外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

 市場成り行き注文(マーケットオーダー)【MARKET ORDER】

2006-02-28 20:25:13 |   -FX実用相場用語

成行き注文

注文の呼び方は、ほかに「市場注文」「成り行き注文」と言う場合もある。

その時々に提示されている売買価格に対して売り渡したり、買い受けたりする注文方法。さまざまな希望レートの売り注文と買い注文が市場に並び、最も安い売り価格 と 最も高い買い価格 がベストプライスとして提示されてゆく。

相場が上昇する(買い手の意欲が強い)場合は売り価格が買われてゆき、下落する(売り手の意欲が強い)場合は買い価格が売られていくことで相場が変動する。

市場成行き注文は、いくらで取引が成立するのか判らず、疑念と恐怖感が付きまとうかも知れないが、電子取引が主流となった今では、目に見えて変動している価格がそのまま取引価格である場合が多く、一回の注文動作で成立したかしなかったかはその時限りであり、買えるまで勝手に市場を追いかけるような注文ではない。したがって興味が無くなった価格で再注文しなければ良いことになる。

ただし、いくら電子取引でも目で見える提示価格と実際の価格データにはミリ秒程度の差異が存在するので、動きが早い相場では100%一致しない可能性も否定はできないが、そんな状況下では次の取引価格ですら既に動いてしまっている可能性が高い。したがって成行き注文では不成立はあっても、余りにも見当違いの価格で成立してしまうリスクは限定されると推測する。

ビギナーの方が取引を開始される場合は、ある程度相場が動いてしまったならチャンスが無かったとしてあきらめるのも一手である。プロの世界でも、追いかけて追いかけて掴まったところが天底だった、などという経験は日常茶飯事だが、換言すればこれが市場を動かす一因でもある訳だ。

別の注文種類で市場成行き注文に似た「ストップ(逆指値)注文」という方法があるが、ルールが若干異なるので説明はそちらで行うこととする。

【外為ガイドブック 外国為替相場用語 さ行な行ま行-M】あと


ご挨拶2

2006-02-28 19:27:00 | ☆サイト理念と免責事項

外為大学開校といって意気込んでみましたが、なかなか時間が無く意義のあるページを製作しきれません。そもそも外国為替にもっと慣れ親しんでいただくために運営を開始した当ブログでしたので、もう少し柔らかイメージでも良いのかと思った次第です。
そこで今回、思い切ってタイトル変更を決意、「外為ガイドブック」(←これ、ノートブック)として仕切りなおしました!もっと皆様のお役に立つブログを目指してがんばりますので宜しくお願い致します

現在は用語集を構築中ですが、その辺の用語集とは訳が違う!はず??
片っ端からひとつづつでもご理解いただければ、完成のころには・・・ の予定です。どうか、気長にお付き合いください。


ラスト(プライス)【LAST PRICE】

2006-02-27 12:30:46 |   -FX実用相場用語

外国為替は通常、これからの売値・買値が2本立てで取引価格が提示されるが、この状態では最後に取引された価格が正確ではない。従って当取引価格以外に、最後に取引された(出合った)価格を特に「ラスト(プライス)」といって区別する。

例えばUSDJPYの取引価格が今116.20/25であるとき、この価格はこれから取引をする際の価格であるが、ラストは116.21かもしれないし、116.24かもしれないし、或いは116.18だったり、116.27だったりする。外国為替取引は、株式取引と比較して「1本値」の取引では無い、といわれるが、双方ともにこのラスト取引を基準にすれば、両市場ともに1本値取引である。ただし、株式市場ではアップティックの規制があり、ラストプライスを超えた売買価格を指すことができないため、為替取引は株式経験がある一般投資家にとってやや理解し辛い点がある。

外国為替取引は通貨の取引であり、株式のように数量が決まっているものでもなく、ある意味で無尽蔵であり、取引参加者、取引額、売買方向ともに膨大であるため、取引所取引のように1本値で取引を決めてゆくには時間がかかりすぎて無理がある。

シカゴ先物市場のように、限月で取引する分に於いては取引所取引でも対応することは可能かもしれないが、世界を見渡してもスポット取引を取引所で行う環境は非常に限定的で、中国元のように管理が必要でかつ規制があるような狭い市場で無ければ難しい点がある。

【為替大学 外国為替相場用語 ら行-L】あと


売値/買値 <オファー/ビッド><アスク/ビッド>【OFFER/BID】【ASK/BID】

2006-02-27 11:02:31 |   -FX実用相場用語

スポット取引では、取引通貨1単位が、各国さまざまな通貨単位による売値と買値の両方で表示されるのが通常である。この場合の売値をオファー、またはアスクといい、買値をビッドという。

為替取引の場合は、このように売値と買値が同時に提示されることが望ましく、通常はそのように提示されるものであるが、売値・買値が同時に提示されている価格をツー・ウエイ・プライス(2-way price)という。外国為替取引で一口に「取引価格」という場合、こうしたツー・ウエイ・プライスを指すか、最後(直近)に取引された1本値を指すが、後者を意図する場合は特に「ラスト・プライス」と言って区別する。

取引価格はそれらを引き受ける側の立場に立って提示されるので、取引希望者が取引通貨を買いたい場合は売値(オファー/アスク)を買い、売りたい場合は買値(ビッド)を売る。提示価格の後ろに外国為替を売買している空港の両替窓口を思い浮かべればイメージがつきやすい。

一般的な商業行為では、値札のある商品は常にお店の売り価格で、商品を購入したければ売り価格で買うことであるのは理解しやすい。商品を外貨に置き換えればOKだが、売り価格をイメージするにはリサイクルショップにモノ(外貨)を売る場合を想定してはどうだろう。

こぼれ話
売値のことをアスク(ASK)という理由について・・・その昔、外貨準備が乏しい国が為替取引を必要とする場合は、買い取引が大半であったため、「今いくらですか?」といえば売り渡し価格を言えば大抵は事足りたことから、由来しているという説が一般的。まだイギリスポンドが世界の基軸通貨であった時代のことだ。

【外為大学 外国為替相場用語 あ行か行は行-A,O,B】


フォワード(先物)為替取引・スワップ取引【FORWARD FX】・【SWAP】

2006-02-27 10:16:05 |   -FX実用相場用語

為替取引では、日々の売買価格を取引するスポット取引と、将来の或る日に売買するフォワード(先物)とがある。 スポット取引を直物、フォワード取引を先物というが、ここで言う先物とはいわゆるシカゴ先物市場に代表されるような信用先物取引や、金融先物取引とも完全に異なる。先物取引だけでは混同しやすい要素があることから、外国為替の先物取引を指す場合にはフォワード取引という。信用取引で言う先物はフューチャーズ(FUTURES)と呼んで区別する。

フォワード取引には基本となるいくつかの定型パターンがあるが、その中のトムネ(トムネク)取引は、スポット取引でポジションを翌営業日に繰り越す際に発生する、2通貨間の金利差(スワップ金利、スワップポイント、ロールポイント、ロールコスト)の元となる。

フォーワード取引の特徴を説明しよう。

・スポット取引の応答日を基準に、将来のXデーまでの金利差分を
 通貨ペアの変動側通貨のポイントにしたものを取引している。

 ・変動リスクを無くすため、必ず金利計算の基準となるスポット取引
 で同じ取引相手とフォワード売買の反対取引を行う。

例) 7日後に行うドル買い円売りのポイントが9.2ポイントで決定した(買手A,売手B)

→この時、スポットの直近取引価格が118.30ならフォワードの買手Aは、Bに対して118.30で必ずドル売り円買いをする。

→7日後にBから118.208でドル買い円売りする約束が成立したことになる。

つまりBは円より高い金利のドルをAから118.30で買い、7日間ドル買い運用できる。この間に発生した金利収益があるために、Bは買った価格より安い価格でAに売ることができる。9.2ポイントの中に手数料や思惑が織り込まれている。 フォワード取引がスワップと呼ばれるのは、将来の取引と現在のスポット取引を交換することから命名されたことは想像がつく。

フォワード市場では、金利差の日数分を価格に変換してポイント化するマーケットであるとも言える。 上の例で言えば、1週間の金利差が9.2ポイント(9.2銭)だった。 一年を52週とすれば、年利ポイントは9.2×52=478.4ポイント(銭)となる。 1ドル=118.30なので478.4ポイント(4.784円)は118.30円の4.04%に相当することから、この時の金利差は約4%程度あったと言う事ができる。

【外為大学 外国為替相場用語 は行、さ行-F・S】あと


スポット(直物)為替取引【SPOT FX】

2006-02-25 15:40:15 |   -FX実用相場用語
外国為替取引には、大きく分けて直物取引と 先物(直先)取引 がある。

直物取引のことをスポット為替取引、先物(直先)為替取引のことをフォワード為替取引 と言う。
近年注目を浴びている外国為替証拠金取引はスポット取引の信用取引版であり、いわゆるスワップ金利という俗称が公称となりつつある「外貨ポジションの繰越(ロールオーバー)の際に発生する金利差授受」は、フォワード為替取引からの派生である。

本来はスポット取引が成立すると、2営業日後までに支払い側の通貨を相手先に振込み、受取り側の通貨は相手からの振込みを待つことになる。

・取引が成立してから2営業日目を応答日(バリューデート)という。

厳密には2種類の通貨国が共通して2営業日目となる日を採用する(ドル円だと米国と日本の共通日)。 応答日は金利を計算する場合の基準日で、取引日が1日経過しても応答日は3日経過したり4日経過する場合もあり、クリスマスを含めた年末年始、イースター、ゴールデンウイークなど、世界のどこかの国や地域が長期的に休暇となる時期では、「スワップ金利」がまちまちとなるので注意が必要だ。

信用取引では信用受け銀行が資金決済を行うので、参加者は資金決済のことを考慮せずに済むが、取引日を繰り越した場合のロールオーバーコスト(スワップ金利)は、受けるにせよ払うにせよ影響を受ける。

ドル円SPOT取引 ドル売り円買いのA銀行とドル買い円売りのB銀行で取引成立 10万ドル@115.00

・A銀行は2営業日後までにB銀行へ10万ドル送金  B銀行は10万ドルを買ったことになる
・B銀行は2営業日後までにA銀行へ11,500,000円送金  A銀行は対円価を買ったことになる

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ポイント【POINT】 <ピップ(ス)>【PIP(S)】)

2006-02-24 09:45:59 |   -FX実用相場用語

各金融取引でこの用語を使う場合、概ねその取引の最小桁を指す場合が多い。 外国為替取引は2種類の通貨交換レートを取引する訳だが、ドル円では1ドル=118.97のように小数点第2位までのレートで取引する。つまり取引する最も小さい桁の1を1ポイント(または1ピップ)という。

米ドルと日本円の場合、1ポイントは0.01円、つまり1銭であるが、ユーロドルは1 ユーロ=1.2033ドルというように、1ポイントは1万分の1ドルとなる。 このように、外国為替取引では各通貨組み合わせの表示方法は国際基準化されており、通貨ペアとポイントが判れば幾らを指しているのか分かる。

それぞれの通貨1ポイントは当然ながら価値が異なるので異なる通貨同士のポイントを直接足したり引いたりすることは、概算程度にはなるが原則は無意味な計算であることは確認しておきたい。つまり100ドルポイント+200スイスポイント+300カナダポイント=600ポイントを計算する意味が無いということである。

 主な通貨ペアの取引レートを掲載したので1ポイントの桁を確認しておこう。

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USDJPY(ドル円)     1ドル=118.95円    1ポイント→0.01円

★その他全ての対円ペアは同じく100分の1円が1ポイント GBPJPY(ポンド円)、EURJPY(ユーロ円) CHFJPY(スイス円)、AUDJPY(豪ドル円)など
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EURUSD(ユーロドル) 1ユーロ=1.2033ドル   1ポイント→0.0001ドル

★その他の全ての対ドルペアは同じく10,000分の1ドルが1ポイント GBPUSD(ポンドドル)、AUDUSD(オージードル) NZDUSD(キウイドル)など
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USDCHF(ドルスイス) 1ドル=1.3012スイスF  1ポイント→0.0001スイスF

★その他の全ての対スイスペアは同じく10,000分の1スイスFが1ポイント GBPCHF(ポンドスイス)、EURCHF(ユーロスイス)など
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使い方:例文が意味するところを汲み取れるようになればOK

〔例1〕
「ドル円は120.00が心理的にも上値抵抗水準と考えられることから、50ポイント上に損失限定の注文を設定して119円台後半からはドル売り水準としても良い戦略です。」
→120.50にストップロスを置いて、119円後半はドル売りをしてみてはどうか・・・ということ

〔例2〕
「ポンドドルは1.7830でうまくポンド売り50万ポンドができたので、1.7500で利益確定をした結果、1ポンドあたり330ポイントの収益が確定できた。」
→330ポイント(1ポンドあたり)×50万(ポンド分)×0.0001(ドル)=16,500ドル

【外為大学 外国為替相場用語 は行-P】あと


クロス(通貨ペア)【CROSS (CURRENCY PAIRS)】

2006-02-23 16:08:13 |   -FX実用相場用語
外国為替市場で、ほぼいつでも取引価格が存在する通貨ペアはUSDとの組み合わせが主で、かつ一部の主要(メジャー)通貨に限られているのが実情だ。

一方で、全ての通貨で対ドルレートが存在すれば、どんな組み合わせのペアでも計算することで取引レートを導くことができる。 このように、通貨ペアとしてレートが常に存在しなくても、計算によって導くことができるペアの総称をクロス通貨ペアという。必然的にペアのどちら側にもUSDが登場しないのが一般的である。

特にドル円を除く対円ペアのことをクロス円などと呼ぶ場合もある。

では、ポンド円とスイス円のクロスを例に価格を作成してみよう。
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(例) ポンドドル=1.7445/50 ドル円=118.65/70の時、
① ポンド円を買う場合、円売りポンド買いをすることになる。ドル円でドルを買って、買ったドルでポンドを買えば理論上可能なので、1.7450×118.70=207.13
② ポンド円を売る場合、全てが反対なので、 1.7445×118.65=206.99 つまりポンド円の売買表示は計算値から206.99/13となる。

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(例)
ドルスイス=1.2973/78 ドル円=118.65/70
① スイス円を買う場合、ドルスイスでスイス買いドル売りし、売ったドルをドル円でドル買い円売りすれば理論上可能なので 118.70÷1.2973=91.50
② スイス円を売る場合、全てが反対なので、118.65÷1.2978=91.42 つまりスイス円の売買表示は計算値から91.42/50となる。

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昨今の外国為替証拠金取引では、何十という通貨ペアが非常に優れた売買価格で常に提示されているが、通常の市場ではまずありえないことが実現していると心得たい。それだけ、今や一般投資家の外国為替取引環境が優れているという現われであり、金利に着目したマイナーなクロス通貨ペア取引でもストレスなく行うことができるようになったことはすばらしい。

反面で、マイナーな通貨ペアの流動性リスクは大きくなるのが一般的であるが、この点がぼやけてしまうリスクもあることは覚悟が必要だ。

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ストレート通貨(ペア)

2006-02-23 15:48:01 |   -FX実用相場用語

 USDとの組み合わせであるペアを総称してストレート通貨ペアというが、クロス通貨ペアとの対比で作られた造語との認識がある。このような分類表現が英語にもあるとすれば是非ともお知らせ願いたいが、もしかするとUS PAIRSなどという言い方があるかもしれない。

メジャーなストレートペアに限って、呼称する際にUSDを省略することがあるが、フルネームで表現したほうが無難である。
USDを抜かして表現する場合は、混乱を避けるために俗称を使用する頻度のほうが高い。

GBP/USD→ケーブル(CABLE)
AUD/USD→オージー
NZD/USD→キウイ
USD/CAD→ファンズ など


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ポジション(持ち高)【POSITION】 スクエア

2006-02-23 15:25:31 |   -FX実用相場用語

とりわけ売買自由な金融商品を取引するときに用いられることが多いが、運用残額をポジション(持ち高)という。 取引対象の残高が買いで残っている(運用している)状況を買い持ち(ロング・ポジション)、売って運用している状況を売り持ち(ショート・ポジション)、運用残高が全く無い場合をスクエア・ポジションという。

株式市場では信用取引で売り持ちの状況を作ることは可能だが、基本的には買い持ちが通常のスタンスなのでこうした表現は馴染みが薄い感があるが、強いて言えば買い越し、売り越しなどが近い表現だ。

考え方のツボ

取引する際は何を取引しているのか意識する必要があり、この「何を」に対して買い持ちか、売り持ちかということとなる。 理解しづらい点ではあるが、外国為替取引では常に2通貨の交換比率が取引レートとなり、常に表示が1単位となる方の通貨が取引の対象となっていることを意識しよう。

通貨ペア表示で最初に表示されている方(通常は左側表記)が常に1単位としての取引通貨となり、右側に表記される通貨が変動してレートとなる。

(例)  ドル/円 USD/JPY
左側表示は米ドル(USD)、右側表示は日本円(JPY) したがって対象となる取引通貨は米ドルとなり、米ドルを買って持っている場合はロング、売って持っている場合はショートである。このペアでは損益が日本円で決まってゆくが、あくまで取引をした通貨は米ドルであることを認識したい。損益がスイスフランならドル/スイス(USD/CHF)のように右側がスイスフラン、損益がカナダドルならドル/カナダ(USD/CAD)のように右側がカナダ・ドル、という訳だ。

人手が足りないときに「ショートハンド」などというが、ドルを売って持っているということは、将来的にドルを買い戻さなければ元に戻れない状況であるため、ドルが足りない状況→「ショート」と考えてはいかがだろうか。

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