スプレッドのお話 2.外国為替の取引価格変動(3)
(3) スプレッドの変動理由-前
スプレッドとは、前回の説明でも売値と買値の価格差ですが、スプレッドの良し悪しを表現する時は、通常は広い(wide spreads)、狭い(narrow spreads)という言い方をし、高い低いとか、高い安いなどの言い方はしません。
では、なぜスプレッドは広がったり狭まったりするのでしょうか。
前回の説明でも触れましたが、121.38/40の取引価格で40銭が買われた場合、この瞬間では買い気配が強いと判断します。この買い気配が通常の市場では穏やかに発生するので、買い方も売り方も少しずつ様子を見ながら取引できますので、比較的狭いスプレッドで取引価格が成立します。
しかし、経済指標の発表などで、売買のニーズが一方向に傾くと一斉に買価格や売価格に殺到します。
121.38/40の時に、例えば米国が金利を引き上げたと仮定します。
40銭が買われるのは当然ながら、ある買い手が50銭でも買って良いと判断すれば、買おうと物色をします。ところが一番安い売値が60銭しかなかった場合、さすがに買えないという判断を下せば、その時の取引価格は121.38/60となり、22ポイントスプレッドの取引価格が発生してしまいます。
言い換えれば、このように取引の方向が偏っている時の、反対側の価格(このケースでは買い価格)などあって意味の無い板となり、取引価格がワイドになったとき、そのどちらの価格に意味があるのか、見極める必要があります。(後編へ続)
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