in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

はじめに(3)

2016年12月31日 | Weblog
海外(=日本国外)生活が通算12年間を超えました。メールや手紙のやり取りの代わりに始めた、ごくわずかの知り合いにしか教えていなかったブログですが、いつのまにかその他の(私を直接知らない)方々も日々訪れてくださっているようです。現在は10年ぶりに電気・水道・交通に不自由ない環境の元で、災害(自然災害・人災両方)復興の後方支援をしています。

尚、このブログは筆者の主観的なコメントですので、所属機関の意向を示すものではありません。

ヨーロッパの首都へ

2016年11月10日 | Belgium
会議出張でEU本部のあるブリュッセルに来た。ジュネーブからは飛行機で1時間ほどと日本での国内移動の感覚。朝7時過ぎの飛行機だったので、6時には空港に着いて、機械による自動チェックインも済ませた後で、ふと気がつくとパスポートを家に置いてきていたことに気がつく。他の身分証明書があったので、必要ないかなとは思ったのだけれど、昨今の情勢だけに取りに帰ることにした。道も空いていたので6時半には再び戻ってきて、難なく搭乗する。(結局シェンゲン協定のおかげで、両空港ではパスポートが要らなかったが、EUの建物に入るときには必要だった。)家が空港に近くてよかった。

写真はEUの緊急管理室でも訳すのだろうか、天気予報や災害地の地図などをモニターする部屋で、会議の合間に見学した。EU本部や関連機関が置かれているだけあって、街全体がお役所雰囲気を醸し出している。霞ヶ関のような感じで、東洋人らしき人はあまり見かけず。


スコピオ

2016年10月16日 | Macedonia
マケドニアの首都スコピアに到着。明日から現場スタッフと一緒に地元の役所の職員研修を担当する。昨年バルカン地域を担当していたのと、本部の人が皆出払っていたので、自分のところに話が来た。空港からのタクシー運転手の話題にもなるぐらい、1963年の震災復興で都市計画に携わった丹下健三氏のことは国内で有名なようだ。

リハーサル

2016年10月01日 | Switzerland
昨夜の便でジュネーヴに戻ってきて、明日の演奏会のリハに参加。スーツ・ケースは同じ便で昨夜届かなかったものの、そんなことは大したことではないと思えるぐらい、今日の練習に参加できてとても嬉しかった。ソリストのマキシム・ヴェンゲーロフ氏は一流と言われるだけあって、すごいオーラを感じる。

モスル危機対応

2016年09月21日 | Iraq
急な出張を命じられて、2年前にも訪れたイラクのアルビルを再訪。軍がISISを追い込むにつれて、国内避難民の増加が予想され、キャンプ候補地の現状を見て、土地が適切かどうか判断し、必要な人材リスト作成や見積もりを組む任務を担当する。

こうした状況は規模や背景が違うものの、スリランカの内戦終結前後(2009年)のことを思い出す。自然災害復興と違い、こうした紛争対応は政治色が絡み、対応がかなり難しい。地雷除去に関する安全性も懸念される。

今日は防弾チョッキを着て、モスルの南50キロほど離れた候補地の視察へ。真の煙は油田が燃えているので、戦火によるものではない。

国連職員に

2016年09月19日 | Switzerland
転職したわけではなく、所属機関が国連に加入したので、なりゆきで国連職員となった。



シュミレーション

2016年08月24日 | Switzerland
現場スタッフへの訓練用に行うシュミレーションの内容を吟味するために、本部の若手やインターンを使ってシュミレーションを一日行った。事務所横の空き地にテントを組み立てて、状況をそれらしく設定した。

ほかの部署のスタッフが準備する様子を上から見ていたようで、レセプション(カクテル・パーティ)があると思って期待していたのにー、と言われた。笑

夏本番

2016年07月17日 | Switzerland
ジュネーヴも30度を超える日がちらほら出てきて、そんな日が週末と重なると湖畔周辺には水着になった人々で埋め尽くされる。

気候や環境上の理由から冷房がない建物が多いので、涼むには水辺やショッピングセンター(日曜は休み)に出向いたり、公共バス(冷房が効いている)に乗るくらいしか選択肢がない。あと山に登るという手もある。


エヴィアン

2016年07月10日 | France
レマン湖の対岸・フランス側にあるエヴィアンという町に立ち寄った。自然水で有名なEvianの工場があるところ。町中には源泉があり、ボトルを持って汲みに来ている人らがいた。試し飲みしてみると、外気温は30度を超えていたが水は冷たく、美味かった。

ヴィンタートゥール

2016年07月06日 | Switzerland
職場の休日だった今日は日帰りで、チューリッヒの郊外にある街ヴィンタートゥール(Winterthur)まで足を運んだ。

以前産業で成功した豊かな財力をもつ資産家たちがパトロンとなり、芸術の花を咲かせた文化の都としても知られている(らしい)。

日本のガイドブックなどではあまり有名ではないようだが、実際に行ってみると世界的な名画を所蔵するオスカー=ラインハルト美術館、オスカー=ラインハルト・コレクション<アム・レマーホルツ>、ヴィンタートゥール美術館、写真美術館など、地理的にはそれほど大きくない街に、質の高い美術館・博物館が10近く存在し、芸術好きにはたまらない。

写真はオスカー=ラインハルト美術館の2階から企画展示室のある3階へあがる階段。その外観からは想像できないデザインがかっこいい(上るのはちょっと怖いが、エレベーターも脇にあった)。

パリ市役所

2016年07月01日 | France
多くのフランス人はせかせか仕事をしないと経験上思っていたら(失礼!)、金曜夕方5時からの会議で急遽市役所に呼ばれた。よっぽど切羽詰っていたのだろう。議題は例の移民・難民施設の準備で、うちの組織からの提案をいくつかあげる。予算を抑えたいかつホームレスの溜まり場になってほしくない先方側と、最低限の基準は守ってもらいたいこちら側と、あーでもないこーでもないとやり取りする。

ジュネーブ行きの最終TGVに間に合わなかったので、喜んで仕方なく、パリで一泊する。

写真はパリ市庁舎の内側から光庭を望む。

絵になる風景

2016年06月27日 | Switzerland
前もって出張がわかっていて、冷蔵庫の中をほとんど空にした時に限って、その出張が突然延期になることがある。今日もそんな日で、週始めなのだけれど、天気のよいのを口実に湖のほとりまでやってきた。夜7時をすぎているのに外はまだまだ明るく、雲が少なく空気も澄んでいるので、仏領にあるモンブランがはっきり見える。噴水に虹がかかり、これこそジュネーブという風景が携帯電話のカメラでもきれいに撮れた。

日帰りパリ(2)

2016年06月21日 | France
あてにしていた同僚の都合がつかなかったのだろう、明日パリに行ってくれるかと聞かれ、今朝のTGVで現地に向かう。パリにもあるうちの事務所(この建物とその周辺が映画 The Bourne Identityに出てくる1シーンににそっくりだった)で打ち合わせをした後、某所で役所の方々とお会いする。移民支援施設に改装する前の使われていない倉庫(写真)は現代美術館と言えなくもない現状だった。

イギリスに向かおうとしていた移民・難民が諦めて、パリ周辺に集まってきているらしく、早急な対応を迫られているらしい。やはり仕事が見つからないと将来の生活ができないので、彼らが都市部に集まってくるのは理解できるが、受け入れ側ははいそうですかとはいかず難しいところ。

前回のパリへの日帰り出張からしばらくたつが、ジュネーブ・パリ間は、大阪から東京に日帰り出張するのとさして変わらない距離感と時間であることを再確認した。


アヌシー

2016年06月19日 | France
昼はジュネーブから車で40分ほど南下したところにあるフランスの町アヌシーを訪れる。フランス人にも人気の観光地だそうで、旧市街の運河はフランスのベニスと呼ばれているらしい。実際の運河部分はそんなに大きくないけれど、きれいに整備されていて、花も咲きあふれていて目を楽しませてくれる。このところ続く雨で、水かさが増していた。


夕方はジュネーブに最近引越して来られて、UNオケに入られた方のお宅にお邪魔して、旦那さんも交えての三重奏を楽しむ。テレマンを吹くのは20年ほどぶり。とても楽しかった。

Fondation Martin Bodmer

2016年06月12日 | Switzerland
ジュネーブの街外れコロニーにあるボドメール財団の図書館を訪れた。大金持ちが住むエリアらしく、数百メートルごとに各屋敷が存在し、眼下にレマン湖が広がり、白馬が静かに牧草を食べていた。

建築家マリオ・ボッタが設計した地下の造改築部分を見に行った。世界的に希少と言われる書物を展示してあり、かなり照明が落としてあった。おさまりがしっかりデザインされている以外は、特に主張されておらず、展示物以外の印象が残らないように設計されているのだろうなと感じた。

象形文字が描かれたパピルスから始まり、歴史で習った諸々の書物が間近に見られた。財政状態が困難だった財団は、所有していたミケランジェロのデッサンを競売にかけ建築費を捻出したというから、他の書物も相当高価なものなのだろう。コレクションの一部として、源氏物語の16世紀(室町時代?)につくられた挿絵付写本や、竹取物語、古今和歌集が飾られていた。