トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=275.12
(10ZAR=157.60)+(1USD=117.52)
さて、本日までドル円と南アフリカランド円の合成相場であるランドル円相場という切り口で解説してきました。
円の価値が全面的に安いという状況下では、ドル円相場上昇、ランド円相場上昇ということで、ランドル円も上昇することは理解し易いと思いますし、円高の局面であればドル円、ランド円共に下落し、ランドル円が下落ということも理解し易いでしょう。
ただ、もし南アフリカランド高…つまりランドだけが高めに推移するような場合、ランド円が上昇してドル円は概ね横ばいか、やや下落気味となるでしょうし、ドル高…つまりドルだけが高めに推移するような場合、ドル円上昇、ランド円横ばいか下落ぎみに推移する可能性があります。
理由は、といいますと、実は南アフリカランドの中心相場はドルランド相場で、通常殆どの外国為替はドルがモノサシとなっています。
南アフリカランド高相場を想定すると、ドルランドは下落しランド円は上昇することは概ね想像できます。そしてドル円は、ドルランドでのドル安影響からドル売り圧力を受けて下落リスクを受ける可能性があり、その圧力が強ければドル円は下落気味、ランド円での円安圧力と相殺するようであれば横ばいという想定が成り立ちます。
想定外要因としては南アフリカランド高の圧力がとてつもなく大きな場合、ランド円の上昇がドル円上昇を引っ張る結果ランドル円上昇する場合があります。ただ、南アフリカランドの流動性つまり南アフリカ経済が世界経済に与える影響力は極めて限定的であるため、どの通貨に対しても全面的に強くなる可能性は現状あり得ません。
これが想定外とした理由ですが、外債を通じて多くの日本円が南アフリカに流入していることが想像できることから、南アフリカランド円へのインパクトは一時的に高まる可能性はあると思います。今回の下落率が他の通貨より大きかったのも、個人投資家以外にも機関投資家によるまとまったヘッジ売りが影響していた可能性はありますね。
ちなみに、ヘッジ売りとは為替によるフロー損失を止めるために一時的に反対取引を行うことです。場合によっては収益を確定するためにヘッジ取引を行う場合も想定でき、今月の急落局面では一部、このような動きも充分考えられます。
ヘッジといっても、為替を為替でヘッジすることは、特に同じ通貨では意味がありません。例えば、邦人が米国株式を持っている場合など株価上昇中であればあえて決済する必要はありませんが、一方でドル円相場が一時的に急落するような場合、為替の下落リスクを限定するために手当てしたドル円の為替をドル売りヘッジすることはあり得ることです。
ところでドルランド相場は、本日のランドル円相場情報で概ね知ることができます。
1ドル117.52円ですから117.52円分のランド額を計算すればOKです。117.52(ドル円)÷15.76(ランド円)=7.45685ランドです。昨日のドルランドは7.49068ですから、意外にもランド高かドル安という想定ができます。
ランド円が上昇、ドル円も上昇した昨日は、先ずドル円が上昇していることから、ドル安は否定できそうです。また、南アフリカランドに関しては両方上昇していますから、ランド高が想定できます。さらに、対南アフリカランドでは安いドルが対円で上昇していることから、南アフリカランド高円安というシナリオが見えてみそうです。
この3通貨の強弱関係は 南アフリカランド>ドル>円という構図になることから、最弱通貨を売って最強通貨を買うという鉄則から、多少ドル円が停滞しても暫くランドル円相場は南アフリカランドが牽引役となって上昇する局面が予想できます。
このような結論を抱きながら、更にチャート分析などを行ってご自身の売買行動が裏付けられれば、ベストなアプローチです。1南アフリカランド15円はかなり危機的な水準ですので、ここを下回るような場合は一旦、維持を諦めたほうが良いことは念頭に入れておくべきです。
また、アプローチはベストでも結果が伴わないことは充分あり得る上に、入り口がベストでも出口が間違っているだけで収益にならない場合もあります。ただ、相対的には収益となることを信じる他はなく、宝くじでさえ買わなければ権利がないのと同じことが先ず言えます。この先のお話は運用管理の領域になりますが、先ずは初心者を早くクリアできるよう研究されてください。いつか、お役に立てることを楽しみにしています。
明日の外貨のお話はお休みの予定ですが、もちろんカスタマーデスクは頑張ってOPENしています。
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