外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

USDJPY 1月総括 2月のドルは売られ気味に推移するもドル円は底堅くクロス上昇か

2008-01-31 23:09:36 |    -ユーロ円

昨日のFOMC後の相場は意外な動きでした。

マーケットでは追加利下げは織り込み済みというコンセンサスで満ち溢れ、話題は25bpか50bpかという中で、ドル円は上昇。ストレートはどちらかというとドル売りを維持している状況でしたが、早朝に発表された結果は50bpの追加利下げということで、ストレートは上昇さらに上昇。

しかし、さすがのドル円も下値支持水準を割り込むと一気に流れはドル売りとなり、余りに素直な反応に対しては、それまでのドル買い何だったの??
という感じです。外貨需要の噂は月末にはつきものですが、便乗派が一気に投げてきたというところでしょうか。

さて、2008年1月の相場は、ドル円など数年ぶりの円高を記録するなど話題性はありましたが、年明けの下落に乗れなかった場合は、下がっているのに売れば戻りという展開にさほど大きく収益が望めない結果だった気がします。
個人的には、本当の大底を売ってどうにかかわしたという、先っぽでの短期取引でどうにか逃げることが出来ています。

ユーロはいつポンドを追いかけるのか、たまに参加しては損失を計上するなど底は固かったイメージです。結局、気がついてみると1.49台中盤に手がかかるなど、史上最高値まで後少しという水準の中、1.4866以上で本日を終れば、終値ベースでは史上最高値という日になります。

ユーロ円も月末の終値が155円以下ならば売りに勢いがつくところですが、さすがにこの水準ですと仕切り直しかという感じで、下落するにせよもう少しエネルギーの蓄積が必要な様子です。

来週には欧州中銀の政策金利発表を控え、少し前までのコンセンサスは利下げでした。あと1週間の中で噂は二転三転しそうですが、クロス円は利下げの事実を経験するまでは、底堅い動きをするのではないでしょうか。


USDJPY 円高の調整が先行か 本流はドル売り維持でも戻り高値を摸索

2008-01-29 22:14:51 |    -ドル円

非難資金がレパトリへ向かっている感覚があります。

欧州通貨はドル売りの流れを継続し、ポンド、ユーロ共に利下げが織り込まれる中で上昇を継続しています。

株も相変わらず乱高下をしていますが、下値を更新し切れない中でやや冷静さを取り戻している様子で、強烈な下落が確認できなければ据え置きもあり得るというところでしょうか。

いずれにせよ今回の株式などリスク投資先からの逃避先としては、円が選好されたことから円高がテーマでした。しかし、このところ乱高下をする中で一旦は底堅い動きを見せており、短いところから時間切れによるオシレーターなどの上昇が見られます。

円に回避していた海外資金ですが、もともと欧州からのモノも含まれているとすれば、対ドルで持ち直している状況下では、一旦円を引き上げで戻るべき欧州へと回帰している可能性も見えてきます。

今回の円高の発端では、他の通貨がドル売りの中で頑固なドル買いを演じた経験があるドル円ですが、フェーズとしてはそのような展開がありえそうな感じです。

ドル円は先ほど小さく上方へブレークし、107円台を覗きました。短期的に三角に収束していましたが、とりあえず上昇へのセンチメントが先行しているようです。


ZARJPY 14円台ミドルから15円台ミドルを乱高下

2008-01-28 20:39:26 |    -南ア・ランド円
ランド円は安値を更新して、2006年4月17日週の高値以降の揉み合い期間では、最安値を記録するにいたり、今ひとつ高金利パワーを発揮できないステージが継続しています。

安値以降は15円の中盤へと非常に短時間で上昇しましたが、結局は陰線にて先週を引けており、弱気という結果となりました。

周知のとおり、ランドは対ドルでも弱い立場にあることから、その傾向を対円で増長させている状況ですが、理由はどうであれ、金相場の底堅さが唯一、下値支持として機能している状況です。円高圧力は解消されないものの、少しずつですが変動率を下げつつある状況下で、ドルランドでもドル売り基調が復活すれば、上昇のスパイラルへと入る可能性はいつでもありそうです。

1ランド15円として、11%は165銭です。実質金利を10%と想定しても、1.5円の為替利益は概ね1年間の金利収益と概ね同等です。乱高下する中で、これに近い動きが出てくれば、一つの利益確定の目安となりそうです。

USD ドル売りは順当 対円は下落済みで余地が少なく結果クロス円反転

2008-01-25 20:12:01 |    -ドル円

ドル売りは意識しながら、アジア欧州時間ではドル買いを想定しましたが、そのまま上に抜けてしまいました。ドテンまでを想定しておけばよかったのですが・・・結果的にはポンドドルがストップアウトです。

数日前まで継続したドル円でのドル売りが一巡し、今度はその他のストレートでドル売りが発生している状況下で、クロス円は計算値で上昇しています。
ここへ来てインフレをネタにした欧州の“口先介入”が功を奏した形で、クロス円のクラッシュをどうにか回避して一服感があります。

それに加え、月末の投信設定による本邦機関投資家の買いなどが華を添えている状況で、この時期だけは深夜のロンドン仲値に恐怖感があります。
また海外企業の新規会計年度で一ヶ月が経ち、資金計画などが立ってくる中で、値頃感と低金利定着が鮮明になってきた日本円は再度、格好の資金調達先として選好され始めている可能性があります。

円建て債券の発行を報じるニュースを散見しますが、日本で資金調達をする行為は円のキャリートレード再開を匂わせるところです。昨年利上げし損ねた日銀がデフレをネタに虚しい利下げ示唆を繰り返しており、こちらもキャリートレードの雰囲気へ華を添えています。

ただし、昨年の8月の悪夢以前のように外貨金利は上昇傾向にはありません。もろ手を挙げてのクロス円買いには未だに賛同できずにいます。

そもそもポンドが対ドルで買われているのは、ドル売りの何ものでもないという感覚がぬぐいきれず、決して世界のマネーフローがリスク投資への回帰を始めたとは考えにくいところです。ドル円相場がドル売りに同調し始めれば、どうしてもその影響が強くなると考えています。

軒並み値上げを宣言している国内産業を見るに付け、デフレを連想できないのは私だけではないと思います。利上げという選択肢がありえなくなってきた以上、円高は資源インフレを抑えることができる唯一のファクターであるだけに、この流れの維持は個人的に歓迎しています。

週末要因もあり、相場観と合致しない相場は見送りとさせていただき、一命を取り留めているユーロドルに託してみます。良い週末をお過ごし下さい。


GBPUSD フランス系銀行の損失報道には無反応 クロス円は売り疲れか

2008-01-24 17:27:52 |    -ポンドドル

昨日の対円クロスの下落は、下値を更新するなど一瞬は暴落の再来かと思うほどでしたが、本日は随分と戻されています。株価の上昇が好感されている形です。

朝方は、何やら金融株が先導して上昇したとの噂が流れてきましたが、先ほどフランス系の大手銀行が大規模な損失を計上し、資本増強の要請がなされた旨のニュースが飛び込んできました。

市場の厚みが増すのを待っているのか、織り込まれていたのかは定かではありませんが、不気味な沈黙が続いています。

昨日はユーロドルの戦略を摸索してみたのですが、1.45を割れずに上昇。イメージは合っていましたが、捉え切れていません。下落した場合のユーロ買いは一旦キャンセルし、戻り売りを維持しようかと思います。

そのほかに何か入り易そうなペアを探していましたが、ポンドドルの短期戦略を摸索してみます。

とりたてて材料はありませんが、概ね底値圏での推移であるにも関わらず、かなり安定して?ホバリングを続けている様に見えます。
短期で突っついてみて価値は充分にありそうです。


EURUSD FRB緊急利下げに市場は混乱 ドル売りベースが基本に見える

2008-01-23 21:55:41 | ☆相場分析-ユーロドル

昨夜の緊急利下げには度肝を抜かれました。

株式市場への対策に見えますが、利下げはFXにとって売り材料であり、余計に混乱している現状です。直後の動きは、とりあえずのポジション調整が先行した形となり、クロス円が全面的に円売りとなって上昇しました。ダウは下げ幅を縮小したものの、結局前日比マイナスで終るなど一概に景気刺激策が素直に好感されきれなかった形です。

しかし、東京市場に戻って来ると、株式市場は前日の安値引けからはさすがに持ち直し、ドル円が上昇気味に推移した結果、クロス円は上昇を継続する形となりましたが、それも午前中まで。夕方にはECBの利下げの噂(これも緊急利下げ?なのでしょうか)などでユーロが売られるとほぼ円が全面高となり、幾つかのクロス円は緊急利下げ前の水準或いはそれ以下にまで値を下げています。

昨夜の動きで目先のロングポジションが積みあがり、この辺りで投げてきているように見えますが、午前中の上値には不信感が残ります。

対円は明らかにどのペアも金利差が縮小する傾向は否めず、戻ったところではまとまったヘッジ売りが控えていたなど、見てはいけなかった何かを見てしまった時のリアクションに酷似しています。

基本はドル売りで問題ないと思いますが、ドル円の下落バイアスに比べ、今後利下げが相当織り込まれている欧州通貨の上昇バイアスとでは、明らかに円高が強く作用してしまうのでしょうか。

或いは、欧州時間帯での欧州通貨売りは欧州自身の売りだとすれば、自国経済への不安感は自国が一番強いように、時間の推移と共に“自国”も推移する為替では、その国の通貨が売られる傾向があるかもしれません。NYK時間でもしもダウが下落を強めたとしてドル売りが加速すれば、ドル円は下落しますが、欧州通貨はやや上昇気味に推移するかもしれません。
上昇しきった辺りを上手く売れれば、東京市場でのクロス円売り、欧州市場での欧州売りが機能することで、ストレートの上昇リスクに対しては比較的安心感が出るような気がします。

ドル売りをベースに考えたとしても、結局売り切れないシナリオになること自体、様子見相場なのでしょうか。クロス円は戻り売りを意識します。

ユーロドルの金利差体系が逆転しています。ここまでユーロドルは売っていれば僅かなスワップを受けられましたが、本日からは僅かですが支払に転じますのでご注意ください。


EURJPY 暫定目標を達成し週明けNYK待ち 重要指標待ちと同様の注目度で調整先行

2008-01-22 22:07:49 |    -ユーロ円

エントリーは上手く行かなかったものの、目標値を達成し次のターゲットを意識してましたが、余りに株式市場が崩れて世界株安の様相を呈する中で、さすがに円も買い進めないリスクも表面化しています。

再三囁かれているFRB緊急集会の噂は、協調利下げにまで発展し、さすがにロングウイークエンド明けのNYKの株式市場のファーストアクション、および中央銀行のコメントを待ち望んでいる状況です。重要な経済指標並みの注目度となり、さすがにイベントリスクを回避する行動が先行し目先反転している状況です。

ポンドドルは最高値からはそれなりの下落をし、中期的にも久しぶりに下落を示唆する状況の中で、ここに来てユーロドルの下落も進んでいるものの、ポンドと比較すればまだまだ高値圏での揉み合いの最中という印象です。
ユーロ円は、長期のチャートが下落のサインを示したことで、マクロ系までがユーロ円を売ってきているとの噂が聞こえてきていますが、ここ2日の印象は、150円手前の買い意欲も依然として固いといったところです。

155円割れで下げ幅を拡大したユーロ円ですが、今週中に2番底となる150.70-75円を下回るか、終値が154円台前半を実現できなければ、暫く戻りを試す展開もありえそうです。

ドル円相場が、各クロス円やストレートの外貨売りを主導してきましたが、余程のことが無い限りここから更に引っ張り続けるのは次第に厳しくなりつつあります。
再三説明している様に、ユーロドルで明確な売り要因が確認され、一時的にもユーロ売り相場が示現されないと、今回の下値押しはここまでとなる可能性があります。

売り戦略には特段の変更はありませんが、戻し相場での売り場を今のうちに押えておく作業は、無駄にはならないと考えます。


株価が底なし沼へ(雑感)-後編

2008-01-22 18:35:12 | ☆外国為替から離れる(雑感)

サブプライム問題が発覚する以前からも、ユーロやポンドではドル売りが加速していました。当時はBRICSの繁栄を背景にした資源高から、金利上昇の線路をまっしぐらに突き進んでいましたが、日本はキャリートレードの夢から覚め切れず、ドル買いを継続していました。その間に海外の正当な投資家は、対円でもドルを相当売りこんでいたはずです。

昨年の七夕のころ、金融機関のディーラーたちと会する機会がありましたが、一様に円安のクラッシュは近い旨が話題となっていたことを思い出します。

こう考えると、既に十分な為替による円収益もさることながら、ここまで下げた株価に対していつでも買える準備が整っています。彼らは恐らく、日本の株価が砂上の城であったことは判っています。本来、国内への投資が十分に向いていれば、彼らも自分たち以外の存在を意識せざるを得ないはずですが、幾らで何をどれだけ買っているのか、自らのことですから良く判っています。

とりわけ株式という発行部数に上限がある取引対象は、為替とは違ってコントロールし易いことから、何かの底に突き当たるまでは手を緩めないこともありえます。こうした動きに対抗できるのは、いよいよ真の投資を理解されている、目の効いた真の投資家の出番かもしれません。(了)


株価が底なし沼へ(雑感)-前編

2008-01-22 12:38:14 | ☆外国為替から離れる(雑感)

このところ、株価の下落が勢いを増しています。要因はそれこそ複雑多岐に及んでいますが、確かに、サブプライム問題が明らかになりリスク投資からの引き上げや、ひいては米国のリセッションの可能性が揶揄され始め、株価の上昇の要素が見当たらない状況です。海外株式投資は世界的な視野でもリスク投資である認識が必要です。

もちろん、日本の政治不安や米国大統領選などで、一旦は持ち高を減らすなどのレパトリの傾向とも重なって、株式売りの流れが加速したのは事実でしょう。また、国内の目から見れば非常に些細な出来事かもしれませんが、案外と重要な要因となっているのは、某放送局のインサイダー疑惑であり、外国人投資家の信頼が一気に失われつつあるのは事実に違いありません。先日も触れたとおり、2003年4月末からの上昇回帰の流れでは外国人投資家の介在を抜きに語れないというのは周知の事実であり、かれらの行動に伴う影響は考えざるを得ません。

海外ファンドといえば、一時は“ハゲタカ”と呼ばれるほど、場合によっては乾布なきにまでトドメを刺してきますが、投資教育が発達している海外の正当な投資家は、投資モラルがある代わりに、いわゆる“ズル”に関しては非常にシビアな対応をします。例え今回のお話が国内株のことだとしても、外国人投資家にとっては、そんな国の株など買っていられるか、ということになります。SECなどの調査行動が本格化するなどの対応が求められ、少なくとも何もしない限り、敬遠気味になるのは避けられないかもしれません。(続)


ヘッドアンドショルダー 【Head & shoulders (H&S)】

2008-01-21 20:30:36 |   -FX実用相場用語

パターン分析の一種で、一つのセッションとしての上昇(下降)相場で、このパターンが出現してネックを抜けた場合、本格的な相場反転となり易い、というもの。坂田五法的に言えば「三尊」にあたる。下落相場で下値に現れた場合は、逆ヘッドアンドショルダーなどとも言う。

AとE,BとDが概ね同じ水準であり、A-CとC-Eは正対照であればあるほど、反転の可能性が高いとされる。BとDを結んだ線をネック(ライン)といい、これまでの流れと逆の方向へここを抜けると、反転開始のシグナルとなる。パターンを完成しても、抜けなければ流れを継続し、EおよびCを越えた時点で、トレンドの継続となる。

CとBまたはDとの価格差分が、一先ずの反転のターゲットとなる。波動論として最後の逆波動(これまでのトレンドを正波動とするなら)C-Dを第一波動としてD-Eが第二波動とすれば、E計算値がこの場合で、当然ながらV計算値やN計算値がその前のターゲットにもなる。

ネックラインが上昇、または下落となっている場合でも概ね該当するが、余りに傾きがある場合は、普通のトレンド補助線のブレークと同じことで、あまり難しく考える必要はない。その際のターゲットは、ショルダー分のブレークはチャンネル幅に相当し、最大でヘッド分がターゲットとなるのは、トレンド分析を理解していれば、当然となる。



こぼれ話

トップでもボトムでも、途中の踊り場でも、この形が出現した時は要注意で、ネックを割れたほうに当面は向かうと把握したほうが良さそう。たまたまトップやボトムに出現すればネック割れ=反転となるわけだ。下落途中でも上向きのH&Sが出来る場合があり、これもネック割れで割れた方へ変動するが、これまでのトレンドと同じになるため、反転という表現が使えないだけ。