外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

日銀総裁人事で円安…の違和感

2023-02-07 00:12:44 | ☆外国為替を読む

先週2023年2月3日金曜日の米・雇用統計は正直なところ
ビックサプライズもいいところでした。

20万人の増加が経済拡大の分岐点だと言われる中、
50万人超の増加というのは相当な事でした。

ですから、本日の本邦報道にも随分注目していたのですが、
朝からどのTVチャンネルも、今日のタイトルにあったように、
円安要因を日銀総裁人事に絡めて報道していました。


確かに、ユーロやポンドなどのメジャー通貨の対ドル相場は、
先週末の終値からさほど乖離はしていない中、

円だけが1円以上も窓を空けて今週の始値を迎えましたから、
確かに何かが作用していたというのは真実でしょう。


こんな時だからこそ冷静に考えたいのですが、

他のメジャー通貨であるユーロとポンドは、
アメリカの利上げに追随する形で既に利上げスパイラルにあり、
先週木曜日までは底堅かった理由として一理あった一方、

日米金利差が拡大の一途を辿る中で
その他メジャーがドル売りだったからといって、

対円でもドルを売ってきた投機筋は、
相当やせ我慢をしてきたはずというのは想像できます。

そうした連中が132円台でストップロスを置いていたとするなら、
100PIPS程度、上に窓を空けたとしても、
ここ数カ月のボラティリティを考えれば何ら不思議ではありません。

確かに、このギャップ要因の一部は総裁人事の件で増長された…
のかもしれませんがせめて蛇足としてでも、
アメリカ雇用統計のインパクトを丁寧に説明したほうが、
日本の投資家をミスリードしなくて済む、と言うのが素直な印象でした。

有名な経済系番組までもが異口同音だったのはとても残念でしたし、
もしかすると現日銀副総裁が引き継ぐことで
金融緩和継続思惑を強調した方が株高の説明が付きやすかったから、
というのであれば、ある程度は納得がいきますが・・・・・


お仕舞に、ドル円相場に限って言えば、
昨年終盤に戻り最高値の151.94前後を付けて以降、
しっかりと調整の戻しを一切入れることなく
127.22前後の安値まで一方的に下げました。

しかし、ここにきて3週連続で陽線推移できましたから
明白なドル売り材料が出てくるまでは、安値以降の戻り高値を探る展開
を一つのシナリオとして持ちながら相場に対峙してみたいと思っています。

果たして結果は??

 


浅野敏郎


2023年のグローバルリスク

2023-02-03 19:13:01 | ☆外国為替を読む

2023年も2月になりました。

ご挨拶から相当な時間がたってしまい、申し訳ございません。

 

さて、少し前になりますが、複数のメディアでもニュースとして

報じられていましたが、2023年の世界的な10大リスクが発表されています。

 

このレポートは、アメリカのユーラシアグループなる会社が毎年1月3日に

作成&公開しているもので、

代表のイアン・ブレマー氏は、先のダボス会議にも出演者として出席する

政治学者で、NewsWeekの表紙を飾るなどの著名人の様です。

 

彼らが毎年発行する「世界の10大リスク」レポートは、毎年よく当たる…

というか、クローズアップされるテーマを事前に上手くまとめあげています。

 

「と言っても、英文のレポートは難しいから…」と思われた あなた!

 

実は私も、例年なら10大リスクのタイトル程度しか認識していなかったのですが、

今回少し掘り下げてみると、

何と日本語版の、恐らくフルレポートが、JETROさんの公式サイトにリンクされていて、

じつに詳しく読み込むことができることが判りました。

 

JETROとは、日本貿易振興機構という独立行政法人で、皆さんも

一度や二度は見聞きしたことがあると思います。

 

Webサイトのビジネス短信という機能?コンテンツ?がありますが、

1月5日付の記事で、この世界10大リスクのレポートが報じられています。

少し前の記事で後方に埋もれてしまいましたので、ここに引き上げておきます。

米調査会社、2023年の「世界10大リスク」の1位、2位にロシアと中国(中国、日本、米国、ロシア) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ

米調査会社、2023年の「世界10大リスク」の1位、2位にロシアと中国(中国、日本、米国、ロシア) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ

 

 

本文の記事の冒頭に、添付資料 という形でPDFがリンクされていますので、

是非一度、お読みになることをおススメします。

 

念のため10大リスクのタイトルだけでも列記しておきますと、

 1ならず者国家ロシア
 2「絶対権力者」習近平
 3「大混乱生成兵器」
 4インフレショック
 5追いつめられるイラン
 6エネルギー危機
 7世界的発展の急停止
 8分断国家アメリカ
 9TikTokなZ世代
10逼迫する水問題

となっています。

 

3の「大混乱生成兵器」リスクについてはピンと来ませんね。

内容は主にAIがもたらすリスクのことを指しており、

このタイトルそのものがAIによって作り出された語句なのだそうです。

 

あれ?台湾問題は10大リスクではないの?

 

と思われた方も多いかと思いますが、10大リスクに続けて

「リスクもどき」というコーナーが設けられており、その中で

・ウクライナ支援に亀裂
・機能不全化するEU
・台湾危機
・米中の産業技術報復合戦

これらの4つが取り上げられていました。

 

私たちが為替(FX)を取引する上で、こうしたリスクがいつ顕在化し

(もっとも、既に大事になっているリスクもありますが…)

どんな因子(ファクター)がマーケットに影響を及ぼす可能性があるか、

把握しておくだけでも随分と役に立つと思います。

この10大リスクレポートは極めて読みやすくまとまっていますので是非、

一度は目を通しておくと良いかと思います。

 

そしてこのレポートは次のように締めくくられています。

投資に対して持っておくべき姿勢とも読める気がします。

(以下、抜粋)

 

「リポート作成に当たり、世界がどこへ向かうのか、などと
難しく考えないようにした。

重要なのは、どう予測するかではない。
現在の世界がどうなっているのか、本当にそうなのか
正しく理解すれば、

将来がどうなるかを、どんな占い師の水晶玉よりも
明確にとらえることができる。

その過程で、世界だけでなく自分自身についても学ぶことができる。
私たちはどのような偏見をもっているか? 
知っていると思い込んでいるだけで、実は知らないことは何か? 
そして、何が自分たちを間違った方向に向かわせるか?」


アメリカ経済指標悪化でドル売り…リスク回避なら買いではないの??-10月15日

2014-10-15 22:21:25 | ☆外国為替を読む

こんばんは、
ひさしぶりのコラムらしいコラムです。

このところ、アメリカの利上げ観測が後退し、株安やFRBコメントから世界経済に対する懸念が芽生えだし、市況等には「リスク回避のドル買い」という文面が目立ち始めた矢先、本日の米PPIの悪化およびエンパイア指数の大幅な悪化から、ドル売り が噴出しています。

アメリカの実態がさほど変わらず、その他の地域で発生した色々なリスクであれば、リスク回避のドル買いという図式も成立する場合はあるでしょう。しかし、今回の流れは長期債利回りの急低下や株安など、アメリカ自身の問題が浮き彫りとなる状況下で、リスク回避のドル買いはさすがに無いでしょう。ここまで、早期利上げ見通しと株高で進んできたドル買いだったにも関わらず、ファンダメンタルが180度変わっても、更にドル買いを連想するのは、さすがに皆さんも多くの疑念を抱いていたと思います。確かに、一時は何があってもリスク回避の円買いドル買いというステージがもてはやされましたが、この期に及んでこれを持ち出している、あまりに単純過ぎる相場コメントには辟易とするしかありません。

どそうか皆様も良くご記憶いただき、そうしたソースは今後、あまり信用されない方がご自身のためだと改めて声に出したく、一筆取らせていただきました。
円に関しては、これまでドショートだっただけに、リスク回避の円買いは矛盾なく受け入れられると思います。

等と言いつつ、個人的には最終的にはドル買いを思考していますが、理由はアメリカがつまずくようならその他は完全にコケてしまう訳で、現在のドル売りはあくまでポジションのアンワインドというスタンスです。ま、もし、これをリスク回避のドル買いと言うのであれば、YESというしかありません。

浅野


中国、対ドルの人民元変動幅を2%に拡大 国内は強気発言目立つ

2014-03-16 14:24:55 | ☆外国為替を読む

こんにちは、

卒業式ラッシュも一段落した矢先、気候は急に春めいてきました。3月中の開花は難しいのでは…とも思えた先日までの寒さでしたが、このまま穏やかな気候が続いて欲しいものです。

さて、ネットのニュース等では既にご存知かもしれませんが、今週末に中国が人民元の為替変動幅をこれまでの1%から2%へと拡大する決定をしました。自由化の一環として、完全変動相場制を見越した動きだとされています。

週末という事もあり、専門家の意見は中国国内のバンカーやアナリストなどに限られていますが、ロイターの記事の中では“投機筋を封じ込めた”など、投機筋を締め出しに成功したことで、急騰する懸念を持たずに変動幅拡大に踏み切れたと、専門家の指摘をまとめています。

この記事の中で、中央銀行は人民元を売り介入し、投機筋を売戻しに追いやった、という強気な文面まで見えていますが、少し疑問が残りました。これが事実であれば、経済指標などの悪化や社債のデフォルトも政府の企みだとしか思えません。つまり、中国経済の減速リスクを織込んだ2月以降の下落の動きまでをも、政府が演出したことになります。

情報操作を否定しきれないところが中国らしいところですが、個人的には市場の動きに対して、中国の方が乗っかったと思えて仕方なく、逆に人民元を下落しやすくするのが、今回のバンド拡大決定の主目的ではないかと疑っています。つまり、今後も続く可能性がある人民元安を買い支えるリスクを軽減したかったとは言えないでしょうか。

輸出が大幅に落ち込んだ経済指標を信じるとすれば、人民元安は落ち込んだ輸出のカンフル剤として機能するメリットがある一方、通貨下落を政府の意図的なものだったとしておけば、今後の通貨売りがクラッシュにつながるリスクを軽減できる可能性を残せます。本音として、通貨安を歓迎しつつもクラッシュは困るといった微妙なトーンを感じます。

最近の為替の動きを見る限り、中国内の資金は既にかなり流出している可能性があり、介入が本当であれば目的はまんまと成功したように見えます。しかし、変動幅を拡大した時の通貨高を事前にけん制するのが目的だったとするなら、拡大以降の相場は直ちに上限一杯に張り付く動きになるはずです。しかし、来週以降もこうした動きにならなかった場合、市場は中国の景気後退リスクを本格的に織り込んでいることになり、専門家のブラフとは裏腹に、人民元は暫く下落リスクに晒されるほかないでしょう。

いずれにせよ、今回の決定による為替相場の反応は、今後のトレンドを決定付ける可能性も含んでおり、来週も混乱気味な疲れる相場は続きそうです。唯一言えるのは、こうした変動幅の変更がある場合、通常は直前の圧力をかわし切れずに対応を迫られるケースが多く見られます。人民元の直前の動きは通貨安だったことからも、今回の変更は合法的な切り下げとも考えられ、為替に発生していたここ1-2か月のトレンドは継続される可能性が高いと見ています。

それにしても、週末中に発表される中国の重要なニュースは困りものであり、土日くらいはゆっくりさせて欲しいところです。


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ドル買い/円買い急伸の懸念

2014-03-09 19:06:53 | ☆外国為替を読む

今晩は、
先週末のアメリカ雇用統計は予想外の改善となりましたが、ドル金利の先高観が手伝ってか、ドルが全面高となり、円安が進んだ割にはクロス円の上値は重い展開でした。
ここまでであれば、普通にドル高との解釈で良いのですが、既にご存知の方も多くいらっしゃるとは思いますが、週末の土日で発表された中国の貿易収支が、異常な落ち込みとなり、先月後半から顕著になった人民元安が一段と進むリスクが出てきました。

◎中国情報に強いDZH社ウェブサイトの当該ニュースはこちら

このところユーロやオセアニア及びゴールドが謎の上昇をしていましたが、可能性の一つとしてチャイナマネーの逃避が考えられるところでした。しかし、ここでアメリカの金利先高観が再燃したとすれば、これらの通貨からドルへと資金がシフトし易くなる上に、中国発の金融リスク懸念が加わったことで、ドルはリスク回避先として一層買われやすい地合いになったと考えることは可能です。
そうなると、急ピッチで上昇してきたクロス円は、クロス元に下落リスクが出ることに加えて、円サイドにはリスク回避による円高が加わることも考えられ、センチメントは先週から一変することも想定しなければなりません。

2月の貿易収支落ち込みには、旧正月の長期休暇が季節要因だとの指摘もありましたが、織り込み済みの市場予想から、前年同月比で輸出はネットで25%以上の落ち込み、貿易収支の金額ではネットで375億ドル強の減少で赤字に転落しており、織込み以上の何かが原因となっていると考えた方が無難です。シャドーバンキングの崩壊もささやかれる中で、潜在的なリスクがまた一つ顕在化しつつあることは充分念頭に入れて置きたいと思います。

浅野


2014年01月24日のドル円相場急落に思う事などなど

2014-01-25 19:01:35 | ☆外国為替を読む

ドル円相場は23日と24日で2円80銭の急落となりました。値幅から今のところ暴落とは言えないと思っていますが、それにしても、今週末は実に悪いニュースが重なったとしか言いようがありません。

新興国の懸念
先ず、新興国通貨が急落し、アルゼンチン危機が一層クローズアップされるなど、景気懸念が強まったことで、安全資産とされる円買いとドル買いが急伸しました。

その背景として予てから懸念されていたことではありますが、アメリカ金融緩和縮小の第一歩が踏み出されたことで、資金の供給過多による過剰流動性が向かっていた新興国への投資が急激に引き揚げられ、経済が破たんするとの思惑があります。90年代後半のアジア危機の再来懸念でもあります。

中国経済の陰り
加えて、こうした影響を強く受けた可能性がある中国経済にも弱い経済指標が出始め、投資家マインドに悪い影響を与えた可能性は高く、特に交易関係が強いオーストラリア・ドルが下落を加速させた主要因ともみられているようです。豪ドルは対円でも下落したことから、円買いを強めた要因になったのは確かです。

イギリスのサプライズ
また、このところのイギリス経済は比較的強く推移していたことから、直近の政策金利発表時にBOEから発せられた強気の発言などを受けて、早期利上げ思惑が台頭しポンド高となっていました。

しかし、その矢先にカーニーBOE総裁からは、唐突とも思える利上げ不要論が聞かれたことで、ポンドが急落しています。ドル買い要因になっていると共に、ポンド円の下落により円買い要因にもなっていった印象です。

ダボス会議の怪と日中関係
他にも、扱いとしては政治面にはなっていましたが、ダボス会議で安倍首相は、今の日中関係が第一次世界大戦前の英仏関係に似ていると例えた、との誤報が世界を駆け巡り、日本への投資懸念が世界同時株安の一因になった可能性も否定し切れません。

朝日新聞を読んだ限りにおいて(これも正解かどうかは別ですが)、この件に関しては、某一流メディアがツイッターで発した第一声が、余りに端折られたいた点が誤報に至ったのだと感じざるを得ません。第一次戦争の英仏関係に例えた主題Aは、B「当初は経済的にも深い相互依存があった2か国間」であり、C「今の日中関係」ではないことは明白でした。だからB=Cにならない様にするのが今の日中関係に必要な事であるというのが論旨であり、代表的な3段論法の応用であることは、恐らく小学生でも理解できる内容だと思います。そんな内容に対して、世界のメディアやコメンテイターまでがとった安易な懸念表明は、“そこまで地に落ちたか…”という残念な気持ちです。

余談:中国の世界政治戦略である反日テーマは何?
それと同時に、実際にダボスのスピーチを聞いたか否かは別にしても、問題なのは近年特に反日を世界的に吹聴する中国政府が、メディア同様に余りにも早計な反応を示した点に疑問を持つしかありません。

様々な材料を使って反日を繰り返す今の中国は、まるで落ち目にあるクラスのリーダーが、対抗措置として新リーダーに対する歪んだ悪口を言い触らし、時にはおもちゃの刀を振りかざしてまで権力を回復しようとしている子供にしか見えません。それに屈してしまったのは韓国だけ…という状況の中、通用するのは小学生までという手法では、世界的リーダーどころか、クラスのリーダーにすら決してなれない気がします。

中国は紛れもなく大国であり、故の苦しみも理解できますが、何がしたいのか反日の目的が全く意味不明です。もともと日本の文化は中国の影響を強く受けているとの認識は皆が共有する事実であり、中国に対する感情は基本的に悪くない気がしているのは私だけでしょうか。にも関わらず、もし、反日の目的が国内統治のスローガンであるならば、なおさら日本はいい迷惑であり、ここが日本人の苛立ちになっている気がします。あるいは、もしそうすることで日本のあらゆるマーケットの世界シェアを自国に置換したいのなら方向を変え、法規的にも技術的にも自国に磨きを掛ける方が早いでしょう。

広告宣伝費として莫大な金額をもらっているのかもしれませんが、世界のメディアは、きちんとした目で正しい内容を伝えてほしいと思う一方、世界中の読者側はこうした金銭背景を織り込んで読んでほしいと思います。

ダボス会議での誤算
ダボス会議で安倍首相が犯した唯一のミスは、第一次世界大戦をヨーロッパの地で例えに出したことでしょう。場所が永世中立国のスイスということもあり、戦争を否定する強い意志を国際連盟の志に例えたかった気持ちは理解しますが、こうしたメンタリティは靖国参拝も含めて、日本人にしか通用しない可能性が高く、欧州にとっては恐らく第一次戦争は恥部なんだろうと思います。この点では、せっかく期待していた、アベノミクス“第三の矢”というトピックが霞んでしまいました。

世界の投機筋の多くはこの材料を円売りにするつもりで待ち構えていたはずで、悪い方にサプライズとなってしまったのは本当に残念であると同時に、日中、日韓関係共に早く昔の戦争を恥部として認識し、とりわけ国際政治には恥ずかしくて利用したくもない…という文化意識が芽生えることを願います。

今後の為替相場イメージ
余談が長くなりましたが最後に…、確かに日中関係の悪化が投資マインドに与えた影響は否定しませんが、ただしこの場合は地政学リスクに直結するため、本邦投資家が海外資本を円転する場合はあっても、海外投資家がリスク回避を目的に円転するとは考えにくく、某スポーツ新聞の見出しのようなダボスのデマは、円買いの仕手材料にされた観は否めません。

一方、新興国の景気後退懸念は第二のアジア危機を連想させ、悪い循環を生む可能性はありそうです。ここは冷静に対処したいところですが、米国株価が下げ止まるまでは、下値リスクを意識せざるを得ないことから、金融緩和縮小への二歩が遠のいた今、早期に株式市場がこれを好感材料とすることを期待します。

さて、ドル円相場に関してですが、ドル金利の上昇が見込めない限りドル買いの大義名分も無く、見渡す限り円を除くどの通貨も、売り材料一色となってしまったのは嫌な状況です。チャートを一通り見渡したものの、ここ2日間の動きが反転とならずにトレンドを継続している相場に沿うしか、方法が見当たらない状況を懸念しています。

ドル円はそろそろ、ドル買いを意識したいところですが、ゼンマイ仕掛けのストップゲームはどこまで行くか予想もし難く、また上昇相場への早期復帰もあまり期待できないことから、最悪は昨年5月以降のような揉み合いに発展することも念頭に置きたいと思います。2014年はもう少し簡単な相場もあると考えていましたが、なかなか難しくなってきました。
東京都知事はこんな状況ですが、オリンピックはまだ6年先のことですから、ここで冷え切ってしまうのはまだまだ早く、勿体ないとは思いませんか?


さてアメリカ雇用統計です、過去のADPと予想値を一覧しました

2013-12-06 22:25:47 | ☆外国為替を読む

こんばんは、

あと10分を切りました。
ADPが雇用統計の予想と位置付けられて暫くの年月が経ちました。

そこで、今年のADPとNFP市場予想、実際の結果を比べてみました。




実際の数値を一か月先行させればほぼ、実態と一致しますが、裏を返せば、一つ前の結果に、ADPや市場予想も影響を受けており、あまり参考にはならないと、個人的には位置付けています。

変な思い込みは禁物に見えます。





理解しにくい高値止まり、下げ渋りの時に多用される一目均衡表

2013-07-19 16:29:01 | ☆外国為替を読む

各相場は、一部の通貨を除き、一度直近のドル高値を付けた後、揉み合う展開になっています。

数年に一度の変動となった通貨も少なくない中、大きな節目は日足でも追い切れない程の動きになっています。ましてや時間足や分足などでは探すことが不可能な水準で、相場が急反転するなど、扱にくい相場展開が連続し、昨今の場況でも、言うことに事欠いて、一目均衡表の各線をサポートやレジスタンスとして、反転や足踏みの理由付けするものが、急に目立ってきたという印象です。

私が一目均衡表の勉強会を取材、撮影し続けて2年以上が経過しました。
取材といっても、半分は一人の微力投資家として、一目均衡表の真偽を見極めたいという参加受講生の立場であり、もう半分は、その映像を収めることを目的としてきました。
講義内容に集中すると、カメラワークがおろそかになり、結局最近は、撮影に重きを置いているため、なかなか内容までを把握できていないところが残念ではあります。

ただ、何度かに一度は、不思議とこれまでの疑問が一気に解ける体験をすることが多く、改めて緻密な学問であることに気付かされています。

特に、今回12日に開催された勉強会では、一目均衡表とは改めて究極的なパターン分析であり、過去のパターンを研究し尽くして、それを現在に当てはめるアプローチであると、改めて気づかされることになりました。決して均衡表をマスターしたなどと、口が裂けても言える段階ではありませんが、意味不明、且つ無秩序な相場になると、得てして登場する一目均衡表は、それだけで既に今の相場でも機能し続けている証明にもなっているのではないでしょうか。

現代よりも数倍も取引環境が劣悪な時代に生まれた、古来の罫線分析手法には、我々が立ち戻るべき観点が、多く見られます。シンプルなトレンド・ライン分析にしても、将来の値幅予測が値段として確認できる事実は、価格には全く関係なく妙なオシレーターの交差で売買を繰り返す手法より、幾分か有益な分析手法に見えてきます。

数十年も前の一目均衡表の現れ方が、現在と酷似している相場が散見されているとして、今回の勉強会では1945年からの日経平均チャートが資料に登場していました。もちろん、価格の水準は十分の一という、一見は使い物にならないような動きでも、各線の位置関係や相場の動き方が一致すれば、その可能性は現在に当てはめても十分な意味を持つ、というのが見解でした。
あとは例え水準が異なっていても、波動計算によっていつ頃に幾ら位を目指す可能性があるのかは、事前に把握することができ、万が一の時の自分の行動を予め準備することができるという点は、まさに転ばぬ先の杖であると実感した次第です。


相場は少なくとも週足以下のチャートでは見えない次元へ突入か

2013-05-13 02:49:34 | ☆外国為替を読む

先週金曜日は、FXフラッシュ1930をお送りできずに済みませんでした。
実は一目均衡表勉強会の撮影があり、どうしてもお届けすることができませんでした。会場で収録した簡易的な動画を掲載する…とも考えましたが、前のイベントが押していたのか、なかなか開場とはならず、その時間も作れませんでした。

さて、勉強会の内容は、細田先生と相談しながら、可能な部分の公開もあり得るとは思いますが、分析に用いる足はやはり、株式相場も月足で追う方が順当な次元だったことからも、やはり為替相場もドル円のみならず、全体的に月足でフォローしなければ追いつかない次元に入った様に見えます。金曜日の高値越えではありませんが、今後数年間は2008年、2007年という節目の話題が連続する可能性が出て来たようです。

ドル円の100円越えも大きなイベントでしたが、その他のストレートも殆どが重要なドルレジスタンスを越えており、100円手前で暫く揉み合ったのは、これらのタイミングを合わせるために、時間調整をしていたようにしか思えません。

その時間的感覚は、一目均衡表の特色でもあり、オシレーター系では決して予想できない領域でもあります。オシレーターではかなり歪んだ相関関係に見える通貨も散見され、ダイバージェンスが怖いのも山々なのですが、三波動的には最少のスパンで見た最終波動を開始したものも多く、これまでのトレンドは中期的にまだ半分しか進んでいないという見方も可能なのかもしれないと思う今日この頃です。

円安は株高を導く要因にはなり得ますが、株高が円安を導くとは限らない点、為替は難しい局面かも知れませんが、ドル高をキーワードに考えた場合、幾つかの通貨ペアはまだチャンスがある段階に見えるものがあります。

個人的にはドルスイス、オージードル、キーウィドルは勿論、このところ消去法的に強含んできたポンドも、戻り高値は付けたようにも見え、各通貨共にもう数段ドル買い方向へ動く可能性がありそうです。クロス円の影響で強含むステージがあれば、戻り売りが機能すると考えています。
対円はドル円もそうですが、そう簡単に円安だけではきつい局面かも知れませんが、キーワードから、まだドル円なら少しは光があるのかと…またポジショントークになってしまいました。というか、そう思ってやっているわけですから、一致しても仕方がないことではありますが…。

さてあと数時間で、怖いもの見たさ的な一週間が始まります。一緒に頑張りましょう!!では後程…。

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一目均衡表5月勉強会の動画販売開始!明日から?
今回は株式相場一色でした。日経平均に始まり、個別銘柄もその代表的な相場位置にあるものを例に、濃い内容でした。もしかすると月足を見ないと損をする(資金的損失という意味ではなく、良いことが無いという観点で)かも知れないという印象です。

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円安下における対円通貨ペアの選択方法

2013-01-27 22:55:08 | ☆外国為替を読む

12月に自民党政権が復活して以来、為替市場のテーマが“日本円”に移ったのはある意味で明白でした。ただ、これまでの円高経緯から素直に円を売れた向きは非常に限定的だったと思いますが、今やメジャー通貨では円が最も弱い通貨として定着しつつあります。

民主党が解散を表明した以降、ドル円相場を振り返ると11月15日の上放れが決定的だったように見えます。11月2日のそれまでの高値を越えた水準を80.70とすると、以降ドル円は昨日の高値91.20(目安)まで、10.5円の円安になっています。
この間、ほとんどの対円相場は円安に引っ張られて上昇相場を演じていますが、同時期のメジャーなレンジは以下の通りとなっています。
Traded range for JPY pairs from Nov15 to Jan25

0)USDJPY  80.70~91.20    1050 PIPS
1)EURJPY  103.00~122.75  1975 PIPS
2)GBPJPY  128.00~144.75  1675 PIPS (Jan14 high)
3)AUDJPY  83.50~95.05    1155 PIPS
4)CHFJPY  85.00~98.60    1360 PIPS

クロス円はなかなかトレンドを掴むのが難しい中、円安でくくられた今回の相場は、ドル円以外の方が値幅も大きかったことが判ります。そこで、どの対円通貨を買うのがより安全で効率が良かったか、ということになります。

各通貨の円価格がそれぞれ異なるため、単純な比較はできませんが、少なくともユーロとポンドを比較した場合、ポンドの円価値が高いにも関わらず、上昇幅はユーロの方が勝っており、これは明らかに矛盾しています。つまり11月2日の価格をそれぞれ100とした場合、ポンド円の上昇幅である16.75円は13%に匹敵しますが、ユーロ円の19.75円は、19%強となり、逆に上昇の割合が全て同じだとすれば、ポンド円の上昇が最大となるべきだった訳です。

これは、ユーロドルとポンドドル相場を見ても判るように、ユーロは対ドルで、揉み合いか僅かに上昇している一方、ポンドは1月2日以降下落を強めており、ポンド円の上昇を抑える働きをしています。

また、円価値が殆ど同じであるオージーとスイスフランの対円相場を比較した場合、スイス円の上昇幅が勝っていることが判ります。通常であればオージー買いのバイアスは他の通貨と比較しても常に強く、オージー円の上昇が最大となってもおかしくは無い局面でしたが、今回のオージーはこれまでのように絶対的な強さは発揮されておらず、ユーロオージー相場を見てもユーロ高に軍配が上がっている状況が、この違いを物語っています。

金利上昇が今後も望みにくいオージーと、ユーロ加盟の是非で揺れるポンドは売られやすい地合いにあるとすれば、同じ円売りをするのであればこれらのペア以外の方が効率、つまり値幅が望めることになります。

スイスは基本的に揉み合いが継続するとすれば、スイス買いの波動では、スイス円の上昇が強まり、スイス売りの波動では鈍化するという流れが継続しそうです。

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2012年の相場を振り返り、2013年当初の重要な変化日に触れています。
Part1「ユーロドル相場」
http://www.forextv.jp/Video/Video.php?id=rv8InoTHCFU

Part2「ドル円相場」
http://www.forextv.jp/Video/Video.php?id=58HzWb6x68c

一目均衡表は経済変動総研の登録商標です。
一目均衡表公式ホームページ
http://www.ichimokukinkouhyou.jp/


◎浅野が個人口座を開設してリアルトレードに挑戦、順次更新中
「Warren T.浅野の「為替はGAMEか」
http://fxtf.blog.fc2.com/

ユーロ円に神が舞い降りました。大切にしたいです。