朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

クラウド・コンピューティング

2010-10-23 | もろもろの事
"Cloud comptuting"、あるいは「クラウド・サービス」。

「雲」を使って情報を処理することで、ここ数年来ICT(情報通信技術)業界での流行語です。



バズワード(Buzzword)です。

ジャーゴン(Jargon)と称される専門分野の仲間内だけで使われる隠語、「しゃれ」が出発点。定義がはっきりしないまま、あるいは意図的に定義を拡大して、多くの専門家が使用している用語で純な技術者は嫌いますが、マーケティングの要素が強い会合、記事や広告では頻繁に見ることが多くなりました。

意味は「インターネット等(この「等」が重要)のICTを使用して、情報処理能力をユーザーにネットワーク経由で提供する情報サービス」です。ネットワークの中で、どんなプロセッサ、ストレージやマネージメントシステムを構成しているかは、顧客には開示しません。同じネットワーク内のITリソースを多数の顧客で共有することで、コスト低下を図っています。サービス条件は、ハードウェア・ソフトウェアの構成方式で提示するのではなく、「機能」「性能」「価格」「保証」で規定します。

その「ネットワーク」を「雲」に見立てて、クラウドと言っているわけです。



米国のGoogle社やAmazon社が、当初、少ない資本金で事業を開始するために安価なPCボードとハードディスクドライブを多数組み合わせて、大規模な分散処理システムを構築しました。事業規模が拡大し、投資資金が集まるたびに、情報システムを拡張していき、その設置場所も家賃の安さ、運用要員の確保容易性、ネット料金、電力料金などの理由で、分散させました。能力を容易に拡大・縮小できることを「スケーラブルscalable」を呼び、現在の情報システムの設計には重要な条件になっています。

さて、いつごろから「クラウド」という用語が使用されるようになったか、興味がわきました。手元には、古い資料、特に打ち合わせ資料やノート、がほとんど残っていないので当面自分への宿題とします。1980年代は、OSIレイヤーモデルが全盛だったのですが、それに賛成しない人々(TCP/IP信奉者など)が複数のレイヤーをひとまとめにして、フリーハンドで雲の形を黒板に書いて議論していたような記憶があります。その後、MSのパワーポイント・ソフトの図形に雲形が組み込まれて、クラウドの作図が便利になったような気もします。雲の入りこんだカーブをPCで描くのは大変面倒ですから。



この図は、手書き黒板のソフトで描きました。


コメント
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