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in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

国際NGO現地職員が射殺される(3)

2006年08月30日 | Weblog
The Sri Lanka Monitoring Mission (SLMM) により、17名のNGO職員を射殺したのは政府軍という調査結果が出た。職場に彼らの追悼の意味を込めて貼られた顔写真入りポスターを眺めながら、戦争に敵も味方もないことを実感する。

約2週間前、政府軍はMullativeの小学校を攻撃し数十名の児童が亡くなった。UNICEFの聴取に対し「LTTEの少年兵が見られたため」と政府は回答しているが、UNICEFによるとその証言を裏付ける証拠は見当たらない。この事故を受けて全国の小中学校が2週間の臨時休校となった。

そんな政府が統治する国で活動を続ける意味があるのか自問自答する。いつもたどりつく結論は、困っている人々が目の前にいる限り、自分ができることをする。うん、そうしよう。

レバノン紛争、その後(2)

2006年08月25日 | Weblog
内戦が始まるまでに、レバノンを含め中東で働くスリランカ人は8万人にのぼると言われていた。その多くが女性で家庭内労働に従事していた。いわゆる出稼ぎ労働者である。内戦勃発後、家主やエージェントが逃げてしまい、数ヶ月分の給料も支払われないまま、全てを失った移民労働者がスリランカ人を含め何万人と居る。そうした人々を無事に帰国するのをうちの機関が支援している(8月21日までに、12,577人の移民が母国へ帰還するのを支援した)。

今日は担当部署の応援で、自分も国際空港まで行き帰国者を出迎えた。通関パスをもらって、普段入られないところを出たり入ったりする。シンハラ語が話せるわけではないので、書類の記入など肝心な所は手伝えないのだが、簡単な案内や荷物を持ってあげたりする。最後の方は、報告用の写真係となっていた。

「頼る人もいなく一週間以上食べ物がなかったこと」、「家主が鍵を閉めて逃げてしまい、空爆のさなか4階のベランダから飛び降りて脱出したこと」、現地職員を介して数人からの体験談を聞き返事につまった。帰国直後は緊張していたのだろうが、話し出すと思い出して泣き出す彼女たちに、現地職員がそっと寄り添っていた(写真)。どうか、これから生まれ故郷の国で新しい幸せな生活を送ってほしい。

レバノン紛争、その後

2006年08月23日 | Weblog
夕方携帯に国際電話がかかってきた。日本からかなと思って応答したら、ベイルートに居るR姉御からだった。用件は、レバノン国内でつくり始めるであろう仮設住宅の参考に、図面と部材表を送ってほしいという内容であった。

久しぶりなのに話したいことが出てこない、ぎこちない会話となってしまった。それでも、彼女と話せたことが嬉しくて、仕事のやる気が出てきた。


最近更新が滞っている理由の一つは、その日の出来事を日本語で書くことが辛くなってきたことである。例えるなら、傷口に塩をぬるような行為とでも言おうか。慌しく過ぎ去った一日を振り返ることで、嫌だった出来事を改めて認識しなければならない。その行為がしんどくなってきた。だから、言葉にならない日々が続いている。

国際NGO現地職員が射殺される(2)

2006年08月10日 | Weblog
職員が射殺された国際NGOからの声明文がうちの事務所内で回覧された。先週初めから危険を回避するためにMuthur事務所からの避難応援を何度も他団体に依頼していたこと、亡くなったのは事務所内で被害にあった15名に加えて車で避難しようとした2名の計17名であること、職員は全員NGOのTシャツを着ており明らかにNGOの職員を狙った犯行であること、今後の国内での活動を続行するかどうか検討中であること等が書かれてあった。ページをめくると亡くなった職員の名前と年齢が書かれていた。ほとんどが20代の若手職員であった。その名簿を見ると涙を堪え切れなかった。

国際NGO現地職員が射殺される

2006年08月07日 | Weblog
週末に、TrincomaleeのMuthur地区で国際NGOであるACFの現地職員15名が事務所で射殺されたのが見つかった。誰が何の目的でやったのか、情報が交錯していて真実がつかめない。午前中に、災害担当大臣(自然災害だけでなく人的災害(=戦争)を含む)との会議にA姉さんに連れられて参加したが、コメントははぐらかされた。

被害にあったACFは、津波復興支援にかかわってきた、言わばうちの機関と同志である。その職員が何で射殺されなければならないのか、怒りがこみ上げてくる。今後の復興活動に大打撃をあたえることは間違いない。

うちのMuthur事務所は今年6月で閉鎖していた。C大ボスの判断は的確だったといえる。Trincomaleeにいる現地職員への被害はなく、彼らは避難民の対応に追われていると、今日も電話で何回か話をした。

5週間の休暇

2006年08月04日 | Weblog
(私ではなく) C大ボスは今日から5週間の休暇に出た。留守中は、A姉さんが代理を務める。R姉御もしばらくいないので、相当の範囲を自分もカバーしないといけない。それにしても、1ヶ月以上の休暇なんて羨ましい。

地雷ではなく花をください/Not Mines, But Flowers

2006年08月02日 | Weblog
『地雷ではなく花をください』(絵:葉祥明/文:柳瀬房子/自由国民社/1996年)の著者にお会いした。彼女が代表を務める団体とうちの機関の共同プロジェクトの竣工式にはるばる日本から来られた。穏やかで芯の強そうな方だった。

世界各国で地雷除去を進める彼女の団体は、日本での地雷のことを知ってもらうために、この絵本を出版されたそうだ。私もJaffnaの現場で地雷にかかわることになるまでは、自分とは関係のない遠い世界の話と思っていた。国内では毎日のように新しく埋められた地雷による被害者が出ている。許しがたい行為である。

この絵本の収益の一部は、世界各国での地雷除去の活動に使われている(スリランカでは始まっていない)。よかったら是非、一冊。ちなみに、英語併記されています。