外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

預金保険機構【FDIC】

2008-10-23 17:49:37 |   -FX実用相場用語
金融機関が破綻した場合、預金の一部を保護する目的で設立された機関で、一昔前に「ペイオフ」という名称で世論となった。モデルは米国の連邦預金保険機構【FDIC】(Federal Deposit Insurance Corporation)で、日本の機関はDICJ(Deposit Insurance of Japan)。

バブル崩壊後、金融機関の経営危機が表面化し、預金者は自身の預金に対する不安感が台頭し、一部取り付け騒ぎが起こるなど、金融機関をさらに苦しめる自体が散見された。政府はこうした混乱を回避するために「ペイオフ」制度を凍結し、全額保護を国策として掲げ一難を切り抜けた。金融混乱が落ち着き、金融機関の危機も回復したことを受けて、平成14年度より段階的に「ペイオフ」を再開し始め現在に至っている。
(詳細は預金保険機構 http://www.dic.go.jp/qa/qa.html)

サブプライム問題に端を発した世界金融危機だが、このところの先進国対策はまさに日本が歩んできた道をたどっている。

例えば、危機前の米国における同様な機関のFDICでは、保護金額は10万ドルが上限であったが、先日米国政府が採決した金融安定化法案では、25万ドルに上限を引き上げ、さらには時限的に「ペイオフ凍結」という流れを示しており、シナリオとしては日本のバブル崩壊期と同じとなっている。

こぼれ話

外貨資産は預金保険の対象外であることは、皆様ならご存知ですね。

さて、前代未聞の世界同時金融混乱は、次第に実態が明らかになるにつけ、危機的な状況にあることが判り、恐慌に発展しかねないほどとなっています。まずは信用創出のファンダメンタルともいえる預金確保のためには、預金者の精神的不安を鎮めることで無用な引き出しを押さえることは重要な対策です。

かつて、日本が同様な状態に陥ったとき、そのウイルスは周辺のアジア全体に拡大し、アジア通貨危機を引き起こし、マレーシアは金融市場を封鎖して政府の管理下に置いたことはまだ記憶に新しいと思います。米国の危機は周辺国家となる南米を蝕み、欧州の危機は東欧など周辺国家となる新興国を蝕むこととなっています。

周知のこととは思いますが、アイスランドは非居住者の銀行口座を凍結して資金の流出を阻止。ハンガリーは流出を食い止めようとこの混乱期に何と利上げを行った。新興国の混乱はまだ暫くは収束しそうにありません。

一方で、これまで高金利政策をしてきた一部の先進国は、劇的な利下げスパイラルに突入しているように見えます。前述の理論からすればかえって無謀に見える選択ではありますが、いわゆる不良債権処理的な機能は有するように思います。つまり、少々の利下げで退散する資金を振り払うことで、実態把握が可能となるかもしれません。無用な高金利政策はいまや通貨安の指標としての視点しかなく、逆に本当に利払いできるのか…という懸念の方が強いのではないでしょうか。時間が経てば経つほどその利払額は膨大になり、余計に国家財政を圧迫することは明白です。

「高金利通貨は価値が低い」という小学生レベルの基礎知識が今真価を発揮している。(為替投資郎)。

欧州の恐怖は想定以上?本日の動きはコンファームとなるか??

2008-10-21 02:45:21 | ☆外国為替を読む

週足でも4週目となり、一旦は調整も考えたところでした。

これまでの貯金をリスク資産として、シュミレーションを兼ねてクロス円の買いを模索しましたが・・・・結果はあえなく粉砕され、ストレートも下げる次第です。

一度、バブルを経験している日本と、特に欧州の不安センチメントはもしかすると比較に成らないほどの恐怖感があるのかも知れず、本日の変動でそれを確かめた感覚があります。つまり、反転願望は日本投資家のみが抱ける幻想だったかも知れない、という結論です。

或いは、為替ヘッジをしていない金融商品の額が、想像を絶する域にあるのかも知れず、個人的には相場転換の絶望さを確認いたしました。

一気に下落トレンドを増長しないにしても、上値で切り抜けたいセンチメントが主流だと確信せざるを得ず、もしかすると本日は短期的なリバースを模索したと言うより、シーリングの確認相場だったかもしれません。

もし、時間調整でレンジ相場をもう一度でも反芻(はんすう)してくれるのなら、上値伺いのところは絶好の売りエントリーかもしれませんね。その裏にストップが置ければ、是非試してみたい状況です。どうやら、米国の先手がジワリ効き始めているのかもしれません。(為替投資郎)


TASPO現象、どこまで?

2008-10-17 04:08:30 | ☆外国為替を読む

皆さん、今晩は!

今日もこんな時間になりました。
さて、相場を見渡しますと、確かに過去経験をしたことが無い値動きに、呆然とするしかありません。

どれだけの過剰流動性が金融に影響を及ぼしたのか、もはや誰も把握できていない状況が露呈されています。

私も確かに2007年後半から2008年前半にかけて、「世界は過剰流動性の渦にこのまま飲み込まれてしまうのか・・・・」と、あきらめかけたことは事実です。

ただ、今回の調整相場を見る限りにおいて、市場の真実を目の当たりにでき、相場をさらに信用できると確信するに至っています。

私は稀にタクシーを乗る機会があるにつけ、運転手さんに「景気はどう?」と聞くようにしてきました。かの有名な冒険投資家ジムロジャースに影響を受けたことも事実です。して、その答えは概ね「どこが好景気やら・・・」という答えしか返って来ませんでした。過去のコメントにも書いた記憶がありますが、実体経済を反映していない虚空の好景気である実感を得ていました。

そんな中で露呈したホリエモン事件でしたが、喉元過ぎれば・・・のごとくITバブルは継続しましたが、所詮は砂上の城という理念は、今となっては的はずれではなかったと確信する次第です。ムック系で飛ぶ鳥を射抜く猛者たちも、今はどうしているのでしょうか・・・。

実は数年前から土地バブルに関して、金融業界では言及するのはタブーだったと思っていました。ところが、去年の夏過ぎあたりから、そのコメントが聞こえるにつけ、「そろそろ終わりかなぁ・・・」と思っていたのも今となってはと言う感じです。

本題に?入りますが、タスポはなぜ導入されたのでしょう???

本来、有権者?が犠牲を払うのは間違っています。ただ、未成年の喫煙を防止したいがために(もちろん、産業全体の活性化が主眼だったと思い、地上デジタルもしかりです)、本来曲がった文化を正当化して、それに合わせたがための施策だったと言わざるを得ません。今回の金融崩壊も、本来の姿を見失ったことが、そもそもの原因だったように思います。

投資家の皆さんにとって、見たくも無い相場展開が続きますが、こんな時こそ、真実を見極めるために、眼を見開いて事の顛末を見るべきに思います。タスポで後手の対策に興じる愚弄さを、本来は有権者たる大人の文化で解消すべきだったのではないかと思うこの頃です。

為替はフローの文化であり、それが低金利のストレスから日本ではキャピタルゲインに傾斜しました。我々業界人の誤った文化指導が原因だったことは反省します。ただ、それが解消に向かった時点で、的確にメッセージを伝え切れなかったことに、後悔する心境です。

今更、いい子ぶっても仕方ありませんが・・・、豪ドルは買って放置しろ!であるとか、トルコがどうだ、アイスランドがどうであるとかのコマース戦略が、災いを拡大したことは事実です。どうか皆様にはこの経験を生かして、金利と為替の本当の姿を見極めてほしいと思う毎日であり、デフレが長引いた日本の文化が、どこか変なところに着地点を見出してしまったようです。(為替投資郎)

P.S.
モデル系のフローが闊歩する昨今において、シグナルが点灯するには早すぎた相場だったと思います。今もし、それらのトリガーが掛かり始めたとするならば、CDSしかり、セリングクライマックスを見極める状況であることは、違いないと思っています。宇宙物理学の権威を導入したヘッジファンドが破綻した90年代、本来ならば今、月旅行が当たり前だったはず・・・にも関わらず現実は??それが限界かもしれません。もしそれを見越したスーパーモデルがあったと仮定すれば、この下落相場は、彼らにとって絶好の利食い相場であるはずだと夢想する今宵でした。


ワンラウンド終了-欧州危機顕在化で金利差拡大??

2008-10-08 03:01:36 | ☆外国為替を読む

昨今の市場は、金融危機が欧州にも飛び火したことを確認するに至り、欧州へのレパトリが強調されたのか、豪州利下げをきっかけに、本日のセンチメントが180度入れ替わった感覚があります。

ユーロの短期市場金利がどのようにありつつあるかは確認していませんが、アメリカでの状況をトレースするかのごとく、リスクが高い方向の通貨が、奇しくも買われる循環が見て取れます。ただ、過去にも解説したように、欧州の対応を目の当たりするにつけ、彼らの金融機関への眼差しを含めて、企業責任に対する対応は想像にかなうものでした。

つまり、銀行などを含めた一般企業の収支などは眼中に無いECの姿勢が、垣間見られたと言うわけです。合併は当たり前として、とりあえずはメジャー企業や産業へのインパクトを想定せざるを得ず、利害に無い一般預金者への救済は進んでも、甘い汁を吸ってきた企業への対応は、冷たい政策が想定できます。個人的にはユーロを応援したいところですが、本日のトリシェ発言を聞いて素直に思ったことは、これまでかなりの投資家を欺いた発言を懺悔すべきに思えます。裏取引で何があったかは知りえるはずもありませんが、利下げを敢行するドル政策の真ん中で、なぜユーロは利上げしたのか、胡散臭いシナリオを想定せざるを得ませんね。

また、TSLFが発効した時点で、スワップ協定が何を意味するかは想定の範囲でした。本日を以って悲観的ドル買いはクライマックスを見る可能性はありえますが、ただ、根本のセンチメントを見た場合、これまでのトレンドを否定するには、時間的価格的解消をする必要があり、それはある程度の深さを解消しないと実現できません。つまり、時間調整としてのクライマックスの可能性は肯定するものの、トレンド転換は現時点において忘れるべき相場展開にあるといえるでしょう。

試し買い(逆張り)は大いに賛成できても、新規参入で命をかける相場では無いとしか見えません。市場は完全に破壊されたと言っても過言ではなく、少し過去に暴れたロシア系などのパワー相場が展開される可能性はあり、短期戦略が餌食にされることを、経験談から忠告したい気持ちです。100ポイントの変動は相場的にも、良い相場などと言った記憶があります。今はスカスカの相場で、お行儀の悪い取引をすれば300ポイントなど平気で動く環境にあると思います。ただ、そんな相場に参加すること自体ギャンブル性が高く、冷静な対応が求められるところです。

ここ数ヶ月、取引が増える場面はストップロス相場でした。非常に残念で仕方ありません。未だにきっと、「安くなった今、買い時・・・」などと言っているセールストークが聞こえる気がしますが、暫くはこれまでの真逆の、つまり、高金利買いは短命で切り抜ける戦略を想定したいところです。

今年の冬は金銭的に暖かい冬となりそうですが、温暖化対応路線は崩したくないところです。それにしても、原油相場は恐ろしい値動きです。一部の為替も似たような騰落を示すものもありますが・・・、変動幅は総じてその比になく小さかったのも、為替の特徴でしょう。

取り留めの無いコメントを、失礼致しました(了 為替投資郎)。