電話で頼めば何とかなるらしいことがわかり、ヒラルディ邸への見学も取り付ける(スペイン語ではGは英語のHに近い発音に。ちなみにスペイン語でHは発音しない)。ヒラルディ氏の友人(ビジネス・パートナー)だったご主人が、ヒラルディ氏の死去(1994年)後、その家を譲り受けて自分の奥さんとその息子3人で現在も住んでいる。バラガンの最後の作品(1977年)と言われている。
見学日当日、雨季のメキシコ・シティで昨夜からぐずついた天気だったので、どうか晴れて欲しいと願っていたら、宿を出る頃には太陽が顔を出し始めた。家(自宅)を案内してくれたのは、その奥さん。玄関から始まり、吹き抜けの手摺りなしの白い階段室、2階の居間、テラス(2階の寝室と3階のさらに2寝室は非開放)。そして1階離れにある室内プール兼ダイニングルームとそこに至るまでの黄色に染まる廊下。と、住み続けておられるのに(から?)よく手入れがされている。
敷地内に着工以前から立つハカランダの木を中心に住宅が設計されている。今回は枝に葉が少し茂っている状況だったが、冬の枝だけの写真や春に藤色の花が枝先に満開になっている写真を見せてもらって、その設計意図をさらに理解できた。
最後に淡い黄緑のキッチンで話を聞いていると建築家を目指す一番上の息子が飲み物を取りにきたついでに混じって、たわいのない雑談に。
・ 自宅を見学用に開放しだしたのは5年ほど前から
・ この世界的に有名な自宅を誇りに思うし、多くの方に触れてもらいたい
・ 主に平日の午前中に予約を受けるが、忙しい時、来客が来る時、気が乗らないときは断る。一方で、夜のプールの見たい方に夜間見学を受け付けることもある
・ 乾燥機もあるが、洗濯物は見学者の来ない晴れた午後にテラスで干すことが多い
・ 見学料の一人150ペソ(約千円)は維持管理費に使う
・ 塗りなおす時期は、お金が貯まり次第。もっと頻繁にしたいが金銭的に難しい
・ 最近、塗料会社とのタイアップ(見学者に写真の資料を配ること)で一部のペンキを寄付してもらっている
・ 一人住まいの施主の家として設計されたのに、トイレは最初から家の中に5箇所ある(各寝室、玄関横、女中部屋)
・ 見学者の白い壁に不必要に触れたり、背中からもたれ掛かって靴底をつけたりする行為には苛立ちを覚える。よっぽどのことがない限り注意しないが
と、こうメモを書いていると、昔後輩の調査を手伝った記憶がよみがえってくる。実際に人が住んでいると、不満な点が目立つように思うが、この家はそれ以上の魅力があるらしい。昨日の感動が大きすぎたのか、日本で見慣れたヒラルディ邸の写真が実物以上に良く撮れているのか、当日は期待が大きすぎた印象を覚えた。後日思い返してみると、10m x 35mの敷地に建つ都市型住宅として、完成度の高い作品といえる。
見学日当日、雨季のメキシコ・シティで昨夜からぐずついた天気だったので、どうか晴れて欲しいと願っていたら、宿を出る頃には太陽が顔を出し始めた。家(自宅)を案内してくれたのは、その奥さん。玄関から始まり、吹き抜けの手摺りなしの白い階段室、2階の居間、テラス(2階の寝室と3階のさらに2寝室は非開放)。そして1階離れにある室内プール兼ダイニングルームとそこに至るまでの黄色に染まる廊下。と、住み続けておられるのに(から?)よく手入れがされている。
敷地内に着工以前から立つハカランダの木を中心に住宅が設計されている。今回は枝に葉が少し茂っている状況だったが、冬の枝だけの写真や春に藤色の花が枝先に満開になっている写真を見せてもらって、その設計意図をさらに理解できた。
最後に淡い黄緑のキッチンで話を聞いていると建築家を目指す一番上の息子が飲み物を取りにきたついでに混じって、たわいのない雑談に。
・ 自宅を見学用に開放しだしたのは5年ほど前から
・ この世界的に有名な自宅を誇りに思うし、多くの方に触れてもらいたい
・ 主に平日の午前中に予約を受けるが、忙しい時、来客が来る時、気が乗らないときは断る。一方で、夜のプールの見たい方に夜間見学を受け付けることもある
・ 乾燥機もあるが、洗濯物は見学者の来ない晴れた午後にテラスで干すことが多い
・ 見学料の一人150ペソ(約千円)は維持管理費に使う
・ 塗りなおす時期は、お金が貯まり次第。もっと頻繁にしたいが金銭的に難しい
・ 最近、塗料会社とのタイアップ(見学者に写真の資料を配ること)で一部のペンキを寄付してもらっている
・ 一人住まいの施主の家として設計されたのに、トイレは最初から家の中に5箇所ある(各寝室、玄関横、女中部屋)
・ 見学者の白い壁に不必要に触れたり、背中からもたれ掛かって靴底をつけたりする行為には苛立ちを覚える。よっぽどのことがない限り注意しないが
と、こうメモを書いていると、昔後輩の調査を手伝った記憶がよみがえってくる。実際に人が住んでいると、不満な点が目立つように思うが、この家はそれ以上の魅力があるらしい。昨日の感動が大きすぎたのか、日本で見慣れたヒラルディ邸の写真が実物以上に良く撮れているのか、当日は期待が大きすぎた印象を覚えた。後日思い返してみると、10m x 35mの敷地に建つ都市型住宅として、完成度の高い作品といえる。