外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ドルとランドを交えて外貨のお話-要約(2)[最終回]

2007-04-04 20:30:43 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=284.47
(10ZAR=165.40)+(1USD=118.93)
 

これまで、外貨取引の一般論を説明してきましたが、南アフリカランドを高金利通貨という立場で、幾つか注意事項をお話します。

以前の記事でも説明しましたが、高金利通貨はインフレリスクと表裏一体といえますので、通貨安からいつ何時売り込まれても仕方ない状況にいます。しかし、金利を高くすることでキャピタル・ゲインを目的とした資金が高金利通貨を買う行動に出るため、通貨売りの下支えをする効果が期待できます。

ただ、高金利を維持することで一方的に南アフリカランドのような通貨が買い進められ続けるか…という疑問に対してNOと言わざるを得ません。つまり一定の金利差だけで低金利通貨から高金利通貨へに資金シフトが継続し続けると仮定した場合、再利上げという選択肢が南アフリカ政府には必要ないことになります。

また、通貨価値が実勢より高すぎる状況まで膨張した時は調整するような動きが発生し、ある水準以上のロングポジションが手仕舞いとなるまで投機売りに見舞われたりします。

南アフリカランド円取引で特に注意が必要なのは、ランドが強くて南アフリカランド円相場が上昇しているのか、円安によって南アフリカランド円相場が上昇しているのかが見えづらくなります。このコーナーでドル円相場を盛り込んだ趣旨はここにあります。

残念ながらこの特集を行ってきた約1ヶ月間は、円が主役であったため、円高になればランドル円相場は下落し、円安になれば上昇するという単純な結果に終っています。
僅かですが月後半では、一時的にドルが主役になるステージもあり、ドル円が下落しても南アフリカランド円がさほど下落しない状況がありました。つまりこの現象はドル安でドル円相場が下がり、ドルランド相場も下がれば南アフリカランド円は釣り合うような形(フローター)となる現象です。

ドル円相場が下落する状況に直面した時、恐らく皆様が先ず円高を想定するのは自然なことです。しかし、同時に南アフリカランド円がさほど下落しないなら、ドル安を想定しやすくなるでしょう。どちらもドル円が下落することは同じですが意味が違います。ドルランドを計算してドル安が確認できれば想定が確信に近づくのではないでしょうか。ランド円が大きく売り込まれないという確信が持てれば、高金利通貨を買うメリットも出てきます。
少なくとも、ドル円が下がっているのをみて慌てて決済をしてしまったり、南アフリカランド円が動かない不安から開放されると考えられます。

金利差が大きな通貨ペアで、高金利側通貨を売る取引はなかなか難しいことは事実です。つまりこの圧力こそが通貨売りを阻止するように働き、インフレ通貨を更に弱くする勢力を抑制しています。

南アフリカランド円相場を下落、揉み合い、上昇と分ければ、売り取引での収益チャンスは下落相場だけに限定されますが、反対に買い取引は揉み合いと上昇相場で収益チャンスがあります。ですから、確率論からも、やはり金利差の大きい通貨ペアは、下げ相場には関わらない戦略が大切であることが判ります。

最後に、相場は上がるにせよ下がるにせよその流れを永遠に継続することは、概ねあり得ないことだというのが一般的です。しかし、だから待てば戻るということを肯定しているのではありません。
戻るまで待つために要する資金量と期間が見えない選択をすること自体が投資からは程遠く、幸運なケースで100%戻しを実現できたとして、多額の資金をつぎ込んだ挙句、損益なしといった結果が関の山なのです。

為替取引を行う上で、為替差損益と金利差損益は必ず発生します。

従って金利差損益だけを目的に取引をすることは基本的にはあり得ません。どちらを無視しても良い結果は得られませんが、少なくとも取引する通貨ペアの性格によって取引スタンスを変える必要はありそうです。南アフリカランド円相場が下落している時、いちいち決済をする勇気がないとすれば、ランドル円相場を見てきた意義が発揮できます。

つまり、今回は円安相場でランドル円が爆騰したわけですが、一部の収益はドル円取引から発生しています。ならば円高でランド円相場が下落して収支が悪化している時にドル円を売ってみれば、少なくともフローの損失を小さくしてくれる場合がありそうです。いわゆるヘッジ取引ですが、あくまでランド円の金利差が目的であれば、下落相場が落ち着きましたらドル円を決済する勇気は必要になります。

必ずヘッジが成功するとも限りませんが、こんな風に為替相場を見てゆくことも可能だということをお伝えいたしました。

だらだらと書いてしまいましたが、お付き合いありがとうございました。どこかに皆様にとってのヒントが、一つでもあれば光栄です。1万通貨でどのペアがいくら動くと、いくらの損益になるか、計算できれば、漠然としたFXへの疑心暗鬼から少しは開放されるのでは無いでしょうか。(了)

 
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ドルとランドを交えて外貨のお話-要約(1)

2007-04-03 18:44:33 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=279.93
(10ZAR=162.10)+(1USD=117.83)
 

いよいよ新年度が始まりました。桜も満開ですし、新入社員の姿が目立つとおり、本格的な春の訪れを感じる一方で、急に花冷えとなり、空の色や空気の色は11月の匂いがするのは私だけ?でしょうか・・・

さて特集として、ドルと南アフリカランドを交えて外貨のお話をここまでお送りして参りました。3月末で綺麗に終了しようとした本企画でしたが、こんな形で新年度を迎えてしまいましたので、本日はデータの更新ができなかった先週のデータを公開し、南アフリカランド円を運用するに当たり注意点などをまとめて終了いたしたいと思います。

日々の各詳細データは、チャートで調べていただければ判明しますが、グラフに落とし込むとこのような感じで、ランドル円相場は一週目を安値圏に最終週で高値圏となりました。ランドル円価格はざっと10円の上昇となっており、もちろんこの数字には金利差収益は入っていません。あり得ないシナリオではないですが、明らかな円安相場が持続するとしても、このまま毎月10円ずつ値上がりすることを想定するには無理があります。

この特集の始めに、りんご1個(ドル)とみかん10個(ランド)を買い続ける想定をしました。今となっては非常に良いタイミングであったことは結果論ですが、1ランドルの平均購入価格が276.40円ということはわかっていますから、本日の現状価格281.70(USD118.20 ZAR16.35原稿作成現在)で全てを売り払っても、1ランドルにつき5円30銭のフロー収益が確定できます。つまり21ランドルの購入費用が5804.39円ですから、売却によって5915.69円となり、111.3円の収益となります。
例え正反対の取引をしていても、金利差収益は加味していませんから、5804.39円-111.3円=5693.09円が戻ってきます。

これが100,000ランドルの取引となると、平均価格を活用して2764万円の元手を要し、53万円の損益が発生したことになります。収益となった53万円は単純に元手に上積みされ2817万円が戻ってきますし、損失となっても2711万円が戻ってきます。割合が同じなのに21ランドルと10万ランドルのように数量が違うと、ここまで景色が変わってくるのだということが実感できると思います。

証拠金の話を少し致しますと、この取引で言えることは53万円の損益結果を得るために2764万円の資金が必要だったことであり、損をした場合でも2700万円余りが単純に出入りをしたに留まります。最大損失額を53万円と定めておけば2700万円余りの資金は必要なかったとも言うことができます。

この53万円に当たる部分が究極的には証拠金であり、証拠金は損失した時に支払えるという信用を先に提出するものです。取引している額はあくまで10万ランドルであり、金利差損益もこの10万ランドルから発生するからこそ毎日でもそれなりの金額にあるのであって、証拠金の53万円から発生するモノではありません。

ランドル相場にはあまり当てはまらないかもしれませんが、買っても売っても自由な取引ができる外国為替証拠金取引は、結果と証拠金の関係であるからこそ可能であり、持っていない通貨を売りで開始できる理由もここにあります。

ここまでの説明で53万円で何倍の取引ができるかという話は一切ありませんでしたが、このように考えると話はややこしくなる場合があります。

証拠金額と取引額は、基本的に自由であるべきですが、ただ、あまりに少ない資金で見合わない額を取引するということは、損失方向に動いた場合あまりにはかない時間で証拠金分の損失を計上してしまい、それ以上の支払信用がないならば取引を止めていただくほか無いわけです。

証拠金率(レバレッジの逆数)とは、実際の取引額に応じた最小の割合を預けなければ取引できないように定めたルールに過ぎないことを自覚され、最少額の割合が少なければ少ないほど、それだけの証拠金で取引をすれば少しのマイナス変動で予算を使い果たすことになります。

基本はあくまで取引数量であり、その数量で相場がどのくらい動くといくらの損益になるのかは常に把握したいところです。数量がまとまれば金利差益も大きくなりますが、為替損益も考慮しておかなくては、運用が中止された時点で金利差益も止ってしまうことを理解してください。

言い残す部分がありましたので、あと一回だけ当コーナーをお送りする予定です。

 
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ドルとランドを交えて外貨のお話-通貨の強弱とファンダメンタル

2007-03-23 12:46:05 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=281.11
(10ZAR=163.70)+(1USD=118.11)
 

前々回の記事では、通貨の強弱について触れました。ランドのお話からやや離れますがリスクのお話なので、もう少し詳しく説明してみます。

日本人が物の価値を判断するのに最も分かり易い物差しは日本円であることは周知の事実です。もちろん、何でも金銭で判断を下すようなお金の亡者となることを薦めている訳ではありませんが、モノサシとしての基準はあって良いと考え、その後の判断は心であったりモラルの問題だったりすると思います。
では世界基準のモノサシといえば、事実として米ドルであることは揺るぎも無い現実です。したがってそれぞれの通貨や資産などが米ドルでどのくらいか、それが増えているのか減っているのかということを測定しておく必要があります。

かのレポートでは、ランドの総体的な価値の上下を判断するのに、先ずドルランドを調べた理由はここにあります。2つの通貨同士の交換レートが外国為替市場での取引価格になりますが、2通貨同士の重さ比べとたとえるなら、シーソーが身近です。
今AさんとBさんがシーソーに乗り、そっと足を離したところ釣り合っています。数日後、同じことをしてみるとシーソーはAさん側に傾きました。この事実から
① Aさんの体重が増えたと判断するのは無難ですが、あくまで比較ですから
② Aさんの体重が変わっていないのにBさんが軽くなっても同じ現象になります。
更に細かく言えば、両方増えても、両方減っても比較上A>Bの関係である以上はA側に傾くことになります。問題は通貨同士の場合、実際にその国の体重(経済価値)を測ることは、その昔はゴールドの持ち高などで測ることも可能でしたが、現代ではもはや不可能です。
Aさんの体重が増えてAに傾いたのであれば素直にAさんを買えますが、Aさんは軽くなっているにもかかわらず、Bさんがもっと痩せてしまったがためにAさんに傾いたかも知れず、このまま痩せてゆくAさんを買うリスクは残っています。確かにAさんもやせているというのは推測であって今の段階では何ともいえません。

そこで、もう一通貨のCさんと同じような実験をすることでAさんが太りつつあるのか、痩せつつあるのかの判断材料とすることができます。AさんとCさんがシーソーに乗って釣り合ったのは、Aさんが後ろから2番目の席に座りCさんが最後部に座った時でした。数日後同じ位置でシーソーに乗ったところ、Aさん側に傾きました。つまりAさんとBさんとの比較と同じことが今回も言えることから、少なくともAさんが一番重いことが判っています。
では次に重たいのはBさんかCさんを調べるには、この二人が普通にシーソーに乗れば判るわけで、もしBさん側に傾けば、A>B>Cとなります。

問題は結局Aさんが太りつつあるのか、痩せつつあるのかは判断できないところです。そこを補うのがある意味でファンダメンタル分析となるのかもしれません。Aさんには、毎日触れている様な身近なDさんとシーソーに乗ってもらうことで、最近太ったDさんでも持ち上がってしまうならAさんは太りつつあると判断することは簡単ですね。もしDさんが皆様にとって日本円ということであれば、クロス円をこのように利用してみる価値は充分にあります。

A>B>D>C、A>D>B>Cなどのように、A>DとA>B>Cの関係が崩れないだけの組合せが存在します。Aさんが太りつつある(経済成長期)ことが確認できればベストなことですが、全通貨を調べても限が無く、また全通貨が痩せつつある中でもこの順番が維持できていれば、Aを買うこと違いはありません。

要するにAが常に重ければリスクはかなり遠のくはずですし、隣同士の通貨では少しの変化で順序が入れ替わる可能性があります。同じAを買う場合もA>B>C>Dの順序である場合、Aを買ってDを売っておけば直ぐにD>Aとなる確率は非常に少なくなります。BでAを買うとすれば、BがCの後ろになってしまう可能性はAとDを比較するよりも簡単に発生する場合があり、不安定要因となります。

突然、DがAの後ろに来るようなことがあるとすれば、Aが特殊に買われたか、その他の通貨が異常に売られた可能性があります。

その主要因は、皆さんが気になる金利である場合がおおく、金利は恣意的に重くなるように身に付けた“おもり”と考えることができます。金利が高い通貨とは要するに軽い通貨であり、目先の位置を重く見せかける最良の手段です。ここ暫く重たさでは世界の1,2を争っていた円ですが、このところ痩せ始めているようです。しかしその主要因はBやCに“おもり”を貸してあげているからで、やがて返してもらうとすれば、明らかにBやCは軽くなってはるか彼方の存在になってしまいます。これが政府や世界が怖がっている、いわゆる“円キャリー”のまき戻しです。
いくらAさんでも、自分のお腹が空いてくれば“おもり”を返してもらわざるを得ませんからね。

相場はその方向を永久に継続することはありません。皆が“おもり”を返し始めているにも関わらず、個人的に貸している(高金利通貨を買っている)状況は回避すべきです。もし独りで判断がつかないようなら、身近なところにそのような人間を置いておくか、何をもってそのように判断するかのルールを見つけておく事は重要です。

 
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ドルとランドを交えて外貨のお話-金利と差益について

2007-03-22 23:04:24 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=278.88
(10ZAR=161.30)+(1USD=117.58)
 

昨日の「ランドル円相場」=275.66
(10ZAR=158.40)+(1USD=117.26)
 

先ず、更新が遅くなりましたことをお詫びします。

本日は各種ミーティングが目白押しでした。昨日はお休みを頂いた分は楽しめましたが、そのツケもかなりのモノでして、休まない方が楽に思える場合も多く、どうしたものかといったところです。

前回レポートの想定はあっていたようです。このままの流れを引き継ぐようならランド円相場は16.60円水準を達成する可能性が出てきました。20日にレポートを更新した時点の相場が15.90円だとしてランド円だけで中一日を置いて約40銭のフロー収益が発生しています。

1日あたりのスワップは0.33銭の受取として、100日以上の金利差分収益が出てしまいました。もし金利目的でランド円を15.90円で買っていたのなら、約3ヶ月分の金利収益は確保したことになります。16.10円辺りをストップロスとして暫くこのままランドの買い持ちを維持する環境が整いつつありますが、この20銭はフローによるお土産と考え、これ以上の水準を暫く維持するのであれば、その日にち分のスワップが利息的に積みあがるというわけです。

運悪く明日にストップロスがついても、約70日分の利息は確保できた計算です。もし今後100日間維持し続けることができれば、それだけで33銭の収益になっていますから、例え買った価格と同じ15.90円に相場が下がっても目標の金利差は確保できたことになります。100日たって16.10円に一度もなっていなければ、ストップロスを15.90円に下げて、正に金利だけを追求することは目的にかなっています。

このように考えると、如何にフローのインパクトが大きいかがわかります。難しいのはフローの損失はフローで取り返すことができ、単純に時間で全てを金利的に捉えることに疑問が残りますが、フローのインパクトを考えると意識せざるを得ないのが現実です。

決済をすれば、もらえるはずのスワップが途絶える恐怖心からマイナス運用を維持する傾向がよく見受けられますが、無計画に資金をつぎ込んでマイナス幅が許容できなくなった瞬間、その資金の多くが消えてしまいます。

このような場合の多くが、資金計画の無さから端を発する場合であり、レバレッジ取引のデメリットでもあります。ならば外貨預金のようにレバレッジさえ掛けなければ、その通貨が消えるまで半永久的に維持することは事実上可能です。

ただし、その場合は資金分の取引額となって金額が限定的になることから、損益額も少なくなるのは当然です。100万円の預金が金利だけで簡単に150万円になる訳はなく、その多くが為替差益によるフローによって発生していることを認識してください。

レバレッジさえ掛けなければ概ね外貨預金に匹敵する投資は為替取引でも可能ですが、実質金利や手数料などのコストメリットだけを考えても充分な優位性が為替取引にはあると確信しています。もしレバレッジを効かす場合は高いほどフローを重視すべきですが、どちらが欠落しても余り良い結果は期待できません。

どうせ始めから外貨を寝かすのであれば、開始価格はどうでも良いと考えがちですが、金利自体かなりミクロな世界だからこそ、1円の違いや相場トレンドによって結果が大きく異なります。

外貨預金は預金という名前がついていますが、為替取引と何ら違いはありません。従って特に定期などは満期時点の為替レートで収益が支配される部分がかなり大きいため、満期時点の「レート当てクイズ」並のリスクがあるとお考えください。預金は100%の資金が必要ですから、クイズ的なリスクがあったとしても、外したときのインパクトが小さく見えてしまう可能性は、現実問題としてありますね。

 
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ドルとランドを交えて外貨のお話-ドルランド相場

2007-03-20 12:47:14 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=275.12
(10ZAR=157.60)+(1USD=117.52)
 

さて、本日までドル円南アフリカランド円の合成相場であるランドル円相場という切り口で解説してきました。

円の価値が全面的に安いという状況下では、ドル円相場上昇、ランド円相場上昇ということで、ランドル円も上昇することは理解し易いと思いますし、円高の局面であればドル円ランド円共に下落し、ランドル円が下落ということも理解し易いでしょう。

ただ、もし南アフリカランド高…つまりランドだけが高めに推移するような場合、ランド円が上昇してドル円は概ね横ばいか、やや下落気味となるでしょうし、ドル高…つまりドルだけが高めに推移するような場合、ドル円上昇、ランド円横ばいか下落ぎみに推移する可能性があります。

理由は、といいますと、実は南アフリカランドの中心相場はドルランド相場で、通常殆どの外国為替はドルがモノサシとなっています。

南アフリカランド高相場を想定すると、ドルランドは下落しランド円は上昇することは概ね想像できます。そしてドル円は、ドルランドでのドル安影響からドル売り圧力を受けて下落リスクを受ける可能性があり、その圧力が強ければドル円は下落気味、ランド円での円安圧力と相殺するようであれば横ばいという想定が成り立ちます。

想定外要因としては南アフリカランド高の圧力がとてつもなく大きな場合、ランド円の上昇がドル円上昇を引っ張る結果ランドル円上昇する場合があります。ただ、南アフリカランドの流動性つまり南アフリカ経済が世界経済に与える影響力は極めて限定的であるため、どの通貨に対しても全面的に強くなる可能性は現状あり得ません。

これが想定外とした理由ですが、外債を通じて多くの日本円が南アフリカに流入していることが想像できることから、南アフリカランド円へのインパクトは一時的に高まる可能性はあると思います。今回の下落率が他の通貨より大きかったのも、個人投資家以外にも機関投資家によるまとまったヘッジ売りが影響していた可能性はありますね。

ちなみに、ヘッジ売りとは為替によるフロー損失を止めるために一時的に反対取引を行うことです。場合によっては収益を確定するためにヘッジ取引を行う場合も想定でき、今月の急落局面では一部、このような動きも充分考えられます。

ヘッジといっても、為替を為替でヘッジすることは、特に同じ通貨では意味がありません。例えば、邦人が米国株式を持っている場合など株価上昇中であればあえて決済する必要はありませんが、一方でドル円相場が一時的に急落するような場合、為替の下落リスクを限定するために手当てしたドル円の為替をドル売りヘッジすることはあり得ることです。

ところでドルランド相場は、本日のランドル円相場情報で概ね知ることができます。

1ドル117.52円ですから117.52円分のランド額を計算すればOKです。117.52(ドル円)÷15.76(ランド円)=7.45685ランドです。昨日のドルランドは7.49068ですから、意外にもランド高ドル安という想定ができます。

ランド円が上昇、ドル円も上昇した昨日は、先ずドル円が上昇していることから、ドル安は否定できそうです。また、南アフリカランドに関しては両方上昇していますから、ランド高が想定できます。さらに、対南アフリカランドでは安いドルが対円で上昇していることから、南アフリカランド高円安というシナリオが見えてみそうです。

この3通貨の強弱関係は 南アフリカランドドルという構図になることから、最弱通貨を売って最強通貨を買うという鉄則から、多少ドル円が停滞しても暫くランドル円相場は南アフリカランドが牽引役となって上昇する局面が予想できます。

このような結論を抱きながら、更にチャート分析などを行ってご自身の売買行動が裏付けられれば、ベストなアプローチです。1南アフリカランド15円はかなり危機的な水準ですので、ここを下回るような場合は一旦、維持を諦めたほうが良いことは念頭に入れておくべきです。

また、アプローチはベストでも結果が伴わないことは充分あり得る上に、入り口がベストでも出口が間違っているだけで収益にならない場合もあります。ただ、相対的には収益となることを信じる他はなく、宝くじでさえ買わなければ権利がないのと同じことが先ず言えます。この先のお話は運用管理の領域になりますが、先ずは初心者を早くクリアできるよう研究されてください。いつか、お役に立てることを楽しみにしています。

明日の外貨のお話はお休みの予定ですが、もちろんカスタマーデスクは頑張ってOPENしています。

 
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ドルとランドを交えて外貨のお話-通貨の単一価値と変動幅

2007-03-19 13:32:34 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=272.33
(10ZAR=155.70)+(1USD=116.63)
 

ランドル円相場は、架空の通貨単位で、1米ドルと10南アフリカ・ランドを1単位としています。

米ドル円相場はニュース等でお馴染みだと思いますが、ブログを書いている現在で1ドル116.60前後で売買されています。
ニュースではユーロまで言及している場合が50%くらいでしょうか。為替では人気が上昇しているポンド円ですら、画像のニュースでは報道は概ね皆無です。増してや南アフリカ・ランド円は一般的にはまだなじみは薄いと思います。

さて、現在15.25円水準で売買されている南アフリカランド円ですが、一個116.60円のりんご(米ドル)と1個15.25円のみかん(ランド)は、同じ1個を比較すれば円の価値は明らかにりんごが高いに決っていますね。
果物には好みがあるのでイメージしずらいとすれば、「りんご」と書いてある透明な入れ物に116円が入っているものと、同様に15円が入っている「みかん」の入れ物があります。この2つを、どちらが高いか…と質問しているのと同じですがから、りんごが高いに決っています。

今、手元に1740円を持っているとします。それで交換できるだけ「りんご」と交換すると15個手に入れることができました。一方、交換できるだけ「みかん」と交換すると、116個手に入れることができました。
その後、「りんご」も「みかん」も1円値上がりしたとして、全ての入れ物に1円ずつ増量したとします。結果、「りんご」は1755円になり、「みかん」は1856円になっています。
「りんご」全体で増えた15円は「みかん」全体で15円増えて初めて同じ価値が増加したことになります。「みかん」の入れ物に入れるべき額は、1つの入れ物に付き0.13円だったことになります。

1円は確かに1円以外の何ものでもないのですが、1個の価値が違えば1円の意味がここまで変わって来ます。為替を取引する場合、1個の価値の違いを判別して取り組む必要があることを良く理解してください。

1米ドルと10ランドをセットにしたのも、このような意図が込められています。10ランドの価値に最も近いのは1ドルより1ユーロでしたが、お馴染みの1ドルで比較したいところで8ランドというのは切が悪く10ランドとしました。
今回のテーマを、ご理解いただけるとするなら、ドル円が1円の上下をする際は、本来のランド円は10銭強の上下に収まるべきで、その時に初めて高金利のメリットが強調されるべきだと考えます。

このブログを始める直前には1ランド17.10円として開始以降最安値で15.30円まで下落したわけですから、1円80銭の下落は、10ランドで18円の下落に匹敵します。一方で、ユーロ円は同じ時期に159.60円から150.80円と、8.8円の下落に止まっています。

見た目はおとなしいランド円ですが、実は価値の変動はかなりのものとなっています。金利は確かに魅力的ではありますが、インフレ通貨であると同時に流動性という点ではまだまだ充分とは言えないリスクを見極める必要がありそうです。



ドルとランドを交えて外貨のお話-通貨の単一価値と変動幅

2007-03-16 19:00:15 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=275.91
(10ZAR=158.30)+(1USD=117.61)
 

本日の更新が遅くなり済みませんでした。
お昼を努力目標にしていましたが、原稿を書いていたため時間を見つけることができませんでした。お待ちいただいていた方々にはお詫び申し上げます。

さて、まだこのランドルブログが始まる少し前のことですが、南アフリカランド円の相場は17円台でした。

そこからありとあらゆる対円の通貨ペアが下落したことに連れて、ランドも15.30水準まで下げました。丁度その頃からランドル円ブログを始めまた訳ですが、それ以降は15.25~16.25の幅の中で上下しています。

下落前の水準が17.15円前後であったことから、約2円程度の下落となっていますが、たった2円と見るべきか2円も…と見るべきかは個人差があります。

トウキョウフォレックスが取扱う通貨ペアの中で、相場の暴れん坊将軍といえば、何といってもポンド円です。

ランドが17円台から15円台まで下げる中で、ポンド円は240円の高値から221円まで、実に19円近い下落を見せています。ちなみにドル円は122円から115円の下落と、7円の下落でした。

ここで登場した通貨は、ランド、ポンド、ドル、円で、全く異なる商品ですが、みかん、りんご、ナシ、柿といった全く別々の品物の価値を比較する時、全てに共通した尺度が必要です。日本人にとって円がポピュラーであることは確か随分前にこのブログで説明した記憶があります。

円の表示額が異なっていることで、どの果物が高くどの果物が安いかを知ることができますが、では10円分食べてください…という問題が出題された時どう考えますか?

バナナでは半本の10センチでしたが、その他の果物ではどのくらい食べてよいのか、それぞれの果物の10円分の割合を計算してその分を食べればよいことは、簡単に理解することができます。

このことは通貨でも同じ事で、全て単価がばらばらな通貨で、ランドの2円分とポンドの2円分では割合が全く異なることは想像がつきますが、具体的な比較と考察については、来週と致します。

ところで、本日で第2週目のデータが揃いましたので、表示いたします。

10日が経過したことで、10ドルと100ランドが貯まっています。ではまた来週お会い致しましょう!

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ドルと南アフリカ ランドを交えて外貨のお話-金利と金利差の違い(2)

2007-03-15 11:56:51 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=274.85
(10ZAR=157.80)+(1USD=117.05)
 

昨日から続けて金利のお話です。

スワップ金利は、金利ではなく金利差であることは昨日説明しました。
外国為替相場は必ず2種類の通貨を交換する時の割合を価格で示したものです。ですから各通貨それぞれに金利があり、比較して高い通貨を買って低い通貨を売れば金利差分を受取り、その反対は支払いとなります。
金利は支払うことはありませんから、スワップ金利は金利ではありません。非常に紛らわしい業界用語(?)ですが、ご注意ください。

現在の南アフリカ ランドと円の金利は、南アフリカ ランドが高いですから南アフリカ ランドを買って円を売っている状態を維持すれば、金利がもらえます。

ただし、万が一にも金利差が逆転するようなことがあれば、同じ運用を維持しているにもかかわらず、今まで受取っていたものが支払いになる可能性があることを注意しておかなければいけません。
ですから、世の中で言う“スワップ派”を地で行くなら、金利差がどこまで縮小したら運用を止めるのかを意識しておかなければならず、その時になってフローで赤字だったからといって、マインドを“塩付け”に切り替えるようなことをすれば、おそらくもう後戻りできない危険な運用の道を突き進むことになります。

また金利であれば、正に今の日本の状態を考えればお分かりですが、いくら下がってもマイナス金利ではない限り資産額は増加します。フローの価値を一定と考えても、スワップが支払となる状態では毎日資産額が減ってゆくのを見ることになり、ショックは隠せないと思います。

こうなると外貨預金のメリットにも見えてしまいますが、しかしスワップを支払う状態は円金利の方が高いはずです。よって外貨預金の利息と円預金の利息の差額を捨てているのと同じことです。預金ならば減らないから良し…ではなく、本来円預金にシフトしていれば差額分ももらえるわけですから、このもらえない差額を負として処理すべきで、為替ではその事実をあからさまに数字で示してくれる…というわけです。

スワップを重視する投資スタイルを否定するものではありませんが、スワップ収入が主眼でも、このように運用を中止したり、乗り換えたりする時は必ずやってくることを認識しなければなりません。その時にフローでの収支が判断を鈍らせる主要因となるのであれば、“スワップ派”も自ずとフローが主要因にならざるを得ない点を再認識したいところです。

金融の世界は、中間事業者によって捻じ曲げられなければここまで正直です。もし為替で「あれ?おかしくない??」ということがあれば、遠慮なく質問をしてください。納得できる説明ができるかどうかで、事業者の価値を測っても良いかもしれません。

シツコくなってしまいましたが、概ね卸売り価格で取引やキャピタル・ゲインが期待できる為替取引ですが、そのメリットを享受するためにはシビアな資金管理が必要です。それができなければお任せ運用の方がましだと思い、お任せ運用で支払う法外なコストを自身で稼ぐくらいのモチベーションで臨むべきでしょう。それでも外貨預金と比べればまだ…という考え方はあり得ることは事実です。

最後に、金利ついでにスワップを年利に直すといくらになるのか、シミュレーションしてみましょう。

トウキョウフォレックスの南アフリカ ランド円買いスワップは本日+330円(10万ランド)で、これは10万ランドに対する1日分のスワップです。1年では330円×365日=120450円の金利差相当額です。10万ランドは1ランド15.8円で計算すると1580000円ですから、120450÷1580000=0.0762 つまり7.6%となります。この数字は金利差相当ですので、単独の預金金利と比較するために円金利の0.5%を足すと、8.1%程度となります。

9%というのはあくまで政策金利で、計算は実際の調達金利から派生した実績の数値ですので政策金利との差は存在します。また、銀行の南アフリカ ランド借入レートで皆様が貸し出すので、基準レートより低くなってしまいます。つまり、貸し借りの市場にもスプレッドがあり、銀行にとっての貸し出しレートと預かりレートには差異があります。それでも、某銀行の南アフリカ ランド外貨預金では6.5~7%という数字も見られており、これに手数料などの差異を加味すれば圧倒的に為替のほうが有利であることは事実です。

それでも皆さんは銀行で外貨預金ですか??

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ドルとランドを交えて外貨のお話-金利と金利差の違い

2007-03-14 12:36:07 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=270.81
(10ZAR=154.60)+(1USD=116.21)
 

昨日からドル円も下落(円高)、ランド円も下落(円高)し、結果ランドル円もかなり下げています。相場は対円相場一色という感じで、現にドル円もポンド円も豪ドル円もニュージー円も殆ど同じ形のチャートになっています。

ということは、必ず上手くゆくとは限りませんが、現在の対円相場は何か一つの相場に集中していれば、その他の動きもほぼ把握することができます。いつかは別の動きをすることになると思いますが、高金利通貨同士は連動し易い傾向があり、先駆けて例えばポンド円やニュージーランド円で変動の兆候をつかめれば、それをきっかけにランド円の取引をすることも充分考えられるテクニックです。

さて、南アフリカランドの外貨預金が実在するかどうかは別にして、政策金利が9%ですから商品としては精々7.5%くらいにはなると思いますが、この場では比較をしたいと思いますので9%で考えます。
フロー、手数料、税金などの損益を度外視すれば、外貨預金では年利で9%の金利が全てもらえることになります。

一方、外国為替取引を使ってランド円の買い取引をする場合も金利に酷似した損益を得ることが可能です。巷ではスワップ(金利)とか、スワップポイントといわれているものが、それです。

外国為替取引では必ず2つの通貨交換レートが取引価格となるように、ある通貨を買う時(交換によって手に入れる)は、もう片方の通貨を売る(交換によって渡す)ことにもなります。ランド円で説明すれば、ランドを買う=円を売ることになり、
手にした状態の通貨であるランドを1日維持することにより、年利で9%の貸し出し運用益が発生します。一方、渡した状態の通貨である円を1日維持することで、年利で0.5%の借り入れ運用損が発生します。従って、正確には年利で8.5%の維持コストが収益として作用します。

通常コストという言い方は支払う場合が多く、馴染まないかもしれませんが、外国為替の取引を実際に決済することなく買った状態や売った状態を維持するためには、買った通貨を貸して売った通貨を借りる作業が必ず伴い、それには必ずコストがかかります。

ただ、通貨を貸す場合の金利コストは受取となり、支払いとなる借りた通貨の金利コストとの差額がプラスであれば結果的に収益、マイナスであればいわゆる調達コストとして支払うことになります。

ですから、ランド円を買えば金利差コストは受取るように作用し、ランド円を売った場合の金利差コストは支払となるわけですが、正にこれがスワップ金利とかスワップポイントにあたります。
スワップ金利というのは造語ですが、通常は必ずもらえる金利とは異なり、支払うスワップ金利もあることを是非覚えてください

話を比較に戻すと、ランド預金は9%、ランド円買いスワップ金利は8.5%という結果となり、見た目は外貨預金が有利となっていますが、ちょっと待ってください。

実は外貨預金をするために支払った(預けた?)円の資金について考える必要があります。もしこの資金を円のまま預金していれば0.5%の金利は付いていたはずです。したがって、ランドの外貨預金によって円預金より実際に増えた金利分は、その差である8.5%となり、外国為替取引と何の違いも無いのです。

では、実際の商品としてはどうかといえば、それこそ比較をしてみてください。ランドの外貨預金が無ければポンドでもOKです。外貨預金の金利は驚くほど低いことがわかり、同じ効果を期待するのであれば外国為替の方が圧倒的に有利であることが判ると思います。

100歩譲って利回りも同じと考えれば、ランドを買うときの手数料で圧倒的な差が発生し、これだけでも外国為替は圧倒的に有利です。

1000歩譲って手数料も同じと考えれば…実は円で行うランド預金もランド円の外国為替でランドを買う取引も全く同じであることが判ります。つまり、外貨預金も外国為替取引なのですが、外貨預金でこんなに損をしているわけです。

ならばいつでも開始でき、いつでも止められる外国為替取引のメリットが重要になります。つまり、昨日満期ならフローでの利益も望めたのに、今日の満期を待っていたらフローで損した、などということが無くなります

さらに証拠金取引を使えば資金を全額預けなくても同じことができるメリットがどうしても目立ってきます。例えば半分の資金で外貨運用をし、残りの資金を円預金すればその分の金利は8.5%に乗せることが可能になります
どうしてもレバレッジが怖ければ、全額を証拠金とし、残るメリットを全て享受することもできます。だたし、この場合は預け先の銀行と一般企業には信用力の差があるので充分な注意が必要です

金利と金利差について、あと一点お伝えしたいことがありますが、長文になってしまったため次回に持ち越します、ではでは


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ドルとランドを交えて外貨のお話-南アフリカランドの金利

2007-03-13 11:02:06 |   -【特集】ドルとランドで外貨の話

トウキョウフォレックス プレゼンツ
本日の「ランドル円相場」=277.69
(10ZAR=160.00)+(1USD=117.69)
 

昨晩は対円通貨が急落してヒヤリとした瞬間がありましたが、少し持ち直しました。ランドル円も昨日よりは下落しましたが、先週に比べると良い水準をキープしており、先週平均比では依然として高い価格を維持しています。
これまで溜め込んだりんご(ドル)とみかん(ランド)ですが、値下がりは嫌ですが新たにランドルを買う段では高いのは嫌ですよね。

さて今週は金利のお話ですが、今の南アフリカの政策金利はTFnsの「各国政策金利一覧」で確認できますが、何と驚きの9%!!トウキョウフォレックスが扱う通貨の中では最高金利となっています。


一方、米ドルは比較的馴染みがあると思いますが、5.25%となっており、本邦日本円に関しては利上げされたとはいえ、依然として0.5%とスズメの涙状態(←これはヒヨコの涙ですが・・・)です。


この政策金利は預金を考慮する際に重要な目安となりますが、必ずしも一致していません。ただし、全く異なる数値が適用されることもあまりないケースなので、政策金利を参考値として考えても概ねOKです。

日本円を支払って外国通貨を持つということは必ず
①金利が発生
②為替差損益
の2点が発生します。

もし、現金でタンス預金ということになれば①の金利は発生せず、②のみがリスクとなります。ですから、外貨MMFにしろ外貨預金にしろ、外貨の資産が発生するということは必ずこの二点の問題と取り組まなければいけません。


ただ、①はいずれにせよ受取となるので、そこだけを取り上げすぎて問題となるケースが後を絶ちません。必ず日本円に戻すときには②を考慮しなければならず、極端な例ではドル金利が500ドルついたのにドルの価値が値下がりし、受取った総額が預ける際に支払った日本円より少なくなっていた…ということは充分にありえます。

良く覚えておかなければいけないことはこの場合、金利収益はプラス 為替差損益がマイナスで、為替差損益のマイナスが金利収益を上回ってしまった結果です。
つまり、いくら外貨預金といえども為替を無視して考えることは基本的にはあり得ないということです。

上の例で、もし為替差損益が収益となっていれば、金利収益にその分が上乗せされることになり、このときだけは「外貨預金ってこんなに儲かるの~!?」ということになってしまうのですが、決して金利だけでそうなったわけでは無い事を把握しなければいけません。

さて、ランドの金利は年9%でした。一日分の金利は、一年分の利子を365日で割ると目安になります。1ランドの1年間の利子は0.09ランドですから、0.09/365が1日当たりの利子です。
金融市場では土、日も金利が掛かるので一週間は7日で計算してOKです。従って、先週の1ランドの利子は0.09/365×7=0.00172602738…ランド、となりました。
9%でこの数字ですから、0.5%の日本円は…まだ基本的には無いに等しい状況であることがわかりますね(トホホ)。

ただし、10ランドで小数点が右に一つずれ、100ランドで2つ、1000ランドでは1.72602738…ランドの利子収益となり、1ランド16円で計算しても1週間で27円となります。10,000ランドで270円 100,000ランドで2700円といった具合です。

金利の世界はこのようなミクロの世界になりますので、それなりの投資効果を生むためにはそれなりの金額を預けなければお話になりません。
ただし、冒頭にも申し上げたとおり、外貨には②が常に伴い、金額が大きくなった時に値下がりすれば大きな痛手を負うことになります。1ランドで50銭の値下がりを起こした場合、100,000ランドで5万円の損失となり、実に18週以上の利子利益に匹敵します。

昨日は先週に付いた1ランドルの利子についてお話すると申し上げましたが、あまりに少ないお話なので割愛しますが、為替差損益は少なくとも1ランドルに対して数円という現実的な額になっています。これだけを見てもフロー損益が外貨運用に与えるインパクトは大きいということはお分かりいただけたのではないでしょうか。