午前中より発生した円高の流れは、後場(ごば)に入っても継続。ポンドやユーロは対ドルで弱含んでいたことから、基本的には円高ドル高の展開を継続したことになります。
円高要因としては、米国の企業決算報告を控え、一時回避的にドルや円のヘッジ買いが盛んになっていることや、景気先行き不安による株式市場の低迷からファンディング通貨が買われる傾向が顕著となっていることが想定できます。
昨日の日経平均は237円近い下落で引けており、市場が消極的であることがうかがえます。また、週末に行われた東京都議会選挙で与党が大敗を喫したことも、政情不安として株の売り材料となったことは想定できます。
欧州市場
欧州時間に入り、ドル円は円安方向へ小反発(こはんぱつ)しますが、その後は再度円高基調となり、ドル円相場は一時9日の暴落時の安値を下回る91.75円水準まで下落しています。
昨日の円高基調は、ポンドが対円、対ドルで売られたのが決定的だったことは概ね市場では一致していた模様で、背景として、イギリス金融機関が損失を拡大するとのニュースが指摘されていたようです。
実は先週末からポンドは全体的に売られており、対ユーロでも先週末からポンド売りユーロ買いが継続していました。
ユーロ円の下落がポンド円より鈍かった裏づけにもなっています。
欧州時間ではその後、株式市場が堅調な動きを見せ、懸念されていた金融株が上昇するなど、事実上英系銀行に対する懸念が後退した模様です。各ポンド相場がポンド買いに転じた時間と、ドル円が反転上昇した時間が概ね一致していることから、ポンドの買戻しが以降の円安基調へのきっかけとなったとも言えそうです。
米国市場
NY時間に入ると、ドル売り、円売りが顕著となりました。金融機関の早期信用回復を支持するようなコメントなども聞かれると、避難していた資金の一部が、向かうべき場所へと帰って行った模様です。
NYダウは185ドル強の前日比高値引けとなり、債券市場も軟調な展開に利回りは若干上昇して引けています。ただ、原油相場はG8での方針が上値を重くしている模様です。
本日東京市場 午前
本日7月14日午前の東京外国為替市場の動きですが、NY市場を引き継いで、ドル売り円売り地合が継続しています。さらに、9時前に発表された英国の住宅関連指標が急回復した結果となり、ポンドがやや牽引する形でドル売り円売りを伸ばし、ドル円は93.15円、ポンド円は151.65円水準まで上昇しました。
株式市場もNYでの上昇を受けて前日終値に比べて123円近い上昇で取引を開始し、200円以上高く前場(ぜんば)を引けています。しかし、9時以降の為替相場は円安をさほど伸ばしきれておらず、前場引けにかけて円高気味に推移しています。
円が急伸した9日深夜の値幅は未だに影響がある様子で、高値圏にいる現状では、高値を上に抜けるか、反転下落するか、注目してみたいと思います。