外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

パリティ【PARITY】

2006-05-09 11:06:17 |   -FX実用相場用語

外国為替は2種類の通貨間における交換比率を、世界的により多く広く出回っている方の通貨を1として表現したものであることは周知の通りである。

このように表現している交換比率は、通常1=1.2358であるとか1=0.8825などのような数値となるが、これらが1=1となった状況つまり2種類の通貨間で、その価値が釣り合った状態を特別にパリティという。

最近では2002年7月以降、それまで1ユーロあたり1ドルを割っていた相場が、1ドルを上回る過程で1=1というパリティ現象が発生している。最近では高金利通貨で一時は人気を博したNZD(ニュージーランドドル)が、隣国のAUD(オーストラリアドル)に迫りパリティに向けて活気づいたことがあった。

辞書で調べると為替平価という訳が見当たるが、1ユーロにつき1.2ドルで釣り合っていればこれはこれで為替平価であり、マーケット用語としては1対1の特殊な場合を指すのとはやや異なる。

こぼれ話
半ば強制的に1ドル360円から始まった日本の外国為替レートは特殊な例であるが、海外先進国の殆どは、自国通貨が1という立場をとりたがる。もちろん、変動リスクを考慮しなくて済むアドバンテージが取れる側面があることは事実だが、妙なプライドが背景にある。ユーロが誕生する際、ユーロドルとするのかドルユーロにするのかのせめぎ合いは有名だった。

今後、メジャーなペアでパリティが近くに迫る展開があったとき、あまりに地合いが悪くない限り実現に向けて相場が動く確率は高くなるのではないだろうか。特に理由が無くてもそんな好奇心でも動くような、お茶目な側面も為替相場には存在するのも事実である。

日本円は冒頭の立場から、純粋にパリティとなるにはデノミを施す以外に実現性は低いのではなかろうか。先ずは1ドル10円程度という外国為替が実現しないことには始まらない話だが、相場的には全ての桁が5桁で収まる慣習があり、だとすれば小数点が3桁(12.575のように)というのも扱い辛い通貨となるのは事実だろう。こんなステージがもしあるとすれば、9.9825のようになるまで理由無く円高が進む相場展開が予想される。

GWボケの幻想として処理願いたい


本当にやってきた111円台ミドル

2006-05-08 18:32:51 | ☆外国為替を読む
今晩は!皆さん無事にGWからお戻りでしょうか?

久しぶりにチャートを見てある程度は納得したものの、本日はいかにもテクニカルな動きがオーバー気味に噴出したように見えますが、おかげで連休中に仕掛けておいた収穫注文も見事に成立しました

何も良いことばかりでは無く、放置したユーロオージーのユーロロングは殆ど動かずに赤字を継続、調子に乗ってドテンしたドルスイスはやや含み損を抱えています。ドル円がスクエアとなって物寂しくなった私は、完全に逆張りを認めた上で111.50のプロテクションを頼りに、今朝112円台でドル円買いを仕込みましたが秒殺されてしまいました。調子に乗ると良くない結果となることを再確認した次第です

再度いろいろなインジケーターを確認すれば、何の相場反転を示すものを確認できませんでしたが、週末のクロージングが112.50を維持しているところをみると、先週は単純に行って来い相場となりながらも、ここから先はやや不快感があったと推測できそうです。

しかし今週になって蓋を開けてみれば、112円のプロテクションまでを下抜け、更には111.50も一気につぶされた状況ですが、輸出の狼狽売りや先週の短期ポジションのストップロスなどもドル売りに拍車をかけたようです。新規のドル円売りと見られている取引の一部には、ユーロ円やポンド円などのクロス円の投げ売りも混ざっていると思われます。

先ほど、一段とドル売りが加速してあわや111円調度割れかという局面もありましたが、プロテクションもかなり強固だったようで、一旦の挑戦はあきらめられた感じがします。さすがにドル円以外の対ドルペアでもヘッジ的なドル売り現象が見えましたが、ドルスイスでドルの強弱を測るとすればやや圧力は弱まっているようにも感じます。確かにこの水準を割り込むと1.2000割れにつながるということもあり、慎重になってしまうペアであることは間違いありませんが、本日のドル売りが、週末のイメージが極端になって現れる月曜日独特の動きである可能性も高く、ここから追ってゆく気には勇気が要ります。

111円のバリアが破られたとして、110.50水準では110円割れをストップロスに設定できれば“逆張り”でドル買いもありえそうに見えます。チャート的に何かのシグナルを参考に踏み切りたいところですが、あくまでも逆張りだというリスクを覚悟の上で、意地を張りすぎないことを前提にワンチャンスを最小額でチャレンジするような戦略であることは言うまでもなく、利益確定のターゲットは近視眼的に112円前半です。





ドル売り+円高相場 MA乖離も一旦ピーク??

2006-05-01 18:48:01 | ☆外国為替を読む

先週末から再びドル売り圧力が増し、本日の為替相場は薄い中でトレンドを継続しているかに見えます。

昨今のトレンドを把握する上で、既にご存知かもしれませんが大きく3つのポイントを押さえる必要がありそうです。

一つ目はドル金利の行方で、コンセンサスとしては利上げ打ち止め感が先行、米国債利回りが下落しています。低金利通貨から足早に高金利通貨へとシフトしてきた米ドルですが、一部の経済指標に陰りが出るなど引き締め政策がやや行き過ぎたのではないか、との思惑を誘っています。

二つ目は中国を筆頭とした新興アジア諸国の不均衡問題です。順調に人民元高のトレンドを示してきた相場も対ドルで8.0000を割り込む手前で失速、恣意的な操作があるのではという不透明感から、ややバッシング気味に世界がざわめきだっています。アジアを代表する日本円も連れ高に巻き込まれており、ドル売りに加えて、円高圧力が加わっている所以となっています。

三つ目はイラクに続いてイランの核問題が地政学的リスクとみなされ、ドル売りの支援材料になっています。加えて、原油価格が再び急騰をし始めたため、資源国通貨の買いとなっており、これもまたドル売りの一要因にもなっています。

このような現在のトピックを踏まえて、これらが更に助長されるのか、他にドルが売られる要因が追加されるのか、ドル売り材料が軽減されるのかで相場が影響を受けます。金利面で言えばこれらのトピックに加えて、ユーロ圏や周辺国家、特にスイスあたりからの引き締めコメントが加われば昨日のようにドル売り相場に拍車がかかるというわけです。

今後、世界的不均衡が取沙汰される度に円高というバイアスがかかることから、いくらユーロやイギリスの指標が持ち直したところで、そう簡単に対円クロスは上昇しないと考えます。ましてや、日本のゼロ金利解除が現実味を帯びるなかで比較的金利差がない通貨のクロスは、対ドルで上昇しても対円では均衡するような動きが予想されます。

本日は欧州の多くがメーデー絡みで市場が休場となっており、ここまでは円高につれてクロス円が下落、ヘッジ的な動きによってユーロ、ポンドなども売られぎみに推移しています。テーマがドル売りを継続するようなら、ユーロやポンドも上昇を継続するのですが、ここからもう一段上昇するためには、もう一つのファクターが追加されるなどの必要がありそうです。だと仮定して、これらの通貨は今しばらくこの水準で停滞するなら、クロス円の動きはモロにドル円の影響を受けることになります。

GW入りで大きくドル需要が抑えられるとすれば、全てドル売りだとして均衡、恒常的なドル買いが無い分対円が下落した場合、ユーロ円、ポンド円などはドル円につられて下落するように見えます。

ドル円を分析するに、重要な115.50のポイントをあっさりとした抜け、本日は次のステージ入りかと思わせる113.50をした抜いています。さすがに113.00にはプロテクションが見られるのか、今のところ112円台には突入していませんが、113.50を抜き返しきれなければ112円台入りも時間の問題にも見えます。

ただ、112.50以下は昨年の7月辺りでもみ合った水準のほぼ高値近辺ということもあり、個人的にはここから111.50までは相当硬いことを予想し、中期的に111.50-114.50のレンジ相場に突入していくような予感があります。当レポートを片手間にお読みいただけた方は、118円と116円でドルショートに振り易かったのではないでしょうか。112円台以下はとりあえずの収穫価格と位置づけてストッププロフィットを114.30辺りに構え、指値で拾いに入っておいてGWを満喫されてはいかがでしょうか。

GWをどこにも行かずにチャンスを狙われる向きには、総評としてドル売りで入り直すのは、ややボトム圏ということでお勧めはできませんが、113.50の下抜けを信じてその手前113.40あたりでドル売り、ストップをやはり114.30に置き、当面のプロフィット目標を112.60に設定、上手にトレイルしながら111.80を最終目標というのも一つの戦略にできそうです。対抗して111円台を買い下がるのはやめておきたいところですが、やや反転の気配が感じられれば短期的にドル買いもワークしそうな水準だと考えます。

個人的に明日以降GW休暇に入りますのでブログもお休みです。きっとアクセスもまたゼロからのやり直しなのかと思うとやや気が滅入りがちですが、週明けからまた気合を入れ直しますので、よろしくお願いします。

気候は不安定ぎみとの予報ですが、皆様には是非ご注意をされてGWをお楽しみいただき、週明けまた元気にお会いできることを楽しみにしております。