる。恐るべし、地位の力。というか、「普段からそんだけやってくれよな」と思ってしまう。よくよく聞くと、彼らの上司(=自分)が認められて、彼らも嬉しいとのこと。彼らには普段から仕事の質について、うるさく言っていただけに、自分が間違ってなかったことを今回証明できてよかった。

今週は、理由説明なしに「それして」、「これが欲しい」、「あそこに行く」などと言葉にするだけで、ほぼ寸時に実現する環境におかれて、自分の身分を錯覚してしまいそうだ。役職の重圧を引き受けると同時に、この優越感。どうなんでしょうか。

ちなみに、いつも通勤に使っている三輪(TukuTuku)運転手(うちの職員ではない)までが、「自分は大ボスの運転手だ」とうちの事務所の警備員に自慢気に話しているのを耳にして、なんだか可笑しかった。

怒涛のメール

2007年09月19日 | Weblog
怒涛のようにメールが来る。スリランカ国内はもちろんのこと、今日は以下の国々からメールが来た。日本語で来たものは以前スリランカで働いていた友人が新任地のパキスタンから送ってくれたメール1通のみで、あとはすべて英語、まあ当たり前といえば当たり前なのだけれど(東京事務所とメールでやり取りするときも、たいてい他国関係者をCCで含んでいるので、英語で伝えないといけないのですねぇ、これがまた!)。添付書類がフランス語のものもあり、返事はその書類を読めるA姉さんが帰ってくるまで保留。

ジュネーヴ(スイス)
ロンドン(英国)
香港(中国)
東京(日本)
マニラ(フィリピン)
ジャカルタ(インドネシア)
イスラマバード(パキスタン)
キャンベラ(オーストラリア)
ウェリントン(ニュージーランド)
ワシントン(アメリカ合衆国)
サント・ドミンゴ(ドミニカ共和国)

必ずしも内容と差出人の居住地が関係しているわけではないので、メールの内容を理解するのに、その国の背景を知る必要はほとんどない。それでも、国際政治情勢に関する一般知識は求められるみたい。そういえば、最近あまり新聞を読んでいない。

スリランカのコロンボ事務所に座って、国内事務所のごたごたを解決していくだけでなく、各国事務所とのやりとりもこなしていくこのポジション、臨時で引き受けるにしても一週間で十分すぎる。早く誰か代わってほしい。

元C大ボスがたまにもらしていた「孤独な立場」とはこのことかと今になってわかる。

会議に出る

2007年09月18日 | Weblog
朝一から、国際機関代表会議なるものに参加してきた。スリランカ国内で活動する国際機関の代表らが集まって、月2回の情報交換をするのが目的らしい。A姉さんからは参加してもしなくてもどっちでもいいと言われていたが、どんなものなのかちょっと興味があったので、のぞいてみることにした。

ここでの仕事関係では約1年半ぶりのスーツを着て会場の世銀(World Bank)に到着。朝8時開始のBreakfast Meetingとかで、参加者にふるまわれたコーヒーにクロワッサンをかじりつつ、わかったふりをしながら全体の様子を観察してみる。年齢層は少し高めで、明らかに自分がひよっこであることが判明。参加者の話し方も非常にエレガントで、「同じ英語かいな?」と思うような表現が続出。例えるなら、国会答弁の日本語のようなものだろう。

興味を引いたのは、先週起こった津波警告の不備と今後の課題についての議論と、国内のSecurity Updateであった。幹部職員らはこうした効率的な情報収集(Resources)を持っているのかと、C元大ボスがもっていた膨大な情報の入手手段を垣間見られた。Security Update関連で、国内での内戦による死亡者数の統計を見ていると、

2004年   187名
2005年   347名
2006年  2,644名
2007年  1,510名 (9月15日現在)

と、ここ数年の情勢が悪化してきた様子がわかる。反政府軍の死者数は正確な数が把握されていないため、実際のところはこれより多くの人々が犠牲になっているはずだ。今年の1,510名のうち1名はうちの機関の職員(当時)で、1月初めの日曜日、Vavuniyaにて勤務外に地雷の被害にあった。

会議を無事終えて、午前10時すぎには事務所にもどる。自分のスーツ姿が珍しいらしく、いろんな職員(特にスリランカ人)がのぞきに来る。「さっさと仕事せぇ」と言えるわけもなく、愛想笑いで対応する。それにしても、こんなスーツ姿が話題になるくらいの平和な事務所であることを再確認する。悪くない。

そんなこんなで、来客対応していると、さっきの会議で一緒だったUNHCRの副代表から、「スリランカ人男性からの問い合わせで、シンガポールに出稼ぎに行った奥さんが、Passportの期限が切れたため(なぜか)クアラルンプールへ更新手続きに行った。その途中で警察(らしき人物)に身柄を拘束され、現在行方不明なので貴機関の支援を要請したい」と電話がかかってくる。

こうした出来事こそ、うちの機関が専門とする分野なのだが、自分個人としては全くの素人で、電話口ではわかったふりをしながら、頭の中では「どうする?、どうする?」がぐるぐるまわる。「組織内で検討した後、折り返し返答する」というありきたりの内容で電話を終え、いつも何かと面倒をみてもらっている受付嬢Sに、ものは試しで相談してみる。すると、「この部署のあの人にコンタクトして、あとはあの人に連絡させなさい、あなた今週は大ボスなんだから」と3分足らずで即決。すばらしい。

実際の解決には、現状把握から該当政府もしくは警察への問合せ、そして要請、云々と数週間かかる模様である。責任等の重圧がある一方、組織のいろんなことが見えてきて学ぶことが多い一日だった。

Sign, Sign and Sign

2007年09月17日 | Weblog
週末は何事もなくすぎ、いよいよ一週間がはじまった。M大ボスの秘書、A姉さんのアシスタントにいつもの自分のアシスタントDの3人構成で直に仕事をサポートしてくれる。悪くない。集中しやすいように大ボスの個室で仕事をしては?とも勧められるが、いつもの場所の方が何かと都合が良いので、いつもどおりの席で仕事をする。

普段は仕事では係わりのなかった同僚らが次から次へと仕事の話でやってくる。数万円から数百万円までの支払書類に、出張届、休暇届、雇用契約更新など、何十回とサインした。やってくる人々や、かかってくる電話で話すだけが仕事ならいいのだけれど、メールがこれまた大変。夜になってどっと疲れがでてきた。それでも無事一日を乗り越えて満足だった。

敬老の日ということで、大阪の祖母に電話してみた。元気そうで嬉しかった。

大ボス代行

2007年09月15日 | Weblog
本日より今月23日まで、スリランカ事務所代表代行をやるはめになった。今週来ていたM大ボスは前任国ジンバブエに一時的に戻り、A姉さんは研修でインドネシアへ、もう一人のシニアスタッフも出張云々で、自分にお鉢が回ってきた。

一昨日の宴会で、A姉さんが不在中に飼猫の世話をしてくれる人を探していると聞いたので申し出たら、

A「私の猫はいいから、事務所をお願いね!」
G「へ???」

とあり得ない展開となった(実は、事前に決まっていたらしい)。身近なスタッフは上司の一時的な昇格に嬉しいらしく、はしゃぎまくっているが、自分は猫の世話の方が断然良かった。国内9事務所、総勢約300名のスタッフにこれから約一週間何も起こらないことを願う。とりあえず、衛星電話を持ち歩いている。

仮設住宅修復作業

2007年09月14日 | Weblog
戦闘で壊された仮設住宅をこれから修復する。
(写真撮影:Trincomalee事務所職員)

この仮設住宅はうちの機関が、日本政府の資金提供を受けて2年ちょっとに津波被災者用に建てたものである(今回の修繕費は、米国赤十字の提供)。仕事と割り切るしかないのだけれど、この現状をうまく言葉で表現できない。