本日は、ロンドン市場、ニューヨーク市場共に世界の中心市場が休場です。
幾つかの通貨ペアは、危なっかしい水準で止っているものもありますが、本日これからひと相場あるとすれば、先週末のような、限りなくイベントリスク以外に想定しづらいところです。
明日から再開いたしたいと思います。
2連続であっさりと降参白旗の展開が続く中で、昨日は少しの借りを返すことができ、ほっとしています。
ポンドペアは相変わらず高止まりの状況で、一押しすればチャンネルに戻って来る予感がしますが、暫くは傍観する約束を、ここは守りたいと思います。一時は円安のドライバーとして機能していたオセアニア通貨はあまり良い位置におらず、これもまた薄氷の上に立っている様な状況に見えます。
さて、本日着目したのはユーロドルで、既に上値を諦めた形と解釈しても、無理はない位置におります。他の通貨でのドル買い圧力がどこまで限定的かによりますが、個人的にはトレンド継続という立場でシナリオを考えて見ます。
トレンドを作っている様で実は揉み合いに突入する匂いを感じつつ、可能性を探ります。本来であれば星を一つ取り戻したところで、週末ということもあり手を出さない方が賢明に見えますが、プロとして少しでも可能性があれば発表してゆきたいと思っています。
ただ、この3日の動きを見ていますと、明らかに短期のモデル系ファンド系統が、上下で仕掛けている様に感じています。まさに、レンジ頃なのかもしれません。
本日は、ユーロドル相場の下落を占ってみます。
(3)スプレッドの変動理由-後
ところで話を戻すと、50銭なら買っても良いと判断した買い手が、市場で50銭の売りは出てこないと判断した場合、50銭の指値を市場に入れてきます。つまり、38/60の取引価格は瞬く間に121.50/60円という価格になります。
ドル円のスプレッドが10ポイントである状況は、まだまだ広すぎますが、他の売り手が直ぐに55銭の売りを入れ、また他の売り手が53銭の売りを入れてくるなど、余程のパニック相場にならない限り、数分で通常の2~3ポイント相場に収束します。ドル円でいえば5ポイント以上のスプレッドは非常事態であり、市場では何か異常な状況が発生していると考えられます。
このワイドなスプレッドは長時間に及んで継続することは無く、サプライズ的な米国経済指標でも通常は3~5分もすれば平常スプレッドに戻っています。
スプレッドにまつわる経験で印象的なのは、何と言ってもプラザ合意直後の市場でした。
瞬間買い価格が市場から消え、ドル円ですら200ポイント以上も離れた下の買い価格が出ては売られ、出ては売られるというまさに地獄のような状況でした。暫くは100ポイントスプレッドの取引価格が続いていましたが、それでも30分もすれば30~50ポイント程度には落ち着き、60分では概ね5ポイント程度で取引できていたのではないでしょうか。筆者が新人としてこの世界に足を踏み入れた初めての秋のことでした。非常に長かった60分間であった記憶があります。
以上、ここまでは銀行間市場での取引価格の成り立ちについて、解説してまいりました。次章では、いよいよFX事業者でのケースなどをご紹介してゆく予定です。(後編&2章終了)
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昨日もあっさりと降参白旗の展開で、ややショックを隠しきれませんが、ポンドは比較的粘ったまま、高値圏を維持しようという意思が見られます。
ポンドドルは一目均衡表の基準線が機能した形となっています。トレンドチャンネルのブレークアウトが瞬間的に発生したことは確認できますが、トレンドを変えたと言い切るには時期尚早かもしれません。
昨日のポンド高は、明らかにMPCの決議内容がポンドにとっての強気を提供したのが原因だと思われますが、実際の利下げ発表では下落し、議事録で買われるとは皮肉でした。ポンドへの個人的なスタンスは不変ですが、相場には乗り切れておらず、暫くはポンドペアは様子見とさせてください。
まさにポンドにつられて右往左往といったユーロですが、昨日の動きがかえって首を絞めた結果になりそうな予感がします。ユーロのショート組が買い支えるように機能していたにもかかわらず、昨日でショートスクイーズしてしまったために、買い手はかなり薄くなっている様な感じです。ユーロ円も同様だと判断します。
本日はユーロ円の売り戦略に再度挑戦しますが、やや投機的発想であるため事実は逆張りとなるかもしれません。
本日は、ユーロ円相場の下落を占ってみます。
スプレッドのお話 2.外国為替の取引価格変動(3)
(3) スプレッドの変動理由-前
スプレッドとは、前回の説明でも売値と買値の価格差ですが、スプレッドの良し悪しを表現する時は、通常は広い(wide spreads)、狭い(narrow spreads)という言い方をし、高い低いとか、高い安いなどの言い方はしません。
では、なぜスプレッドは広がったり狭まったりするのでしょうか。
前回の説明でも触れましたが、121.38/40の取引価格で40銭が買われた場合、この瞬間では買い気配が強いと判断します。この買い気配が通常の市場では穏やかに発生するので、買い方も売り方も少しずつ様子を見ながら取引できますので、比較的狭いスプレッドで取引価格が成立します。
しかし、経済指標の発表などで、売買のニーズが一方向に傾くと一斉に買価格や売価格に殺到します。
121.38/40の時に、例えば米国が金利を引き上げたと仮定します。
40銭が買われるのは当然ながら、ある買い手が50銭でも買って良いと判断すれば、買おうと物色をします。ところが一番安い売値が60銭しかなかった場合、さすがに買えないという判断を下せば、その時の取引価格は121.38/60となり、22ポイントスプレッドの取引価格が発生してしまいます。
言い換えれば、このように取引の方向が偏っている時の、反対側の価格(このケースでは買い価格)などあって意味の無い板となり、取引価格がワイドになったとき、そのどちらの価格に意味があるのか、見極める必要があります。(後編へ続)
まさかのドル円上昇で、クロス円の下値プレッシャーは一気に解消され、昨日のポンド円戦略はあっという間にストップロスとなりました。
基本的には想定内ですのでショックは少ないですが、ここまで伸びるとブレークアウトが発生したといわざるを得ません。どこにこのパワーが残されていたのかは納得ゆかず、後味の悪い動きとなっています。
従来のドル買いは基本的に変化はないと考えています。株式市場が堅調であればドルが買い戻される想定をしています。
こんな中で、ユーロドルは比較的水準を変えていませんが、ポンドドルがポンド円の買いに押されてか、ポンド買いで反応、やや急激に下落チャンネルの上限へと突っ走っている状況です。
個人的にはチャンネルを上に抜ける確率は低いと考えていますが、昨日の本日だけに弱気が入っているのは事実です。気分的には休むも相場を実践したい気持ちです。
本日は、ポンドドル相場の下落を占ってみます。
(1) 売値と買値の発生
例えば、米ドル円のラスト出合い(前編参照)が121.40円だとします。この価格の意味は、買った人と売った人の値段が121.40円で一致しているということです。重要なのはこの成立価格がどのようにして取引されたかということです。このラスト価格が成立した状況を考えると、
A:121.38(買)/40(売)の板があり40銭が買われた≪40(ヨンマル)Taken(テイクン)≫
B:121.40(買)/42(売)の板があり40銭が売られた≪40(ヨンマル)Given(ギブン)≫
の、2通りが考えられます。
Aのケースでは、少なくともラストの時点で買いのニーズが高かったことからこの状況になったと言えます。つまり、次に売りたい人は40銭では売れる可能性を感じながら、1銭でも高く売れればという発想で、121.41円の注文を市場に指します。一方で、38銭で買いたいと考えていた人は、40銭ならまだしも、38銭では無理な可能性を感じ、
)41銭を買う
)40銭に指す
)39銭に注文を上げる
かの行動に出ます。
直ぐに)の行動に出られる時はかなり買い気が強い状況ではないでしょうか。
)の行動に至れば、取引価格は121.40/41となり、)ならば121.39/41となります。
40/41ならばスプレッドが1ポイント、39/41ならばスプレッドが2ポイントということになりますが、スプレッドとはつまり、売値と買値の価格差をいいます。
Bのケースも同様に考えれば、121.40円が売られて成立した場合は、その瞬間での気配を売りとして次の取引価格が成立してゆきます。銀行間市場ではこのようなやり取りが常に発生しているのです。
ユーロドルが順調に下げる中で、一時期は2.0000台定着かに見えたポンドドルもギブアップ気味に下値を辿っています。
ポンドドルのチャートは、ユーロドルをトレースするように下落の目を出していますが、市場はさほど敏感に反応していません。ストレートだけを見れば下方にブレークしても良いように見えますが、やはりクロス円の買いにポンドも下支えられているのでしょうか。
ドル円は121.60円をせめている様で攻め切れておらず、本日の短期チャートとなる時間足は、ポンドドル同様に下落を示唆するシグナルが点灯し始めました。ポンドドルで下落気味、ドル円も短期的に下落プレッシャーがあるとするなら、ポンド円は自然と下落の可能性が高まります。
本日は、ポンド円相場の下落を占ってみます。
(1) 仲値に例えて
前編では仲値の解説から始まりました。
仲値を正確に言うと、TTS/TTBを決定する際に最も近い時間に取引が成立した価格をベースに、スワップポイントを加味した価格です。この仲値から1円高い価格を売り価格(顧客の買い価格)、1円安い価格を買い価格(顧客の売り価格)が導かれるわけですが、ここでは、最も近い時間に取引が成立した価格を基準に売値と買値が提示される、という事実を把握してください。
つまり、取引が成立するためには、その瞬間において売りのニーズと買いのニーズが一致しなければなりません。このニーズが一致した価格(成立価格)が朝一番のものであれば始値、その日の最後のものであれば終値、一日の中で最も高いものであれば高値、最も低いものであれば安値ということになります。仲値は、決まったある時間での成立価格から派生した価格といえますが、いずれにしてもその瞬間では、ニーズが一致した価格であることはまちがいありません。
この直近の成立価格を為替用語では、“ラスト(出合い)”と呼び、次の価格形成の基準になります。