まずはドル円相場の取組のネットポジションから見ていきましょう。
ドル円相場は節目だった95円を上抜けていよいよ100円が視野に入る展開になってきました。こうした中で、ヘッジファンドなど投機筋の取り組みにも勢いが増してきています。
ネットポジションは、93,763コントラクトのドルの買い越しとなっており、直近で最もドルの買い越しが多かった水準にまで戻ってきました。一段のドル高を見越して、かなりのポジションが積み上がっている様子が伺えます。
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。
円、ユーロ、ポンドなどの主要通貨が対ドルで売り越しとなっている状況が続いてます。
次に前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。
まず円ですが、好調なアメリカ株式市場や雇用統計の良好な結果を受けてドルへの回帰が進んでいます。その結果、円は前の週に比べて20,412コントラクトの売り越しとなっています。
続いてユーロですが、今回は余り大きな動きは見せていません。ユーロは前の週に比べて1,329コントラクトの買い越しとなっています。
その他の通貨では、カナダドルやポンドに、引き続き売り圧力が掛かっている一方で、オーストラリアドルとメキシコペソは前回進んだ調整から、再び買い増す動きに転じています。
カナダドルは6,734コントラクトの売り越し、
ポンドは5,951コントラクトの売り越し、
オーストラリアドルは16,117コントラクトの買い越し、
メキシコペソは20,249コントラクトの買い越し、 となっています。
さて、このところドルへの回帰が進んでいた為替相場ですが、先週はユーロやポンドに、一旦は底打ちしたような動きが見られました。既にドルの買い越しが大きく積み上がっている中で、今週は一旦ドル高の調整局面になるのかどうかに注目しておきたいと思います。
ところで・・・、ご存知の通り今回お送りしているデータは、先週火曜日のアメリカ市場が終了した時点で集計されたものです。本日月曜日の相場は、先週末のEU財務相(ざいむそう)会合で決定されたキプロス救済案に対し、懸念を示す格好となって、ユーロは対ドル対円での売りが急伸しています。これを受けた各相場は、総じてドル買い円買いで反応しています。この動きは、先週の時点で芽生えていたドルの調整色を打ち消す一方、円の調整色を肯定する展開です。
依然として火種が絶えないユーロ圏の債務問題に対して、投機筋が出す結論は何なのか、今週火曜日で締め切られ、週末に発表される来週分のデータは、一段と興味深いものになりそうです。