外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ユーロの立場

2006-03-31 16:10:40 | ☆外国為替を読む
ユーロ金利に上昇バイアスがかかる中、対円でも底堅い展開が継続していますが、きな臭いニュースなども飛び込んできており、個人的には素直に買えない感じです。

ユーロといえば経済圏という大義名分がありますが、仲の悪いドイツとフランスをなんだかの形で合体させようという、政治的な意図が組み込まれている・・・というのは有名な話です。

で、なぜユーロを買いたくないかということですが、フランスが再び暴走を始めているような感じがする・・・というのが理由です。実際の相場では、欧州のもうひとつのメジャー通貨であるスイスフランとのペアでもユーロ高となっている以上、フランスの暴走は今のところユーロ不安までには結びついていないようです。

しかし、少し前にフランスが欧州憲法否決という国民投票結果を出したことが、少なくともEUR売りのきっかけを提供したことは周知の事実であり、その後もフランスの暴動などがいちいちEUR上昇の芽を摘んでいたようにも思います。

ここへ来て発生しているEUR買いは、まさに金利上昇期待だと言わざるを得ませんが、不安定なフランスがネックとなりそうです。先日も対イタリア企業との合併を政府が阻止して対立を深めたり、国内は国内で若者の雇用に対してかなり厳しい法案を通そうとして、大規模なストライキやデモ運動に発展するなど、内外ともに相当ガタガタになっています。政治的に独仏どちらかが不安定になるということは、個人的にはEUR不安を連想してしまいます。

テクニカルに観ると、
ユーロ上昇バイアスに逆らうつもりはありませんので、売り向かう予定はありませんが、今回の流れには個人的に乗らないということだけです。対ドルの週足ですら20週MAが上昇を始めたくらいですから、潜在パワーは認めざるを得ませんが、昨年末からの戻りの影響を受け始めたに過ぎない、とも観ることができます。

当面は1.2200の攻防を見極め、上昇したとしても1.2300を抜けなければ昨年末からの調整相場の域を脱していないともいえます。ユーロ売りのタイミングポイントは、この辺を意識する予定です。勿論その時の情勢は見極めますが、場合によってはユーロの買いを主張している可能性は否定しません。

遠目からの相場観

2006-03-30 14:36:08 | ☆外国為替を読む

この2日間突然でしたがお休みをいただきました。そして昨日は会議尽くしと、ブログがお休みとなってしまい、すみませんでした。

さて、この休暇の間にFOMCは25bpの利上げを行いドル買いとなる中で一方向には動き辛く、ある程度のドル高では一部を除き、ドル売りの需要もあるようですね。現在の私は、相場に対峙するにはかなり劣悪な環境で、どこぞの無料チャートを稀に見ながらかなり遠目で動きを追っている状況ですが、現在の相場は以下のような感じがしています。


高金利通貨として一時は名を馳せたイギリスポンドですが、今回の米国利上げで政策金利はドルのほうが高くなり、先進国は総じて利上げのバイアスがかかる中でイギリス自体は横ばいのムードが抜け切れていません。つまり対ドルでは売られ気味に推移するだろう予想が成り立ちます。新規のポンド買い需要が後退することに加えて、ポンド売りのシフトがかかるだろうと予想すれば、ポンドドル相場はもみ合いながらも上値が重くなる可能性は想像できます。実際の相場はいよいよ保ち合いとなっていますが、大胆に言えば既に下落のチャンネルに入り込んでいるようにも見えます。

高金利といえば豪ドルやNZドルも代表的な通貨ですが、こちらもやはり金利は横ばいの状況が継続しており、対ドルでは金利差縮小のトレンドだということができ、このところの下落を裏付けています。やや一端の底値を付けたようなここ数日の動きですが反発も限定的で、NZがショートしているまでには至っていない感じがします。資源価格が再び上昇を見せており、好感買いでも出ているのでしょうか。

円やユーロは米ドルほどではないものの、やんわりと利上げのバイアスがかかっており、金利差という部分だけを観ればざっくりと考えて平行線というイメージです。相場に方向感がなくなっている現状を、こちらも裏付けている様相ですね。円の具体的な利上げはもう暫くの時間を必要としそうですが、ユーロやスイスフランは既に政策金利を引き上げており、対円でみれば金利差は拡大傾向といえます。
各対円相場が下落している中で、ユーロ、スイスのクロスが比較的持ちこたえているのは、こうした背景がひとつになっているようです。

ユーロは対ドルで保ち合い相場の様相ですが、もう少し遠目で観るとダブルヘッド&ダブルショルダー(勝手に命名してますが・・・)崩れとも見えますね!?仮にトップは既に形成されたとすれば、ネック分の下げを当面の目標にすえることもでき、だとすれば1.10割れもありえるとの仮説が成り立ちます。ドルスイス相場が上昇するようだと、その可能性も現実的となりそうです。個人的にはドルスイス1.3000がドルの強弱を測る分岐指標のように見えます。

本日のスポット取引から、資金決済日(バリューデート)が新会計年度となる4月3日となります。新年度の投資玉として本日既に高金利通貨の買いが散見されている様子で、相場的には底堅い一因となっています。向こう1週間はこのような傾向があるかもしれません。

NZDUSDで言えば、0.61乗せでは一旦ストッププロフィットを行い、0.6150を上抜けるようなら0.62ミドル辺りでの相場つきで再開する予定です。





MPC (金融政策決定会合)【MPC】

2006-03-24 11:57:23 |   -FX実用相場用語
文字数の制限などから近年は英3文字で表現される単語が異常に増加している中で、その代表的なもののひとつ。重要なものは限定的なので是非暗記されたい。意味は既にタイトルで説明しているようなものだが、各国の政策金利を決議する組織を一般的に指す。

ただし、米国の場合はFOMC【FEDERAL OPEN MARKET COMMITTEE】  http://www.federalreserve.gov/fomc/ がその名称として有名だ。

通常は数名の委員からなる投票形式が一般的で、先進国の多くが会議議事録を後日発表している。例えば金利据え置きという決定をしたところで、反対委員がいれば政策変更が近い可能性だと判断したり、反対委員の主張内容によっては次の動きの方向性を読んだり、足元の経済状況がダイレクトに感じられることで、議事録発表も本会合結果同様、注目度は高い。

話のついで(2006年03月23日記述)
昨日発表されたBOEの議事録発表では、直近のMPCで8対1で金利据え置きが決まったことを伝えている。その1の内容といえば、最近かなり新鮮な響きとなっている「利下げ」であった。先進国の金利上昇がトレンドと認識される中でイギリスの立ち遅れは、かなり目立つ。政策金利的には4.5%で米ドルと同水準にまでなり、片や利上げ(ドル)片や利下げ(ポンド)のバイアスがかかっている。

ポンド円は乱高下する通貨ペアであり、売買差益を目論む投資家には人気がある。ただ、一昔前のようにポンドが高金利通貨だという認識はもはや根拠がない。ただし、1ポンドの円額と1ドルの円額を比較すればまだまだポンドの方が大きく、金利ポイントは大きくなるのは事実だが、金利は米ドルとほぼ同じ今、ポイントの違いは取引額の違いだけである認識は持たれたほうが良い。

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レパトリーエーション【REPATRIATION】 ≪HIA≫

2006-03-23 12:26:36 |   -FX実用相場用語
ある国の投資家や企業が投資のために購入して保有していた海外の債券や株式、土地や外貨の運用を一旦解消して、その資金を当該本国へ引き揚げ当該国通貨へ戻す行為。省略して「レパトリ」あるいは「レパトリー」などという場合もある。

米国発の投資規模が大きいため、米国の場合だけを指す誤解も一部にあるようだが、日本のレパトリもあれば、イギリスのレパトリも、理論上は存在する。

2005年はドル高の年として、ほぼ通年に及んだトレンドがあったが、米ドルの利上げトレンドという背景のほかに、米国のHIA法の基づいた米ドルのレパトリが拍車を掛けていたことは事実である。

HIA法とはHomeland Investment Actの略で、米国企業の海外資産を本国へ引き揚げる場合の課税を大幅に軽減するかわりに、社員の再教育や男女雇用平等に向けた整備を進めなさい・・・というような時限法律で2005年末で期限切れとなっている。この法律に従って発生したレパトリ額は誰も正確な数値を把握していないものの、4000億ドルは下らない、などという噂もあった。邦貨にして40兆円以上であり、下手をすれば日本の1年分の国家予算ほどのドル買い需要が発生していたことになる。いつかのタイミングで統計が出てくると思うが、金額によってはこの発表が為替相場になんだかのインパクトを与える可能性があるだろう。

米国金利の上昇で金利差だけがドル上昇要因として表面化していたが、実は一種の介入的なHIA特需の背景があっての超円安年度であったことは忘れてはいけないファンダメンタルである。

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コア指数 【CORE INDEX】

2006-03-22 17:13:55 |   -FX実用相場用語

各種経済指標発表の際、その指標の実態を把握するためにノイズ(雑音)となりやすい品目などを考慮しないで算出した場合の値を指す。“コア指数”という指標があるわけではなく、消費者物価指数のコア指数・・・という立場。

物価指数などでは、一時的な要因で乱高下しやすい食料(特に生鮮物)などを差し引くことで、細かい物価のブレを排除して実態を把握しようとする場合がある。或いは機械受注のようなケースでは、輸送機器など高額かつ外注による売り上げを計上した場合、輸送機器製造企業の企業収益による景気感は表現できても、内需による受注であるかどうかは判断しづらい。そこで国内景気状況を観やすくするためにこのような品目を除外することで根本的な内需状況が把握されやすければ、こうしたコア部分の数値を別途発表する場合がある、と認識している。

除外された品目は別途、それ専門の指標があったりするが、皆様にとって家計をイメージすると考えやすいのではないだろうか。

例えば、家計消費という指標を考えた時、先ず「お父さんの小遣い」を入れて考えるかどうかである。いくら暫定的に月5万円を先に差し引いて家計を考えても、忘年会シーズンや新入社員シーズンには「お父さんの小遣い」支出が多くなる。それを一律5万円で計算して、家計が成り立っているかどうかを考えるのは無理がある。

つまり、一旦はコア家計というものをつけてその推移だけをフォローすることで、もしも1年間20万円前後で収まっているのであれば、その家計はインフレ現象ではないと考えられる。しかし現実の収支は赤字幅が年々増えているとしたら・・・、まさに除外された「お父さんの小遣い」がインフレを起こしていることが明白になってしまう。そして次に発生することといえば・・・「お父さんの小遣い」というノイズの精査という、厳しい事態に発展する訳だ。お、恐ろしい!!

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損切り/損失確定(取引/注文)【STOP LOSS】

2006-03-20 15:28:37 |   -FX実用相場用語

評価損失を実現損失とするために決済する取引またはそれを目的とした注文。ストップロスという概念で認知されつつある取引手法だが、特殊な注文種類を指しているわけではなく、指値や逆指値、市場成行などどの注文で取引しても問題はない。

損切り取引を行おうという心理として
・現在の建玉では収益が望めそうにないので効率の悪い玉を損失覚悟で決済したい
・ある水準以上に損失が拡大する状況はつくりたくないので、もしもそうなってしまえば決済したい
という背景が想像できるがいかがだろうか。

投資をする際に、損をする可能性がある投資をリスク投資ということがあるが、リスク投資であるがこそ大前提にはリスクの限界は設定する必要があり、その限界が訪れない範囲で、金利を狙ったり、価格上昇を狙うのが基本である。

相場取引をする際に、損切りのイメージはお持ちだろうか?

確かに余りに建値の近くに損切りをイメージすればたちどころに該当してしまい、損失ばかりが確定してしまう可能性が高くなるが、良くある話のように
「紙になるまで保有して、紙となったらなったで損失リスクも限定できる!」
とばかり、一度買ったら何が何でも永遠に保有するというポリシーの投資家もかなり居られると感じる。

このように、資産分散的に為替取引を利用される前提であれば、最悪は外貨価値がなくなることを最大損失限度とすることは可能だ。しかし、そうする場合は実際の金額がなくなっても良い範囲で保有額を決定すべきだ。株式の現物取引と同じ概念だが、証拠金取引のような信用取引では実際に預託する証拠金は、実取引額より少ないのが通常となることから、ありえない金額を取引しないような注意が必要である。

一方で、この資金効率を上手に使うことで、実際の資金では取引できない額を取引でき、取引額に見合った差益や金利差益を狙うことも可能だ。ただし、この場合は明らかに「紙くずまで保有する」ことは不可能で、その前に必ず取引できなくなるのは当たり前のこと。「紙くずになるまで保有」したいのなら、それができる額を取引すべきだし、或いは先にリスク深度を設計した上で、その範囲の中で差益と金利差益を狙うという、しっかりしたリスク管理が必要であると思う。

換言すれば、1年の継続を希望する場合は取引額の20-30%の資金が必要になることもあり、一方でデイトレードなら取引額の5%もあれば24時間ももたないケースは非常に稀ではないか。勿論、損切りを行うのなら利食う観念も必要である。方法はいくつかあるが、概念がなければせっかくの収益も限定することが出来ず、結果的に損切りのリスクだけが付きまとうことになる。相場は永遠にトレンドを継続することはないのが現実だ。

【外為ハンドブック さ行-S】あと



バーナンキFRB議長

2006-03-20 10:58:58 |   -FX実用相場用語

フルネームは、ベン・バーナンキ(Ben Shalom Bernank)
1953年12月13日、ジョージア州オーガスタ生まれ。

グリーンスパン議長の後継者として、2006年2月から戦後生まれ初の第14代の連邦準備銀制度理事会(FRB)議長となる。1979年マサチューセッツ工科大学でPh.D.を取得。スタンフォード大学(1983-1985)、プリンストン大学(1985-2002)などで教鞭をとった。

その一方で、フィラデルフィア(1987-89)、ボストン(1989-90)、ニューヨーク(1994-96,1990-91)の各連邦準備銀行の客員研究員、連邦準備理事会(FRB)理事、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を歴任。

ひとくち話
暫くは前任のグリーンスパン路線を踏襲すると考えられているが、バーナンキ氏自身は強烈なインフレターゲット政策論者であり、交代以降なんだかのきっかけで、アメリカ国内にインフレターゲット導入論が盛り上がることが予想されている。
インフレターゲット説に関しては後日詳細にお伝えする機会があると思う。

話は全く異なるが、オーガスタといえばゴルフの「マスターズ」チャンピオンシップトーナメントが行われるコースがあることで有名だ。つつじの花が綺麗に咲くころに毎年行われるが、綺麗に整備されたグリーンと真っ白なバンカーが究極の人工美をつくる一方で、あるがままにという自然美で有名な大会は「ジ・オープン」とも呼ばれる、全英オープンゴルフトーナメントである。

一度は訪れてみたいものであるが、その前に腕を磨いておかないと、決して楽しい思い出とはならない程難コースであることは有名。

【外為ガイドブック は行-B】


利食い/利確(注文/取引) プロフィットテイク【PROFIT TAKING】

2006-03-18 13:58:35 |   -FX実用相場用語

評価益(含み益、未確定収益などと同じ)を実現益とするために、決済取引をおこなうこと。
特殊な注文方法の名称ではなく取引目的を示す表現方法であり、市場成行注文で取引しても良し、指値注文でも逆指値注文でも取引できる。

では、利食いをしようとするときの心理はどんなものだろうか?関係ない!かも知れないが、ややまじめに考えてみた。
1)相場が利益目標に達したので利益を実現した
2)これ以上評価益が減らないように利益を実現した
他に何かあるだろうか・・・?

大切なのは「何となく」というのは余り良くないのでは?・・・と思うが、よくあるのは利益確定をした後に相場が更に伸び、「あ~あ、利食わなきゃ良かった!」とか「早く利食いすぎた~!」という後悔話である。つまり上の1)を行ってしまった結果であるわけだが、なぜ1)の行動をとってしまうのか??と考えれば、2)のように含み益が目減りしないよう利益を最大にしたいという欲求があることも事実である。

しかし、良く考えれば2)のこれ以上評価益が減らないように・・・の「これ以上」の水準を1)の目標としてあげればどんなことが起きるか???
少なくとも「早く利食い過ぎた~!!」という現象は回避できないだろうか?

取引を開始する際つまり建玉するとき、方向を予想することはそれなりに難しいが、プロフィットテイクはもっと難しい問題である。「早く利食い過ぎた~!」という現象を回避できても、放置しておけば確かに「あのまま決済したのと同じ結果じゃん。」ということになるだろう。それを回避するためにも、予定より評価収益が増えた段階で、少なくとも1)より多いところに、目標を移すという管理も必要になる。

最悪「あのまま決済したのと同じ結果じゃん。」となったところで、“同じ”になっただけなのだ!

【外為ガイドブック ら行は行 P】あと


主役通貨を考える

2006-03-17 19:49:47 | ☆外国為替を読む
実は以前に書いていたブログでも一度書いたテーマなのですが、なんでもかんでも円売り取引をする・・・というのでは、実際に取引をしていても味気ないものです。

幸い2005年はそれで良かったのですが、なぜそれで良かったのかを考えることは必要です。年前半からドル高機運が高まりドル円相場が上昇、途中から円安要因も加わってほぼ1年間上昇を継続した結果、何でもかんでも円売りをしていれば良かったのではないかと思います。

しかし、本年に入ってドル金利打ち止め感を筆頭に、その他通貨の利上げムードの高まりで、強かったドルの調整相場となってきているのが現状です。

このところストレート通貨では「高金利通貨売り」のバイアスがかかっている(個人的にそう感じている)ように思いますが、対円で取引されている多くの皆様では、上昇するペアと下落するペアがまちまちとなっており、やや難しい局面かもしれません。こんな時はタイトルのように、主役探しをしてみるとそれぞれの通貨のバイアスを感じられるのではないでしょうか。

NZドルは数ヶ月前から政府自らNZ高を嫌気するコメントを発し、格付け会社SPはNZ債券の格付けを落とすなどの対応をし、ついには政府筋から日本の投資家へ警告まで発する事態となっていました。

本年に入って、個人的にはNZ買いに対しては非常にアゲンストのメッセージを発していたこともありましたが、対円でまさに75円を割り込んだことで、70円台割れをも意識せざるを得ない状況となっています。

一方で、ユーロ円やスイス円などは、ドル円やNZ円下落にはさほど対応しておらず、ドル円を見ながら取引するにはやや扱いづらくなっています。

テーマ的にはドル安と見える一方で、ユーロ、スイスは実際に政策金利を上げたことで買い戻しやすい地合いがあり、AUDやNZDのオセアニアはまさに「売り」が主役となっています。金利差を目的に高金利通貨を買う行動は否定しませんが、あえて主役が投売りされている時に、買い進めるのは危険だと考えます。

オセアニアだけドル買いになっているのが奇妙に見えるかもしれませんが、今までは本格的な調整がなされていなかった分、遅れて調整が入っているという見方が出来そうです。

いよいよ期末を迎える日本では、一種のレパトリ的な現象が一時的にしろ円高ムードを高めているかもしれません。

順張り取引

2006-03-17 16:31:41 |   -FX実用相場用語

市場トレンドにそった取引のこと。
例えば、ドル円相場が110円から115円、118円と上昇している中で、ドル買い円売り取引をしたり、120円から118円、115円と下落している中で、ドル売り円買い取引をする行為はまさに順張り取引。

取引注文の種類で逆指値注文という方法があるが、これはまさに順張り取引。逆指値注文はストップ注文といって、損失確定をする時に使う方法が主流となっているが、この取引方法を建玉するときに利用する方法も有効で、ストップエンターという単語もあるほどだ。

逆張り取引でも説明したが、トレンドが発生している相場で逆張りとなる指値取引をして建玉をしたところで、その水準が天底とならない限り直ぐに評価損が発生する。天底以外では相場は厳密にはどちらかの方向へ進んでいるのだから、その方向にポジションを取ったほうが流れに乗れ易いことは確実である。

逆張りをした場合、天底という点を狙った取引だから成功する確率は下がるという説明をしたが、順張りのときにその取引が天底となる確率もまた同様に低いと言えそうだ。ただ、実際の取引となると順張り取引は非常に勇気がいることは事実で、判断が遅れがちとなって取引を開始したところが当面の天底になってしまった経験はどなたにもありそうだ。

確かに順張りをするのもしっかりと自身の取引時間軸、つまり「自分は日足に基づいて行動しているのだ!」という意志を硬く持ち、ミクロ的には天底となっても、日足で天底になっていないのであれば、持論の根拠が崩れるまでは信じてみるのも良いのでは・・・?勿論、日足で順張りをすることを前提にミクロ的な買いタイミングを探すために例えば30分足を使ってみるということは“有り”だと思う。

【外為ガイドブック さ行】あと