in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

仕事の流儀

2006年12月25日 | Japan
一日ぼおっとテレビを観ていたら、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の再放送をやっていた。番組では、ユニセフ・タジキスタン代表の杢尾雪絵さんがゲストに招かれ、彼女の仕事や考え方について紹介されていた。
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/061130/index.html

彼女の仕事の中で、政府との交渉ごと(「子供の予防接種へ予算をつける」等)や日々の危険性、子供が一番被害者となっていることなど、自分の仕事と共通点が多く、学ばせてもらう。

彼女が司会者から、現地政府との交渉時の姿勢について尋ねられたところ、「真正面で対立しない。どうして政府側がそういう意見を示すのか、相手の目的を見極めてから、お互いにどこで協調できるかを探す」と返答していた。なるほど、なるほどである。以下要約すると、

「世の中の出来事の多くは、はっきり黒白つくものではなく、決断がまとまりきらないことが多い。特に国家的な事業であれば、政治情勢・財政状況等によりすべてにOKが出るとは限りらない。しかし、どの基準で協調できるかを考える。

それを妥協と取らえられるかもしれないが、妥協しなければ最後には決裂しかない。国家間で交渉が決裂してしまえば、戦争になる可能性がある。」

まさに、そのとおりである。大人たちのエゴやプライドがもたらす対立が、紛争へと発展していくのではないかと最近つくづく感じている。

一時帰国

2006年12月24日 | Japan
日本に帰国してから、泥のように寝た後で目が覚める。自分がどこにいるのかわからない。ちょっとしてから、「なんだ実家に戻ってきたんだ」と納得。

今月の半分近くは出張していたので、いろんな場所で寝泊まりしていた。それで余計に混乱したのかなと。これまで緊張し続きだった自分の体を、休暇中は大事にしようと思う。

研修2日目

2006年12月22日 | Weblog
明日から職場が4連休になるので、朝から職場は今年の仕事納めに近い雰囲気がある。今日は昨日からの研修2日目。午前中は、各出席者の担当プロジェクトの成果発表をさせる。普段は頼りない彼らが今日は堂々と発表をこなし、見違えるようだった。

研修の締めに、日本人がやっているケーキ屋さんからクリスマスケーキを取り寄せ、皆に振る舞う(写真)。イチゴがふんだんに使われており、クリームの甘さも絶妙。一瞬でケーキはなくなる。サンタや飾りは日本からの輸入らしい。

研修予定を無事終えて、この2日間たまった仕事を片づける。実は明日から約3週間の休暇に入ることになったので、その準備も行う。

その後、出国前に駆け足でお世話になった人々の送別会に参加する。同じ援助関係の日本人ということで、いろいろ仲良くしてもらっていた。また、国際協力についての知識が十分でない自分にとって、彼女たちとの会話はいつも学ぶことが多かった。最後の最後でゆっくり話せなかったことを非常に後悔している。そして、再び地球のどこかで会えることを願う。

技術職員内部研修

2006年12月21日 | Weblog
前から職場でやりたかったことの一つに、「現場事務所で働く若手技術職員の研修をすること」がある。うちの機関の仕事は仮設建築が多く、一般の建築物にたずさわる機会が少ない。また棟数が多いので一つ一つの作業に時間をかけられない。

事業をまわす(数をこなす)ことで必死になる一方で、現場経験の豊富でない職員は、気がつかないうちに自分の可能性をだめにしていないか、つまり、こんなものでいいかと安直に考えるようになっていないか気になり始めていた。復興支援が終わるとうちの機関もこの国を去る。その後も他の機関/会社でモノになるような力を彼らにはつけていてほしい。最近切に思うようになった。

Colomboで働く職員とは身近に接しているので、仕事の合間に課題を与えたり、会議に同席させたりと刺激を与えることができるが、離れた現場事務所ではそれが難しい。また、技術職員が一人もしくは二人しか各事務所にいないので、なかなか切磋琢磨する機会が少ないといえる。

そこで、先月折を見てC大ボスに、地方から技術職員を呼び寄せて研修を企画したい旨を告げると二つ返事でOK。10月から加わったD監督の協力を得て、座学、現場見学、プレゼンと内部研修を組み、今日明日と行った。

現場見学は、Colomboで37階建のツイン超高層マンションの建設現場を訪れる。現場では、約3年の工期の3分の2を終えたところ。1フロアに2プランで約100世帯が住むことになる。平均価格が約6,000万円というスリランカでは超々々高級マンションといえる。内容については、ここでは詳しくかけないので省略。うちの職員たちは熱心に見学していた。彼らの真剣さをみて企画してよかったと思う。

現場見学の調整は、知り合いの日本人部長さんが快く自社の現場を紹介してくれた。感謝々々。

紛争難民

2006年12月13日 | Weblog
Trincomaleeで週末を前後して大規模な紛争が起こる。その影響で、約4千世帯の難民が戦禍を逃れてBatticaloaに逃れてきた。Batticaloaへの出張で、その難民のグループを見かけた(写真)。シャッターを押した瞬間、遠くで爆発音が聞こえ身震いした。Batticaloaの事務所に着き、現地スタッフと支援策を練る。

先の見えない仮設住宅

2006年12月12日 | Weblog
北東部Trincomaleeの現場にやってきた。出張の目的は、主に難民対象の建設事業の進み具合と精度を確認しに来たのだが、津波仮設住宅の現状を把握することも求められる。

約2年前の津波被害にあい、今回の紛争被害にあい、途方に暮れる人々に自分は何ができるのか。せめて、写真におさめて本部に伝えようと仮設住宅の現場でカメラを構えると、写真の少女がやってきた。その澄んだ瞳に吸い込まれそうになった。彼女は、井戸の水を汲みに行く途中だったらしい。

Away from Colombo

2006年12月11日 | Weblog
Last week was probably the busiest week I've ever had in Sri Lanka. Related to Tsunami two year's anniversary, many events are coming; writing articles, visiting the sites with officials, having a phone interview for a Japan’s radio program and participating a workshop at the outside of Colombo. I’ll update in Japanese when I come back to Colombo.

ラジオ番組収録

2006年12月07日 | Japan
日本の新春番組の収録で、アグネス・チャンさんと国際電話で話す機会を得た。「あけましておめでとうございま~す」で始まる会話にぎこちなさを感じつつも、彼女のリードで、こちらでの生活ぶりを紹介する。

お互いの都合で、こちらの出張の移動中での収録時間となった。収録がはじまると携帯電話では音質が悪いことが判明し、すぐさま地上電話を探すことになる。Colomboから離れているので、なかなか電話が見つからない。なんとか道路沿いのお店の店長に事情を説明し、電話を占拠して収録スタート。

東京事務所の推薦を受けてから、何を話そうか、一緒に歌ってもらおうか、知人や家族に感謝の言葉を、といろんなことを考えていたが、収録が始まるとそんな余裕は全くなし、緊張の連続だった。お正月番組なので、できるだけ明るい話題でと言われても、仕事の内容が内容だけに難しい。

日本語版、英語版ともに各10分ほどに編集されるらしいが、気がつくと約1時間近く喋っていた。いったい、どんな風に放送されるのだろうか。そばを走っていた車の騒音も入っていることだろう。

知らない人に公衆の場で褒められるのは照れくさいが、自分のやっていることが評価されるとやっぱり嬉しい。ここまでくるのに辛いことの方が多かったけれど、続けてきてよかったなと思った。