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in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

震災5周年

2015年01月12日 | Haiti
今日はハイチで震災が起こってから丸五年がたつ。自分はもうハイチを離れてしまったのだけれど、前任地のことは長くいた分とても気になる。去年は日曜日だったので今日とは事情が違う。現地の同僚に聞くと、役所は店は閉まって、教会の特別礼拝に赴く人が多いとのこと。

先月末で、未だ105の避難所(キャンプ地)が解消されておらず、約8万人(正確には79,397人)がそこで生活していると、他の同僚が教えてくれた。先月には反政府派のデモンストレーションが激しくなって、首相が辞任。それに伴って、政府の関連機関が麻痺。早く後任を決めて、さっさと続きをやってほしいのだけれど、人選選びや公認作業に何ヶ月かかることやら。

そんな中、建設途中で離任した住宅事業が大詰めを迎えている。建築をされてる方ならわかるだろうが、様々な問題が複雑に絡んで生じる時期で、もうあと少しと工期を詰めると仕上がりに大きな差が出る。いろいろな確認の指示を出したいのだけれど、もう同僚に引き継いだのだから、聞かれるまでは黙って、よく頑張ってるなあとだけコメントする。

見えない鎖

2014年08月11日 | Haiti
以前に取材を少しお手伝いした記事が先月から今月にかけて毎日新聞で連載された。

毎日新聞大阪社会事業団・国際協力に関する事業(世界子ども救援事業)
2014年ハイチ・ドミニカ共和国報告 『見えない鎖』

こうした状況を知っていたつもりでいたけれど、担当記者が1年以上かけて丹念に調べ、数々のインタビューを経て書き上げられた記事には、たくさんのことを教えていただいた。ハイチでやり残したことがあったなと感じる分、これからは後方支援でできることをと思う。

*同記者に、私の異動に関連して素晴らしい記事を書いて頂きました。感謝です(検索すれば、すぐに出てきます)。


離任日前に

2014年07月23日 | Haiti
離任日までに残り1週間となり、
「離任前にいつか夕食を一緒にお願いしたいのですが。」
と大ボスにお願いしたところ、
「じゃあ今晩7時に、XXXで。」
と即答された。

事務所や会議の行き返りで、大ボスと二人きりで話すことは多かったのだけれど、食事をするのは久しぶり、というか2年ぶりか。大ボスもそのことを覚えていて、他愛のない話から(こっちは聞かなかったことにしてほしいぐらいの)シビアな話まで、あれからの約2年間を振り返る。

次回の夕食は、大ボス(その頃には、もうボスではないのだけれど)が本部出張でジュネーブにやってくる9月中旬に設定。いい上司に恵まれたなあと、帰路でしみじみ思う。

コントラクト

2014年07月15日 | Haiti
異動にあたって、申し送り、引越荷作り、送別会などいろいろこなしていくイベントがある。その中でも一番気にかかるのが、残るハイチ人スタッフのコントラクト(契約)関連。そんなことにはあまり気にせず異動していく同僚は結構いるのだけれど、自分の中では自分自身のコントラクト以上に気になって仕方がない。たいていのハイチ人スタッフが直接の家族だけでなく親戚など十何人を一人の収入で養っていて、それを考えると何とでも契約更新しておきたい(もちろん、仕事の成果がよくないスタッフへの契約更新はさせられない)。

スタッフの多くが毎年1月・7月に半年ごとの契約更新となる。なんとか自分の異動前にこの年末までのほとんどのスタッフの契約更新の手続きを済ませ、ようやく一安心。

現場技術研修

2014年07月11日 | Haiti
某行政機関がうちの施工業者の労働者を対象に、簡単な技術研修をしたいという申し出を受け、今更ながらという気がしないでもなかったが、現場の一角で行ってもらった。

内容は基本中の基本で、超初心者や字が読めない人でも興味を引くように、絵をつかったり、オーバーな表現を使ったり(こんな間違いをすると、とんでもないことになりますよ~等)、いろんな仕掛けがしてあった。労働者が真剣に聞いていたので、行政の顔もたてることができて、よかったかなと思う。

鉄筋コンクリート用の配筋モデル(写真)が懐かしかった。

集大成

2014年06月06日 | Haiti
引き続き、取材同行。

今日は復興住宅の話を、ということで先週に竣工式をした場所へお連れする(写真)。式典の時はおめかしして緊張していた住民達も、夕刻で日が翳り涼しくなった一時を、階段やベランダに出て話をしながら過ごしている風景に、いいなと思う。

案内しながら、避難テント、仮設住宅、そして復興住宅と震災後の復興過程にどう携わってきたかを説明してから、個人的にはもうすぐ異動になることを告げると
『この場所はあなたにとって、ハイチでの集大成の仕事ですね』
と言われ、そうかもしれないなと思った。

実は、もう一つ進行中の現場があるのだけれど、いろいろ難しくて、竣工に至るまでには時間が足りない。

震災後約4年半後の避難民キャンプ

2014年06月03日 | Haiti
ハイチの避難民キャンプの子供達の取材に来られたメディアの方々をCite Soleilエリアで震災後4年半近くたってもまだ現存するキャンプへお連れする。

前半はうちの報道官が同行していたので、詳しいことは彼女に任せて、周辺環境を見て回る。水はどこから入手しているのかと取材班の質問に、住民達に井戸のある場所へ連れて行ってもらう(写真)。井戸の周辺が崩れないようにタイヤをはめているのだが、いくら錠剤を使って水を精製するからといっても、衛生面でかなり心配な環境だった。

復興住宅の竣工式

2014年05月30日 | Haiti
ある地域での復興住宅建設の区切りがついたので、首相(ハイチの)を招待して竣工式を行った。

開始時間ちょっと前に、ハイチ国家警察のスナイパーまでやってきて、所定位置にて待機する。その後、首相の到着まで暑い中をひたすら2時間半待っていたら、まさかのキャンセル。彼の都合により日をずらし、彼の挨拶用の原稿まで依頼されて事前に提出していたのに。空いた口がふさがらない。

待っていてくれた入居者(被災者)やメディアの方々のためにも、気を取り直して式を執り行う。

最初のプロポーザルづくりから、なんやかんやと丸2年かかった事業が完成した。(詳細は触れないが)家というのは、各々の家族にとって特別な意味を持つのだなあと再確認した。

あるある

2014年05月06日 | Haiti
お土産のフォーチュン・クッキーから出てきたメッセージ(格言)は、

Strong and bitter words indicate a weak cause.

なるほど。日本語に訳すとしたら、『強気な発言や負け惜しみが出るは、その根拠が弱いから』もしくは、『根拠が薄いから、強気な発言や意地悪なコメントをする』となるだろうか。

どこの職場や会議でも居ますね、こんな人が。特に緊急支援では、議論している時間が限られるので、どうしても声のデカイ人の意見が通りやすい傾向にあると思う。

この反対の諺を探すとしたら、↓かな。

『能ある鷹は爪を隠す』
A wise head makes a close mouth.

自分では、常々そうありたいと思っているけれど、この業界ではどんどんアピールしないと、逆に評価されにくいというジレンマがある。

今日は、一つの紙切れがきっかけで、いろいろ考えた。

あとで

2014年04月29日 | Haiti
今日は日本人の方々と夕食会というか飲み会に参加。出席率が低いながらも、懲りずに誘ってくださる皆さんに感謝。普段、日本大使館に行くか電話する以外は、日本語で会話する機会があまりないので、こうした機会はとてもあり難く思う。さらに言葉だけではなく、価値観の確認(こんな許しがたいことがあったら、どう対処するか等)などもできて、とても盛り上がった。

途中、注文したものがこないので、ウェイターに『(これが)ない、ない』と日本語で催促すると、

『あとで』

とまさかの日本語で返事するので、日本語できるん?!と驚く自分に、

『Attendez(アトンデ)』=仏語で「待ってください」

でしょ、と周りに突っ込まれた。なるほど。

それにしても、良いタイミングやった。