今週もIMM残高分析の活字版をお送りします。
一日遅れとなりましたが、今日のIMM市場が終わったデータが、週末の発表になりますので、このまま終わるとも思いにくい感じです。、
ではどうぞ!
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今週のIMM取組残高分析をお送りします。
今週番組で使用するデータは1月21日の市場終了時点のものです。
さて、先週は週末にリスク回避の動きが大きくなり、ドル円相場も円買いが急伸しました。
今回のデータにはこの動きが織り込まれていないことを予めお伝え致します。
では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
まず、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化をみてみましょう。
<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
御覧の通り、ドルの買い越しは依然として取り崩される動きが継続していますが、今回はその勢いが後退しつつあったことが判ります。相場の方も一旦下げ止まっており、目先の調整も一服といった状態でした。
ドルのネットポジションは114,961コントレクトの買い越しに減少しています。
<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。
円の売り越しは少しずつ減少していることは、こちらのグラフを見ても良く判ります。
メジャー通貨では、ユーロもポンドも中立に向かう傾向が続きました。円グラフを見るまでもないですが、御覧のようにブルベアは両通貨共に概ね半々となっており、上昇見通しと下落見通しが依然として睨み合っている状態が判ります。
その他の通貨では、カナダドルとオーストラリアドルの売り越しが順調に伸びており、両通貨共に弱い地合いが見て取れます。
<前回出たと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。
先ず円ですが、
前週比でも、円が買い越されている動きは継続していましたが、3週比較では最も小さいことから、調整の勢いが収まりつつあった状況でした。
ただブレークダウンを見てみると、円売りは殆ど動きが無かった一方、懸念されていた買い越しが僅かながら増えていました。つまり、既にこの時点で先週末の下落を暗示するかのように、投機筋には円高を見込む動きが芽生えていたことになります。
次にユーロですが、
売り越しが再び復活していたような推移でした。
詳細を見てみると、買い越しが減少し、売り越しが増えると言った典型的なポジションの入れ替わりが見られており、先週火曜日の時点では、下落見通しがかなり優勢だったことが判ります。
続いてポンドですが、
ブレークダウンを見てみると、買い越し、売り越し共に増加して市場規模が拡大する中、そのネットが、僅かに売り越し優勢だったに過ぎない背景が判ります。方向感は依然として定まらないものの、投機筋のポンドに対する注目度は、依然として高まっていたようです。
その他、
メキシコペソの売り越しが急拡大していました。先週末に発生したリスク回避の動きは、新興国懸念が一大要因とされていますが、IMM残高からも既にその前兆はあったことになります。
また豪ドルも14日以降の下落が反映された結果となっており、売り越しを縮小する動きから、再び活発な売り越しに転じていたようです。
<総括と考察>
さて、先ほど触れたとおり、データが締め切られた以降、相場はリスク回避の動きを強めています。リスク回避の一因は新興国の資金流出懸念でしたが、メキシコ・ペソの前週比でもまさにその通りの結果でした。
今週に入ってここまで、相場のリスク回避の動きは一服し、ドル円も下げ止まった格好ですが、今週末発表されるデータの締め切りは本日であり、このままだと円の売り越しは相当取り崩されているはずです。
投機筋が円安見通しを市場に対して明確に示すためには、本日締め切られるデータから、円売りポジションがさほど取り崩されていないという印象が必要です。しかし、もし今週末発表される今日のデータで円買いまでもが増えているようだと、来週は余程のサプライズが無い限り、もう一段の円高もあり得ると考えています。
こうした点からも、本日、ドルの買い戻しがどこまで進むかに注目し、週末を待ちたいと思います。
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以上、IMMの取組残高分析は動画でも視聴できます。
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グラフを沢山使って、より解りやすく解説しています。是非ご覧ください!!
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