朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

書きそびれたこと、上海

2010-10-04 | 外国の風物
上海記事の締めとします。補遺。



20年前、4年前と見てきて、上海は本当に発展しています。

公共インフラの整備状況は素晴らしい。街中の公衆トイレも、入り口に掃除婦がいても料金を取らない、1元を置いたけれど大声で突き返された、大の個室は扉つき水洗(ただし隣室と連続するステンレスの溝を跨ぎ上流から数分毎に水が流れる)。万博のトイレは全て洋式。田舎の人の振る舞いは我らのマナー基準からは「無礼」ですが、上海の住人はほとんど欧米水準に近い。物価も。




貧富格差はますます拡大。競争は激化の一途。

政治的コネがある人、能力ある人、最高学歴を得た人(親が豊かでないと大学受験勉強ができない。授業料も高い(成績がよければ奨学金獲得))などは、より豊かになっていきます。その現実がストレートに誰にも見えるので、「ハングリー精神」、勉学意欲と勤勉さは半端ではない。

現在の富裕層子女も、今の優位な地位や資産が中国でいつまでも維持できるとは限らないこと、あるいは資産相続が法律的に実行できるかどうか確信が無いので、自分自身の実力と実績が最も大切と考え、極めて勤勉でハングリー。大学生の英語レベルは日本の学生と比べ物にならない(もっとも日本の大学進学率は数倍なので単純比較はアンフェア。でも東大、東工大の平均よりも北京大、上海交通大、復旦大のレベルは断トツ)。かつ、リスク回避策として政治形態が安定している欧米(および日本)に資産や親族を分散させています。



今年度、経済規模で世界第二位になったことが確実なこの国とは、地理的に近いことでもあり、いやおうなく付き合って行かざるを得ません。(「悪しき隣人」などと不必要に与党政治家が発言する必要はない)

ハイテクでの優位性(を維持する)、勤勉な労働規律、多様な歴史文化遺産、音楽マンガファッションなど若者文化の先進性、健全な民主主義、良質な学校教育、均質的で常識ある中産階級、治安の良さなど日本の優れていることを堅持して、対等で互恵の二国関係を築いていかねばならいと思います。




 上海の地下鉄駅にて。

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コメント (6)
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