外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

アメリカ雇用統計をこなしたデータは手仕舞い中心のなか、円買い縮小は意外-IMM分析

2014-07-15 13:39:18 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、今週もIMM取組残高分析をお送りします。

今回の番組で使用する最新データは、7月08日のIMM市場が終了した時点のものです。アメリカの独立記念日明けとなり、あまり大きな変化は期待できないものの、繰上げになった雇用統計の結果は反映されています。

さてこの間のドル円相場は、前週に101円台前半まで下落した相場から、雇用統計発表で102円台前半まで上昇したものの、週明けには売り戻されて、結局は往来相場となっています。このような値動きをした後は、短期のポジションが振るい落とされて、意外と明確な変化が見られる場合もありますが、今回はどんな変化があったのか、早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参りましょう。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>

先ずは、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化のグラフからですが、折れ線グラフが示す毎週火曜日時点の終値推移は、5週連続して僅かずつ下落する流れとなり、ドルのネットポジションは交互に増減を繰り返しながら、減少のトレンドを作っています。
今回のドルの買い越しは、66,375コントラクトと、前回強めに減少した動きから、1万コントラクト弱のドルが実質的に買い戻される結果となっています。この間の値動きは先にも見たように往来相場のなかでドル買い円売りが勝ったことになりますが、気になる詳細は後程、見てみましょう。

<各通貨別ネット残高推移>

次に、各通貨のネット残高のグラフです。2弱4強の構図に大きな変化はありませんが、円とポンドの売り越しが比較的強かった一方、カナダとNZドルの買い気が復活している結果となり、買われた2通貨に関してはトレンドを作っている様子が判ります。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>

こちらのグラフは、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、前週の買い越しから大きめに売り越しへと転じています。ブレークダウンを見ますと、意外にも売り越しが増加した主要因は、買い越しの手仕舞いでした。相場が往来相場だったことを考えると、前週の下落で増えた円買いは上昇局面で投げられたか、返しの下落相場で押し目で円を売り戻す動きがあったようです。円の売り越しは3週連続して大きな動きは無く、円の売り越しポジションは半ば固定された反面で、最近の相場変動は円を買い越す動きがどうだったかに準じているようにも思えます。ブルベアは円のロングが13%にまで減少しています。

ポンドも、買い越しから売り越しへと転じています。ブレークダウンでは買い越しの手仕舞いがその主な要因だったことが判ります。ただ、相場の方は高値圏で揉み合う展開だったことから、戻り売りで残高を圧縮していたことになり、慌ててロングを投げたような動きではありません。ブルベアは前週70%までブルが押しており、4ポイント減少する結果でした。

ユーロは、殆ど動きが無く、ブレークダウンも3週同じような状態です。僅かですが、買い越し売り越し共に残高を減らしており、動かない相場から撤退している動きもあるようです。

買い越しにトレンドが見られたカナダは、買い越し売り越し共に市場規模を拡大しており、カナダ高に対して警戒する動きも見られたようです。ブルべアは買い越しが55%と、伸び代はまだ十分残っているようにも見えますが、五分五分の攻防へと戻ってしまう可能性も否定できない状況です。

順調に買い越しトレンドを作っているNZドルですが、ブレークダウンを見ると今回の買い越しは売り越しの手仕舞いに因ることが判明しています。買い越しはあまり増加しておらず、数週前に急伸した売り越しが損切りに出ているのかもしれません。

<総括と考察>

さて、先ほど少し触れましたが、今回のデータはアメリカの雇用統計結果が反映されています。指標の内容は決して悪くはありませんでしたが、ロングウィークエンドを控えてか、残高に多少の変化があった通貨も、手仕舞いによることが今回判明しました。
その後の相場はどちらかと言えばドル売りが優勢となる中、対円でのドル売りが目立っており、今回のデータで意外にも弱まった円を買い越す動きは、ある程度復活しているでしょう。

雇用統計が発表された後からも聞こえてくるFRBのハト派スタンスは、ゆるぎない印象が強く、経済指標などが強い結果でもドル買いは一時的になりつつある一方、中東の情勢不安は継続し一部ユーロ圏の金融機関懸念まで聞こえるようになりました。この2つの要因は円以外の対ドル相場では相反する要因ですが、ドル円に関しては円買い要因として一致しやすい部分があり、その辺りが先週末の円高に繋がっているのだと推測します。

そうなると、今週は世界的に万遍なく予定されている経済指標発表が、2弱4強の流れに沿うかどうかで、今回の調整の動きが強まる可能性も充分あります。最も懸念されるのは4強の通貨がリスク回避的な調整に出た場合、ドルは蚊帳の外だと仮定すれば、クロス円の下落という形で引き起こされる円高には警戒しています。4強通貨の指標等が好調であれば全て丸く収まると予想しており、特に英、豪、NZ、カナダの経済指標結果を注視したいと思います。


IMM分析番組を最大に楽しむ方法
(1)ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化
http://blog.goo.ne.jp/gaitame-univ/e/59b225ac8b7014b34ab9c5210ad0c194

(2)各通貨のネット残高
http://blog.goo.ne.jp/gaitame-univ/e/7cb368373c8e9008ae738dd9750d06d5

(3)前週と比較したネット残高増減推移
http://blog.goo.ne.jp/gaitame-univ/e/c631b370f8906b33a7c8d81569bbcecd

(4)各通貨のネット増減比較をブレークダウンする
http://blog.goo.ne.jp/gaitame-univ/e/18a50c30c204d61aa068d50ceb619b22

 



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山本大知)
2014-07-16 21:36:49
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