外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

7月9日の海外時間から本日10日東京午前までの為替市場総括

2009-07-10 15:59:19 | ☆外国為替を読む

隙を突かれた先日の円高相場だっただけに、午前中はさすがに反発相場となりましたが、滑り落ちた背後の壁はあまりにも高く、ドル円は93円台前半での小動きとなりました。

一方、その他の対ドル通貨ペアは、円が売り戻されるにつれてクロス円上昇に牽引された形となって上昇相場となり、東京時間の午後に入っても、ドル円が足踏む中で順調に上値を切り上げました。

欧州市場

日経平均が前日比で130円近い下落で引けていたため、市場は再降下に備えて身構えていた観もありましたが、思いのほか無反応で欧州時間を迎えました。欧州市場はBOE(イングランド中央銀行)の政策金利発表を控えており、それまでに発表された経済指標には基本的に無反応でした。

その後、為替相場はやや乱高下するのですがBOEの発表内容への判断が交錯していたようです。

BOEの金融政策発表に際して、政策金利は据置きとの予想が大多数でしたが、資産買い入れプログラムについては増額の可能性を予想する向きもありました。
このところ悲観色が強かった市場は、債券市場に回避する資金に加え、緩和政策期待の思惑による債券買いがあったのかもしれません。このところの利回りは低下してLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)は底値に張り付いており、欧州売りの一材料になっていた観がありました。

政策決定の内容ですが、金利、買入れプログラムともに据え置かれました。

債券市場は思惑買いの売り戻しに加え、クレジットリスクが遠のいたとの判断からか、下落相場となって利回りが上昇したことが、ポンド買いの一材料として浮かびます。また、緩和策を強化するほど悪い状況ではないとの判断があったとも考えられ、株式市場に資金が向かいやすくなったとの想定も可能です。

一方ポンド売り要因として、G8会合からは楽観視を戒める内容のコメントが散見される中で、緩和策据置きは時期尚早との判断も想定できることから、悲観的なドル買いポンド売りにつながった面は否定できません。

米国市場

このように一時的に乱高下した相場でしたが、NY市場を迎えて発表された各指標は、前日の調整を促すには十分の内容となったようです。

失業保険の新規申請は縮小し、企業在庫の調整も進んでいることがわかり、為替市場だけにとどまらず、ここ数日の行過ぎた思惑によるポジションはそれなりに解消された印象があります。その後のNYK為替市場は引けにかけて急回復した相場を調整しながら終わっている状況です。

本日東京市場午前

続いて、本日7月10日午前の東京外国為替市場ですが、
海外からの調整相場が思いがけなく延びており、昨夜最後に上昇した値幅を概ね打ち消す展開となっています。


株式市場も海外の流れを受け、堅調に始まった模様ですが、その後の伸びはなく、前日比で概ね横ばいで前場を終わっています。

市場は、円高にバイアスがかかった途端の円売り相場に、まだ困惑しているようにも見えます。
週末でもあることから、今後もポジション調整的な上下相場が想定されそうです。また、週末要因に加えてこのところの乱高下によって周辺のオーダーはかなり掃けていることが想定できるので、オーバーシュートし易い地合いを心得て相場に望んでください。昨日の動きは調整と考えており、基本は円高であると認識できそうです。