ただ、今回はそれだけに留まらず、金利だけで買われてきた先進国通貨が国内事情を露呈することで、レパトリなどの資金還流という域を越えて、新たに売り込まれるリスクを考えてしまいます。
一気に商品価格が下落するかどうかは、一概に言えるかどうか悩ましいところですが、少なくとも今回の上昇相場で資源高の恩恵を受けていない比較的高金利の通貨は景気の悪化と共に売られる傾向がありそうだと考えています。上手くいえませんが、つまり、この度の資源相場上昇がもたらした効果は、一次産品を主な産業にしている国が潤い(これに該当する国は本当のインフレだと言えそうです)、先進国の通貨高を調整する機会(ドルの下落が際たるもの)を与えてくれたのではないでしょうか。したがって、①既に金利を短期間に下げすぎて売り込まれた米ドルはニュートラルからやや買われ気味に、②これといった裏づけがなく買われてきたメジャー通貨は売られ気味に、③本当の資源国通貨はニュートラルから上昇気味と、国家間の格差修正が暫く続きそうな予感がします。①は既にこなしたとすれば、②、③の傾向が継続すると考えることも出来そうです。
円はというと…対ドルでは中立、対クロスではマチマチであるものの、メジャーなクロス円はストレートの下落影響を受け易いのではと想定していますが、ドル円が今ひとつ方向感が無いだけに、対円は全体的に右往左往という感じ。ストレートの下落圧力が強まれば、クロス円の円買いがドル円にも影響か・・・というところです。
去年の対円暴落のトリガーとなったのは7月26日で本日で丸一年。ここ数日はやや円高気味といってもピークからはさほど進行していませんが(現在は逆に激しく円が売り込まれている状況です)…かの悲劇的テロがあった9・11が毎年近づくとテロが警戒されるように、為替相場にも“一年間”という見えざる影響は存在するのかどうか、週末ということもあり本日の動きが気になります。(了)