確か昨夜も同じニュースを見た気がしますが、本日のロイターWEBニュースによれば、スイス中銀(SNB)のジョルダン総裁は、スイス高に対して懸念を示した旨の報道がありました。
実は2011年夏に遡りますが、スイスフランが急騰した際、SNBは1.2000という対ユーロのレートを明示した上で、スイスフラン高に対して無制限介入を宣言した経緯があります。その時の安値の1.0090前後から約2か月間で本当に1.2470前後の高値に持ち上げました。
それ以降、幾度か中央銀行に挑む動きがあったものの、ことごとく跳ね返され、以降のユーロスイスは半ば管理通貨制度下に置かれたようなものとなり、トレードペアから外れていました。
下のチャートは日足ですが、
このところそこそこ上下に動いているようにも見えますが、日足にも関わらず価格の補助目盛は1つが10ポイントというスケールになっており、4月の最大値幅で100ポイント強という状態です。
今回のニュースによれば特に対ユーロで高いとの言葉は見受けられず、それが対ドルを指しているのかも判りません。ただ、中東の地政学リスクを背景に、ここ数日ですがスイス高に推移しており、事前に釘を刺してきた可能性も否めません。今回の発言?で、依然としてユーロスイスでは下値を支える意思があることが判り、介入プレイを楽しむのであれば1.2000近辺は買いということになります。
問題なのは、対ユーロで下支えることになると、スイス高に合わせてユーロの買い介入となります。特に今日の上昇は非常に疑惑が残る展開ですが、利下げを行ったばかりでユーロ安の圧力が掛かる中、スイス高に合わせてどこまでユーロを買えるのかは、非常に疑問です。勿論、ユーロ売りスイス売りで均衡を保つことも可能ではありますが、今度はリスク回避のスイス買いと戦わざるを得ないことになり、どちらもなかなか大変な作業に見えます。
最後に1.2000を示した月足を掲載致して置きますが、
もしスイス高が本格化した場合、ユーロ高という矛盾の前に、1.2000が決壊する可能性も無いとは言えません。最終的には日銀が勝利しましたが、つい先日まで日銀がドル買い介入をしても円高が止まらない時期が相当長かったことを思い出します。