外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

14日の海外市場と15日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-15 14:30:15 | ☆外国為替を読む

ドル円は朝方からポジション調整気味のドル買い円売りが終始持ち込まれる展開となり、15:00前後に向けて一時93.30円水準まで上昇しました。
上昇の背景には、NY市場の強気を受けた東京株式市場が終始強気の展開となり、後場も続伸して前日比で211円強の高値引けとなったことが考えられます。

ヨーロッパ時間に入ると、底堅さはあるものの相場全体としては乱高下する展開で、主にポジションの調整相場だった観がありました。
基本的には大手米系証券会社の決算発表を控えて動きづらかったことが想定できますが、ポンドは政府筋から強気のコメントなどもあって終始強めに推移していました。
しかし、発表された経済指標の内容が概ね横ばいから悪化となり、改善を期待した市場は、次第にヨーロッパ通貨への買い圧力も減退していった模様です。

NY時間に入って、注目されていた米系証券の業績発表がありましたが、内容は予想を上回る好結果となっています。

また、発表された経済指標も良い結果が報じられました。注目の小売売上高のコア指数はかなり強い結果となりましたが、株式市場が始まると、株価は軟調に推移。為替相場も一時、ドル買い円買いを強める展開となり、指標の内容は無視された格好となりました。

その後終盤にかけて株式市場が持ち直すと、ドル売り円売りの流れを再開し、下落前の水準に戻して引けています。ドル円だけは終始円売りを継続し、引け際に昨日の高値となる93.75円水準まで上昇。債券利回りが上昇していたことがドル買いを強めた背景との指摘もあります。
株式市場も、材料があった割には、概ね横ばいとも言える水準での引けとなっています。

続いて、本日7月15日午前の東京外国為替市場ですが、円、ドルともに安値圏での揉み合い相場となっています。
特段の材料も無く、また円高に傾いていたムードを昨日で冷やされた形となり、様子見となっているのでしょうか。

確かに、昨日の海外市場の動きは理解しにくい動きがありました。
乱暴にまとめてしまえば、夏季休暇をにらんだポジション調整ともいえなくも無いですが、少し気になるのがユーロの弱さです。


ユーロポンド相場は一貫してユーロ売りを継続。イギリス政府筋からも対ユーロでの強気コメントが聞こえており、もしかすると、理由を度外視したユーロ売りが、相場の目をくらませている可能性があるのかもしれません。


13日の海外市場と14日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-14 15:31:43 | ☆外国為替を読む

午前中より発生した円高の流れは、後場(ごば)に入っても継続。ポンドやユーロは対ドルで弱含んでいたことから、基本的には円高ドル高の展開を継続したことになります。

円高要因としては、米国の企業決算報告を控え、一時回避的にドルや円のヘッジ買いが盛んになっていることや、景気先行き不安による株式市場の低迷からファンディング通貨が買われる傾向が顕著となっていることが想定できます。

昨日の日経平均は237円近い下落で引けており、市場が消極的であることがうかがえます。また、週末に行われた東京都議会選挙で与党が大敗を喫したことも、政情不安として株の売り材料となったことは想定できます。

欧州市場

欧州時間に入り、ドル円は円安方向へ小反発(こはんぱつ)しますが、その後は再度円高基調となり、ドル円相場は一時9日の暴落時の安値を下回る91.75円水準まで下落しています。

昨日の円高基調は、ポンドが対円、対ドルで売られたのが決定的だったことは概ね市場では一致していた模様で、背景として、イギリス金融機関が損失を拡大するとのニュースが指摘されていたようです。

実は先週末からポンドは全体的に売られており、対ユーロでも先週末からポンド売りユーロ買いが継続していました。

ユーロ円の下落がポンド円より鈍かった裏づけにもなっています。

欧州時間ではその後、株式市場が堅調な動きを見せ、懸念されていた金融株が上昇するなど、事実上英系銀行に対する懸念が後退した模様です。各ポンド相場がポンド買いに転じた時間と、ドル円が反転上昇した時間が概ね一致していることから、ポンドの買戻しが以降の円安基調へのきっかけとなったとも言えそうです。

米国市場

NY時間に入ると、ドル売り、円売りが顕著となりました。金融機関の早期信用回復を支持するようなコメントなども聞かれると、避難していた資金の一部が、向かうべき場所へと帰って行った模様です。

NYダウは185ドル強の前日比高値引けとなり、債券市場も軟調な展開に利回りは若干上昇して引けています。ただ、原油相場はG8での方針が上値を重くしている模様です。

本日東京市場 午前

本日7月14日午前の東京外国為替市場の動きですが、NY市場を引き継いで、ドル売り円売り地合が継続しています。さらに、9時前に発表された英国の住宅関連指標が急回復した結果となり、ポンドがやや牽引する形でドル売り円売りを伸ばし、ドル円は93.15円、ポンド円は151.65円水準まで上昇しました。

株式市場もNYでの上昇を受けて前日終値に比べて123円近い上昇で取引を開始し、200円以上高く前場(ぜんば)を引けています。しかし、9時以降の為替相場は円安をさほど伸ばしきれておらず、前場引けにかけて円高気味に推移しています。

円が急伸した9日深夜の値幅は未だに影響がある様子で、高値圏にいる現状では、高値を上に抜けるか、反転下落するか、注目してみたいと思います。


先週末10日の海外市場と13日東京外国為替市場ここまでの総括

2009-07-13 14:30:09 | ☆外国為替を読む

日本時間で日にちが10日に切れ変わった直後、ドルが対ヨーロッパ通貨で売り込まれる場面がありました。
ドル円相場では、ドル売りと円売りが均衡した形となり、さほど目立った値動きは見られませんでしたが、ユーロは対ドルで、1.39台後半から1.40台後半まで上昇。対円で129円台中盤から130円台後半へと上昇しました。その後はヨーロッパ通貨の売り戻しが緩やかに入り、10日の東京時間はこの流れが続いた相場展開でした。

ヨーロッパ時間に入って、15時過ぎにはいつものようにやや円高を強める局面がありましたが、その後のドル円相場はNY時間に入るまでは小動きの揉み合い相場となりました。

欧州時間に発表された経済指標にはほとんど反応しませんでしたが、終始ヨーロッパ通貨の上値が重たい展開。その理由として、ヨーロッパ新興諸国の信用状況が依然として好ましくないとの報道が挙げられそうです。ロシア中央銀行が政策金利を引き下げたことなどで、さらに真実味が増したのかもしれません。

また、G8の話題として原油市場の安定が強調されたところですが、具体的な投機マネーの規制に向けて話が進んでいるニュースなどにより、資源相場が軟調となったことも、ユーロが弱い原因としてあり得ると思われます。


ニューヨーク時間に入っても、週末要因と企業決算待ちなどで基本的には様子見相場だったといえるでしょう。深夜0時過ぎにはオプション絡みとみられる円買いが持ち込まれ、ドル円は一時91.80円水準へ下落しました。
しかし、下値を伸ばす追随もなく、また、未明に発表されたミシガン指数は悪化となる内容にもリスク回避としての円買いにはつながらず、調整気味に反転して先週を終わっています。
資源相場、株式相場ともに下落し、債券市場は底堅いことから、依然として市場全体のバイアスは弱気が継続している気配です。

最後に、本日7月13日午前の動きですが、一時的にドル買いが強まる展開がありました。
発表されたNZ指標が好調な内容だったことから、NZ円が買われた結果、ドル円相場には円安ドル高として影響した可能性があります。またテクニカル的に、ポンドドル相場が週末来の揉み合いを下に抜けたことで、ドル買いが強まったことも一因となりそうです。

本日のヨーロッパ時間には、主な指標発表はなく、基本的には静かな様子見相場を想定しますが、先週の相場から気になる点は、ドルと円の相関関係がやや崩れ始めているということです。



欧州通貨が対ドルで弱含む場合(ドル高)、ドル円の円高は加速し、ドル高円高となりました。しかし、冒頭で説明したとおり、逆に欧州通貨が対ドルで上昇する(ドル安)局面ではドル安円安とはならず、ドル円の円安上昇が限定的だったことです。

今週は、アメリカの企業決算も気になりますが、円独歩高には十分警戒したいと思います。


7月9日の海外時間から本日10日東京午前までの為替市場総括

2009-07-10 15:59:19 | ☆外国為替を読む

隙を突かれた先日の円高相場だっただけに、午前中はさすがに反発相場となりましたが、滑り落ちた背後の壁はあまりにも高く、ドル円は93円台前半での小動きとなりました。

一方、その他の対ドル通貨ペアは、円が売り戻されるにつれてクロス円上昇に牽引された形となって上昇相場となり、東京時間の午後に入っても、ドル円が足踏む中で順調に上値を切り上げました。

欧州市場

日経平均が前日比で130円近い下落で引けていたため、市場は再降下に備えて身構えていた観もありましたが、思いのほか無反応で欧州時間を迎えました。欧州市場はBOE(イングランド中央銀行)の政策金利発表を控えており、それまでに発表された経済指標には基本的に無反応でした。

その後、為替相場はやや乱高下するのですがBOEの発表内容への判断が交錯していたようです。

BOEの金融政策発表に際して、政策金利は据置きとの予想が大多数でしたが、資産買い入れプログラムについては増額の可能性を予想する向きもありました。
このところ悲観色が強かった市場は、債券市場に回避する資金に加え、緩和政策期待の思惑による債券買いがあったのかもしれません。このところの利回りは低下してLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)は底値に張り付いており、欧州売りの一材料になっていた観がありました。

政策決定の内容ですが、金利、買入れプログラムともに据え置かれました。

債券市場は思惑買いの売り戻しに加え、クレジットリスクが遠のいたとの判断からか、下落相場となって利回りが上昇したことが、ポンド買いの一材料として浮かびます。また、緩和策を強化するほど悪い状況ではないとの判断があったとも考えられ、株式市場に資金が向かいやすくなったとの想定も可能です。

一方ポンド売り要因として、G8会合からは楽観視を戒める内容のコメントが散見される中で、緩和策据置きは時期尚早との判断も想定できることから、悲観的なドル買いポンド売りにつながった面は否定できません。

米国市場

このように一時的に乱高下した相場でしたが、NY市場を迎えて発表された各指標は、前日の調整を促すには十分の内容となったようです。

失業保険の新規申請は縮小し、企業在庫の調整も進んでいることがわかり、為替市場だけにとどまらず、ここ数日の行過ぎた思惑によるポジションはそれなりに解消された印象があります。その後のNYK為替市場は引けにかけて急回復した相場を調整しながら終わっている状況です。

本日東京市場午前

続いて、本日7月10日午前の東京外国為替市場ですが、
海外からの調整相場が思いがけなく延びており、昨夜最後に上昇した値幅を概ね打ち消す展開となっています。


株式市場も海外の流れを受け、堅調に始まった模様ですが、その後の伸びはなく、前日比で概ね横ばいで前場を終わっています。

市場は、円高にバイアスがかかった途端の円売り相場に、まだ困惑しているようにも見えます。
週末でもあることから、今後もポジション調整的な上下相場が想定されそうです。また、週末要因に加えてこのところの乱高下によって周辺のオーダーはかなり掃けていることが想定できるので、オーバーシュートし易い地合いを心得て相場に望んでください。昨日の動きは調整と考えており、基本は円高であると認識できそうです。


7月8日の海外時間から本日9日東京午前までの為替市場総括

2009-07-09 14:15:37 | ☆外国為替を読む

昨日の東京時間では、既に発生していたキャッシュ回帰の動きは、その後も穏やかに継続しました。株式市場終了にかけては、恒例の円買いが持ち込まれた様子で、一時その動きを強めました。
日経平均も前日比200円を上回る下落で引けましたが、特に大きな動きにはつながりませんでした。

欧州市場へ入っても、特に東京市場の流れを受けることなく、どちらかといえば売り疲れなのか、あるいはG8のコメント待ち、といったムードが強かったように見えました。
いくつか発表があった経済指標も基本的には無反応で、特にドイツの鉱工業生産は明るい内容だったものの、わずかにユーロが底堅くなった程度の影響に終わっています。

NY時間に入っても、基本的には揉み合いを継続し、散発的に聞こえてきたG8からのコメントや、株式市場が底堅く始まったことに対しても無反応といえる状況でした。

しかし、日本時間の深夜0時を超えた時点で円高が急進。概ね全ての通貨に対して、円が独歩高の展開となっています。一方で、各通貨ともに対ドルでは若干のドル高にしか発展していないことから、ヨーロッパ通貨やその他通貨が売られたというより、明らかに円買い相場だったことが伺えます。

一説には、膨大なストップやオプションに絡んだ円買い需要が相当額あったとの噂もあり、ストップがストップを呼ぶ展開だったことが想定できます。一時、対ドルで91.80円、対ユーロで127円、対ポンドで146.75円の各水準まで円が買われました。

NY株式市場は、一時的に上下はしたものの引けにかけては値を戻し、ダウは僅かながら前日比プラス圏での引けとなっています。経済指標となっていた、MBA住宅ローン申請が回復した結果だったのも下値を支えた一因かもしれません。
ただ、依然として債券市場にも資金は向いている模様で、市場は未だに懐疑的であることがうかがえそうです。

また、資源相場は続落しており、今回の為替市場におけるドル高、円高の震源地は、もしかすると資源相場にあったとの推測も成り立ちそうです。

本日7月9日の東京外国為替市場ですが、昨日の円買いはやや突発的かつ行過ぎた観もあり、基本的には戻し相場に見えます。
朝方は再び円買いを仕掛ける動きも見られましたが、追随もなく、ドル円では暴落前と比較して概ね60%強の戻しを達成し、やや揉み合いながら現在に至っています。



昨夜の対円相場の動きは、やはりチャートで見ても下方スパイクに見えます。

ただ、各インジケーターの多くは円高リスクへ転換しており、スパイクだけでリバーサルとするには早計かもしれません。一旦は、戻り上値を確認しながら、次の展開を待つことになりそうですが、たとえば金相場が900ドルを割るような動きがあれば、為替相場も円の高値を更新しに来る可能性はありそうです。


ユーロ円相場分析 上昇トレンド調整から下落トレンドへの期待

2009-07-08 21:35:16 |    -ユーロ円

クロス円が下落圧力を強めたとした後、何のフォローもできませんでしたので、いくつか説明してみます。

その前に、クロス円が下落を強めそうだと判断した理由は、かなりファンダメンタルからの印象が強くなっています。テクニカル的にはまだ、さほど強い完成度はありませんので悪しからず申し上げます。


添付のチャートはユーロ円日足です。

赤い右上がりの斜線は下値線で、破線は終値ベース、実線は下値ベースです。
チャートはその両方を下に抜け、下落バイアスを強めました。
しばらくは6月に付けた高値・安値の間で揉み合ったことで、はじめにどちらが新値更新となるか見守ってきましたが、本日下抜けを達成したことで、6月高値からの下落トレンドが見えたわけです。

では青い右下がりの斜線をご覧ください。これは5月下旬に上昇相場を伸ばす前の、トライアングルフォーメーションの上値線です。実は6月の下値はこの影響を受けているようにも見えることから、今回の下げでも、一旦は引っかかると予想していました。

夕方、目を離した隙に一目均衡表の雲を下に抜けた様ですが、130.40円水準の下値を付けたようです。この価格は概ね当時の青い上値線の水準となる130.30円に近く、再度雲の中へ戻された現状を見る限りでは、未だに影響がありそうです。

今後の下値の目標ですが、6月高値を起点とし、7月1日からの下落を第三波動と捕らえるなら、N計算値で概ね130.00円が見えてきます。奇しくも、あと数日後にはちょうど、青い線に到達する水準であるため、今後は青い線(現在は下値線として機能していると仮定)を下値に、揉み合いながら下落というシナリオを想定します。

一応ですが、MACDでは、先行線が売り領域に突入していますが、遅行線はまだ買い相場の調整域で踏ん張っています。あと数日揉み合いが続けば、遅行線も売り相場入りする可能性があり、そこからが仕切り直しという展開でしょうか。

2月下旬から遅行線が買い相場の域に入って以来、幾度か売り相場へ入りそうになりましたが、ぎりぎり耐えた結果、6月中旬の大陰線までは上昇トレンドを主張してきました。もし、今回売り相場の域に入り込むようなら、2月来の上昇トレンドは一旦終了となりそうです。


7月7日の海外時間から本日8日東京午前までの為替市場総括

2009-07-08 15:00:47 | ☆外国為替を読む

前日海外市場の引けにかけて発生した、わずかな安心材料によって、円高ドル高からの調整が続いた昨日の東京時間でしたが、15時前後にはポンド売りが優勢となり、これがきっかけとなって市場全体にドル買い円買いが再燃しました。

このところ、やや恒例となっている当時間帯でのポンド売りですが、経済指標が材料となるにはやや早すぎる点から、今のところ明確な根拠は見当たりません。ただ時間的に見ると、円を買いに来ていることは間違いなさそうであり、あるいはオプションに絡んだ売り需要などが想定できます。
相場は当日東京時間の円高値、ドル高値をつける動きになりましたが、本格的にヨーロッパ時間に入っても前日高値を更新できないまま指標発表を迎えると、今度はドル売り円売りに反転。ユーロは対ドルで1.3905水準から、3日以来の高値となる1.4050水準を付ける上昇となりました。

ユーロ上昇の背景として、ドイツの経済指標が大幅な改善となったことが考えられます。ポンドはユーロに比べて上昇し切れていない背景には、ドイツ経済指標に先立って発表された製造業関係の指標が悪化したことが想定できます。

ECB要人からは、景気の追加刺激策は必要ないとのコメントが相次いだことも、ヨーロッパ市場が悪くないことを連想し、ユーロ買いの支援材料になった可能性が指摘できます。


しかし、NY時間に入るとそれも長くは続かずに、ヨーロッパ通貨はドルや円に対して売り基調を再開。ドル買い円買いの流れを継続して、そのまま引けています。

ドル買い、円買いが再燃した背景としては、米国の高官が金融不安の再燃対策を準備しておくべきとのコメントが考えられます。
ヨーロッパ時間に聞かれていた強気内容とは正反対とも聞こえるコメントが、市場の憶測を呼んだ可能性は否定できません。特に第二四半期の企業業績待ちとなっていたアメリカ市場にとって、金融機関の業績が悪化する連想を呼んだ可能性があります。
また、FRB(米連邦準備理事会)がSLF(証券貸出制度)の再開を発表したことも、こうした金融不安再燃の憶測を後押しした可能性も指摘できそうです。

いずれにしても、益々先行き不透明な投資環境が嫌気された形となり、資金はリスク回避のドル買い、債券買い、株売りの流れとなった模様です。資源相場も概ね投資先からキャッシュへ資金を引き上げる動きが顕在化しています。

続く本日7月8日ここまでの東京外国為替市場の動きですが、リスクを回避する資金の流れは継続しています。特にヨーロッパ通貨は対ドルで売られて下落、ドル円も円買いとなって下落していることから、クロス円は総じて下落を強めています。

ポンド円、ユーロ円は6月の下値を既に下回っており、テクニカル的にも下落が強まる可能性が出ている模様です。


7月6日の海外時間から本日7日東京午前までの為替市場総括

2009-07-07 15:02:09 | ☆外国為替を読む

朝方より円買いが強まった週明け月曜日の東京市場でしたが、その後は落ち着き、調整気味に円売り基調となりました。しかし、株式市場が日経平均で前日比135円強の安値引けとなると、同じ時間帯あたりから円高を再開。とりわけヨーロッパ通貨売り円買いが際立つ展開となりました。

ポンド円は午後3時手前まで、高値155.90円水準を付ける動きでしたが、3時をまたぐと同時に、円買いへ急転し、ほとんど戻りがないまま153.15円水準まで下落しています。

ヨーロッパ時間に入っても投資マインドは向上せず、株式市場は続落する展開でした。昨日は東京時間から、原油相場について上昇をけん制するコメントが聞かれていましたが、欧州時間に入っても各国首脳から同様な発言があったことが伝えられていました。こうした発言などもあり、原油相場は終始軟調に推移し、投資マインドをいっそう冷やした観は否めません。

途中発表があった欧州投資家信頼感指数ですが、市場予想は前回の-27から若干改善の-23.5と見ていた中で、結果は-31.3へと落ち込んだことも、一時ユーロが売られた背景となっていたのではないでしょうか。

為替市場はドル買い、円買いを強め、各相場は昨日の最安値を記録。一時、ユーロドルが1.3880ドル、ポンドドルが1.6095ドル、ドル円が94.70円の水準となりました。

NY時間に入り、相場は当初、調整的な動きとなっていたようですが、

東京深夜に発表されたISM非製造業指数が若干の改善となり、市場はやや安心感を取り戻したかのように、そのまま調整相場を延ばし、欧州時間でドル高となっていた部分を概ね取り戻す相場展開のまま、NYを引けています。

株式市場は取引開始直後に下落したものの、原油相場が軟調に推移したことや第二四半期の企業決算を控え大きく動きづらい地合が、下押ししきれない材料にもなっていた模様で、ダウは前日比およそ44ドル高で終了しています。

本日7月7日七夕の東京外国為替市場の動きですが、昨日海外市場引けにかけてのムードを若干引き継いだ形でのスタートとなりました。

株式市場が小高く始まると、為替市場は一時ドル売りで反応する局面もありましたが、基本的には様子見ムードの前場となっています。対ヨーロッパ通貨ではドル、円ともに昨日買われた分の売り調整を受け、概ね100%戻していますが、円は対ドルで昨日上昇分の50%程度の売り戻しに終わっています。株式市場ではこの円高止まりが嫌気材料となっている可能性がありそうです。


ドル円相場分析-移動平均線で判ること

2009-07-06 17:10:31 |    -ドル円

材料に乏しくただ手仕舞い感だけで下げてきたようにも見えるここ数日の動きですが、ヨーロッパ時間にも特段の材料も無いことから、本日はドル円を日足でテクニカル分析してみます。

トレンド分析を試みようにも、4月上旬を最後に、上値線・下値線ともトレンドなくトライアングル状に収束していることは、視覚的にもわかり易いと思います。
相場はよくこのような休止相場を形成しますが、今回はリーマンショック以前の収束に次ぐ、大収束をしており、他の通貨ペアにはあまり見られない現象です。そこに着目してみました。

その前に、トレンドを説明する際によく上昇相場で下値支持ラインをトレンドとして説明する場合が在ります。上昇しているだけに買い場を探したい気持ちはわかりますが、下値が切り上がるだけでは、上昇トレンドとはいえません。今回のドル円相場の収束を見てわかるとおり、下値はきりあがっていますが、決して上昇相場とはいえませんね。

つまり下値も大切ですが、それより上値が切りあがってくれない限り例え100円にも到達しない相場になってしまいます。たとえば下値が95円ちょうどで水平になっていても、上値さえ伸ばして100円に届くようであれば上昇トレンドだということもでき、下値線の傾きは2の次であることを説明しておきます(下落トレンドの場合は逆です)。

さて、本題ですが使っている分析ツールは移動平均線のみですが、いくつかの興味深いことが見えてきます。


移動平均線でトレンドが明確な状態とは、既にご存知のとおり、短期線から長期線までが同じ傾きであり、上昇相場の場合、短期が最上階に位置し、長期線が最下階に位置している場合です。

チャートで言うと、見える範囲では昨年12月いっぱいまでが明確な下落トレンドだったことだけが見えます。反転上昇を始めたドル円でしたが4月上旬までは120線のほうが65日線より上に位置していたことから、長期的には下落相場だったとチャートは言っています。

それ以降は25日より短い線が絡み合って上下入れ替わっているうちに65日線と120日線は上昇の位置関係となったものの、25日より短い線は順番を無視するほど、機能しなくなっています。
そのうちに長期線までもが傾きを失って水平気味に推移しており、今は65日線までもが傾きを下に向け始めています。

上のチャートは、最初のチャートの青枠部分を拡大してみました。

現状を明確に見ると、一番軽いとされる現在取引価格は既に120日線の96.03円を下に割っており、120日線は下値支持の効果を失っているように見え、何よりも120日線を除いて、その他の線の位置は概ね下落相場で一致しています。最短の5日線が現在の取引価格を追いかけるのは時間の問題であり、効果の薄い120日線をその他が割り込むのも難しくなさそうに感じます。

こうなると、6月23日の安値94.85/90をためしに行き、勢いがつけば、5月22日、3月19日の安値を試しに行きそうです。下値を試しに行く前に相場が戻るようであれば、120線の96.03/05水準は、大きな売り場となりそうです。

もしかするとしばらくドル円相場が他を牽引する可能性が出てきました。


7月3日の海外市場から本日6日東京午前のまとめ

2009-07-06 15:12:58 | ☆外国為替を読む

ユーロ売り、ドル買い、円買いで迎えた先週末金曜日の東京市場は、早朝にその流れを伸ばす動きがありましたが、本格的に市場時間に入ってからはポジション調整と見られる動きに終始し、反して円売りドル売りが穏やかに進む展開となりました。

日経平均が60円安で引けるとややドル買いが加速してドル円は96.10円水準に上昇。クロス円はドル円につられる形となり、対ユーロで134.80円、対ポンドで157.85円水準まで上昇しました。

ヨーロッパ時間に入って発表された経済指標はまちまちで、特に材料視されたような動きは確認できていません。ただ、前日のユーロ売り地合いが染み込んでいたのか、市場が出揃う頃には次第に上値が重たい展開となりました。

ポンドはユーロに比べて幾分値を崩していなかったものの、一時アジア時間の下値を割りこむ、1.62台を伺う場面もありました。しかし、後が続かず、その他の通貨も概ね揉み合いながらの引けとなりました。

NYの各市場は、独立記念日の振替休日のため、休場となっています。

本日7月6日午前の東京外国為替市場の動きですが、円高が進行しています。
各通貨ともに対ドルでは揉み合いとなっていますが、株式市場が薄い中で一段安となると円が買いを強める結果となり、特にドル円が先週末の下値を割り込むと加速しています。

10:30にANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)より発表された求人
広告件数が前月比-6.7%と、前回の-0.2%から大きく減少したこともAUDJPYの売りとなり、円高を後押しした可能性も否定できません。
一時、円は対オージーで75.40円、対ドルで95.25円水準、対ユーロで132.95円、対ポンドで154.90円水準まで下落しています。

今週はG8をはじめ、週後半に重要な経済指標の発表が予定されており、市場は様子見を強め流動性が薄い中、テクニカル主導の値動きとなっている模様です。