外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

23日の欧米為替市場の総括

2009-07-24 14:41:02 | ☆外国為替を読む

【本日よりなるべく欧米市場に限定して総括します】

欧州市場

東京市場で発生した円安の流れは、ヨーロッパ時間に入っても継続し、東京株式市場も強気で引けたことで、ドルは対ヨーロッパ通貨でも売られる展開でした。株式市場はこのところの連騰で、高値警戒感や利益売りが先行した模様で、序盤は比較的落ち着いた相場展開だったようです。

やがて発表された英国経済指標が改善を示す内容が材料視された形となり、一時ポンドが独歩高に推移。ポンドは対ユーロでも買われていたと思われ、ポンドドルが上昇する中、ユーロドルはドル買いで下落する展開でした。

米国市場

アメリカ企業の決算発表を控えて、ニューヨーク時間に入る前にはドルがやや買い戻される展開でした。そんな中で発表された、アメリカの新規失業保険申請数が、予想を上回る増加となり、悲観的なドル買いが進行。ユーロドルは日中安値となる1.4190水準へと下落しました。
しかし、その後は急速にドル売りへと反転。反転材料としては、
・失業保険の新規は増加したものの、継続受給者は減少しており雇用状況が見直されたこと
・中古住宅販売が底堅かったこと
・欧州株式市場が強気を継続したこと
などが、投資ムードを支援し、ドルの売り戻しにつながったと考えられます。

その後、アメリカ企業決算が良好だったことも追加の支援材料となって米国株式市場も強気が明確になると、ドル売り、円売りが加速。ユーロドルが1.4290水準、ポンドドルが1.6585水準の高値を付けました。日本時間深夜0時直前に発生したこの急上昇は、以上の要因のほかに、オプションなどに関係するドル買い需要も考えられそうです。

JSTの0時を跨ぐと同時に相場は反転下落。ドルが買い戻される展開となりました。ドル買い要因を探してみると、
・アメリカ地区連銀筋から発せられた、金融緩和路線の出口論を匂わせる発言があった
・債券市場から株式市場へと資金が動いたことで債券利回りが上昇し、先の発言を裏付けた格好となり、金利を目論んだドル買いとなった
可能性もあります。
引けにかけては、低調な企業決算が聞こえてきたことで、皮肉にも今度はやや悲観的なドル買いが支援した観もあり、ドル買い円買いで終わっています。


22日の海外市場と23日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-23 14:32:10 | ☆外国為替を読む

注目されていたバーナンキFRB議長の議会証言を受けた市場の反応が、まちまちだったことから、昨日の東京市場は、やや迷い気味な1日となりました。

為替市場は基本的に小動きだったといえますが、引き続きポンドの動きに翻弄(ほんろう)される場面がありました。午後まもなく、ポンドドルが前日安値を下回ると、テクニカル的な動きと思われるポンド売りが加速。ポンドは対円でも売りとなり、ドル円も含め対円通貨ペアは上値が重たい展開となりました。

株式市場

前日比で小幅下落しての寄り付きとなりましたが、引けにかけて回復し、終値は結局、前日比で15円強の小幅高で引けました。
ヨーロッパ時間に入ってまもなく、BOE(イングランド中央銀行)の副総裁より、イギリス経済について弱気なコメントがありました。ポンドはさらに下落し、対ドルで一時1.6315ドル水準、対円で152.35円水準の安値を付けました。イギリスの金融政策は、2.5%のインフレターゲット制を敷いていますが、年内にインフレ率が2%を下回る可能性を示唆したコメントは、同時に年内の利上げを否定したとも受け取れます。

その後、続いて発表されたMPC(金融政策委員会)議事録から、前回のMPCで決定した、金利と資産買入額の据え置きは、全会一致だったことが判明。為替市場はこれを期に、ポンドを買い戻す展開となりました。買い戻された材料は特に見当たりませんが、予想通りの結果にポジションが巻き戻されたのかも知れません。

ユーロ圏では、製造業新規受注が悪化した内容の指標発表がありましたが、影響は限定的となっています。

ニューヨーク時間

注目の企業業績発表は、さえない内容が多く、為替相場は一時、円買いドル買いとなって、ドル円は93.10水準、ユーロドルは1.4160水準まで下落し最安値を更新。しかし、その後の下押し支援も無く反転すると一気に上昇して、ドル円は93.85円 ユーロドルは1.4255ドル水準の昨日高値を付けるなど、乱高下しました。 こちらも反転理由を欠く動きですが、ユーロドルの上昇が強く、欧州の株式市場が比較的底堅い動きであったことや、また、アメリカの住宅価格指数が予想より改善したことなどが上昇の支援材料として考えられます。

欧州株式市場は前日比で概ね上昇して引けていますが、アメリカ株式市場はダウが下落、ナスダックは小幅上昇と、まちまちに引けています。

本日7月23日午前の東京外国為替市場

材料難のなかで、円が独歩安の流れとなっています。
朝方から様子見色が強い相場状況でしたが、ドル円が前日高値を上回ると、対円が全般的に円売りとなっています。株式市場は小幅高と、特に材料は見当たらず、その他の対ドルペアは依然として小動きであることから、短期的なポジション調整に見えます。


ただ、94.35円水準は、バーナンキ証言で円高となる以前の水準でもあり上値抵抗となり易い状況ですが、ここを上に抜けるともう一段の円安上昇もありそうです。


ポンドドル相場分析-あくまで迷走中のなかで

2009-07-22 17:29:14 |    -ポンドドル

先日、週足から見た現在のポンドドル相場は、今後2000ポイントという幅の中で乱高下する可能性を説明しました。もっとミクロ的に見て何か手がかりは無いものか、その後も模索してきましたが・・・残念ながらベストな方法が見つかりません。

どれだけ矛盾した相場かを説明しつつ、やや強引かもしれませんが、あくまでも取引はご自身の判断で行われることを大前提としつつ、特別な事業者への誘導も、また取引事業も行っていない立場で、戦略をたててみます。

添付のチャートはポンドドル日足です。


MACDだけで相場展開を説明するとすれば、先行、遅行の両線がプラス領域に出た、3月27日を起点に上昇相場となり、途中揉み合いながらも6月8日までは継続。以降は上昇相場ながらも調整相場となり現在に至っている状況です。
MACDで言う調整相場はプラス域での下降曲線、またはマイナス域での上昇曲線が相当します。このような状況は、これまでのトレンドに反して調整が進行する場合と、横ばいに推移することで移動平均値の前後差が縮小することで自然的にニュートラルを意味するゼロ境界へと向かう場合が在ります。
つまり、現状は一旦ピークを付けたあとの調整相場にあり、概ね横ばい推移が原因で2線が下落中であるといった状況です。

また一目均衡表で言えば、相場は雲の上方に位置しており、依然として上昇相場を示唆しています。しかし、価格は基準線の上方にいるにも関わらず、転換線が下方に位置するという短期的に矛盾した位置関係にいます。遅行線は5月の揉み合い相場に絡み付いている状態で、こちらもはっきりしませんね。

波動で考えた場合、6月30日の足で、それまでの高値だった6月3日の1.6662を上回り、1.6743まで上昇。その後の下値は6月8日の1.5801を未だに下回っていないため、一応は上昇派動を否定されてはいません。ただ、ヒゲを含めての結果であり、もし信憑性がより高い終値で観た場合は、明らかな揉み合いを継続しています。
つまり揉み合い期間の最大レンジを想定すると1.5801~1.6743という値幅に支配されていると考えられますが、終値で考えると、未だに6月2,3,4,5日で形成した1.5978~1.6583に支配されているている状況です。

これだけ入り混じった、ニュートラルな状況では、戦略を立てづらいのも当然かもしれませんが、レンジ取引を基本にブレークアウトを視野に入れて作戦を練りましょう。

レンジ取引:想定レンジは先の終値での説明どおり1.5978~1.6583
順番に関係なく、どちらかに近づいたら上値で売り、下値で買い。反対側で利益確定。ストップロスはそれぞれの後方の、レンジから外れたところに必ず置きましょう。
例)リミット売り@1.6550 ストップロス@1.6630 プロフィット@1.6010
例)リミット買い@1.6020 ストップロス@1.5960 プロフィット@1.6550

上昇戦略:ストップ買い@1.6610 ストップロス@1.6560
利益確定の水準は順次考えますが、上記レンジの差分を少なめに見積もった500ポイント程度は狙いたいですね。

下落戦略:ストップ売り@1.5970 ストップロス@1.6040
レンジの内側に日足の雲上限があり、レンジを割れること自体、雲入りを意味する可能性があります。利益目標は上昇戦略と同様ですが、雲入りを果たす分、雲の下限となる1.5530水準は視野に入ります。

もっとミクロに見るなら7月8日からの上昇派動を想定するアプローチがありそうです。機会があればまた、説明いたします。


 


21日の海外市場と22日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-22 14:32:16 | ☆外国為替を読む

21日の東京市場

海外市場の株高の流れを引き継ぎ株式相場が堅調な動きとなる中、ドル円相場は反して円高に推移しました。

ポンドドル相場が終始下落していたため、ポンド円などのクロス円による円買い圧力が一部寄与していた可能性が指摘できますが、これまでとはなじまない動きに違和感がありました。ユーロは対ドルでほとんど変動が無かったことから、ポンドは対ユーロでも下落していたことになります。

前場を先週末比で127円弱上昇して引けた株式市場は後場に入っても上昇を継続。ドル円相場はさすがに後場に入ってからは円売りドル買いとなって反転上昇する中で、ポンドは対ドルで終始弱く推移しました。1.6550の始高値(はじまりたかね)水準から、15:30までに1.6470水準へと下落。対円でもおよそ1円程度下落となっています。

ヨーロッパ時間

株式市場はそのまま好調を維持しました。ドル円相場は円売り、ユーロドル相場はドル売りと、株式市場の好調さを裏付ける動きを見せましたが、ポンドはさらに売り込まれて、一時1.6385水準の下値を付けました。

ニューヨーク時間

バーナンキFRB議長の議会証言が待たれる中、好調な米企業の決算内容が伝わり、さすがのポンドドル相場もやっとドル売り基調となって値を回復しています。

待たれていた議会証言は、早期の金融引き締め期待が否定された内容となりました。株式市場は緩和政策を素直に好感してか、堅調さを維持する中で、債券市場は金利先高期待が折れて買い相場となった模様で、利回りは低下。

為替市場は、ドル買い、円買いとなったことから、米国のファンダメンタルは依然として不透明と判断した模様です。引けにかけては調整気味にドル売り、円売りとなっていますが、各相場のまちまちな反応に、ユーロドル相場、ポンドドル相場ともに明確な方向感は未だに出ていない展開です。

本日7月22日午前の東京外国為替市場
前日引けにかけての調整相場を早々と終了し、ふたたび円買いドル買いで推移しています。
ただ、下値はバーナンキ証言後に付けた、ドル円の93.30水準、ユーロドルの1.4165水準、ポンドドルの1.6385水準を前に、伸び悩んでいる状況です。

株式市場は、やや軟調気味に推移している模様で、連騰から利益確定が先行しているとの指摘や、円高が嫌気されているとの見方があるようです。

本日は久しぶりに経済指標の発表がいくつか予定されており、また、米企業の決算発表もまだまだ続くようです。為替市場は、最近の動きが証明しているように、まだまだ本格的な流れが見えません。市場は薄いとの情報が聞こえてきておりますので、一時的なイベントリスクによる乱高下にはご注意ください。


20日の海外市場と21日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-21 14:45:12 | ☆外国為替を読む

20日アジア市場

日本の祭日で東京市場が休場となった20日は、チャートを見る限り円売り、ドル売り相場であったことが見て取れます。

94.25円水準で先週末を引けたドル円相場は、同水準で今週を始まると概ね上昇相場を継続し、ヨーロッパが参入し始める15時前後には、94.75円水準まで上昇。ポンド円は153.70円水準から155.65円水準、ユーロ円は132.85水準から134.30円水準まで、概ねストレス無く上昇しました。材料視された内容は特に見当たりませんが、先週末の円安値を更新する流れからテクニカル的に円売りが加速したことはチャートからも見受けられます。

ヨーロッパ市場

この時間に入り、ドル売りが顕著となりました。ドル円はドル売りの圧力を受けて下落し、以降は上値が重たい展開となっています。
株式市場などは、米系大手のノンバンクが破綻を回避したなどのニュースを好材料に金融株を中心に底堅い流れが継続した模様で、ユーロやポンドは対ドル高値圏で底堅く推移しました。

アメリカ市場

NY市場時間を迎え、相次ぐ企業決算は概ね良好な結果に、債券市場からも少しずつ資金が流出して投資先に向かっているようにも見えます。途中発表された景気先行指数も予想より改善した内容に、市場は全体的に安心感が増したように思えます。

しかし、ドル円は円売りとはならず、反対にこれまでの上昇相場を調整気味に円高推移。ユーロドルは、底堅いものの高値圏での揉み合いに終始してドル安を進め切れておらず、特に投資マインドが急速に向上したという動きには至っていません。

本日東京市場

本日7月21日午前の東京外国為替市場は、ドル円での円高が目立つ展開です。
昨日の海外市場では、リスク志向が高まる内容の報道が数多くあり、ユーロやポンドが対ドルで高留まる中で、ドル円はNY時間以降、円高に推移。クロス円もドル円に牽引される形で円高相場となっています。

株式市場も総じて堅調に始まり、日経平均は9500円台に載せて前場を終わっており、通常であれば円安推移となっても悪くない展開です。

円安になりにくい原因としてひとつ考えられることは、麻生政権の解散が決定し、これまでの不透明な政治要因が消えたことによる円買いです。ただ、昨日の海外市場の変動を見て気になるのは、あれだけ注目されていたアメリカ企業の決算発表が進む中で、それほどの反応が見えません。内容自体に安堵感はあるものの、決して安心して買い進める内容ではないと、市場は判断している可能性もありそうです。


ポンドドル相場分析-恐怖度合いは怪談話並み

2009-07-17 19:49:45 |    -ポンドドル

金曜日になりました。梅雨が明けた途端に猛暑が続きます。ある意味ではっきりした季節の移り替わりで潔いのですが、体がついて行ききれません。

潔い、という表現が当てはまるかどうかは別して、ポンド相場が1日ともたずに方向を変える潔さに、デイトレーダーを除き、扱いづらい相場が続いています。本日はあえてそのポンド相場を分析してみます。


添付のチャートは、ポンドドル相場の週足です。まずは根底の流れを把握しようとしていますが、リーマンクラッシュがあまりにも深く短期間で発生したためラインも引けないほどで、トレンド云々どころではありません(おそらく、ジョージソロスがかつてポンド相場を壊した値幅と期間を、優に上回っていたかと思います)。

大底からの切り返しだけを見れば、確かに上昇相場です。確かに・・・下落したのだから上昇もあり得る・・・と考えるのは、間違ってはいません。しかし、上昇スピードは明らかに遅く、26週間かけてやっとフィボナッチの38%戻しを達成したに過ぎず、下落の影響を受けていると考えるのが自然です。

相場は一目均衡表の雲に入り込んだものの、五里霧中のなかで、最後の手すりから手を離し切れないように、下限に張り付いています。

実は怪談話に例えたのは、なんと言っても雲の厚さです。基本的に雲の間はトレンドが無いと考えるのが自然で、言い換えれば、この厚い雲の中であれば、自由に上下できる・・・と言うことができてしまいます(恐)!

現在、雲の上限が1.6970/75水準から9月にかけて1.6830/35水準に水平移動、一方で下限は現在の1.6100水準から、今後1.4570水準まで下落します。最大で約2200ポイント!!という、ぶ厚い雲の中で、どう動くか判らない状況はあまり想像したくありません。上昇するのであれば早くしないと、ますます不利な状況となりそうです。

チャートの1マスが900ポイントと、日足なら1マスで画面いっぱいになってもおかしくないチャートにすら違和感を覚えます。もしこのまま上昇するためには、このチャートに限定して考えても、
・転換線が雲入り
・遅行線が当時の基準線越え
・遅行線が雲入り
・現行価格が戻り高値越え
・現行価格が雲を上抜け
などが、タイミングとして浮かびます。

1.7100水準に引いた、緑の水平線は、過去の上昇相場で最後の一上げを演じた際の、始点水準です。フィボナッチ50%戻しが1.7350水準にあり、上昇してもこのあたり(と言っても、200ポイントもある差を”あたり”で済ましてよいのか・・・悩みます)が上値抵抗となります。

今後、ポンド相場はオシレーターが重要になってくる予感がしています。もっとミクロに分析できないか、可能でしたらお伝えしますが、ロスリミットも相当見込まなくては戦略すら見えない難しい相場に、あえて手を出す必要性の方を考えたいところです。

今週は底値から26週目・・・ということは、変化日の第一候補でもありそうですね。


16日の海外市場と17日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-17 15:40:44 | ☆外国為替を読む

16日東京外国為替市場午後

15日海外市場が強気相場で引けたことを受け、16日の東京時間序盤は総じて堅調な動きとなりました。
しかし午後に入って直ぐに、大手格付け機関が、ニュージーランドの国債信用格付け(いわゆるソブリン格付け)を引き下げる見通しとの報道がありました。為替相場はNZDが総じて下落し、円買いドル買いが強まると、その他の通貨ペアも概ね同様の流れとなりました。
株式市場も寄付きからの上昇相場が一変して下落基調となり、結局、一時200円強の上昇を見せた日経平均も前日比75円弱の上昇にとどまって引けました。上値を重くしたほかの理由として、中国の経済指標が概ね予想の範囲内だったことで、好結果を期待した向きの失望売りも若干あったのでは、との指摘もありました。

欧州市場

欧州時間に入り、主だった指標発表の予定も無く、アメリカの企業決算待ちといった様子の中で円買いドル買いが穏やかに継続。一時ドル円は93.55円水準と、日中高値の94.45円から1円近く下落しました。しかし、本格的な市場時間に入ると前日アメリカ市場の好況感が材料視されたのか、株式市場は堅調に推移し、為替相場も円売りドル売りへと反転しました。

米国市場

NY時間に入り、まもなく発表された米系大手証券の決算は、予想を上回る好調ぶりだったようです。加えて、新規失業保険申請数が減少した発表も材料視された模様で、株式相場が上昇するとドル売りが加速し、ユーロドルは、前日の高値を上回る1.4165水準まで上昇し、他の通貨でのドル安を牽引しました。ユーロは対円でも上昇となり、安値の131.65円水準から133.15円水準まで上昇して円安を演出しましたが、ドル円は円安ドル安の結果93円台中盤から後半での揉み合いに終始しました。

その後、日本時間深夜に発表されたフィラデルフィア製造業指数が、不調な結果となったことや、米系ノンバンクの破産懸念から一時悲観色となった各市場ですが、引けにかけて回復しています。ダウ平均は前日比95ドル強の上昇で終わりましたが、金相場は下落、債券相場は上昇など、まちまちな結果となっています。

本日7月17日午前の東京外国為替市場

取引日が切り替わったと同時に円高ドル高へと穏やかに反転しています。

主だった材料は特に見られませんが、ポンドやユーロが対ドルで弱いため、クロス円が軟調に推移しており、円の買い需要がドル円相場に影響している格好です。
株式市場は前日海外市場の流れを引き継ぎ、強気で寄り付きましたが、円高に推移する為替相場に水を差された模様です。

基本的にはアメリカ企業の決算発表待ちといったところですが、各市場はまちまちな動きが見られ、主な市場へと移るたびに流れが変わりやすいところを見ても、夏季休暇を控えたポジション調整が主流となりつつあるのかも知れません。


ドル円相場分析-売買戦略(日足)

2009-07-16 16:03:19 |    -ドル円

下のチャートはドル円日足チャートです。


ピークAから下落チャンネルを作っており、下値線をブレークできず、チャンネル上方へと切り返している途中に見えます。つまり、ボトムAやボトムBから切り返したのと同様に、下落トレンドの調整と考えたほうが無難に見えますがいかがでしょうか。

上昇戦略:
一目均衡表の基準線を上に抜けることは、週足の雲入りと概ね同様です。このタイミングでチャンネル上限までの上昇は期待できる可能性があります。

下落戦略:
中途半端な位置ですが、6月からの下落波動を意識すれば、概ね上値圏です。基準線か上値線(細)を後盾に売りもあり得ます。ただ、本当はピークAからの上値線(太または破)に引き付けたいところです。

具体的なレートは皆様のチャートでご確認ください。


ドル円為替相場分析-根底の流れを確認する(週足)

2009-07-16 15:45:44 |    -ドル円

今日は前半の仕事が速く終わりましたので、相場分析をしましょう。

個人的にはニュートラルな市場バランスという印象ですが、邪念を振り払って素直に見てみます。にわかに大底説が台頭していますが、先ごろまでのテーマだった円高相場は、とりあえず一服という程度に考えています。次のテーマを探してみるなかで、まずは王道のドル円を分析してみましょう。

まず、添付のチャートはドル円の週足です。


週足以上の長い足では、根底に流れるトレンドなどを把握し、邪念を払拭するのに良いと考えます。
2007年7月をピークAに、どう見ても下落相場にしか見えません。ボトムBからの反転からピークCを付け、下落トレンドを再開中といったところです。順当に考えれば、ピークCからの下落トレンドに沿うのが王道に見えます。

あえて上昇を意識するのであれば、ピークCからのトレンドチャンネルを上に抜けるのが第一条件です。次はピークCを上に抜けることが条件となりますが、それまでは依然としてボトムBとピークCの値幅もしくは、ピークCと仮想ボトムCの値幅の支配を受けることになります。

オシレーターいわく、
MACDは上昇相場域に入りきれず、ニュートラルからデッドクロスを完成しつつあり下落相場。
ストキャスティクスはOS領域を前に、折り返しそうな構えです。週足でのOS,OBの見方は比較的機能しており、底値感をかもし出しています。

次に四角で囲んだ部分を日足でみてみましょう。出来次第、アップします。


15日の海外市場と16日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-16 14:40:55 | ☆外国為替を読む

15日東京市場

前日海外市場は、引けにかけて堅調だったものの、水準を元に戻す程度に終わったことで、迎えた東京市場は身動きがとりづらく、基本的に様子見相場となりました。

ドル円は、93円台中ごろでの揉み合いに終始しましたが、引けにかけてユーロとポンドが対ドルで上昇。はじめはドル売りに反応したドル円相場でしたが、その後クロス円の上昇が牽引する形で円安を伸ばしました。再び15:00を前にした変動でもあり、オプションに絡む動きとの見方もできますが、特に対ドル相場が前日高値を超えたことで、テクニカルな買い需要が噴出した可能性もありそうです。
株式市場は、様子見相場から抜け出せずに一進一退の後、終値は前日比で僅かな上昇に終わっています。

15日欧州市場

ヨーロッパ市場に入り、序盤は様子見相場となって小動きでしたが、ポンドが終始底堅く推移していました。

発表された経済指標は、概ね横ばいと、可もなく不可もなくといった中、イギリスの失業保険受給者の増加数が予想を大きく下回る発表が、ポンドの下支えとなっていたかもしれません。そのほか金相場を含め、総じて資源国通貨が対ドルで底堅く推移したことも、ドル安ムードを牽引していた可能性があります。

15日NY市場

NY時間に入ってもチャートを見る範囲では、大きな変動は認められないものの、次第にドル売り円売りのバイアスが強くなったことが伺えます。

時間的にはNY連銀の製造業指数が、予想を上回る回復を見せたことや、また企業決算が総じて悪くない内容だったことなどが安心材料として考えられそうです。ドル円は一時94.45水準まで、ユーロドルは1.4135水準まで上昇しました。資金は避難先から投資先へ戻りつつある様子で、債券市場も軟調に推移して利回りは上昇。株式市場も堅調に推移し、ダウは前日比256ドル強の上昇で引けています。為替相場は引けにかけて調整気味にドル買い基調となりましたが、上昇した金利がドル買戻しの一部背景になっているかもしれません。

16日東京市場午前

本日7月15日午前の東京外国為替市場の動きですが、94円台のドル高値圏で揉み合いとなっています。

朝早くドル売り調整が深めに入り、94円割れを試しに行く場面もありましたが、株式市場が高く寄り付くと円売りが優勢となり、昨日の高値をうかがう94.45円水準まで上伸。しかし、上値を更新できず、再度下値をうかがいましたが、そちらも失敗。結局94円台前半から中盤にかけての取引となっています。ユーロやポンドは東京時間に入って対ドルで弱く推移しており、円高の局面ではクロス円の売戻が影響している模様です。

ここまでは投資ムードが上向きつつある動きを示しています。しかし、資源市場は、株式市場が先行したというより、為替相場の巻き戻しに乗じた上昇相場だった印象があります。つまり、市場全体が短期筋のポジション調整にとどまっている観もあり、本格的に投資意欲が向上しているのかどうか見極めたいところです。