in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

会議に出る

2007年09月18日 | Weblog
朝一から、国際機関代表会議なるものに参加してきた。スリランカ国内で活動する国際機関の代表らが集まって、月2回の情報交換をするのが目的らしい。A姉さんからは参加してもしなくてもどっちでもいいと言われていたが、どんなものなのかちょっと興味があったので、のぞいてみることにした。

ここでの仕事関係では約1年半ぶりのスーツを着て会場の世銀(World Bank)に到着。朝8時開始のBreakfast Meetingとかで、参加者にふるまわれたコーヒーにクロワッサンをかじりつつ、わかったふりをしながら全体の様子を観察してみる。年齢層は少し高めで、明らかに自分がひよっこであることが判明。参加者の話し方も非常にエレガントで、「同じ英語かいな?」と思うような表現が続出。例えるなら、国会答弁の日本語のようなものだろう。

興味を引いたのは、先週起こった津波警告の不備と今後の課題についての議論と、国内のSecurity Updateであった。幹部職員らはこうした効率的な情報収集(Resources)を持っているのかと、C元大ボスがもっていた膨大な情報の入手手段を垣間見られた。Security Update関連で、国内での内戦による死亡者数の統計を見ていると、

2004年   187名
2005年   347名
2006年  2,644名
2007年  1,510名 (9月15日現在)

と、ここ数年の情勢が悪化してきた様子がわかる。反政府軍の死者数は正確な数が把握されていないため、実際のところはこれより多くの人々が犠牲になっているはずだ。今年の1,510名のうち1名はうちの機関の職員(当時)で、1月初めの日曜日、Vavuniyaにて勤務外に地雷の被害にあった。

会議を無事終えて、午前10時すぎには事務所にもどる。自分のスーツ姿が珍しいらしく、いろんな職員(特にスリランカ人)がのぞきに来る。「さっさと仕事せぇ」と言えるわけもなく、愛想笑いで対応する。それにしても、こんなスーツ姿が話題になるくらいの平和な事務所であることを再確認する。悪くない。

そんなこんなで、来客対応していると、さっきの会議で一緒だったUNHCRの副代表から、「スリランカ人男性からの問い合わせで、シンガポールに出稼ぎに行った奥さんが、Passportの期限が切れたため(なぜか)クアラルンプールへ更新手続きに行った。その途中で警察(らしき人物)に身柄を拘束され、現在行方不明なので貴機関の支援を要請したい」と電話がかかってくる。

こうした出来事こそ、うちの機関が専門とする分野なのだが、自分個人としては全くの素人で、電話口ではわかったふりをしながら、頭の中では「どうする?、どうする?」がぐるぐるまわる。「組織内で検討した後、折り返し返答する」というありきたりの内容で電話を終え、いつも何かと面倒をみてもらっている受付嬢Sに、ものは試しで相談してみる。すると、「この部署のあの人にコンタクトして、あとはあの人に連絡させなさい、あなた今週は大ボスなんだから」と3分足らずで即決。すばらしい。

実際の解決には、現状把握から該当政府もしくは警察への問合せ、そして要請、云々と数週間かかる模様である。責任等の重圧がある一方、組織のいろんなことが見えてきて学ぶことが多い一日だった。