外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

中国リスクやBOJ追加策無く円売りからの調整継続「調整続くかどうか」IMM分析

2013-04-30 12:11:10 |   -【特集】IMM残高分析

まずはドル円相場の取組のネットポジションから見ていきましょう。

<ネットポジションのグラフ>
先週序盤のドル円相場は再度100円を試す展開となっていましたが、ヘッジファンド等投機筋は一旦利益確定の好機として捉えているようです。また、一部には中国の経済指標が経済成長の鈍化を示し、中国リスクが高まっている中で、海外投資家が安全資産として日本の株式など、円資産を選好する動きもあるようです。

こうした状況を受けてドルのネットポジションは79,730コントラクトの買い越しと、9万コントラクトに乗せた先週から減少しています。

<全通貨のネットポジション>
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。
引き続き円、ポンド、ユーロなどの主要通貨は売り越しとなり、高金利通貨のオーストラリア・ドルとメキシコペソが買い越されています。

<前週比グラフ>
次に前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、ドル円相場が100円目前で上値が重くなる中で、一旦ポジションを調整する動きが強まっているようです。
円は前の週に比べて13,681コントラクトの買い越しとなっています。

続いてユーロです。日銀の金融緩和を受けて、景気回復の足取りが鈍い欧州でも金融緩和期待が高まっています。来月予定されているECB定例理事会で利下げ期待が高まる中でユーロを売る動きが次第に強まっています。
ユーロは前の週に比べて、4,511コントラクトの売り越しとなっています。

また今週も引き続き、オーストラリア・ドルの売り越しが目立っています。金相場の下落を受けてオーストラリア・ドルの対ドル相場は軟調に推移していました。金相場は一旦底堅い動きとなったものの、為替相場の下落は止まりませんでした。
結局、オーストラリア・ドルは前の週に比べて21,918コントラクトの売り越しとなっています。


さて、先週末のドル円相場は予想を下回った米国第一四半期GDPの結果を受けて軟調な展開となっています。また、日銀の政策決定会合では追加の金融緩和策が打ち出されなかった事もドルを失速させています。

今週はドル円相場がもう一段の調整局面を迎えるかどうかに注目したいと思います。

※以上の内容はグラフを交えた動画としても放送しています。下記URLから、フォレックスTVジャパンのIMMチャンネルでご覧ください。
http://www.forextv.jp/Video/Video_IMM.php


プロスティックス紹介 第8回-モダル・ポイントがどの様に機能するのか

2013-04-23 17:46:38 | ☆ProSticksチャート紹介

当プロモーション動画も8回目となり、そろそろ終わりに近づいてきました。

前回の7回あたりから、核心に触れる内容となっています。
今回の8回目では、プロスティックス特有のモダル・ポイントについて、大小2種類の違いについて説明があり、大きなモダル・ポイントは過去300日間の平均値より大きな結果が得られた日に記し、小さいモダル・ポイントと差別化することで、より強いサポートやレジスタンスを見つけ出そうとする試みです。

そのほか、モダルポイントが同じ価格あるいは近い価格で集まった状態を、モダル・プラットフォームと呼び、より強いサポートやレジスタンスの価格あるいは価格帯を意味している…ということです。



モダルポイントはその導き方はさておき、一日のうちでもっとも出現した時間が長い価格であるため、相場が再びその価格へ近づく場合、下にあればサポート、上にあればレジスタンスとして機能するという理論に基づいています。そのモダル・ポイントが平均時間より長ければより強く作用するというのは、普通に考えても納得がゆくアプローチだと思います。

高値や安値、終値といった伝統的な価格もそれぞれ意義ある価格ですが、それ以外の価格でも意味がある価格として、モダルポイントは、第4世代の終値として把握しても良い程の意味ある価格だという訳です。


IMM取組残高分析‐G20日本支持前提で円売り増加「仕切り直しで100円突破するか」 4月22日(月)

2013-04-23 01:07:20 |   -【特集】IMM残高分析

今週もIMM残高分析 活字版をお送りします。
末尾には動画も添付しますので、ご活用ください。

<ネットポジションのグラフ>
先週のドル円相場は100円手前で一旦調整局面を迎える展開となり、頭の重い展開となっていました。

しかしながら、週末に予定されていたG20財務相・中央銀行総裁会議において日本の超緩和政策が支持されるとの見方も強かったこことから、ヘッジファンド等投機筋はもう一段の円売りを進めたようです。

今回のネットポジションは93,411コントラクトのドル買い越しとなり、再び9万コントラクトの大台に乗せて来ています。

<全通貨のネットポジション>
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。
円、ポンド、ユーロなど、主要通貨の売り越しが続いていますが、ユーロの売り越しが大幅に減少しています。

<前週比グラフ>
次に前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、今回のデータ締切前まで一時的な調整を迎えていましたが、G20では現在の日本の金融緩和政策が支持されるとの見通しが強かった事からも、円売りを積み上げる動きが一段と強まっています。円は前の週に比べて、15,714コントラクトの売り越となっています。

続いてユーロですが、引き続きユーロ相場が反発地合を強める中で、ユーロ売りポジションを解消する動きが強まっています。欧州債務危機への関心が一時的に薄れている事も、ユーロ売りの解消に繋がっているようです。ユーロは前の週に比べて、21,094コントラクトの買い越となっています。


その他今回はオーストラリア・ドルの売り越が目立っています。
このところ金相場が大きく下落した地合いを受けて、オーストラリア・ドル相場も軟調に推移しています。オーストラリア・ドルは前の週に比べて、24,704コントラクトの売り越となっています。

さて、注目されていたG20ですが、このところの急激な円安に対する警戒感は一部にあるものの、日本の金融緩和政策に対しては、「デフレ脱却」を前提に支持される結果となりました。これによって、日本が現在取り組んでいる金融政策と、それを受けた円安相場は容認されたと見ていいでしょう。

こうした地合の中で、今週はいよいよドル円相場が100円突破を試すかどうかに注目集まってきました。最初のトライに失敗し一旦調整を入れた後に、再び100円台を狙うという今回の動きは、突破した場合、更に大きな動きへと発展する可能性を秘めています。
今週はこの点に注目して相場を見ておきたいと思います。

<!-- IMM取組残高分析‐04月22日(月) -->


プロスティックス チャート紹介 第7回‐時間計測のプロスティックスが重要である理由

2013-04-21 15:36:07 | ☆ProSticksチャート紹介

時間計測によるプロスティックスは、外国為替相場の様な出来高不在の際に適しています。

時間計測によるプロスティックスを使う適正に疑問をお持ちの方も居られると思いますが、ある水準でより多くの取引が成立した場合、その取引価格はより長時間に渡り滞在するということは皆、ご存知なはずです。従って、5分間での数字と取引高とは、互いに比例関係にあることは、理に叶っているのです。



第一回:チャートの歴史

第二回:プロスティックスチャートとマーケットプロファイル

第三回:マーケットプロファイルからの進化点

第四回:プロスティックスチャートのカギとなる特徴

第五回:モダルポイントの導き方①

第六回:モダルポイントの導き方②

第七回:時間計測のプロスティックスが重要である理由 


FXTV IMM分析-円安調整と円先安観が綱引き「横綱相撲の決着に注目」

2013-04-15 14:14:57 |   -【特集】IMM残高分析

今週もIMM取組残高分析を活字版でお届けします。
データは先週9日火曜日締切時点ですが、4月4日の日銀政策決定会合後でもあり、その後の動きが織り込まれているはずでした。
しかし、結果は意外なほど均衡しており、驚かされました。動画は、本文最下部にも添付していますので、併行してご利用ください。



<ネットポジションのグラフ>
まずはドル円相場の取組のネットポジションから見ていきましょう。

黒田日銀新総裁が打ち出した、積極的な金融緩和を受けて、ドル円相場は1ドル=100円に迫る所まで上昇しています。しかし、大きな節目を迎えてヘッジファンド等投機筋の動きは慎重になって来ているようです。
今回、ドルのネットポジションは前週とほとんど変わっておらず、77,697コントラクトの買い越しとなっています。

<全通貨のネットポジション>
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。

引き続き円、ユーロ、ポンド、カナダドルなど、対ドルでの売り越しが目立っています。

<前週比グラフ>
次に前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、1ドル=100円と言う大きな節目を迎えて、市場では利益確定の円買いが出ているとの噂も聞かれます。一方で、再び大きくドル円相場が動き出した事で、機関投資家の円売り意欲も高いと言われています。このように売り買い双方の需要が交錯する中で、ネットではわずかな動きに留まっています。
円は前の週に比べて、474コントラクトが買い戻される動きとなっています。

続いてユーロです。このところ下落が続いていたユーロですが、先週はユーロ円の買いや、ポジション調整の動きを受けて、大きく相場が反発しています。こうした中でヘッジファンド等投機筋も売りポジションを調整しているようです。
ユーロは前の週に比べて、14,843コントラクトの買い越しとなっています。

その他ポンドは前の週に比べて、4,949コントラクトの売り越し
オーストラリア・ドルも前の週に比べて6,092コントラクトの売り越しとなっています。

さて、安倍新政権の発足以来、アベノミクスの名の下で金融政策や市場環境が大きく変化して来ました。ドル円相場においては70円台から大きく円安方向に修正され、遂に100円という重要な節目が目前に控えています。先週大手経済紙によるアンケート結果が報じられましたが、多くの企業経営者は「95-100円」程度を望んでいるようです。

こうした中で、100円という大きな節目を前に、もう暫く利益確定的なポジション調整地合が続くのか、100円を超えて新しい相場展開に進んで行くのか、今週もドル円相場に目が離せない展開となりそうです。


 


プロスティックス・チャート解説‐第5回「モダル・ポインントの導き方(1)

2013-04-11 10:21:12 | ☆ProSticksチャート紹介

シリーズでご紹介しているプロスティックスチャートのPVですが、第5回目となる今回は、いよいよプロチャートの神髄となる「モダル・ポイント」を掘り下げてご説明いたします。量的計測が不可能とされているFX市場に、全く異なる概念で計量を可能としたモダルポイントが、どのように導かれているのかに迫ります。

ボリュームによるプロスティックスは、一日もしくはある取引期間で、最も多く取引があった価格を採用してモダル・ポイントを算出します。このアプローチは既にボリューム分析が可能な市場に適応します。
一方、時間によるプロスティックスは、マーケットプロファイルでベルカーブ分布を作るのと良く似た手法で、モダル・ポイントを算出します。まず、取引時間を5分の枠に分割し、各5分間に取引が在った同じ価格の回数が数えられます。こうすることで、量的計測が不可能だったFXのような市場にも、ボリューム分析と同様なアプローチが可能となりました。


証拠金取引【Margin Trade】の仕組み

2013-04-08 16:31:21 |   -FX実用相場用語

FX(エフエックス)の呼び名の元、証拠金制度を使った外国為替取引があります。本来、FXとは外国為替取引の略称でしたが、現在では外国為替証拠金取引を指す方が、むしろ一般的になりました。

証拠金とは、何かを借りたり利用したりする際に、紛失や破損など利用者側の責任で再利用が不可能になった場合などを想定して、対象となるモノの価値の一部、もしくは全部を前もって相手側に預ける金品を指すもの、と理解しています。

通常は、モノを返却する際や利用し終わった際にチェックが入り、何か問題がある場合は、修理で直せるなら修理代、交換や再購入するしかない場合は全額を支払うなどで、貸した側はその場でリスクを回収するのが一般的です。

ただ、余りに少額だったり、利用者数が多かったり、利用から返却までに人を介さないケースでは、事業者側が後からリスクを回収しにくく、先に証拠金や保証金などを預けてもらうことで、問題が生じたときにその差額或いは全額を回収する方法となる証拠金制度を取ります。

つまり、証拠金制度は、利用者がリスクを先に支払うことでそのサービスやモノの利用を可能とし、貸し手やサービス提供側に損失が生じた場合は、その証拠金で支払う仕組みです。

こうして考えると、FXで先に預ける証拠金は、利用者がFX取引を行って損失が生じた場合、その損失をいつでも事業者に支払うことが可能であることを証明する目的で預ける資金と考える方が普通です。確かに、結果的には実際に必要な資金よりも圧倒的に少ない資金があれば取引ができることになりますが、もともと数百万円、数千万円の取引を、その数十分の一の資金で取引できるという発想が矛盾を生む種になっていることは間違いありません。

裏を返せば、損失額さえ把握できれば、たとえ数百倍だろうとレバレッジという概念は意味が無く、同じ1000万円の取引を行うのに、自分が10万円の損失を見込むのであれば結果的にレバレッジは100倍になり、100万円の損失を見込むのであれば10倍になるだけです。もちろん、1億円分の取引に見込み損失が10万円しか無ければ、対円通貨ペアなら10銭動いただけで無くなってしまい、場合によっては何もしないうちに損失だけを支払う感覚に襲われることは確かでしょう。

FXは確かに売買取引であるのは事実ですが、あくまで借りたお金を売買しているのだという立場に立って臨むと、これほどクリアな世界もないと考えています。1000万円の価値があったものを借りて売買した挙句、価値が900万円になってしまったとするなら、その差額となる100万円は自己責任で支払なさい、ということになり、逆に1100万円の価値になったなら、100万円の利益はお返ししますというのが手っ取り早い解説です。

そもそも1000万円の資金が無ければ得られなかったチャンスを100万円で機会を提供してくれる事業者の存在はある意味で有難い組織であり、ご自身に合った事業者と巡りあって頂きたいと願う次第です。

ドル円相場が1ドル100円に近付いてきました。証拠金を理解するには判りやすい相場だと思います。是非、この機会に使い方によっては非常に便利な証拠金制度の仕組みに触れてみてはいかがでしょうか。また機会を改めて具体的な事例を説明してみたいと思います。

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FXTV IMM分析-対円ドル高トレンドは強い「1ドル100円の節目試すか」

2013-04-08 14:39:05 |   -【特集】IMM残高分析



では、始めにドル円相場の取組残高から見ていきましょう。

<ネットポジションのグラフ>
今回のデータは、日銀総裁が黒田氏に交代してから、初回の金融政策決定会合を控えたタイミングだったこともあり、一旦はポジションを調整する動きが見られました。

ドルのネットポジションは78,171コントラクトの買い越しとなり、前の週から減少しています。

<全通貨のネットポジション>
次に、全通貨に対するネットポジションのグラフです。

引き続き円、ユーロ、ポンドなどが、対ドルで売り越されている状況が目立ちますが、ここに来てユーロの売り越しが増加するペースが早まっています。

<前週比グラフ>
続いて、前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、
先程もお伝えした様に、日銀政策決定会合を控えて、一旦利益確定の手仕舞も出ていたようです。前回、黒田総裁の演説の前に、材料出尽くし感から一旦円買いに市場が動いた記憶がまだ残っているだけに、ヘッジファンド等投機筋も少し慎重な取り組みを行っているようです。
円は前の週に比べて10,978コントラクト分が買い戻される動きとなっています。

続いてユーロです。
引き続きユーロ売りが加速しています。キプロスの金融危機が更に周辺国へと、警戒感が広がっています。ユーロは前の週に比べて16,606の売り越しとなっており、今年、最も売り越しが積み上がった水準が更新されています。

いつもユーロに影響を受けているポンドですが、流石に今回は少し調整局面を迎えたようです。ポンドは前の週に比べて1,535コントラクトの買い越しとなっています。

さて、注目していた黒田日銀新総裁を交えた最初の日銀政策決定会合ですが、予測していた以上の、正に次元の違う金融緩和方針が打ち出された事で、市場には期待以上のサプライズを与え、ドル円相場は発表直後に3円近くドル高方向に振れています。

特に今回のIMMデータでは、会合を控えてポジション調整の動きが見られた事からも、ヘッジファンドなど投機筋は一旦ポジションが軽くなっていた事で、新たにドルを買いやすかった事が想像できます。

また、先週末にはアメリカの雇用統計も発表されました。内容は芳(かんば)しくありませんでしたが、円の金融緩和方針が上回った事から、引き続き円売りドル買いの流れが続いています。

このように、今回のドル円の動きからはドル高トレンドの強さが再確認され、いよいよ1ドル100円という大きな節目が射程距離に入って来ました。今週はこの大きな節目をトライしに行くのかどうかに、注目しておきたいと思います。