外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ユーロ円相場分析 上昇トレンド調整から下落トレンドへの期待

2009-07-08 21:35:16 |    -ユーロ円

クロス円が下落圧力を強めたとした後、何のフォローもできませんでしたので、いくつか説明してみます。

その前に、クロス円が下落を強めそうだと判断した理由は、かなりファンダメンタルからの印象が強くなっています。テクニカル的にはまだ、さほど強い完成度はありませんので悪しからず申し上げます。


添付のチャートはユーロ円日足です。

赤い右上がりの斜線は下値線で、破線は終値ベース、実線は下値ベースです。
チャートはその両方を下に抜け、下落バイアスを強めました。
しばらくは6月に付けた高値・安値の間で揉み合ったことで、はじめにどちらが新値更新となるか見守ってきましたが、本日下抜けを達成したことで、6月高値からの下落トレンドが見えたわけです。

では青い右下がりの斜線をご覧ください。これは5月下旬に上昇相場を伸ばす前の、トライアングルフォーメーションの上値線です。実は6月の下値はこの影響を受けているようにも見えることから、今回の下げでも、一旦は引っかかると予想していました。

夕方、目を離した隙に一目均衡表の雲を下に抜けた様ですが、130.40円水準の下値を付けたようです。この価格は概ね当時の青い上値線の水準となる130.30円に近く、再度雲の中へ戻された現状を見る限りでは、未だに影響がありそうです。

今後の下値の目標ですが、6月高値を起点とし、7月1日からの下落を第三波動と捕らえるなら、N計算値で概ね130.00円が見えてきます。奇しくも、あと数日後にはちょうど、青い線に到達する水準であるため、今後は青い線(現在は下値線として機能していると仮定)を下値に、揉み合いながら下落というシナリオを想定します。

一応ですが、MACDでは、先行線が売り領域に突入していますが、遅行線はまだ買い相場の調整域で踏ん張っています。あと数日揉み合いが続けば、遅行線も売り相場入りする可能性があり、そこからが仕切り直しという展開でしょうか。

2月下旬から遅行線が買い相場の域に入って以来、幾度か売り相場へ入りそうになりましたが、ぎりぎり耐えた結果、6月中旬の大陰線までは上昇トレンドを主張してきました。もし、今回売り相場の域に入り込むようなら、2月来の上昇トレンドは一旦終了となりそうです。


7月7日の海外時間から本日8日東京午前までの為替市場総括

2009-07-08 15:00:47 | ☆外国為替を読む

前日海外市場の引けにかけて発生した、わずかな安心材料によって、円高ドル高からの調整が続いた昨日の東京時間でしたが、15時前後にはポンド売りが優勢となり、これがきっかけとなって市場全体にドル買い円買いが再燃しました。

このところ、やや恒例となっている当時間帯でのポンド売りですが、経済指標が材料となるにはやや早すぎる点から、今のところ明確な根拠は見当たりません。ただ時間的に見ると、円を買いに来ていることは間違いなさそうであり、あるいはオプションに絡んだ売り需要などが想定できます。
相場は当日東京時間の円高値、ドル高値をつける動きになりましたが、本格的にヨーロッパ時間に入っても前日高値を更新できないまま指標発表を迎えると、今度はドル売り円売りに反転。ユーロは対ドルで1.3905水準から、3日以来の高値となる1.4050水準を付ける上昇となりました。

ユーロ上昇の背景として、ドイツの経済指標が大幅な改善となったことが考えられます。ポンドはユーロに比べて上昇し切れていない背景には、ドイツ経済指標に先立って発表された製造業関係の指標が悪化したことが想定できます。

ECB要人からは、景気の追加刺激策は必要ないとのコメントが相次いだことも、ヨーロッパ市場が悪くないことを連想し、ユーロ買いの支援材料になった可能性が指摘できます。


しかし、NY時間に入るとそれも長くは続かずに、ヨーロッパ通貨はドルや円に対して売り基調を再開。ドル買い円買いの流れを継続して、そのまま引けています。

ドル買い、円買いが再燃した背景としては、米国の高官が金融不安の再燃対策を準備しておくべきとのコメントが考えられます。
ヨーロッパ時間に聞かれていた強気内容とは正反対とも聞こえるコメントが、市場の憶測を呼んだ可能性は否定できません。特に第二四半期の企業業績待ちとなっていたアメリカ市場にとって、金融機関の業績が悪化する連想を呼んだ可能性があります。
また、FRB(米連邦準備理事会)がSLF(証券貸出制度)の再開を発表したことも、こうした金融不安再燃の憶測を後押しした可能性も指摘できそうです。

いずれにしても、益々先行き不透明な投資環境が嫌気された形となり、資金はリスク回避のドル買い、債券買い、株売りの流れとなった模様です。資源相場も概ね投資先からキャッシュへ資金を引き上げる動きが顕在化しています。

続く本日7月8日ここまでの東京外国為替市場の動きですが、リスクを回避する資金の流れは継続しています。特にヨーロッパ通貨は対ドルで売られて下落、ドル円も円買いとなって下落していることから、クロス円は総じて下落を強めています。

ポンド円、ユーロ円は6月の下値を既に下回っており、テクニカル的にも下落が強まる可能性が出ている模様です。