外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ユーロドル分析-ドミノ倒しの可能性 1枚目が倒れなければ、ただのオブジェ

2009-07-30 22:48:02 | ☆相場分析-ユーロドル

どうか動かないでいて欲しい・・・と思いながら、雑用をこなしていましたが結局終わらずギブアップです。

ドル円は手前の売りを買いこなし、チャンネルの上限へと向かっています。ドル買いだけに、ドキドキしながらチャートをあけましたが、一応無傷で残っていました。

さて、ユーロドルを見てみます。
添付のチャートは、ユーロドルの日足です。

以前、6月初旬にヘッドアンドショルダーが形成された際に、下落を想定していましたが、今回も下落の想定をせざるを得ません。6月以来、結局は上限を超えることができず、揉み合ったまま現在に至っています。
確かに相場は雲の上に出ており、各ラインも正規位置を取っていますから、下落を想定するのは無理に見えます。恐らくプログラム的には上昇維持といったところです。


確かに、あくまで下落した場合、という前提がつきますが、現実となった場合は少し恐ろしい展開かもしれません。

その第一条件として、雲の上で停滞している現状から、もし雲を割れるような場合、6月以降の戻し的な、小さい上昇トレンドの下値ライン(赤く細い線)を割り込むこととなり、下へのブレークダウンを伴う可能性が高くなります。

そうすると、赤くて太い水平の破線で示す、かつてのヘッドアンドショルダーのネックラインに並んできます。水準にして1.3750ですが、確かにこの水準は、3月高値と5月の中間揉み合いの頭を抑えた、重要な水準です。ただ、ブレークダウンの力を借りた場合、一気に下割れという想定も不可能ではありません。

そうなると、実は6月高値、7月初頭の高値、7月下旬の高値で、3つの山からなるフォーメーションのネックラインを割ってきます。実はこのフォーメーションは、3トップとも言いがたく、ヘッドアンドショルダー(H&S)とも言いがたいモノですが(実はこの二つは兄弟だということが、わかりますね)、よく頭が低いヘッドアンドショルダーなどといわれるこのフォーメーションが下割れると、通常のH&Sより下落の勢いが強いとも言われます。したがって、とりあえずは、結局かつて6月H&Sの最大値幅を近い目標として、3月からの上昇相場で付けてきた、調整底(赤くて細い水平破線)あたりを目指す場合があり得ます。

完成しなければ何の想定もできないパターン分析ですが、今回は雲を割り込むだけで、次々とトリガーがかかり、フォーメーション完成および、そのブレークアウトまでを、まるでセットのように至ってしまうリスクを感じています。

そうならなければそれで良しですから、エントリーチャンスは、やはり下値支持線を割ったところで、ストップエントリーでしょうか。ストップロスは、雲の上限裏で充分に見えます。


29日欧米市場の総括と、本日30日の動きと予想

2009-07-30 15:09:31 | ☆相場分析-ユーロドル

中国をはじめアジア新興国の株式市場が弱く、日経平均は踏ん張って前日比26円弱高く引けましたが、ややリスク回避的な円買い・ドル買いが発生して、29日東京後場の為替市場は再度円高気味に推移しました。

29日欧州市場

東京市場からのドル買い・円買いの流れが継続し、一時は前日の下値を更新する場面もありました。
変動要因として、下値を試すテクニカル要因もあったようですが、中国株式市場の下落要因となったとされる、中国の銀行貸出し規制のニュースが、クレジットリスクを連想させ、一部資金がリスク回避をしているとも考えられます。

その後、発表されたヨーロッパ企業決算が好調な内容が多く、ユーロが買い戻されました。実際に始まった株式市場も底堅く推移したことから、一時はドル売り円売りの展開となりましたが、ヨーロッパ通貨の上値は概ね限定的となりました。

29日米国市場

ドルの強さと、ユーロの弱さが目立つ展開となりました。

住宅関連の経済指標は、前回から大きく落ち込み、耐久財受注ではコア指数が改善となったものの全体では悪化が拡大するなどで、投資意欲の低下を示すドル買いが優勢でした。

また、ドイツのCPI(消費者物価指数)も予想に反してマイナスとなるなど、ユーロ売りの材料となった模様で、ユーロは一時、対ポンドでも売られたことから、ポンドが独歩高となる展開もありました。

その後、原油在庫の増加が材料視されたのか、原油相場が下落すると、資源相場が全体的に軟調となってユーロ売り材料に。
債券相場は、イリノイ州債の格下げなどもあって米債の入札が不調となり、下落推移したことから米国金利が上昇して、こちらはドル買い材料となっていた模様です。

値動きだけで見ると、一部投資マインドが低下したようにも取れますが、株式市場は比較的冷静で、現にダウも小幅安で引けています。ドル円相場は特に円高にもなっていない現状を見ると、ドル買いだけが目立ちます。
その根拠として、中国の信用不安から円買いにも行けない資金がドルに集中していると考えるのは、行き過ぎでしょうか。資源相場が軟調な理由として、中国の不安要因を指摘していた向きもあったようです。

本日7月30日午前の東京外国為替市場

昨日のドル買いが若干調整される動きも見られましたが、上値は重く、基本的には揉み合い相場です。懸念された株式市場も、日経平均は小幅高で前場を終えており、現状は特段の動きは無い模様です。


では、後ほどユーロ相場を分析してみます。