外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

7月8日の海外時間から本日9日東京午前までの為替市場総括

2009-07-09 14:15:37 | ☆外国為替を読む

昨日の東京時間では、既に発生していたキャッシュ回帰の動きは、その後も穏やかに継続しました。株式市場終了にかけては、恒例の円買いが持ち込まれた様子で、一時その動きを強めました。
日経平均も前日比200円を上回る下落で引けましたが、特に大きな動きにはつながりませんでした。

欧州市場へ入っても、特に東京市場の流れを受けることなく、どちらかといえば売り疲れなのか、あるいはG8のコメント待ち、といったムードが強かったように見えました。
いくつか発表があった経済指標も基本的には無反応で、特にドイツの鉱工業生産は明るい内容だったものの、わずかにユーロが底堅くなった程度の影響に終わっています。

NY時間に入っても、基本的には揉み合いを継続し、散発的に聞こえてきたG8からのコメントや、株式市場が底堅く始まったことに対しても無反応といえる状況でした。

しかし、日本時間の深夜0時を超えた時点で円高が急進。概ね全ての通貨に対して、円が独歩高の展開となっています。一方で、各通貨ともに対ドルでは若干のドル高にしか発展していないことから、ヨーロッパ通貨やその他通貨が売られたというより、明らかに円買い相場だったことが伺えます。

一説には、膨大なストップやオプションに絡んだ円買い需要が相当額あったとの噂もあり、ストップがストップを呼ぶ展開だったことが想定できます。一時、対ドルで91.80円、対ユーロで127円、対ポンドで146.75円の各水準まで円が買われました。

NY株式市場は、一時的に上下はしたものの引けにかけては値を戻し、ダウは僅かながら前日比プラス圏での引けとなっています。経済指標となっていた、MBA住宅ローン申請が回復した結果だったのも下値を支えた一因かもしれません。
ただ、依然として債券市場にも資金は向いている模様で、市場は未だに懐疑的であることがうかがえそうです。

また、資源相場は続落しており、今回の為替市場におけるドル高、円高の震源地は、もしかすると資源相場にあったとの推測も成り立ちそうです。

本日7月9日の東京外国為替市場ですが、昨日の円買いはやや突発的かつ行過ぎた観もあり、基本的には戻し相場に見えます。
朝方は再び円買いを仕掛ける動きも見られましたが、追随もなく、ドル円では暴落前と比較して概ね60%強の戻しを達成し、やや揉み合いながら現在に至っています。



昨夜の対円相場の動きは、やはりチャートで見ても下方スパイクに見えます。

ただ、各インジケーターの多くは円高リスクへ転換しており、スパイクだけでリバーサルとするには早計かもしれません。一旦は、戻り上値を確認しながら、次の展開を待つことになりそうですが、たとえば金相場が900ドルを割るような動きがあれば、為替相場も円の高値を更新しに来る可能性はありそうです。