外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

(決済)応答日(バリューデート)【VALUE DATE】

2014-07-24 12:26:16 |   -FX実用相場用語

外国為替のスポット取引で、実際に資金授受を行う場合の資金決済日のことを指す。

外国為替取引では常に2通貨が絡むため、各通貨の中央銀行が営業日となるような共通する日にちで、且つ2取引営業日後となる日が、その日の取引の決済応答日(バリューデート)となる。この決済応答日は金利計算をする場合の基本日となる。

つまり24時間市場である国際金融取引では、時間軸が様々な取引日を統一して実際の資金決済期限を設ける必要がある。

主なルールは以下の通り

・該当通貨国の土日祭日はバリューデートから除外
・米国の祭日が取引営業日2日後に該当する場合のみ営業日とカウントしない

米国の祭日は、証券業界が休んでも銀行業界が営業日であったり、その反対のケースもあり得るので注意が必要。

では具体的に見てみよう。(以下、14年7月24日、2006年3月6日記事の追記となります)

通常の場合



上のように、特に休日となる該当国が見たらない場合、順当に2営業日後がその日の取引のバリュー・デートになる。例えば7日取引は9日がバリュー・デート、8日取引は10日といった具合だ。週末を挟む場合、
10日取引は、2営業日目の14日がバリュー・デート
11日取引は、1営業日目が14日月曜となり2営業日目の15日がバリュー・デート
となる。従って取引を9日から10日に持ち越しただけで、バリュー・デートは11日から14日へと移るため、3日分のスワップポイントが得られる。11日取引は同じ週末を挟んでも、前日のバリュー・デートから1日しか進まないため、10日から11日へとキャリー(持越し)しても、スワップは通常の1日分しか得られない。

14日月曜日が日本の休日だった場合のドル円応答日



11日がバリュー・デートとなる2日前の9日取引までは通常通りだが、では10日取引のバリュー・デートはいつだろうか。

 先ず、ドルを考えた場合は休日もなく14日が相当するが、円を考えた場合2営業日目の14日が日本の休日であることから、翌15日が2営業日目となる。従って、両方に共通の最短日は15日であることから、10日取引のドル円のバリュー・デートは15日となる。つまり、9日取引を10日に持ち越すだけで、バリュー・デートは11日から15日となり、ドル円取引のスワップは4日分になる。

ドルのバリュー・デートの復習



では少しルールが異なるドルのバリュー・デートについて復習だ。

10日がアメリカの休日だった場合、9日がバリュー・デートとなる7日取引までは通常通りだ。次に、8日取引のドルのバリュー・デートを考えるが、2営業日後の10日当日がアメリカの休日に当たるため、翌営業日の11日がドルのバリュー・デートになる…ところまでは他の場合と同じだ。

しかし、9日取引のドルのバリュー・デートを考えた場合、通常であれば丸々2営業日が必要なため14日になるはずだが、ドルの場合、バリュー・デート同日が休日に当らない限り、間に来る休日は営業日としてカウントする。従って、9日取引のドルは11日が応答日となる。

ここでドル円の取引を考えた場合、7日取引を8日にキャリー(持越し)すると、バリュー・デートは9日から11日に進むため、ここでスワップが2日分となる(⇒早速訂正します…が、8日取引を9日にキャリーしてもバリュー・デートは同じ11日となるためスワップポイントは0日分となる)。
ところが、9日取引のドル円について、ドルのバリューは確かに11日だが、円の場合、どちらの通貨当局も完全に休日とならない限り、営業日としてはカウントしないため、10日は営業日にはならない。従って9日取引のドル円のバリュー・デートは14日になり、8日の取引を9日に繰り越すと、バリューデートは11日から14日に移るため、スワップポイントは3日分となる。
その代わりに、10日の取引のバリューは14日となり、9日取引を10日に繰り越しても、バリューデートは動かず、スワップポイントは0日分となる。
そして、11日以降の取引からまた通常通りに戻るという訳だ。

クロス取引のバリュー・デート



では上のように各国の休日が並ぶ場合の、ポンド円のバリュー・デートを考えてみよう。

その前に、重要なポイントとして銘記すべきことは、国際的な取引における各通貨のバリュー・デートは、常にドルの応答日を考えなければならない。対ドル相場が重要なのはこんなところにも理由があるのだ。つまり、ポンド円というクロスを取引する場合、ポンドと円に加えてドルを考慮する必要がある。

では早速、8日のポンド円取引のバリュー・デートを考えてみよう。

ドルは、2営業日目の10日が休日となり翌11日が応答日
ポンドはドルも考慮する必要があり、2営業日目の10日がドルの休日、翌11日がポンドの休日となり14日が応答日
円はポンドとドルを考慮する必要があることから、2営業日目の10日がドル、11日がポンド、14日が円の休日となるため15日が応答日

つまり共通の最短日は円の15日であることから、8日のポンド円取引のバリュー・デートは15日となる。
従って、ポンド円取引を7日から8日に繰り越すだけで、バリューデートは9日から15日へと進むため、何とスワップは6日分だ。

次に9日取引のバリュー・デートだが、
ドルは間をカウントするため11日
ポンドはドルを考慮すると、10日がドルの休日、11日はポンドの休日となるため、1日目が14日、2日目が15日
円は1日目が15日となるため、2日目は16日
よって、9日取引のポンド円のバリュー・デートは16日となり、8日から9日へ取引を繰り越すと、スワップポイントは1日分となる。

更に10日取引のバリュー・デートだが、
ドルは14日
ポンドは15日
円は16日
よって、10日取引のポンド円のバリュー・デートは16日となり、9日から10日に繰り越すとスワップポイントは0日分だ。

最後に11日取引のバリュー・デートは、
ドルが15日
ポンドが15日
円は16日となり、
11日取引のバリュー・デートは依然として16日となり、スワップポイントは0日分となる。

ちなみに14日取引も16日だ。

こうしてみると、ポンド円は9日に取引すれば、14日取引までバリューデートは16日で動かないため、取引は極端に細る可能性が高くなる。逆に、繰り返しになるが、7日取引を8日に1日繰り越す(究極的にはNYK時間の17:00をまたぐ)だけで6日分のスワップが付くため、7日の取引は非常に底堅い動きになることは予想がつく。いきなり6日分のスワップがつくタイミングはあるが、その代わりに3日間0日分となる日が続き、結局は通常の週末絡みで3日分という数字に落ち着く。いや、金利なので落ち着かないと困る。


総括
FX市場は例え日本が休日でも市場は繋がっており、14日は在日金融機関は休みでも、証拠金取引市場は取引を行っている。

まだまだメジャー通貨の低金利時代は続きそうであり、スワップポイントを気にする地合いではないが、高金利通貨が絡んでくると今でも少なからず影響はある。今後、世界的に利上げのスパイラルが到来すると仮定した場合、為替取引を極めるためには、こうしたバリュー・デート管理も重要なファクターになってくる。(以上、14年7月24日追記)

≪注意≫
以上の追記内容は、筆者が知り得るルールに基づいて説明しています。FX事業者によってスワップポイントの付与の仕方が異なるという話を聞いたことがあります。実際にこのような各国の休日が連続するような場合は、皆さんがご利用の事業者によくご確認ください。

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1 コメント

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早速訂正です (浅野)
2014-07-24 12:59:22
大変失礼しました。日本は完全に何もない日以外はカウントしないはずでした。遠い記憶で混乱し、お詫びします
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